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2016年6月19日 - 2016年6月25日

2016年6月23日 (木)

その開拓精神が日常を楽しくさせる。(2016年4月8日・月の兎影)


やってみようかな、

どこまでやれるかな…なんて、思ってしまう。

こうしたフロンティアスピリッツは、ワクワクさせてくれる。

「やろう、試そう」と皆が思う訳じゃないんだろうけど、

「食べてみたいぞ」とは、皆が思うんじゃないかなぁ。


気楽なところで一生懸命…と言う事で。

今日この頃と言うものは、
月替わりの限定メニュウをいろんなお店が用意してくれていますよね。
食堂だと元来、「日替わり」が存在していて、
毎日来てもらっても楽しむ事が出来る様に…なんて工夫が見て取れますが、
ラーメン屋さんの場合は、
やはり「月替わり」が定番なのかしら…と思いますね。
毎日同じラーメン屋さんと言う時代ではない様に存じますね。
ラーメン好きはいろんなスタイルのラーメン屋さん地図を、
頭の中に抱えていて、
「今日の気分は?」なんて問いかけて、
引き出しを開けているんじゃねぇかな、と存じます。

「月の満ち欠け」と店名に掛けて月替わりのラーメンが提供されております、
南松本「月の兎影」、
もう提供は終わってしまったのだけれど、
4月の限定メニュウについての一席を申し上げますので、
どうぞ最後まで、お付き合い下さいませ。

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そんな訳でして「月の兎影」へ。



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お目当ては、
「煮干と節を通常の8倍使った」…と言う謳い文句の、
「八倍節そば」、限定数1日12杯ですが、お陰様であり付く事が出来ました。

「節と白湯の中華そば」がベースとなっていて、
ここに掛かるんですね。8倍。
その節が増えた分、スープが煮詰まってしまうから、
12杯用意するので精一杯なんだそうです。これはなるほど。
そこでベーススープを足して良ければ提供数は増えるのでしょうけれど、
そうすると「8倍」の意味がなくなっちゃいますし。
粘度の高い、密度の高いスープは焦げ付き易い…とは、
ほら、カレーとかシチュウとかにも言えること。
難しいのは分かってらっしゃったと思うのですけれど、
あえて、挑戦する姿勢、本当に素晴らしいと思います。

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YOKOさんは、いつもの。
「辛みそとんこつ(白)」ですね。不動の大好物。
ただ、これから気候が夏に向かって来ると、
「つけ麺気分」と言い易い傾向があるので、
はてさて、今後どうなることやら。

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お待ちかね、「八倍節そば」を。
スープの中にもたっぷり節感はありますが、
更に上から、こんもりと節の山。
「満月」…味玉を抜いてもらって、
かわりに「玉葱」のトッピングをしてもらっています。

なるほど、渋味を感じるくらい強い節の味。
でも、そこでエグくて食べられない…とは感じませんでした。
むしろ、ちゃんと美味しいし、
ここで豚骨濃度を増して、もっと甘く仕上げれば、
いわゆる「頑者」や「六厘舎」の、
豚骨魚介醤油の系統に収まるんじゃないかな…と思いました。
これがつけめんのスープではなく、
ラーメンとして成っているからこそ、
麺もスープも高い温度を持ち、
スープを飲み込みながら食べるので、感じ方が違う…
そんな風に感じました。温度が高いと一層風味が感じられるものです。
逆に言えば、冷たいものは案外味や香って感じ難いです。

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麺を引き上げると、たっぷりの節。
豪気であります。
YOKOさんは、「もうちょっと節、少なくても良いかも…」とのこと。
うんうん、なるほど。
不思議なもので、煮干由来の苦味などは、
「信越麺戦記」で登場した際に頂いた「新宿・煮干ラーメン凪」の方が、
より感じるように思います。
それをスープの濃度や合わせる具で上手に食べさせてくれていたイメージ。
「八倍節そば」、
それぐらい煮干が濃いかも知れないけれど、
節粉の合わせ方で、舌触りこそ少し粉っぽいザラザラ感がありましたが、
煮干感とのバランスを保とうとしてある気がして、
美味しく食べる事が出来ていました。

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替え玉もお願いして食べ尽くしました。
ご馳走様でした。

当時、
いろんな方のブログを見せて頂いたけれど、
必ずしも「良い」と言う事はありませんでしたね。
「節が強過ぎる」と感じた方もいらっしゃったみたいで。
ここが面白いところ、なのでしょう。
こう言う一見“気をてらった”と思われるものも、
真剣に造られていて、挑戦している姿勢は、
また、どんなメニュウが出て来るのか、とても楽しみな心持ちになります。

しばらく行っていないので、また行きたいなぁ…と思っております。
僕は個人的にメニュウの中で、
いちばんリピートしている「あさりつけ麺」かなぁ、と思っていますが、
昨月から好評により延長された「トムヤムつけ麺」も良いなぁ、なんて考えています。
もちろん、今月の月の満ち欠け「柚子と生ハムの冷やし塩ラーメン」も、
昨年、食べ損ねているので、どうしようかなぁ…と、言うところ、
ちょうどお時間となっておりまして。

本日はここまでで、暇を頂戴致したいと存じます。
次回、お目に掛かりますまで、しばらく。

ありがとうございました。

ありがとうございました。


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2016年6月21日 (火)

第25回 食酒楽会~麹と糀の力~(2016年5月20日・三幸軒、岩清水、善光寺屋酒店共同企画)


テストに出ます!

「ごわりんご、冷酒だとリンゴ酸、お燗酒だと乳酸!」

「醤油と味噌が料理の骨格を作る!」

「本当に美味しい味噌に出会うと、味噌への愛情が変わる」

これ、必ず出ますよー!出しますよー!!

えー、
誘惑箇所の多い中でございます。
いっぱいのお運び様で、誠にありがとうございます。

お馴染み、信州信濃は北の地域になります中野市が舞台。

銘酒「岩清水」醸造元「井賀屋酒造場」さん、
お目出度い開業30年を、4月に迎えたばかりの中華料理店「三幸軒」さん、
お酒と人のご縁を取り持つ「善光寺屋酒店」さんが主催する「食酒楽会」、
本日は、数えの第25回、この一席を申し上げたいと存じます。

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今回「食酒楽会」は、
「麹と糀」と題しまして、軸となります主題は、ふたつ。

糀、ひとつは、「岩清水」の新たなお酒…
新酒でもあるのですが、全くの新機軸、これまでに類を見ないお酒が登場するということ。

麹、ひとつは、ゲストとしてすぐ近く、西条西の交差点を少し南に下った所にある、
「中野醤油」さんがご来場されることもあり、
料理全て、
中野醤油さんの味噌と醤油を使った逸品が登場すること…としております。

相変わらず、心から楽しんで参りましたこの会を、
喜びに満ち、感動の多い時間を、出来るだけお伝え致したく、
本日は気楽なところがよろしいんじゃないかと存じますが、
まこと、一生懸命に書いて行く事としてございます。
どうぞ最後までお付き合い下さいませ。


ところで、
「麹」は中国から伝わった漢字であり、
現代は一般的に、こと「こうじ」について「麹」を用いるそうです。
「糀」は明治期に作られた和製漢字で、特に「米麹」を表すそうです。
日本酒において麹は必ず「米」であり、
焼酎や味噌において使われる米、豆、麦をもとにした「こうじ」は、
総じて「麹」と表記するべき…と、調べた限りでは感じました。
ただ、こうして筆を取ってブログを書くに辺り、
基本的には「麹」として取り扱った方が読んでもらい易い、
差しさわりがないとして、表記を統一して書いて行きたいと思います。


