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2017年3月 2日 (木)

而今・写楽の山田錦を飲み比べる会。(2017年2月19日・厨十兵衛)

 
 
 
 
 
おいしいはおいしい。
 
で、
 
おいしいにも、違いはあるのでして。
 
 
 
 
 
 
 
 
えー、
誘惑箇所の多い中でございます。
いっぱいのお運び様で、誠にありがとう存じます。
気楽なところがよろしいんじゃないか…てンですが、
一生懸命、書いていく事としてございますンで、
どうぞ仕舞いまで、よろしくお付き合いの程を願っておきますが…。
 
えー、
本日は相変わらず、お酒呑みのお噂でご機嫌を伺って参ります。
信州松本、日本酒居酒屋と銘打ってございます、
「厨十兵衛」での日本酒会を語って参ります。
 
当日は、信州須坂の新崎酒店の旦那も遥々お見えになりまして、
華々しく催され、アタシなんかは記憶がどっか行っちまうくらいには、
たらふく美味しく頂戴しまして、翌朝は起きられないと言う、
派手な楽しみ方をした、派手になる前までの、ええ、
ごく落ち着いた、穏やかな、お酒呑みの飲み比べを楽しむ一席のはずです。ええ。
 
…これからだってのに、“はず”とか言っちゃいけませんな。
 
めいっぱい楽しみました。
自信があります。
当日を楽しんだ皆々様はめいっぱい心から楽しんでおられる様に拝見しましたし、
渦中のアタシだって、楽しんでいたでしょう。ええ。
自信があるんです。
 
一晩のお浮かれを…と言いたい所ですが、
お天道様がピッタリ、頭の上を通る頃合に酒呑み方が集って参りますと、
幕が上がる、お定まりとなってございますが…。
 
 
 
 
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昼よりちょっとだけ早い時間。
四柱神社の西側の鳥居にて。
奥に、偶然出会った新崎酒店の旦那が先を行きます。
まだ少し早い時間なので、僕らはこれからポケモンを漁ります。
 
 
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お馴染み、
古今亭菊生の落語百夜、
次回は3月11日…と言う日取りは既に存じ上げておりましたが、
根多出しも決まった様子で。
「転宅」と言いますと、最近ちょくちょく顔を出して下さる前座さん、
かな文さんのお師匠さんのCDを聞いた事がありますが、
何かご縁があるのかなぁ…なんて勘繰ってみたりして。
 
 
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今宵、いや今昼の時間の楽しいこと…だけでなく、
日々のお参り、お願い事を四柱さまに。
 
 
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緑町の「厨十兵衛」に到着です。
 
 
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店内では本日のお料理が僕らを待っていてくれました。
 
 
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端っこの席を確保。
この席だと、ギリギリ辰巳のお庭のポケストップが届くんですね。
せっかくキャンペーン中なので、
ルアーモジュールを使ってみましたら、
春日市から、偶然にお出でになっていたmaikoさんご夫妻が、
これを見つけたみたいで。
僕らがしっかり酔い酔いの最中も、
そんなご縁があったりなんかして、実に面白いものです。
 
 
 
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当日のお酒はこちら。
 
左から、
三重名張・而今・大吟醸“山田錦”、
三重名張・而今・純米吟醸“東条山田錦”2015、
三重名張・而今・純米吟醸“吉川山田錦”2015、
福島会津若松・古典写楽・大吟醸純愛仕込み“山田錦”十兵衛5年熟成、
福島会津若松・写楽・純米吟醸“東条山田錦”平成27酒造年度、
福島会津若松・写楽・純米吟醸“吉川山田錦”平成28酒造年度、
 
以上、6本のラインナップ。
全て山田錦で醸してあるもので、
かつ、両銘柄共に、
兵庫県加東市の「東条」地区、
兵庫県三木市の「吉川」地区と言う、
名のある山田錦の名産地のお米を使っていると言う、
レアでかつコアでマニアックなラインナップとなっています。
「写楽」の名に「古典」と付いたラベルも、
酒屋さんや個人でストックしている分しか存在しないものですから、
これもとっても珍しいもので。
 
 
 
