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2016年7月20日 (水)

8年目の夫婦豚尽くしで!(2016年4月23日・洋食厨房Spice)


いっぱい食べて、いっぱい飲んで、

いっぱい食べることが出来る様に、

いっぱい飲むことが出来る様に、

また1年を一生懸命に生きて行こうと思うのです。


えー、
誘惑箇所の多い中でございます。
いっぱいのお運び様で、誠にありがとう存じます。
気楽なところがよろしいんじゃないか…てンですが、
一生懸命に書いて行く事としてございます。
どうぞ最後まで、よろしくお付き合い下さいませ。

こう、噺家さんのマクラと言う…
噺に入る前に挨拶もしよう、近況も言おう、ちょっとした小噺を挟もうと言う、
まさに「枕詞」の通りでしてね、
頭に乗っけるってンでね、そんな風に言ったりしますし、
時間を取ったりしますよ。
ある噺家さんの口演で、こんな事を仰った方が居られましてね。

「1年ぶりのご無沙汰でした。
 1年ぶりにまたお顔を拝見できると言う事は、
 皆様方がご健勝であらせられた、と言う事ですね」

…と言う。
噺家さんの高座、お呼ばれして行くものですから、
ご縁が1度きりとなってしまうことは、とても残念な事ですね。
ですから、呼ばれてたいへんに嬉しい。
呼んで頂けたと言うことは、
呼ばれる側も、呼ぶ側も無事息災を意味していると言う訳で、
喜ばしい文句であるなぁ、と感じたものです。

本日は松本市は神田、
「洋食厨房Spice」にて、
僕らの結婚記念日を祝う一席で、ご機嫌を伺います。
先んじてコースをお願い申し上げる際には、
「豚を基調に、豚尽くしで」とお願いしてあります。
今年はどんなお料理で楽しませてくれるのか――――…

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松本駅から相変わらず歩いて向かいます。
信号が青に変わり、先を目指せば、噺の幕開きと決まっておりまして…。


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-- これまでの洋食厨房Spiceでのお楽しみ --

6周年は7年目!…のディナーを振り返る。(2015年4月26日・洋食厨房Spice)
( http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2016/04/672015426spice-.html )

5周年は6年目、アニバーサリー・ディナー!(2014年4月26日・洋食厨房Spice)
( http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/2014426-5673.html )

僕らの記念日に、洋食厨房を味わう。(2013年4月28日・洋食厨房Spice)
( http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/2013428spice-08.html )

3周年は4年目!アニバーサリーディナー!(2012年4月29日)
(  http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/342012429spice-.html  )

「あい、かわらず」と僕らは思う。(2011年5月1日)
(  http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/201151spice-9e1.html  )

僕らが決めた僕らのとても大切な日。(2010年4月25日)
(  http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/2010425spice-c2.html  )

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いつもより、ずっとくだけた表現で。

それは、食べながら書いているから、
書きながら、食べているから。


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こうして結婚記念日だけでなく、
クリスマスディナーだったり、
またクラフトフェアだったり、
普通にディナーコースをお願いする時もあるので、
洋食厨房Spiceまで歩く…だいたい50分くらいですけれど、
本当に、ただのお散歩気分で、
県の森までの通りを歩いています。

お買い物ついでに散歩をしていた柴犬に会いました。
店内には入れないので、
店先から中のご主人を伺っているところ。

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中間地点で1枚。
「菊の湯」や「Hop Frog Cafe」のあるところ。

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毎回、猫を見ることが出来る駐車場。
今回もいらっしゃいました。

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ちょっとだけ近付いて撮ってみます。

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この距離が限界。気付かれました。

「 こんちは 」

…とだけ声を掛けて、本線に戻ります。

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薄川に架かる橋の上から。
初めて洋食厨房へ歩いた日から、
ずーっとこの景色は好きです。綺麗な景色。

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「洋食厨房Spice」に到着です。

途中、道草を食っていたのにも関わらず、
40分ちょっと、5000歩の好記録。
天気は曇り、風が強かった事が、
心地好く散策する方向に導いたのかも知れません。

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そして、
早速「KIRIN・ハートランド」の生ビール。
ウマイ!
この瞬間のために生きている!!…と毎回思います。