日常茶飯事、雑事を細々と済ませて、
高速道路を一路、中野市まで走らせて来ました。
5月20日は、お楽しみの前に温泉を…と言う時間を得ることが、
なかなかに難しく、長嶺温泉に少し想いを馳せながら、
宿泊地を後にしました。だいたい30分から40分ほど歩く予定。

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18時過ぎですが、随分明るくなりましたよね。
気候も程良い、お散歩に適した涼しさ。
YOKOさんは松本市「Hop Frog Cafe」のサンティエゴ土産である、
ビールの醸造元「STONE」のTシャツを着てお出掛けです。
つまりお気に入りのお召し物、上機嫌の支度と言うこと。

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「吉田入口横断地下歩道」を通って、バイパスを渡ります。

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スプリンクラーが威勢良く水の弧を山の稜線に似せて、
中空に描く光景。この道路が出来てから、三幸軒はグッと近くなりました。
昔はタクシー必須でしたから。
こうして歩く選択肢が生まれる便利さは有り難いですね。

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もう少しで三幸軒と言うところまで歩いて来て、
「あとで誰かに聞こう」と思い、撮影した風景。
太陽光パネルだと言うのですが、
昨今は地面にこんにゃくの化け物みたいなパネルを、
ズラリ並べる光景を目にする中で、
ずっと前からこうして佇んでいる様に感じていました。
太陽の動きに合わせて、アームを動かしているのでしょうか。

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会場となる「三幸軒」に到着。

程好く体も心もほぐれました。
疲れる程の距離でもないですし、“ちょうど良い”運動でした。

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食と酒の饗宴。
まずは善光寺屋の旦那から、開会の挨拶があります。
それぞれのプロフェッショナルな皆さんの紹介と共に。

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卓上には、
中野醤油さんがお持ちになった米麹が用意されていました。
さらりとした手触りが硬さを想像させますが、
食べてみると程好く柔らかく、噛んでいる内に、ごくほんのりと甘い。

日本酒も、醤油もお味噌も「麹」から始まります。
近年「塩麹ブーム」もあった事から、
また欧米も含めた発酵食品文化の効力の見直しの潮流によっても、
期待が高まっている食材。
ありふれた日常にいつも隣り合っている食材、食品だけれども、
「この会を通して新しい発見をして頂けたら」と善光寺屋の旦那は続けます。

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こちらは醤油の麹だそうです。
大きな粒が大豆、小さな粒が小麦です。
初めて見ました。
先の麹は日本酒のものと大差がない米麹でしたが、
こちらの醤油の麹、
一瞬、蒸米に菌を振り掛ける「もやし」かと思ったくらいです。
はびこった菌類たちの勢いがすごいですよね。

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「中野醤油」の丸山さん。

額からこぼれ落ちる汗を拭いながら、
自醸されておられる「なかの一みそ、しょうゆ」について…
…と言うよりも、
味噌とは、醤油とは…それを懸命に伝えて下さっています。
その写真。
聞いていて、まず分かった事は、
あまりに身近にある味噌、醤油なのに、
自分自身が、なんと無自覚に無知だったのだろう…と言う事です。

伝わった情熱のままに、
改めて自分が知った学びの意味も込めて、書きます。

「麹」と言う文化はアジア圏の文化。
日本の麹は、アジアの他の地域の麹を見回してみても、
とても繊細なものだそうです。
味噌と醤油は異なるものだけれど、
どちらも「麹」が要にあり、
「良い麹を作る」ことに注力しておられる…とのこと。

これは日本酒の醸造においても同じですね。
「岩清水」の小古井宗一杜氏からも伺った事があります。
まず良い蒸米を作る。そして良い麹を作る。
ここから全て酒造りが始まって行くのだと教えて貰いました。

海外の発酵文化は、「麹」に該当するのは麦芽くらい。
基本的に原材料そのものが持つ酵素による酸化発酵、
ヨーグルトの様な乳酸発酵など、「麹」と言う元がある発酵は、
世界的に珍しいものだと考えられます。
麹ほどの手間を掛けて、管理をして仕上げるものではない。
その手間故の奥深さがある…と言う事は、
味噌、醤油を扱う多様性からも実感できる事だと思います。

味噌は大豆、米、塩、麹を用いるもので、麹の形態は「半麹」と呼ばれるもの。
固体です。
醤油は、大豆、小麦、塩、大豆麹、小麦麹を用いるもので、
麹の形態は「全麹」と呼ばれるもので液体です。
醤油に使われる小麦は炒られて用いられます。
炒られる事で、麹菌酵素が作用しやすくなるのだとか。
ビールやウイスキーで言う原料の麦を炒って、モルト(麦芽)に…
その炒り具合で、ビールの味も色合いも変わって来るそれと似ている所作と感じました。

白味噌と赤味噌の違いを質問する声が上がりましたが、
うまく聞き取る事が出来なかったので調べてみると、
白味噌は大豆の浸水時間を短く、蒸さずに煮る。
赤味噌は大豆の浸水時間を長くし高温で長時間蒸煮すると、
たんぱく質の分解が促進され、メイラード反応が進み、褐色になる…とのことです。
もちろん、豆や麹、塩の具合や熟成期間によっても変わるでしょうけれども、
製法的な差が「白」と「赤」にはある様です。

メイラード反応は、「肉に焦げ目を付ける」だったり、
「炊飯時のおこげ」だったりも該当するものですよね。
Wikipediaによると、
還元糖とアミノ化合物を加熱したときなどに見られる、
褐色物質(メラノイジン)を生み出す反応のこと。
アミノ化合物は、アミノ酸、ペプチド、たんぱく質などを差します。
焦げる、焼き色が付くと言う変化は、
物質の変質と言うより、
物質表面の変化によって焦げが生成されると言う考え方なのでしょう。
デミグラスソースの元となるブラウンソースは小麦粉を炒って作りますが、
まさに白い小麦粉がブラウン(茶色)に変化して行く様は、
メラノイジンの生成付着と言う事なんですね。ええ。

日本酒の醸造において、乳酸は殺菌力…と思っています。
雑菌を淘汰するために必要なもので、速醸と呼ばれる仕込み方法では、
酒母に添加して健全な発酵を促し、
山廃、きもと造りでは、徐々に乳酸を仕上げていって、
添加しないで居ても健全な清酒醪で並行複発酵を実現させて行くもの…だと思いますが、
中野醤油・丸山さんから伺うには、
「乳酸は味に締まりを作る」とのこと。
日本酒との差を感じました。
後々、小古井杜氏にも伺うのですが、
日本酒の製麹、醸造と、
味噌や醤油の醸造は似ている部分も異なる部分もあり、
とても勉強になったそうです。

小古井杜氏、常に思いを巡らせ、
古くは坂口謹一郎氏の著書から得るものもあり、
また最新技術を導入した蔵元さんからの情報収集にも積極的で、
温故知新を、自らの酒造りの糧に常に吸収されようとする姿勢を、
この何年か、拝見しておりましたから、
こうした味噌や醤油の醸造のお話を熱く聞く事でも、
僕らには分からない化学反応が、頭の中で交錯しているのだろう…
そんな風にも思いました。

