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2018年5月24日 (木)

信州塩尻・笑亀“味噌麹”造りの日本酒。

 
 
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調べれば…、
えー…、ええ、調べれば、
また実際にウェブ検索を掛けますとてぇと、
「SAKETIMES」の取材があったご様子でして、
詳細な事柄が書いてありました。ええ、知ることが多かった。
…だ、けれども。
(ここで、グッと右腕を胸元へ振り上げる)
 
これを参考に書いてしまうと、せっかくの面白みが薄れてしまう様に、
こと「酒 宗夜」としては、つまらねぇんじゃないかー…なんて思っております。
 
ねぇ、だって情報は情報で得ておくべきですけれど、
何でも、“使い様”ってぇモノは、
やっぱり肝になって来るのでございましょう。
 
伝えたいことは、笑亀・森川杜氏の挑戦、その心意気と…
それによって生み出された日本酒は、とても興味深いものだった…と言うことです。
 
そう、そうなんです。
「広告」であれば詳細に書かなければならない所もございますわ。
タイトルも「日本酒」ではなく、「本醸造酒」なのか「純米酒」なのか、
そう言うことにこだわらなくちゃいけない。
 
ね、これはブログ「酒 宗夜」と申しまして、何でもない訳なのでございます。ええ。
“世の中ついでに生きている”…落語の中の名文句。これです。
 
ただただ、アタシ自身がとてもとても楽しんだ、
面白いと思ったとお伝えしたいので、お喋りをする、
そして、それを読んで頂く…ただそれだけ、とても単純なものでございます。
 
面白いと思うことへの興奮が、どうか読んで下さる方に伝わりますように。
「日本酒を楽しむ」ことへ、興味を持って下さいますように。
 
気楽なところがよろしいんじゃないか…ってンですが、
さぁ、一生懸命に申し上げます。
どうぞ仕舞いまで、よろしくお付き合いのほどを願っておきますが…。
 
 
 
 
5月23日、自宅での晩酌にて。
 
第一報は、東京・大塚の「地酒屋こだま」さんのTwitterでした。
取り扱いのある笑亀酒造に、ちょくちょく顔を出して下さっていて、
こう仰っておりました。
「今年は、もっと面白いご提案が出来るんじゃないか」と。
 
「なんだろな」と思う訳です。
それが、たぶん「味噌麹造り」の日本酒だったんじゃないかなぁ…と今を以って思います。
 
日本酒の醸造は、麹が命とされております。
酒の母と書いて「酒母(しゅぼ)」を作る時だって、
麹が使われますし、麹の発酵によって日本酒は生まれて行きます。
現代と言うものは、清酒用の麹がちゃんとあって…
難しく言えば生物学、微生物学…
伝統と革新の世界で、清酒に適した麹を使うことが当たり前です。
だって、清酒に向かない麹では発酵力も弱く、
良い酒に仕上がらない…なんて言うことは、道理ですもんね?
 
麹は種麹、もやしと呼ばれる菌を蒸米に振り掛けて、
米に菌をはびこらせ、成長させて仕上げるもの。
 
日本酒の製造過程で、
寝ずの番だったり、納豆を食べない、
ミカンを食べない…なんて言うイメージ、条件は、
麹造りの過程で特に関わって来るものなんですな。実は。
 
種麹を増やしたいところ、
繊細な温度、湿度管理をする訳で、
理想的な温度経過をすれば良し、しなければ寝ずに面倒を見る…
納豆菌、ミカンに付く青かび菌は強力なので、
日本酒の種麹に勝って繁茂してもらっては困るから、
室には入れない…そんなところで。
 
とにもかくにも、麹と言うものは清酒造りにおいては大切なものなんです。
 
これを「味噌用の麹」に変えると、どうなるのか。
 
清酒的な発酵が変われば、味わいも変わるでしょう。
生み出される味わいは、きっと今まで飲んだものとは異なるのでしょう。
そう思うと、とても興味が湧いて来ます。
 
焼酎用麹で醸した日本酒は、何年も前からあって、
その風味は、やっぱりまた別の雰囲気なんです。
日本酒を蒸留したものが米焼酎である訳ですから、
何となく、無理な話ではないとも思う。
 
味噌麹は前例を伺ったことが無い訳で…
前例が確認できないと言う事は、そこに可能性もあれば、
不可能で終わるかも知れない危険性もある訳です。
そこにあえて挑戦して行く心意気が、実に素晴らしい。
 
不可能、出来ない…と言っていては何も出来ないままです。
挑戦することで、結果は失敗しても、過程で得られるものは財産です。
 
「味噌麹造り」と言う日本酒を飲むことで得られる経験もまた、
必ずや財産になる…それも飛び切りワクワクとした…
SNSでボトルの写真を拝見するや否や、
即座に蔵元に電話をさせて頂いて、入手のお話を取り付けました。
蔵元は本来17時までの営業ですけれど、
定時ダッシュをした自分が着く18時まで開けておいて下さるとのこと。
たいへんありがたい事です。
その節は、ありがとうございました!
 