…飲酒運転は許されず、
架空の話ではありますけれど、
飲酒運転が可能な世界があったとしても、
僕らはきっと、歩いて洋食厨房まで辿り着く事と思います。
車で、ついーっと安楽に来るばかりでは、
この旨さにはありつけない。

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「アミューズ的なもの」…として、
いつもの前菜「鮮魚のカルパッチョ」を前に、
豚、開幕であります。

写真右から、

1:豚のタン・スモーク、
  スモーク時に火入れをしたもの、
  スモークをしてからプライパンで火を入れたもの、2種。

2:豚ヒレ、明太子マヨ、ハーブ和え。

3:甘鯛の昆布〆と生ハム、添えられた野菜はチコリ。

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豚のスモーク、上に乗ったタンはコリコリの食感。
噛むと染み出るスモークと脂。
僕がメモを取っていると、

「そしてきゅうりを食べて…」

…と、YOKOさんがその組み合わせを楽しんでいる。

もう1種の…下になっていたタン、
こちらの方が柔らかに感じる。
コリコリ感が少ないだけで、食感は確かにあり、
かなり強く燻した香がある。

「うん、苦味もあるね」

…とYOKOさん。分かる。
どちらがフライパン焼きなのか、スモークしながら火入れしたものなのか。
燻された香の強さで分かりますね。
YOKOさんはフライパン焼きの方が好みと言い、
その歯応えが美味しいとのこと。

僕はスモークが強くかかった、
そしてYOKOさんが少し苦手な苦味がある方が、
お酒には合うんじゃないかなー…とも思う。

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豚ヒレを使ったもの、良い味。美味しい。
肴として良い感じ。
でも、すぐに浮かんだイメージは…
「豚ヒレ、魚肉ソーセージみたいな印象が…」と思う。
それをYOKOさんに伝えると、

「あ、そうだね」

…と言う。立ち飲みの場にあったら嬉しいんじゃないか…
そんな風に思いながら、ビールと共に食べていました。
少しスパイス的な辛さがあって、後を引く感じ。
気楽な…肴は1品だけあれば良い、気楽な立ち飲みに欲しいなっ…
あったら自分の定番だよね、って思う。

豚肉の処理は湯引きなのかなぁ。
そんな風に思うくらいあっさりした感触。
その柔らかさと対照的にレンコンなどの食感も美味しい。

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「これが気になる」

甘鯛を最後に回していたYOKOさん。
そう、気になるものは最後に取っておくタイプですね?

昆布の香が由来するのか、お茶みたいな番茶みたいな濃さのある香。
甘鯛を生ハムで巻いてある。
赤いフランボワーズソースを付けて食べる。

「甘鯛を感じないくらい。なんだろ?」

…とYOKOさんが言う。
なるほど、生ハムが強く感じる。
生ハムと昆布の熟成的な香がマリッジしている感じ。
生ハムの余韻がある。
不思議。身として鯛は存在しているのに、
ちゃんと食べているのに、
生ハムと一体となって、あまり体感した事がない風味を醸し出していました。

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前菜「鮮魚のカルパッチョ」を。
豚のコースじゃないのか…って?
洋食厨房のおもてなしのスタートは、いつもここからだよね。
なくちゃ困ります。
今日は高知県からやってきたお魚とのこと。

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右上、イサキ、ホウボウ、
下、皮付きヒメジ、

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真ん中、
血合が見えるアカムロアジ、
2枚重なっているニザダイ、

真ん中左端、フエフキダイ

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左上、ボラ
左下マンボウ
スモークマンボウ

相変わらず多様なお魚が並べられています。

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YOKOさんは白ワインを選び、
僕はメニュウ唯一の日本酒、
ちょっと裏手に行った所で日本酒を醸す「岩波」蔵のお酒を常温で頂きました。

いつも通り、YOKOさんと共に食べて行った順番に。

イサキ、風味良し。
スパイスの醤油に香があり、これがイサキの身と合う。
「なんだろ、柔らかいと言うかなんかこう、スッと入る」

…とYOKOさん。

ニザダイ、
「歯応えがある」とYOKOさん。
ハーブみたいな香、セロリみたいな香がある魚。
プリッとした雰囲気。

アカムロアジ、
「プリプリしている!」とYOKOさん。
やはり鯵、、鯵って美味しいなぁ…と知っていても尚思う。
脂が乗っていて、身も旨味に溢れている。
でも、魚の脂はサッパリ。