私、SOJA自身もこれだけの事を思わないではいられなかった熱意が、
中野醤油・丸山さんにはありました。
同じ「醸造」を生業にする方々の交流は、
きっともっと大きな繋がりを生むように見えたものです。

実際に日本酒の見た目の官能表現に「てり、サエ」などありますが、
どうやら味噌や醤油にも同様の言葉があるそうです。
また市販のスーパーでも見かけるお味噌の中では、
粒がある味噌が良い熟成過程を経ているものなんだそうですね。
麹が発酵熟成によって柔らかくなって残っているもの、
それが醸造の過程を如実に表現しているのだそうです。

「良い味噌、悪い味噌」の見分け方を問う質問も上がりました。
調理法や地域特色などによって、
一概には言えないのだけれど、
発酵熟成の成果である柔らかさを保持した粒味噌と対照的に、
不十分な発酵故に、粒が硬く、
擦り下ろさざるを得ない結果の「こしみそ」も、
スーパーなどに並んでいるものの中には存在しているそうです。

味噌の最大の特長は発酵、熟成によって増す「旨味」であると言います。
その観点から、
「味わった際に旨味を感じず、塩辛く感じるもの」
…これを「悪し」と取ります。

日本での生活において、
必需品であり、また嗜好品でもあり、
地域毎に色も千差万別とされ塩気もまた地域性によって様々。
製造コストや熟成も個性があり、
大量生産品で、すれっ辛い塩気優先の味噌であっても、
調味料として使うことが出来る場合もあるでしょう。

「良い、悪い」と言う質問はありがちだけれど、とても難しいですね。
「旨味ある味噌、醤油を作る」
これこそが、中野醤油さんの理念だと感じました。
大手には大手の良さがある、大手の世界がある…
そして等しく、
中野醤油さんだからこそ形作られる「旨味」の世界がある。
「良い、悪い」と言うよりも、
「味噌と醤油と言う文化を知って欲しいんだ」と言う気概を感じたものです。
今でもヒシヒシと…僕は座っていて、丸山さんは立っていて、
常に見上げる形で拝聴していましたが、その思いの尊さを感じていました。

http://carara-nakano1.shop-pro.jp/

ホームページのリンクを貼り付けておきますね。
大正12年、1924年の創業とのことです。
中野市の生活に中で脈々と続き、
これまでも、これからも、
美味しいお味噌、お醤油を醸して行って下さる事と存じます。


さて、会場には、
料理人・三幸軒の上野さんの渾身の料理が運ばれて来ておりました。

【 旬前菜三種 】

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以下、パンフレットより転書させて頂きました。

・初鰹 葱まみれ 燻製醤油で…
 濃口醤油を自前で燻製し、香ばしい燻製醤油にしてみました。
 さっぱり初鰹と、今年の無濾過本醸造との相性は最高です。

・味噌漬け豚の焼豚、わさびと黒胡椒添え
 特吟味噌に豚ロースを漬け込んだ味噌焼豚です。
 お好みの薬味でどうぞ。

・ホタテと季節野菜、出汁薫る醤油スープ
 数種の合わせ出汁と地元産野菜が爽やかにマッチ。
 生醤油を使用したスープもお楽しみください。

ここで、
井賀屋酒造場・小古井宗一杜氏より、
今日の乾杯酒にもなっている、
「信州中野・岩清水・純米五割麹無濾過生原酒“ごわりんご”」の紹介があります。
昨年の食酒楽会においても、
新しいお酒の提案、その理想を小古井杜氏から伺っておりました。
それが形になった1本。心から期待しておりました。

お料理の内容を書く前に、
こちらも熱い想いを感じるお酒でしたので、
先にしっかりと書いておきたいと存じます。

落語でよくトリの方が…と言っても多く聞くのは、
ご贔屓に聞かせて頂いている柳家権太楼師匠であったりするのですが、
「もう少しの辛抱ですから、お互いに最後まで頑張ろうではありませんか」
…と言う文言。それを今、まさに感じながら書いています。
文字ばかりで読み辛いかと存じますが、
本当に本当に大切な思い、懸命の造り、一滴入魂の心情の末の結実です。
今しばらく、お付き合い下さいませ。

「岩清水」のフラッグシップ、黄色いラベルでお馴染みの、
「純米五割麹」、
裏ラベルを見て頂くと、これまでは…普通は「1801号系」と書いてあります。
これは日本醸造協会から分けられている18号酵母の系統である、と言うこと。
発酵や日本酒の香気に関わる「酵母」が、どの酵母を使っているか…を示しております。

今回の「ごわりんご」に使われている酵母は「77番酵母」です。
特性として「リンゴ酸高生産性多酸酵母」と呼ばれています。
端的に言えば、リンゴ酸と呼ばれる酸の生成が多い酵母…と言うことですね。
ブログ化できていないけれど、
前回、造りの前に「食酒楽会」で伺ったビジョンの中で、この酵母の存在を聞いていました


ただ「使ってみたい」…と言う訳ではなく、
ちゃんとした理詰めで、この酵母の可能性を見出しておいででした。

日本酒で言う「酸度」とは、まさに清酒中に含まれる「酸」の値です。
ただし、リンゴ酸、コハク酸、アミノ酸、乳酸などなど…それぞれの要素をひっくるめた値

です。
多ければ多いほど良いと言うものではなく、
低ければ良いと言う事もなく…それは人々の嗜好によっても様々。
それぞれの酸の特徴が織り交ざりあって、味わいを、個性を培っているのです。

日本酒の通常の酸度とは、1.0から1.5前後。
白ワインで6ぐらい、この今回のお酒は「7.5」です。

一概には言えないけれど、
酸が増える、酸を感じさせる設計のお酒、
この場合は、味のバランスを取るために麹歩合を増やすものだそうです。
造りのセオリーとして。

だからこそ、高い酸度であっても、麹歩合をしっかり増やしている…
一般的な醸造法では、2割前後の麹歩合の日本酒に対して、
5割麹で醸している「岩清水」には、対応できる味だということ。
酸味はあるけれど、その分の甘みを持たせているからバランスを取る事が出来ている。
冷たい飲用温度だと、リンゴ酸を多く感じられ、
温かい場合は乳酸の旨みを多く感じられる。
冷酒、お燗酒ではまったく性格の異なるお酒になっている…とのこと。

ワインは乳酸がないので、温めても美味しくはない。
…と言うか、美味しいと感じられる酸が温めることで、ひっそりしちゃう…って考え方。
この「岩清水・ごわりんご」では、
高い温度、50℃から55℃くらいで、乳酸の旨みを体感できるのだそうです。

早速、新進気鋭のお酒を試してみます。
上立ち香は、いたって普通の日本酒…小古井さんのお酒らしい、
小古井さん家のお酒の匂いを拾います。

ひとくち…そう、口付けて思いを言葉にするか否かに、
周囲から「わっ」と言う声が上がります。
「酸っぱいね!」と言うオジサマ方。
「そんなに!?」と思って、慌てて僕も追い掛けます。