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「厨十兵衛」店主井出さんと、
「新崎酒店」新崎さんのトークが、すごく面白かったですね。
新崎さんが熱心に紹介して下さるところで、
井出さんが、「それってさー」と間に入って行く様なカタチ。
 
お二方とも日本酒を取り扱って長いですから、
歴史や来歴も含めて、
興味がある自分には、楽しいトークセッションでした。
 
それすらも酒の肴になるような。
 
 
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日本酒に合う厨十兵衛の酒肴セット。
 
かなりバラエティに富んでいて、合わせ甲斐があります。
 
 
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では、お酒の感想を書いて行きます。
記録として。
 
新崎さんから、
吉川産は“自然派”で、溶けやすく穏やかなお酒になりやすい。
東条産は“優等生”で、ラストに(酒度が)キレる傾向にある…とのこと。
また、東条は村米制度があり、蔵元さんと農家が直取引して流通し、
吉川は一部で直取引はあるものの、
大部分はJAを介した取引で流通している…なんて沿革が説明されます。
 
現在、酒米としては山田錦が全国1位の生産量であるそうです。
主要な酒米、山田錦、五百万石、美山錦で、全体の7割を占めるのだそうです。
山田錦が36%。
以前、新潟地酒ブーム、第1次から第2次吟醸ブームの頃合では、
五百万石が新潟の地酒生産量に比例して生産量1位を走っていたそうです。
勿論、長野県内では「美山錦」が1位。
けれど、近年は金紋錦の生産も増えているのだとか。
 
兵庫「剣菱」蔵の愛山米の様に、主体として使っているけれど、
大きく銘打って謳っていないことに似て、
石川の「菊姫」蔵が、吉川産の山田錦を主体的に使っているのだそうです。
 
 
 
 
 
 
福島会津若松・写楽・純米吟醸“吉川山田錦”平成28酒造年度、
 
口に含んで美味しい。
好みの強さ、旨味の強さ。
聞くと、7号酵母で仕込んだものだと言うけれど、
酸とこってりした旨味は、7号と言うより、
なるほど、奈良「風の森」蔵のそれに近いような感じ。
ミネラル、入りは厚ぼったく、でも入りやすく、
中盤に旨さが膨らんで、全体に品があって。
 
後々飲んで比べると、東条と比べて、
透明感、喉越しの良さ…押しの強さが、自然な感じ。
華やぎと静のイメージ。
 
YOKOさんは「甘みがあって美味しい」とのこと。
 
香はお酒っぽさ、アルコール感がないもので、
味と同義、その差異が少ないものと思いました。
それを“自然な”雰囲気と例えるべきものなのかも。
 
 
三重名張・而今・純米吟醸“吉川山田錦”2015、
 
 
鑑評会に出品されるタイプの大吟醸にあるイメージ。
後味は、実にスマートな雰囲気。
香は明るいイメージで、
マンゴーやパッションフルーツ、南国系の香味で、
奥、後半にシトラスのアクセントを持つ様な印象。
南国果実感は、しっかりした酸味、
酸の強さに裏打ちされている様に感じます。
酸の存在感が特徴的で、アクセントにも骨格にもなっている様な。
 
 
吉川産の山田錦として、
写楽と而今を飲み比べてみても、
造りの差、個性がハッキリと異なっている感じで、
共通項がない…訳ではないのだろうけれど、
それを探しているより、シンプルに「両方ウマイ」が正解!…なんて思いました。
 
 
福島会津若松・写楽・純米吟醸“東条山田錦”平成27酒造年度、
 
 
吉川と比べて、7号酵母系の特長が出ている…と感じました。
少し重さがあり、
ズンと深く、強く、渋味も印象的に感じます。
それが、数分後にグッと開いて来て…
奥から更に瑞々しさが上って来る様な印象を受けました。
ベースを支えられる様な、
マッチョな二の腕を想像させる様な力強さは、
ベースラインを走るのだけれど、
その芯の周囲に濃密な味わいの要素が詰め込まれている印象。
それが流れの中で開いて来ると、実に華やぐ。
 
浮ついた感覚がなく、醍醐味、説得力を持つ青年のイメージ。
 
 
 