 
 
家に持ち帰り、早速飲んでみます。
想像する味わいからも冷酒温度ではなく、常温が良かろう…と判断しました。
 
当日のTwitterから、見て下さいまし。
 
(1)
今晩は、信州塩尻・笑亀の味噌麹仕込み!
これ、すごく面白い味わいです。
コハク酸かなぁ…熟成していない若さもあるのに、
旨味のボリュームが素晴らしく強くて、ミネラル系でない、
旨味が柔らかくしっかり。
上立香には、若くメロン感も少しあって、実に興味深い!
 
(2)
日本酒の熟成って、酸、アミノ酸の変化がある訳ですよ。
味噌麹を使う事で、酸の組成がたぶん清酒用とは異なって…。
近いと言えば、生もとより、
自然酵母仕込み系に近いニュアンスがあります。
全体に綺麗なのは、森川杜氏の勘所なんだろうなぁ。
今、すげー森川さんに会いたいや。これは、意欲作!
 
(3)
面白い!日本酒って、やっぱり面白い!
都合、信州塩尻・笑亀、岩手・赤武、群馬・群馬泉と飲み比べると、
もう、カオスですよ、カオス!
こんなに日本酒って楽しいんだぜー!
味わいなんて、探せば探すほどあるに決まってるのに、
ちょっと狭く思っちゃっていたなぁ!
 
…以上、3連投。
 
コハク酸については、
「笑亀」蔵が醸す「貴魂」シリーズでの経験が生きますね。
日本酒の酸を表現したいと、
乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸を特長として押し出して醸したシリーズ。
この中のコハク酸のボトルの味わいに、どこか近いイメージが湧きました。
 
「笑亀・味噌麹造り」の特徴的な味わい、
テイスティングメモは、このあとに書くとして、
岩手・赤武は純米吟醸生酒でして、
とても綺麗で、ほんのり甘くて、流行…実際に「赤武」も、
日本酒の業界の急成長株として有名な銘柄で、
「なるほど、これは流行る」と言う明朗で清々しい酒質。
群馬・群馬泉は特撰純米で、熟成酒です。
これと味噌麹造りの日本酒を比べると、実に面白い。
群馬泉の、酸がまろやかに変わった雰囲気を感じると、
「あ、笑亀のお酒はまだ若いんだ」と思う事が出来ます。
味噌麹が生む「旨味」の世界観は、熟成感をも超越して来るのか、と。
 
三者三様、でも全て間違いなく日本酒。
 
いやぁ、楽しくてたまらない!…と昨晩は少し飲み過ぎてしまったくらいで。
 
 
 
 
以下、味わいながらメモを取ったものを。
 
 
 
上立香は、とろっとして甘い雰囲気。
クリーム感。少しのオイリーさ、メロンっぽい香。
 
飲んでみて…
 
…?
 
なんだろ、柔らかく、前半にメロンっぽさがある。
塩でもない旨味。味噌に近い…いや、その…なんて言うのかな、
頭で飲む様な意味合いの味噌の連想ではなくて、
中野市・中野醤油で言う、特吟味噌に匹敵する旨味の量と言うか…
他の味噌と比べて、明らかに旨味要素が強いそれの、
味噌の匂いとか香とか、そう言うものでなくて、
塩っぽい、ミネラル、海塩系でなくて、旨味がある気がする。
 
料理をする方なら分かると思うんですが、
塩はあくまで味なんです。味があるんじゃなくて、旨味がある…
旨味調味料は上手に使うと、とても有能なんですが、
昆布など、旨味が出る食材の「ON/OFF」に近いニュアンス…
「旨味がある酒」だと思います。酒蒸ししたスープも旨味が強いでしょう?
 