「なるほど」

…思わず付いて出る言葉。初めての体験でした。
初めて出会う味でした。

確かに強い酸味、酸の味わいの強さ。
ただ「酸っぱい」って言葉は難しいですね。
酢の様な酸っぱさなのか、
レモンの様な酸っぱさなのか、
すんき漬けの様な?
…どちらかと言うと前半は、レモンの酸の雰囲気に近いと感じましたが、
それは、非常に透き通った酸味、刺激を感じたからこそ。
雑味がなく、酸が高い日本酒にありがちな、
ジリッと夏の暑さが背筋に滴る様な味わいのイメージではなく、
真っ直ぐに酸っぱい。
サバケ、後半部分が非常に素早く、
その早さが爽快感と疾走感を生んだと感じました。
後半はレモンの様に「口をすぼめてしまう」様な渋味を伴いません。
後半は「レモンの様に」とはいかない。
甘味も多い「五割麹」…酢の様なまろやかな終わり方もない訳ではなく、
メモには「散る美学がある日本酒」と続けていました。

これまでの食生活、お酒を飲んできた人生において、
こんな感覚を抱く日本酒を味わった事はありませんでした。
野沢温泉村「里武士」の「野沢サワー」、
アメリカ「OXBOW」の「Sasuga Saison」、
栃木・うしとらブルワリーの「ホッピーゴーゼ」など、
サワー系のクラフトビールを何度か飲む機会に恵まれていますが、
これとも違います。似ているのだけれど、原料や炭酸、
たぶん麹の存在によって、強い酸味と言う意味では「合う」のですが、異なる。

この数年の「岩清水」にある透明感と太さ、骨太ながらも、
その身は柔らかく滑らかで、滑るようにとろけるように入って来る、
その雰囲気は堅調なんです。
だのに、実に刺激的な酸味が襲い掛かって来る。

「こ、小古井さん、これ新しい!超あたらしい!!」

料理が出ていてサーブなどに忙しい小古井さんが目の前を通った際、
流れをぶった切って我慢できずに伝えました。
本当にそう思った。思ったんです。
「岩清水」のお酒、追い掛けています。
知っている部分、人並み以上にあるつもり。
日本酒だって、週に2日の休肝日以外は嗜んでおります。
日常にない県外のお酒も「厨十兵衛」さんなどで味わっております。
「井の中の蛙」と呼ばれても全然構わない。

「これは新しい味わいのお酒だ!」

飲みやすかったです。とても。
酸が味の骨格を作っています。それも強く。
強いお酒だけれど、エグミ、渋味を感じる事もない。
反面、そして共存…低アルコール酒かと思うくらい軽く入る、軽く感じる。
度数13前後かと思うくらい入りやすい。喉が困らない。
でも、ふと気付くと自分の酔いの感覚が追い掛けて来るから、
「あ、これは進むと酔うかも。ちゃんとアルコール度数あるぞ」と気付かされました。
自然に自然に体の中に入って来る美味しさ。
酸には旨味もあるんだなって思う。

ワイン…そう「白ワインみたい」と例える方もいるだろうけれど、
同じぐらいの「酸」のフィールドに立って思いますね。
日本酒はワインとは明らかに異なるんだって。
原料のキャラクターがちゃんと出ているんだって、感じ直したくらい。
そう、たぶん「白ワインみたいな」と言う日本酒の感想、フィーリングは、
「白ワインの様に、酸が高めで、酸が前に出て来ているお酒」と言う言い換えなんだなぁ…

って思います。

いつでも「食酒楽会」では、賛否両論ですね。そう言えば。
日本酒マニアが集まる会ではなくて、
三幸軒の料理と日本酒を楽しむことが好きな、
信州中野の地元愛のある方々ばかりだからこそ、率直な意見が出ている様に思います。
「五割麹」だって、最初は「甘すぎる」なんて声が出ていましたよね。
結局、みんな飲んで行くうちに…
飲んで、ちゃんと美味しいんだって知って、
上野さんの料理と共に食べ干し、飲み干して行くんです。

後半にお燗酒にして頂きましたが、
その時点ですっかりと飲み過ごしていて、
「香が全然違う!!」と衝撃として思ったのは覚えているのですが、
事細かに文字に起こすほど、覚えておらず…ここは、Twitterなどで、
また試してみます。今後、どこかで呟きます。

「ごわりんご」のお酒、
信州中野行のお土産として、
姉夫婦にも持って行きましたが、とても気に入ったそうです。
先入観で飲んでしまうと「酸っぱい」で一蹴してしまうかも知れないお酒だけれど、
付き合ってみると、たまらないです。虜になる。
実際に、姉夫婦に持って行った4合瓶、あっと言う間だったそうです。

さて、まだまだ書き足りないぐらいですけれど、
本線に戻りたいと思います。
そう、「食酒楽会」はお酒だけの会ではありません!
「三幸軒」料理人、上野さんの渾身の料理も絶品だったんです!
今度はこちらを書いて行きます!


再び、こちらの写真から始めましょう。
「旬前菜三種」として。

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三幸軒の料理人、上野さんからの挨拶もありました。
「今日は中野醤油尽くしです。
 料理の味の骨格は醤油が作っています」とのこと。

信州中野・三幸軒には、
限定メニュウとして「特吟味噌焼きそば」があります。
これは「中野醤油」の「特吟味噌」を使ったもの。
以前、「黒たまりしょうゆらーめん」と言う月替わりの限定メニュウがありましたが、
これを食べた際に、
僕自身も美味しい醤油を買い求めたくて、
すぐ近くに醸造するお店があるんだと聞いて、買いに赴いたものです。

初回、僕らは参加できなかったけれど、
食酒楽会には、2度目の参加となる「中野醤油」さんですが、
そうしたイベント限定のお付き合いではない、
一朝一夕で使う味噌醤油ではない…と、
料理人・上野さんご自身も、よく熟知した味噌醤油での、
食酒楽会になる…と言う事、
それは、いつも期待している会だけれど、また更に高まる、となりますね。

YOKOさんがまず興味を持って食べ始めたものは、
「初鰹」でした。
「美味しい!」と言う声が耳に届き、自分も追い掛けて行く事にしました。

初鰹…落語、噺の世界を少しかじっているなら、
この言い回しですよね。

「目に青葉、山ほととぎす、乙な姿の初鰹」

元来は山口素堂の句「目に青葉、山ほととぎす、初鰹」ですね。
噺の場合は、少し気取って…また聞いた印象の良さも手伝って、
「乙な姿の」と話す場合もあるかと存じます。
「女房を質に入れても初鰹」と言う言い方もあれば、
尾篭な話で申し訳ありませんが、
江戸の名物を歌ったものとして、

「武士鰹、大名小路広小路、茶屋紫に火消し錦絵、
 火事に喧嘩に中っ腹、伊勢屋稲荷に犬の糞」…なんてものもあります。

何にせよ、初鰹は江戸文化の中に輝いている訳ですね。
まさに季節の旬菜。

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「初鰹 葱まみれ 燻製醤油で…」

とりあえず、何も付けないままに口に運んでみました。
味がない…事もないけれど、当然ながら塩気がない。
鰹の身の張りや食感、匂いは良いもので、
ネギが辛味刺激を取り去ってあるかの様な状態で、
風味が良く、甘味を感じて、
そう塩気はないのだけれど、「美味しいもの」と感じる事が出来ました。
さて、ここに「スモーク醤油」を加えるとどうなるのか。