三重名張・而今・純米吟醸“東条山田錦”2015、
 
 
中でも、重厚。果実感が強い。力ある雰囲気。
果実香だけがあるのではなくて、
果実が持つナチュラルな野性味、渋味の様なものも含有している感覚。
重みがあって甘みがあって、含んで行く中で、パイン系の香が立ち上がる。
 
料理に合わせるなら、この而今の東条山田錦がいちばん相性が良い…と感じた。
押し味の強さは、受け手としてのお酒ではなくて、
強さがあるからこそ、
色んな肴、お料理の中で主張をしっかりと残したまま、
美味しさの可能性を広げてくれている様な気がする。
 
また、しばらく経ってお酒が開いて来ると、
もっとグッと全体のモチベーションが上がる様な印象も。
 
 
 
福島会津若松・古典写楽・大吟醸純愛仕込み“山田錦”十兵衛5年熟成、
 
 
ひとくち、やや苦い。まずそう感じる。
軽さがある。まだ開いていないって思う。
 
その頃から、舌先にねっとりした甘味、クリーム感があると思う。
こうしてメモを取りながら、
口の中に、ゆっくり味が出て来ている…なんて感じる。
柔らかさがじんわりと舌の上に溶け出て来る様な。
 
「35℃くらいで…」と、お燗酒をお願いしてみます。
38℃と言いかけて、何だかもう少し人肌に近い状態で、
のんびり飲んでみたいと思いました。
すると、これが実に美味しいものでした。
ほっとする美味しさ。
感じていた苦さ、渋さがまろやかさに解けて、
素晴らしい塩梅でした。これはとても好み。
少し含んだ香の中に、熟成香…
温かみある木材の匂いに近い香に、少しココア、そしてかすかなナツメグ感。
複雑さはあるけれど、
味わいの和み感にまとめられて、たまらなかった。

時間が経ってから常温で頂くと、初手の苦味も薄れていました。
美味しい。
こういう風に開栓直後は少しお酒が緊張していて、
硬かったり苦かったりすることもある様です。
もし、そう言うお酒に出会ったらなら、間を置いてみるのも良いかと思います。
 
 
三重名張・而今・大吟醸“山田錦”
 
 
香がずーっと残る。良い香、大吟醸と名付けるに相応しいような…
後半、余韻の伸びの良さが、とても印象的。
全体には綺麗でスマート、卒がない仕上がり。
品格があると言うか、
華やかで、ほんの少し渋味のアクセントを持っていて。
いちばん端整なお酒であった様に思います。
ゴツさのない、オールラウンダーな雰囲気。
 
 
全て山田錦と言う贅沢な飲み比べ。
 
「而今の山田錦、ください」とかお代わりが欲しくて言い、
 
「どれ?全部、山田だから分からんっ」なんて会話を、
 
僕だけでなく、何人かが繰り返し発言していました。
この言い方って、お米…酒米違いでお願いする時の言い方だったり、
メニュウに「而今の山田錦、八反錦」と複数あった場合に、
そう頼む言い方ですよね。
どちらかと言うと、普段はそちらの方が出会う可能性、高いんじゃないかなぁ。
 
どれもこれも山田錦。
“最高の酒米”と称されているからこそ、よく使われる訳で。
その中でも、特に名産地とされている山田錦の最高峰ばかりを飲み比べてみて、
こう…「山田錦はしっかりとした酒質に仕上がり易い」イメージがある中で、
「それもまた、蔵元さんの個性次第なんだなぁ」と感じました。
どう、酒米を解釈して醸造して行くのか。
センスと言うか、才能と言うのか。
より、日本酒を醸すと言う事は、芸術に近いものなんだ…なんて感じる訳です。
 
他に、
而今・大吟醸斗瓶取り“全国鑑評会出品酒”、
写楽の純米吟醸夏吟うすにごり、
而今・純米吟醸“八反錦”火入れ…を飲んでいるはずです。
でも、その段階でしっかり「わーい!」と言う状態だったので、
メモも記憶も全然残っておらず。
 
 
 
いっぱい美味しく飲ませて頂きました!
 