後味に至るまでに、とても太く、酸の雰囲気で辛く感じる。
コハク酸の系統。ダシとか、そうしたものの旨味を感じる。
酸はたぶん高いと思うのだけれど、
旨味がそれよりも強く感じられて、太く広がって、ホワッと消えて行く感じ。
洗練可憐な岩手・赤武と、全然違う。
同じ日本酒かって思うくらい違う。
笑亀は、それこそ…先達てのコーヒー関連で、マンデリンについて、
焙煎士さんらが仰っていた、
「Earthy - アーシィ」大地っぽさを感じる。
茅葺の屋根、土間、囲炉裏…そうした田舎酒感の雰囲気。
リンゴ酸の様な華やかな香は目立たなくて、薄くメロン様の香が終盤にも届く。
 
香には若さがあるけれど、
苦味はほとんど無く、渋さはあるけれど、
太さと旨味のおかげで感じにくく、
熟成していないけれど、まるで熟成を経た様な旨味があることが不思議。
 
「群馬泉」と比べると、
群馬泉は、格段に甘味、柔らかさ、和やかさ、滋味深さがあり、
熟成したお酒の良さ、全開。
そう、だからこそ…元々、今年の日本酒だって言っているんですから、
若くて当たり前なのだけれど、旨味で飲ませてくれている様に感じます。
冒頭の「辛さ」も、たぶん活きの良い酸の風合からでしょう。
 
YOKOさんは、少し苦手なタイプながらも、
山菜の水煮の苦味に合うと言っていたし、
味の濃いものにも、ちゃんと受け止めてくれそう…とのこと。
合わせると、より光るタイプと思ったみたい。
 
 
メモはここまで。
 
 
 
 
今回、自分は4合瓶を2本、購入しました。
ひとつは直ぐに飲み、
もうひとつは、もう少し瓶のまま寝かせてみたいと思っています。
「群馬泉」の様な熟成香が出る頃には、
また雰囲気、味わいが変わっているんじゃないか…と思うんです。
旨味がどの様な熟成経過を辿るのか…それは実に楽しみです。
 
手放しに、多くの人が「美味しい!」と答えるのは、
きっと「赤武」だろうなぁ…と思います。
ただ、「笑亀」も本当に良いお酒であろう…と感じています。
何より風合こそ、普段の日本酒と異なりますが、
雑味的な要素は感じられずに、綺麗な造りに仕上がっているのは、
先にTweetした通りで、森川杜氏の実力が発揮されているのだと感じます。
 
NHK朝の連続ドラマ「半分、青い」で、
「五平餅」がフューチャーされていましたが、
似たニュアンスを持つ「笑亀」は合いそうだなぁ、なんて思います。
YOKOさんの言う通り、味が強いものも良いでしょうし。
料理の濃さ、強さを受け止める力がありますね。
 
 
一般に、多数決をしたら…そうして「美味しい」と選ばれるお酒は、
「美味しい」ことには間違いありませんが、
それが絶対ではないんだ、味わいは、もっと多様性があるものなんだ…
…そんな風に思いました。
分かり切っているべき事なのだけれど、
日々の中で、どこか了見が狭くなっていてしまったみたいで、
日本酒の美味しさは、とても自由なものなんだと、改めて思います。
「絶対」に近い味わいの黄金比はあるのでしょうけれど、
人それぞれに好みがあり、好みは人生や生活の中で確立されるものです。
 
賞を取る日本酒だから美味しいのではなく、
 
その日、その時に美味しいと感じたのならば、全てそれは正しく美味しかった…と言うこと。
 
「美味しい」と言う事実は個々それぞれ平等にあり、
 
僕の「美味しい」と誰かの「美味しい」は違って当たり前で、
 
差があるからこそ、様々な日本酒との出会いが楽しいんじゃないか…
 
…そう思うんです。
 
 
笑亀蔵、森川杜氏に心からの感謝をお伝えしたい。
そんな心持ち。
日本酒をもっともっと楽しんで行きたいなー…なんて思い直しました。
 
さて、今日もたいへんに晩酌が楽しみになりまして…
 
ちょうど良い頃合、お時間となってございます。
本日は、ここでお開きとさせて頂きたく存じます。
 
長講一席、お付き合い頂きまして、誠にありがとうございました。
次回、お会いするまでの、皆々様のご健勝を…
美味しくお酒をお召し上がりになりますことを、
心からお祈り致しまして、暇を頂戴致します。
 
ありがとうございました。
 
 
ありがとうございました。
 
 
 
 
 
ありがとう、ございました――――…。
 
 

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