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「スモーク醤油(燻製醤油)」、
見た目に煙っているなんて事はない訳で、
それだけだと何の変哲もない醤油なのですが、
使った瞬間、味わいを感じた瞬間に、
「ぶあっ」となります。
少女漫画表現で例えるなら、
「恋に落ちた瞬間に風が吹く」みたいな感じ。
大層な、大袈裟なんかじゃありません。

甘味、旨味をしっかり感じる醤油。
塩気は柔らかく感じます。鋭さのない丸み和み。
奥に感じる、後から香って来るものとして、燻製香。
醤油らしさを前面に、後列として燻した香が追い掛けて来る様でした。
それだけ舐めとっても、醤油の余韻、
甘い香が抜ける頃合に、ふわっと香ってたまらない。

単独では、葱の爽快さも手伝って、
とてもあっさりと感じた鰹の身、
醤油を使うと、葱の旨味も手伝って、
すごく膨らみます。醤油の味わいも同時に膨らむ、
勿論、味が付与される鰹の身も味が広がります。
そう、音で例えるなら「ぶあっ」とした感覚で。

鰹だけでなく葱や胡麻の香がある事が、
よりふくよかさを醸し出している…と感じますが、
それ以上に、まろやかで…
きっと味噌と同じ理論なんだろう、
「塩を直感的に感じない=塩辛くない=旨味がある」
…市販のお醤油とは異なる中野醤油の美味しさがあるからこそ…そう感じます。
ただ鰹の刺身を出さないあたりが、
三幸軒の上野さんの工夫の中華料理らしいし、
シンプルな素材重視の一品、
各素材の良い所をピックアップしたもの…そう感じる事が出来、
より一層の喜びに繋がっていました。

そして、もうひとつ驚くのは、
ごく特長的なスモーク醤油、日本酒も選ばない…と言う事ですね。
あくまで食材に寄り添って存在できるということ。
この塩梅は妙味であるなぁ…と感じました。

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続いて「味噌漬け豚の焼豚、わさびと黒胡椒添え」へ。
これもYOKOさん、いたく気に入った様子でした。
これを食べた事で、我が家の…と言うよりも、
週末に僕が道楽で作っている夕食に革命が起こりました。

「味噌漬け、すごく旨い!!」

理由は簡単です。お味噌が良いからです。
家庭で試しても、かなりの美味しさが実現出来ています。
でも、これじゃない。
こんなにも美味しくはない…そう思い出します。

この味噌漬け豚の焼豚、本当に美味しかった。
会パンフレットの紹介文には、
「お好みの薬味でどうぞ」とありますが、
申し訳ない…薬味、使いませんでした。
使う前に食べて切ってしまいました。

前菜だからこそ少量がお皿の上にありますが、
河豚のお刺身みたいに、お皿一杯に、この焼豚があっても、
僕は構わない。
味噌の味わいが、よく染み込んでいて、
肉の繊維1本1本から、特吟味噌の甘い香が滲み出るかの様。
牛肉の煮込みとか霜降りとか、
そう言う繊維のほぐれ方ではない、
味噌漬け、塩漬けだからこそ身が締まっているのだけれど、
“繊維”と言えど、草木の繊維、布の繊維とは異なるもの、
筋肉であり、四肢を動かす力強い肉の部分、
締まり、引き締まったバネを想像させる強さがある豚肉。
それを噛む度に、味噌の甘味が口の中に広がり、
ご飯を!お酒を!と喜んで迎え入れたい衝動に駆られるくらい…
直接的な味噌の味でなく、
間接的な、漬け込んだものだからこそ、
牧歌的な郷愁を抱く味噌の香、味に、どうしても胸ときめく。
味噌の風合と肉の状態の良さから、
本当にラーメンの上に乗せる…なんてしちゃいけないもの、ですね。
冷菜としてお皿の上にこそあるべきもの。
味わいは深く広く、長閑さすら感じるくらい、
味噌の柔らかさが力強く表現されているけれど、
でも、きっととても繊細な料理とも感じました。

…昨今、ローストビーフ丼が流行っていたりもしますが、
これ、この中野醤油・特吟味噌漬け焼豚、最高に旨いです。
「丼」形態ではなく定食形態で、
お皿の上に別にこしらえたタレを掛けて頂いて、食べてみたいです。

その憧憬から、
我が家の休日恒例「鶏のムネ肉をたっぷり、柔らかく食べよう作戦」に変化があり、
それまでは塩麹に浸したものをローストしたり、蒸したりしていました。
ここで「塩麹+特吟味噌」を試し始めます。
加熱する際も、お味噌はそのまま。
まだまだ研究中ですが、すごく旨いです。
塩麹単体より、柔らかさは変わらないまま、
より弾力があり、身が締まっていて、香に味噌の風味が混ざり、たまらない。
まだまだ研究して美味しく…
いや、味噌を使って旨味を引き出すことが出来そうだ、そう感じています。

…その中で、「炸裂!棒棒鶏しばき倒し事件」が起こるのですが、
それはまぁ、どこか呑みの場でお会いしたらお話し致しましょう。

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「ホタテと季節野菜、出汁薫る醤油スープ」を。

アスパラガスの匂いがスープに移っていて、
すごく美味しいものと感じます。
野菜の青い香が、品の良いスープによく移っていて、
穏やかで滋味を感じるスープに鮮烈な色を加えてくれています。
見た目の青、緑黄色野菜の色合いではなくて、
例えるなら「季節の風を感じるような」…アスパラの香は、
そうした野菜の野生的な香が強いもの。
スープと共存している妙味がありました。

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帆立、生と乾物で味も香も大きく異なりますよね。
煮出す、炊くなどすると、
スープに、どんな味でも移るものだと思うけど、
それは「味が移った」ではなくて「味が溶けた、溶け出した」と考えます。
“移す”って本当難しい。
燻製も香を移すのだけれど、前に家で試してやり過ぎて失敗した事もあるので…
“移す塩梅”は本当、プロフェッショナルな技巧だと思います。
よくよく、このスープ、エキス分が強い印象でした。
溶けているんじゃないか、
すりおろしたホタテ具材が入っているんじゃないか…
それぐらいに、より良くダシが採取されている様で、
ホタテスープの美味しさが際立ちます。柔らかく優しい。
冷たい、冷製の温度設定も、
スープにツルンとしたコシを与えてくれて、
喉越しの爽快さがあります。
煮干などの苦味要素を感じずに、素材の甘味を、よく引き出してある印象。
その甘味に、上に乗せられた梅肉の酸味が、
何とも言えずに爽やかです。
優しいスープの中では異色なくらい塩気も強く、
酸も強いのですが、梅を感じる時間は、それぞれほんの一瞬。
スープやホタテの合間合間に、顔を出す程度。
時たま「キュン」とささやかに驚くくらい酸っぱくて、
ダシの深さに対して、このアクセント、毛色の違う塩気は、
とても印象的でした。

中野醤油の生醤油を使っているそうですが、
なるほど、
「醤油が料理の骨格を作る」と言っていた上野さんの言葉を感じます。
骨格…なんだと思います。
この料理に、直接的な塩気、醤油っ気は感じられません。
ホタテの旨味で食べさせていてくれる気がしています。
油も美味しいけれど、
スープにもっと強い味付けも美味しいけれど、
ホタテと野菜を生かすために、野菜そのものの味わいがよく感じられる様に、
醤油が縁の下の力持ちとして、
全ての味わいをふくらませているんだと感じました。
例えば、塩だけで調味したところで、
岩塩などを精査して使ったとしても、醤油のこの膨らみ方は、
再現できないだろうな…と感じました。

「岩清水・純米五割麹“ごわりんご”」、
梅肉とは全く違う酸の組成なのでしょうけれど、
梅肉が合う中で、五割麹と77号酵母が織り成す酸度の高さが、
同じ液体として、実に旨味要素が多いスープに対して、
よりお互いの輪郭を明確にする…
味わいをハッキリと覚えさせてくれる様に感じられ、
またお酒が持つ旨味への包容力が、
ホタテたちを肴として、より良く味あわせてくれました。


続きまして。
まずはメニュウからの紹介文を以下に。

【 湯 】

・信州プレミアム牛(黒毛和種)
 特上牛肉は旨味を引き出しながらも、
 スープには移さない工夫をしました。
・黒毛牛と薬味の白味噌仕立て、三種の出汁
 チャイニーズ味噌汁です。
 白味噌ベースですが、干しエビ、
 昆布等の出汁で、濃厚なのに上品!