箸休めにピクルス。
キュッと来る強い酸味。これが良いんじゃァないか。

ボラ、
「お魚の匂い強い。なんか、しっかりしているって言うか、歯応えがある」
…とYOKOさん。
甘みがあるお魚でプリプリ。
「繊維を感じる雰囲気」とYOKOさんは続ける。

スモークマンボウ、
すごい!コリコリと繊維質とが共存している!
これは面白い。試作中だと言うけれど、
美味しいと言うか、食感が他のどれとも違う。

ノーマルの方はすんなり美味しい。
柔らかでとろける感じの。

フエフキダイ、
うまい!
プリッとした身で、甘みがあって、オリーブバジルの香が合う。
しっとりしている感じ。

ホウボウ、
いちばんもっちり。淡白な感じ。
「柔らかいかな、噛むと融けて行く感じ」とYOKOさん。

ヒメジ、
皮面に甘みと香が集中していて、
塩をしてあるのか、味も強く主張して美味しい。
これもあっと言う間になくなって行く。

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「日本酒が出たので」と肴を出してもらいました。

サバの白子、キントキダイの肝、
トビウオの卵、たまり醤油で煮たり、甘く煮たり。

甘く煮た卵、でもスパイスも入っているピリ辛甘みで旨い。
軽く炊いた甘味はワインにも良さそう。

醤油にワインみたいな香がする。
サバの白子、
ぬるんとして、ぎゅうひみたいな舌触り。
にゅるんとして、でも果実系のフランボワーズリキュールみたいな、
生醤油みたいな、良い醤油の芳しさが、よく移っている。

日本酒にも合うけれど、ワインにもちゃんと合う。

甘く煮た卵、もちっとくちゃっと。
甘くて旨くて、とろみあり、モツっぽい臓物の脂も感じる。

「こう言う佃煮みたいなのあるよねー」と繰り返す。YOKOさんの主張。
佃煮はもっと硬いんじゃないかと、取り合わない自分。
ふたりで他愛無く、とりとめなく、味わう時間。
この幸せ。

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本日のスープは、
「パプリカとニンジンのスープ」で。

白い泡がラテアートの様に…
笑っている様に見えるのだけれど、偶然?

青々とした、みずみずしさのある!…
トマトも入っているのかなぁ、
パプリカらしさがとても強く出ていて美味しい。
あの甘い香より、もっと…そう、スパイスで調律された、
甘味に対する美味しさの重ね合わせで、
ハリのある味わい、勢いあって旨い。

揃って、あっと言う間に飲み干す。
忙しい食習慣が勿体無い…とも思ってしまうくらい。

僕らがコースをお願いする日は、
パプリカが担当することが多いんだそうです。
面白い偶然。

メイン料理のひとつ。

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「ロールキャベツ」

まず見た目に、僕もYOKOさんも喜ぶ。
たっぷりの野菜、それがなんと嬉しいことか。
湯気の中から、良い香も届いて興奮する。

「やさい、すごい、たくさん!」

…とはYOKOさん。
貝殻も見える。
ロールキャベツの中は豚だけれど、
野菜のスープ、茸のスープ、
更に魚介類のスープも溶け出したものの様子。
やぁ、何度、匂いをかいでも良い香。

早速、ロールキャベツを口に運ぶ。
香が多い食材が込められていて、あっさりとしながらも、
香の重なりで豊かに届けられている気がする。
食感、中にいろいろ入っている様だし、
シャリシャリとした感覚もあり、歯応えが楽しい。

伺うと、
全6個のロールキャベツ、
片方3個が縦巻きキャベツ、
もう片方3個が春キャベツを使ったもので、
「ロールキャベツはキャベツで味が全然違うんですよ」と洋食厨房のシェフ殿。
香だけでなく、食感も異なる、これを楽しんでもらえたら…とのことで。

「へぇ、そうなんだ」

…と、きっと僕らは半信半疑で、もうひとつのロールキャベツを食べる。

「 あっ! 」

…と驚く。なるほど、本当に違う。
シェフの言葉を繰り返す様に、そのままの言葉を思う。
右側がしっとり甘く柔らかな印象。
左側がパリッとした葉の硬さがある印象。
それぞれの食感に合わせて、具がそれぞれに生きて来て、
そう、本当にその通り、言う通り。
香も味も異なって感じるから面白い。