 
 
 
 
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お食事メニュウには、鰻の押し寿司…の様なもので。
鰻、厚味があるもので、かなり美味しかったです。
井出さんが作る甘味のあるタレも、普段のメニュウに登場する場合にも、
絶品である場合が多く、これもまた然り。
 
 
Dscn5642
 
 
新崎さんが作って来た「日本酒クイズ」…
これ、うんちくじゃない辺りが、ちょうど良い所を突いている…と思いました。
僕らは醸造家になりたい訳じゃないので、
造りの細かな所作なんかをクイズにされても、あんまり意味が無いんですよね。
生活の中で根付いている日本酒。
それを知る…雑学と言えば雑学で、
でも、「へぇー!」と聞いて、それこそ某番組の様に、
明日、誰かに言ってみたくなる様な内容で。
 
 
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で、お酒呑みの最中にも楽しんで取り組むことが出来ることが素敵なのです。
 
その後、その日に感じた事を、
僕は、こうまとめています。
 
 
蔵元、酒販店、飲食店、飲み手の関係性は、
本屋に例えられるのではないか。
 
作家(蔵元)、酒販店(出版編集)、
 
飲食店(本屋)、飲み手(読者)と言った感じ。
 
本の楽しみ方、解釈は読者ごと自由だし、
逆に作家さんに対して読者が、
期待でなく「こうした方が良い」と注文を言う必要もないと思うんだ。
 
酒販店さんのポジションがとても大切です。
コンビニだったり、ただ本を並べているお店もあれば、
本について、独自にPOPを作成したり、
熱心に本を紹介していたり…
「読んで欲しい!」が伝わる店内の本屋さんは、
WEBが広がり、電子書籍が広がった現代でも好調と伺います。
 
「そのお店に行くと、きっと何か面白いものがある」
 
…インターネットの世界は良し悪しで、
好評も酷評も混在し、善意も悪意をも合わせて存在していると思います。
新崎酒店さんや、
僕にとっては、武蔵境の「酒のなかがわ」さんや、
「革命君」さん、池袋大塚の「地酒屋こだま」さんは、
 
「何か面白さを、興味を持ちたくなる様なものを」
 
そのお店に並べている…そう思っています。
世間で浸透している言い方なら、情熱の、熱意ある酒屋さん方。
お酒を買いに行って、お酒の話をするだけでも楽しい場所。
読者の声、世相の声をよく調べて反応しているはずで、
しっかりした酒屋さんであればあるほどに敏感で。
 
「酒屋さんに行ってみよう!」
 
…なんて思ってもらえると嬉しいです。
お酒を並べるばかりが酒屋さんではない…
それは大町で出会った「横川商店」さんは、
お酒のことは勿論、街のこと、いろんな食品、文化…
素晴らしい事に、情報の集積地となっているし、
信州中野市に遊びに行く理由にもなる、
「食酒楽会」も「善光寺屋酒店」さんが携わっているからこそ、
開催されている訳ですし。
 
“当たり”の酒屋さんに出会うと、
更に日本酒ライフが楽しくなるじゃないかな…って思います。
 
 
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答え合わせも、みんなニコニコ。
 
 
 
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デザートにアイスが配られた様ですが、
 
食べましたが、
 
ええ、ほとんど覚えていません。酔い酔いの酔い。
 
 
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お開きになって外に出ると、まだまだ明るい時間。
心地は既に、終電間際くらい。
 
 
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「二次会に行くぞー!」とローリーの旦那に付いて行って…。
 
 
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松本駅前の風林火山にて。
 
 
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信州飯山の「水尾」などを更に飲んでいる様ですが、
なんだろ、記憶がないですね。よく飲んだ1日…だったと言う事でしょう。
 
最後がグダグダで終わって、何とも締まりがないのだけれど、
実際にそうだったんだから仕方がない。
それにしても楽しい酒宴でありました。
 
 
…と、ちょうどここらが良い所、となってございます。
久し振りの更新となりまして、
長講一席、最後までよくぞ耐えてご覧になって下さいました。
誠にありがとう存じます。
 
それでは、また次回にお目に掛かりたいと言う所で…
 
ありがとうございました。
 
ありがとうございました。
 

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