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「 黒毛牛と薬味の白味噌仕立て、三種の出汁 」を。

昇り立つ牛肉の牛肉らしい素晴らしい香。
「この牛肉、かなり良いものなんじゃないかなぁ…」と、
例える術もない、
存分に広がる特長的な、そのものの香を感じながら、
ひとくち食べた、その柔らかい肉質に思いを馳せました。

炙って匂いを出したそれの様に、すごく香ばしい。
強く十分な牛肉香に満たされますが、
お肉のどこにも焼いた様な焦がした様な見た目がなく、
“スープに牛肉の香を移さないようにした”と紹介文にあるくらいで、
スープで茹でた、しゃぶしゃぶ的な所作も、
これだけの香ばしさに繋がるとは思えない。

以前に、
この食酒楽会で豚肉の低温調理品を食べさせてもらったけれど、
実際の答えは分かりませんが、
そうした特殊な…とても手間の掛かる調理法を、
上野さんは施してくれているんじゃないかなぁ…と思いました。
低温でゆっくりと火を入れて…
これに白味噌ベースと言うスープが、よく合っていました。
焼いた香ばしさであれば、
特吟などの色のある系統のお味噌でも良いかも知れない。
中野醤油の「淡色味噌」の、品があり、旨味と繊細さを持ち合わせる、
大豆の外側を削り、中心部だけを選んで使った味噌だからこそ表現できる風味、
お互いにじんわりと…
けれど、高い波で伝わる味わいが引き合い、
素晴らしいコンビネーションを感じさせてくれました。
お味噌らしい雰囲気、味噌スープ感は薄く、
主張としては海老や昆布が先んじて開きます。
香のトップノートは牛が強い。
生姜や茗荷の香が時折それぞれ異なるハーブ類と似た効果、
華やかな香を弾かせながら…
そう、味噌の雰囲気は薄いのだけれど、
持つ塩気の土台、それぞれの美味しさを支えているのは、
スープに溶けた淡色味噌なんだな…と思います。

「中野醤油」さんのパンフレットによると、
「みそ汁ならワカメやキャベツ、一押しはあおさ」とあります。
海産物にも山のものにも合う…それが、
この上野さんのスープにも表されていますよね。
昆布や海老の海産物との相性の良さ、
生姜や茗荷と言う山の香草と謳って良いくらい香のあるもの、
丁寧に仕立てられた牛肉の美味しさ…
料理とは、足せば足すだけ美味しくなると言うものではありません。
素材を全て丁度良い所で活かす、そんなスープだと感じました。

がぶ呑みをするような、
炒飯のお供にするような、そうしたスープではなくて、
一滴一滴の雫の美味しさを感じるお料理でした。

…お酒との相性を感じる前に、食べ尽くしちゃいましたね…。
ほぼひと息でした。

続いては、こちら。

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【 小鉢 】
・お醤油を使ったポテトサラダ
 三幸軒がポテサラを作ったらこうなりました。
 薄口醤油を使ったマイルドな醤油ムースがアクセントです。

…とのこと。

「 ポテサラじゃない!! 」

…と、YOKOさん。「あはは、大袈裟だよ。まったく」…と思いました。
もうちょっとひねって感想を言ってくれると、
ブログにこうして書く時に役に立ったりするのよね…と考えながら、
自分も食べてみますが、

「 ポテサラじゃない!知っているポテサラじゃない! 」

…が、やっぱり先んじた感想を占めました。

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「三幸軒」がポテサラを作ったら“こうなりました”…とは言うものの。
形態的に、知っている…ほら、キュウリの薄切りが顔を出すような、
ピンポイントにボンレスハムが嬉しい様な、
それでは決して無い事が分かる見た目。
食べてみて…もうポテサラ以上の何か、と言うことはすぐに分かりました。
何か分からないけど、メチャクチャ旨い。旨い。

上に掛かっている白いムース、これが醤油ムースだそうです。
いつだか「ためしてガッテン!」でムースの特集、していましたよね。
自分も試してみましたが、こんなにもクリーム状に上手には出来ませんでした。

醤油ムースの下に、お饅頭型のドームがあります。
これがポテサラ部。
ポテサラをアイスクリームをすくう器具で拾っただけでなく、
ポテサラが…そうだな、ポテサラ部が肉まんなどの皮部分だと思って貰って、
その中に「具」があります。
この具が、素晴らしい調味でした。ゴロゴロとした具が入っています。
当時のメモをそのまま書き示すと、

「 中に、筑前煮が入っている 」

…と言うもの。

上から醤油ムース、中には“筑前煮”…勿論醤油が使われていて、
甘く濃い味付けがされている。
これにサンドされているポテサラ部、
非常によく練り込んであって、クリームとは異なる質感ながら、
滑らかな仕立てになっていて、一種のケーキを感じる逸品でした。
濃厚さ、味わいの深さは、パテの様な…
それぐらい強い味わいを持つものなのだけれど、
パーツが押し込められていない、適度な空気をそれぞれ持っているから、
主菜、メインディッシュ的ではなく、
酒肴であり、メイン前の重みで食べられるものであり…
「なんて食い物なんだ、信じられない」と思いました。

この旨味、中に入っている煮物、
牛蒡の旨さが醤油に乗って、すごく伸びている。
土の味、土の恵み、
そのシリーズにあるからか、ジャガイモが懐が深いだけなのか、
味付け全てを受け止めている感じ。
牛蒡の旨さと甘さが、全部ジャガイモに乗って旨い。
その甘い醤油は、ムースの醤油とは醤油の香も味も違って感じられて、
2極の醤油味で、じっくり攻め入って来る。

…醤油の土台がすごく良いんだと思う。
そして味が染み込むメカニズムを上野さんが、よく分かっているんだと思う。
醤油をどうしたら美味しく使えるかを知っているんだと思う。

ちょうど今、家で鯖の味噌煮を苦戦しながら練習しています。
味が染み込んで行く…これって煮詰める事って、
水分と浸透圧と…色んな要素があるみたいで、
味噌汁みたいな、鯖が汁に浮かぶ状態では、けして染み込まない。
ヒタヒタくらいの汁で煮詰めて行く、
蒸発すると汁の中の味成分が鯖に付着して行く様なんです。
塩辛い汁ではそれが煮詰まって更に辛くなってしまうから…
この塩梅って、すごく難しいと思う。
薄めの汁で長時間…では煮崩れの危険性も、結局味が染み込まない可能性もある訳で…。