口の中から色んな音がする。
野菜がとにかく美味しい。
トマトがキャベツの下に隠してあって、甘酸っぱくて美味しい。
スナップエンドウは、美味しいスープで炊いてあるからか、
これまで食べたものの中でもトップクラスに甘くて美味しい。
生っぽいと思うくらい瑞々しく新鮮に感じるけれど、
でも、ちゃんと加温した甘味がある。
もやしに混ざってベーコンも見つけた。これもきっと味の土台にあるんだなぁ。
全て丁寧に根切りされたもやし。
気付くと、なるほど…もやしの香もスープの中にきちんとある。

本当、目隠しでスープを楽しむと、
渾然一体となって、「ただただ旨い」と思うけれど、
視覚的に情報を入れながら、
その存在を探すと、それぞれの良さが、きちんと生きている。
この野菜、素材たちの主張はすごい。
全部、良いダシ炊きの味がある上で、しっかり個性の味がする。

ロールキャベツを炊き込んじゃって、
煮過ぎてしまって、
せっかくのキャベツの個性を殺してしまう…
…それが勿体無い、とシェフは言う。

あまりロールキャベツって、これまで食べて来ていなかったなー…と思う。
こんな美味しいものだったんだって、改めて思いました。

そう、確かに食べて来た思い出、洋食屋やレストランの思い出は、
肉やソースの印象こそあれど、不思議とロールキャベツは、
噛み切りづらくて食べづらい印象が濃い気がする。

今日、こうしてキャベツの美味しさ、スープの美味しさ、
肉の美味しさ、それぞれが優しくも際立っている…これを体感しました。
それはとても素晴らしい経験。


店内に、何かを焼く香ばしい匂いが漂う。

期待が膨らむ。


メイン料理、ふたつめ。

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「豚肉を色んな味わいで楽しむプレート」

「肉には味をつけていません。
 お好みのものをお好みの味で、楽しんで下さい。
 串は豚のカシラ肉になります。
 豚のモモ肉、バラ肉、
 バラ肉は脂の強い部分と赤みの多い部分と2種類あります」

…とのこと。

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左手前は豚モモ肉。

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黒豚のバラ肉、脂の強い部分。

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赤身が混ざった部分、豚バラ肉の2種。

それぞれがしっかり旨い。
脂は確かに感じる。
それが口に張り付くような強大なものではなく、
程好く落ちていて、熱によって締まるのか、
弾力と匂いに凝縮感をまとっている脂。

とても良いロースト。ちゃんと豚の匂いを感じられる塩梅。
直に焼く調理法とは異なる豚の身へのごく間接的な加熱によって、
外装の香ばしさが優先されるものではなく、
肉汁に由来する味、旨味、
そう、肉汁が残るからこそ、しっとりさも歯触りとして存在する。

カシラ肉、また柔らかさがバラ肉の弾力とは異なり、ウマイ。
マスタードの酸味が美味しく合う。

モモ肉がいちばん柔らかさとしっとり感を味あわせてくれる。
肉の繊維質の素材が、
脂と肉、目の粗い網目状を想像させるバラ肉に対して、
モモ肉は実にきめ細かい、また糸などで格子を作ったような、
そうした柔軟な網目を感じます。しなやか。
追いかけて来て、香が残る、ほのかな豚の香が、
何と言う魅惑の世界を醸し出す事だろう。

食べ比べてみると、
脂が適度にあると、山葵が美味しく感じる気がします。
辛味が脂に吸われて、鮮烈な香だけ届く様な。
でも、不思議な事に脂身が多い部位だと山葵が飲まれちゃうみたい。
面白いなぁ。ちょっとの差だと思うのに。

梅ソース、本質的に梅が苦手な自分だけれど、
この酸味は食べられる。美味しい。
山葵より、もっと万能なソース。酸味って美味しい。
脂が多い場合にはさっぱりさ、
脂が少ない場合には味の変化になるんだね。

野菜のローストの中には、ウドもあり、
焼いた香ばしい苦さとも異なる、
野性味の、山菜らしい苦味は意表を突かれた…そんな感覚。

梅とマスタードがお気に入り…
どちらも酸味があるもの、なのかも。
魚の脂だと山葵はけして負けない気がするのだけれど、
豚ならば酸味をキーワードにして食べると美味しいのかも。
ほら「酢豚」もそうした哲学から出ているのかな。
脂身がいちばん豚の匂いが強く、「豚!」を満喫できる。

野菜類はローストした脂で焼いているのだそうで。
蕪、信じられないくらい旨い!
蕪のジュースもあるのだけれど、脂を相当に吸い込んでいて、昇華している。
脂が詰まった蕪ではなくて、
何か、中で融合した様な…これはこれで一品モノ…と言う印象。

サツマイモ、超焼き芋味。
甘くて、皮を焼いた香が美味しい。
脂が香ばしく仕上げてくれたみたい。
かぼちゃのホクホク感もすごい。
“見極めている”…そんな風に思いました。
豆みたいな香もする。
何の見極めが凄いって、水分が抜けてしまうギリギリ手前で、
甘みがすごく濃くなっている…これが凄い。
抜き過ぎると、きっと乾いてしまって、
食感も良くないと思う。

僕とYOKOさんはワインとビールを追加します。
YOKOさんがワインで、僕がビール。
何となくワインよりビールの方が美味しいかも…そんな風に思いました。
フリースタイルに、飲みたいな!合わせたいな!の気持ちで、
気楽に楽しむ事が出来る…これもたまらない時間の過ごし方。

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全粒粉のパン。
どこか納豆みたいな香を拾います。
イーストっぽい甘い香。
前に生地をイースト菌で発酵させた時に、
こうした香、ありましたね。
軽く炒めてあるみたいで、表面は少しカリッとしています。

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小さくちぎったパンで豚を挟んで、
ハンバーガーみたいにして食べる。
これもすこぶる美味しかったですね!
薬味の組み合わせで、ただ合わせて食べるものと、
意外なまでにパンのファクターによって、
味の感じ方が変わるんですね。
そりゃあ…そうかも知れません。
ご飯があるからこそ、より美味しいおかず、
めいっぱいありますもんね。

続いて、食事メニュウへ。

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「オムライスです」

…と言って出て来たこのカタチ。
オムライスの原型のひとつに近いスタイル。
これは以前もあったもの。
ふふん、これだけじゃ驚きませんぞ。

豚のレバーとハツを使ったオムライス…とのこと。
ほ、ほほう。それは聞くだに奇抜な。
でも、そのふたつの素材、個人的大好物です。
時折食べたくて、家ご飯用途で買って食べたりしています。
あのハツのゴリゴリの食感、
レバーの唯一無二の味で楽しませてくれよう…と言う訳ですな。

…と、構えてはみたものの。

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「 なんで、この味!? 」

「 あっ、でも旨い。旨い!レバーの風味、濃い!強い! 」

驚きすぎて、驚いて興奮した自分にも驚いた。

どんな味を想像しますかね。
タマゴ、豚のレバー、ハツ…塩味とかスパイシーな焼肉味?
たぶん、そうした定番系の…何が定番なのか、
オムライスとは?と思うと、訳が分からなくなって来ますが、
きっと、この味わいを想像する事は、出来ないと思うんです。

まさかの甘辛醤油味。

イメージとしては「黒蜜」が近いくらい。

信州名物「かとうの鯉店」、惣菜屋さんのレバーの甘辛煮、
あの甘味くらい甘い。
那智黒飴くらい甘い。しっかり甘い。
唐辛子辛いのではなくて、甘さが強く辛いと感じるくらい。

後から聞くと蜂蜜も加わっているのだそうで、
甘味も直砂糖のシンプルさだけでなく、濃い重なりがあり、
舌先にしつこさをあまり感じません。
砂糖が多いなら、舌にまとわりつく気がします。カラメル化するもんね?

ゴーヤが入っていて甘味の中に苦味の存在感を出します。
旨味が…甘みあるご飯ってあんまり食べた事がありません。
豚風味がマスキングされつつ、でも顔をいつも出して来る。
とても気軽に…気付くとレバーの匂いが香る。
思うに、中華料理のニュアンスを感じます。
濃い甘味を上手に使って、加熱された状態での主張。
スパイスのスパイスで辛味、インパクトを増しても、
どこまでやっても、しっかり甘味が追い掛けて、追いついて来る。
甘味がしっかりしているから、
辛味もすごく輪郭が強調されて感じ、とても美味しい。
添えられたレタスの清涼剤もとても必要だし、
牛蒡も重要な要素になっています。
牛蒡を食べるまで、単調だなんて思っていなかったけれど、
牛蒡を食べちゃうと単調だったのかなって思っちゃう。
不思議だ。