ポテサラ部は本来淡白で、
味の要素、彩では中身やソースに負けても良い構成なんだろうけれど、
けして負けていないし、やっぱりポテトが屋台骨となって主張している。
醤油ムースの塩気も、無くてはならない。
この塩気と風味が全体の香をとても良く押し上げているんだと思う。
渾然一体。すごい。
素人了見で“こうしたパーツで作られている”ことは想像できるんだけれど、
それは全く当てにならないにしても、
そのパーツを仕立てて作る事が、けして自分には出来ない。
そんな風に思います。分かっていても出来ない料理。

醤油ムース、クリームも入っているからか、
醤油の酸味、もしかポテサラ的な酢のフォローもあるのか、
チーズの様な濃厚さと塩の自然な融け方がありました。
これに添えられたオーロラソース風のソースも、
結構な辛味があり、白い世界に反する規律で、実に旨いです。
何と言うか、すごく手間暇が掛かった味わいでした。
想像を超える食べ物だと思いました。
その創造性、すごいなーって。
うますぎでした。

続いては、こちら!

【 鶏蒸し 】
・鶏モモ肉の白味噌蒸し
 甘味のある鶏肉を上品な白味噌につけて蒸し上げました。
 皮は香ばしく、身は柔らか。本醸造のお燗酒が良く合います。

・山ウドのぬたと一緒に
 独特な苦味のウドが肉の旨みをさらに引き立てます。
 またこの苦味とお酒の旨味が良く合うんです。
 余韻がたまりません。

…とのこと。

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鶏、肉厚。

YOKOさんの得意料理であり、僕自身が気に入っているYOKOさんの手料理の中に、
通称「YOKO鶏」と言うものがあります。
鶏もも肉の照り焼き風の食べ物。
砂糖と醤油で煮詰めて仕上げています。
うーん、この旨さはそれに匹敵します。上回るかも…
…それがひと口目の感想でした。
蒸し鶏と銘打ってはあるものの、
炙った香があり、すごく良い味、旨味が乗っています。
お燗酒にも合うのだけれど、
いや、どのお酒にも合います。馴染みます。
強烈に強い味付け、明確な味付けがある訳ではなく、
鶏肉の味わいを大切に、存在感を持たせたままに、
鶏肉を美味しく食べる意義をちゃんと感じさせてくれる味の度量。

パク付く感じがたまりません。
食べている…って充実感。食べている重み。
KFCとかスペアリブとか、噛り付く喜び、
口を思いっ切り開ける快感ってあるじゃないですか。
似た感覚があります。
しっかりとした食感があり、
かじった時に、歯に返す肉々しさが、
1度で口の中から無くならない、
噛むたびに鶏が溢れ出す、鶏に埋め尽くされるからこその快感。

紹介文に「身は柔らか」とあります。
自分が食べてみて思ったのは、
「柔らか」より、もっともっと威勢の良い感覚。
「ムチムチ」している。「身はムチムチしている」と思いました。
柔らかく、ムチムチとして張りがある。
淡色味噌を使ったことで身の締まりが増したんだと思います。
(自分も、その後に味噌漬け鶏を何回も試作しているから、そう思うんです)
「柔らかい」と言う言葉だけでなく、
「ムチムチ感+ジューシーさ」…
この肉汁を示す「ジューシーさ」は、
油っこさでは、けしてない訳で、
「肉の油、脂」ではなくて「肉汁」だけである事が大事。
ローストとポワレの良い所を兼ね合わせた調理法に、
鶏もも肉の美味しさが最大限活かされている…そう感じました。

続いては、こちら!

【 豚煮込 】
・たまり醤油の濃厚角煮・中華スパイスのポテトと共に
 甘味と旨みの濃厚な角煮は、たまり醤油でじっくりと煮込みました。

・たまり醤油のソース
 芳醇な香りと旨味。芯のある味わい。純米吟醸との相性は今回随一かもしれません。

・中華スパイスのポテトソース
 モノトーンな色合いで、目にもコントラストを。
 濃厚な角煮に合わせると、また更に深味が!

…とのこと。

ここまで来ると、だいぶ酔いが進んで来ていました。
もうすでにメモ無し。
この日、お馴染みのM入のおいちゃん夫妻とマラソンの話をしながら…
ちょうど、本当に昔からお付き合いさせている、
素晴らしい呑み手、Y本さん方と対面の座席になる事が出来て、
そりゃもう、話がすごく弾んだんです。

…話した内容は、
ほとんど酔いの彼方に置いて来てしまっていますけども。

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当日のパンフレットを見ていたはずなのに、
流石無敵の酔っ払い、
角煮を食べ、三幸軒の味わい…と言うより、
三幸軒の角煮の“食感”だ…と感じていました。
青木村の「ラーメン桃太郎」の熊本ラーメン系の角煮ではなく、
トロトロに煮てあって、
身のしっかりした部分と脂の旨さが共存している、
「あぁ、いつもの美味しさに近いもの」と食べていて、
この次の瞬間だけはハッキリと覚えていますが、

「 ポテト、うまー!?」

…そう驚きました。「ポテトうまい」再来。
何の気なしに、
(パンフレットを見ていれば“気なし”に…はあり得ないのだけれど)
角煮、ソースを囲む白い防波堤をつまんで、角煮と一緒に食べました。
この美味しさたるや!!
元来、豚の三枚肉に味はしっかり染み込んでいるし、
煮詰めて、トロミが付いているソースにも、
中野醤油のたまり醤油を使っているからこそ、
味の深み、豊かさがあります。
いつもよりも甘く濃く、コシがある。

中華スパイスを使ったポテトソース、
これが実にタレにも、角煮にも合っていました。
相対性理論…で良いのかな。
同じ方向へ、同じ速度で進んでいると止まっている様に見える、
逆の方向へ進んでいると絶対値以上に早く進んでいる様に見える…
その理屈に近く、
「三幸軒」の味、角煮の美味しさと、
ポテトソースは逆の存在感を見せつけていました。
ギャップ、別ベクトルがあるからこそ、より角煮が輝く。

角煮は旨味の要素が醤油の深味、コク、動物系の豚の脂であり、
ポテトソースは植物系の…ジャガイモのコク、淡白さ、甘さ、スパイスの芳しさ…
言葉だけだと似た部分があるのだけれど、
素材の差が大きな味わいの差になっていて、
角煮だけで食べても美味しいけれど、
ポテトソースがある事で、より一層美味しく感じる…
特に食事の終盤に、お腹いっぱいにもなろう中で、
「角煮」と言う本来なら重いメニュウを、実にペロリと食べ尽くさせよう…
…そんな目的を実現させる魔法のソースにすら感じました。

ステーキに添えられたフライドポテトは、
一緒にある意味を見い出せないけれど、
この角煮に添えられたポテトソースには意味がある。
それも、じゃあ例えば蒸かしたジャガイモに甘いタレを掛けたら、
こうした味になるかと言えば、そうはならない。
角煮を美味しくさせる必然性が詰まった一皿でした。
角煮にスパイスを…なら、
直接的に八角などの香辛料を使っても良いのかも知れませんが、
先のポテサラ同様に、
ポテトソースと言うファクターを介することで、
更なる旨味になっていました。

抽象的な言い回しで申し訳ないけれど、
より一層、角煮を美味しくさせる工夫に富んでいた…そう言う事です。
キャッチコピーを付けるなら、一言で表現するなら、
「白い、炊き立てのご飯より、ポテトソースの方が、豚角煮に合う」
…と言うこと、ですかね。

宴もたけなわ、〆として、こちら!

【 〆 】
・三幸軒のTKG
 醤油豆またはスモーク醤油でどうぞ。
 鶏白湯のスープは飲んでも良し、ご飯にかけても良し。
 どっちもお勧め!

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生卵で…

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白いご飯で…となれば、
もう想像に難くない「卵かけごはん(TKG)」のセット。
ここからが「食酒楽会」のスペシャリテ。

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再び登場。スモーク醤油。

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本日大活躍の「中野醤油」さんの醤油豆。

これを掛けて「卵かけご飯」を頂こう…と言う事です。

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いざ実食!
食べ方、スタイルは自由…とのことでしたので、
まずは卵を溶き、掛けてから、
それぞれの醤油を、
食べる部分にだけちょっぴりと垂らし、試してみましたが…

…「旨い」以外の何物でもありませんでした。

スモーク醤油、本当にすごい。
ウイスキーの「アードベッグ」や「ラフロイグ」の様な、
特徴的な燻製感ではないのは相変わらずで、
優しく、本来の醤油の香も生きた状態であるにも関わらず、
濃厚な卵の中においても、
醤油も燻製の香も、どちらも消えない。
むしろ卵の味の中から競り上がって来るかのよう。
塩気も味気も強烈に強くないのに、どこまでも主張して来る妙味。

もしかして、燻製される事で熱が加わって蒸発する分もあるのか…
元来の醤油よりも、香も味も凝縮されているのかも知れません。
スモーク醤油、
中野醤油を使った、この特別な醤油、
きっと卵かけだけでなく、ただ醤油だけをご飯で食べても美味しいだろうし、
バターと醤油だけご飯に乗せても、
通常の食べ方よりもスモーク醤油は頭ひとつ飛び抜けて、
飛び上がるくらい美味しいんじゃないかって思います。

スモーク醤油は、合わせようとして、バターの想像もするくらい、
どこか洋風な組み合わせを基盤に感じます。
代わりに、
醤油豆は日本人が愛する米、卵、醤油の組み合わせに近いです。
ずーっと日本人が食べて来た…
その喜びの感覚は醤油豆の方が感じるから不思議です。
どこかお漬物でご飯を頂いている様な…
発酵的なニュアンスが存在しているから…でしょうか。

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ただの卵かけご飯で終わらないのが、流石「食酒楽会」でしょう!
鶏白湯スープが添えられていました。
これを…そのまま飲んでも良いし、ご飯にかけても良いと言います。

匂いはしっかりとした鶏の香があり、
自分自身でも鶏白湯を作った事があるので感じるのだと思いますが、
実に丁寧に大切に仕立てたスープだと思いました。
すごく上品な鶏の香、雑味の無さ。
このままラーメン用として使っても、最高に旨いだろうスープ。

これをしばらく味わった卵かけご飯の上から流し込み、
雑炊風にして食べましたが…

…もう、至福以外に言う事がありません。
1杯で何粒も美味しい食べ方。食の楽しさを感じます。
圧巻の〆だったと思います。
不思議なもので、
Y本さん方と話した記憶、内容は曖昧な癖に、
これを食べている時だけは、ハッキリ覚えていますね。
またしても忙しく動いている…
今度は上野さんを捕まえて「うめー!!」と叫んでいたはずです。
興奮しちゃっていましたね。ええ。

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楽しい時間はあっと言う間であります。
挨拶と共に、恒例の一本締めでお開きに。

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「よーぉ!」

シャン!と柏手一発で〆まして。
(信州中野であれば、“ション”と言う擬音の方がしっくり来ますね?)
第25回食酒楽会、以上となります。
今回も本当に本当に大満足の会でした。

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明けて、
翌朝は買い物からスタート致します。
「来期は、より飲み込むことに引っ掛かりがないお酒を」
…そんなマニフェストを教えて頂きました。
今も、そうした引っ掛かりはないと思うのだけれど、
更に上、もっともっと上質な造りを目指している、
小古井宗一杜氏のお話を伺いました。
常に酒造りのことを考えている杜氏の事です。
来期の造りも本当に楽しみだと感じられるものでした。

ただ…まぁ、それ以上に、
今年の27BYのお酒も、
今回は五割麹・ごわりんご版が主役でしたが、
通常の五割麹・18号系もあり、
また白いラベル、純米吟醸もありますし、
日常に最高に旨い本醸造火入れもあったりします。
これを飲まなくちゃ新たな年を迎えられません。

常に考えて酒造りにまい進されていると言う事は、
毎年、全てのお酒がレベルアップしている…と言う事です。
来期の造り、味わいも楽しみには違いありませんが、
今年の美味しさを、もっともっと存分に味わいながら、
先へ、未来へ進んで行く、
その後ろを盃を持って、追い掛けて行きたいですね。


中野市は元気になる街だ!

…と、ずーっと前から言っている訳です。

ホントなんです。元気にしてくれる街なんです。

気落ちした時にも、浮かない時でも、

僕は行くと、だいたい元気になって帰って来ています。

ご縁があるんだなって、勝手ながらに思っています。
10年以上前なんかは、
「中野」と聞けば「ブロードウェー?ラーメンの青葉?」とか答えていたでしょうに。

これまでブログに何度かしたためております。

中野市はやっぱり元気になる町なんです!……2015年3月三幸軒、井賀屋酒造場
( http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-41fa.html )

中野市酒蔵今昔展と夜に三幸軒(2012年11月11日-12日)
( http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/2012111112-136d.html )

自分の中にある元気に気付く!(2009年6月12日・中野市と三幸軒、山梨・小作)
( http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/2009612-c6c1.html )

今回、改めて思いました。
小古井さんも、上野さんも、善光寺屋さんも、Y本さんも…
(素晴らしい醸造家、料理人、リテーラー、呑み手)
大好きな人たちがいる街だから、と言う事も間違いないけれど、
中野醤油の丸山さんも含めて、すごく情熱が溢れる人で、
その真剣さがたまらなく眩しい訳で。

今回は「食酒楽会」だから、クローズアップされるのは、
上記の皆さんだけれど、
丸世酒造店「勢正宗」さんや「Sakefeti」の和喜多さん…
こう、眩しい人たちがいっぱいなんだって思うんですよね。

居住区ではないからこそ、
僕が知っている中野市は箱庭程度のイメージ。
もっともっと広大に良い所が溢れているのに、
知っている場所があまりに少ないから「箱庭」の今なんです。

その庭に集まっているご縁のある人たちは、
小さな箱庭には贅沢で希少で、
よくぞ広い人生の中で出会えたと嬉しくなる方々で、
とても眩しく映っている…と言うことなんです。

元気な人を見て、
そう、昔からずっと変わらないですよ。
「自分の中にある元気に気付く」と言う事は、
憧れを抱くと言うこと、そうなりたい、
そう意気込んで生きたいと思うと言うこと。

さて、元気をもらった「食酒楽会」の一席、
本日はここまで。
長講一席、お付き合いを頂きまして、
誠にありがとう存じます。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
次回、お目に掛かりますまで暇を頂戴致します。

ありがとうございました。

ありがとうございました。



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