このオムライスは面白い。
想像の遥か上を行く美味なるものでした。

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「豚骨のスープスパ」

しっかり豚骨テイスト。
魚の白子もスープに入っている…とのこと。
ついラーメンを想像しちゃうのだけれど、
ずーっとあっさりとしています。
豚モツなども入っていて、ボリュームたっぷり。

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本日のおやさい。

これも定番。これもいつもお楽しみ。
かなりの満腹状態ではあるのだけれど、
野菜は別腹であると言いたい。
酸味が強く、ドレッシングで食べないので、
酢と塩だけなので、
より野菜の瑞々しさ、匂いを感じる事が出来ます。

後に洋食厨房のシェフに伺うと、
今日のコンセプトとしては「豚の中から全部」を使う…と言うこと。
豚って…鳥もだけれど、
何にでも合わせ易いものだから、
いろんな料理を用意してみた…そうです。

最初は違うものと合わせて創作っぽく。
後半は肉を味わって欲しくて、豚を主題に。
豚って脂も旨いけれど、食感も旨いんだなーって感じて欲しくて。

見事な「豚尽くし」、堪能しました!


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食後のコーヒー。沁みます。

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デザートの盛り合わせ。

グラスの中は、白ワインゼリー。
ゼリーの中は、ブルーベリー、パイナップル、林檎。
自家製ロールケーキは、シナモンカスタードで、さつまいも入り。
左に立て掛けてあるものは、ルバーブと黄桃のシャーベット。
白いものは、イチゴとバルサミコ酢とホワイトチョコ。
黒いものは、ダブルベリーとブルーベリー、ストロベリー、カカオのチョコレート。
手前に、干し林檎と黒糖のテリーヌ。赤紫のソースはビーツで。

野菜も相当な種類を食べて来ているけれど、
果物もたくさんの種類、味わいの差を感じる事が出来る一皿。

干し林檎が固まったテリーヌ、
ふにふにとした食感で乾き切った硬さがなく、
水分を含んでいて、レーズンの様な感覚。面白い。
一瞬、ふにっとした所がエリンギみたい、とも思う。
林檎の風味はちゃんと届き、美味しい。

ホワイトチョコは、とてもイチゴの香味が濃い。
ドライイチゴ系の強烈に濃縮された風味がホワイトチョコの濃厚さと合って、
たまらなく美味しい。
バルサミコ酢は前面には出て来ていないけれど、
むしろ、強烈な美味しさを持ち過ぎて酸味も強いイチゴを、
なだめている役割なのかも。舌先に少し感じるバルサミコ酢の味が、
和みの印象を感じさせます。

ホワイトチョコと違って、黒いチョコレートはしっかりとした苦味。
ビターな味わいとチョコレートの味の濃さ、
こってりした強さが美味しさを形作っている。
白黒の色以上に対照的な味わい。

海外のチョコレートに黒いチョコレートと似た組み合わせ、多いかなぁ。
お土産物で出会ったことが何度かあると思いました。
黒いチョコレート側のベリーズはゼリーやジャムの様な食感で、
こと苦味が先行したチョコレートに中間から、
ジャムの味の色を混ぜ込んで来る印象。

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そして、結婚記念日のお祝いプレート。
チョコレートのペンで描いてあります。
そう、結婚記念日は4月26日なのだけれど、
今年は平日に迎えるので、
少し早めに今日4月23日、洋食厨房で予約を取りました。
それもちゃんと描かれていて、きめ細やかな対応、嬉しいです。

洋ナシのアイス、キウイ、ダークチェリー、キャラメルの盛り合わせ。
洋ナシのアイスは、
今日のこのディナーコースを締め括るに相応しい爽やかな後味でした。
香は華やか、口の中はサッパリ。

…たまに、YOKOさんと話す事ではあるのですが、
「差し向かいのご飯」なる状況、
僕らにはどちらかと言うと、非日常です。
ここ「洋食厨房」で夜のコースメニュウを楽しむ時間が、
これまでの僕らの時間の中で、
いちばん長く、差し向かいでご飯を食べている時間…だと思います。

例えば、厨十兵衛や摩幌美だとカウンターに座るから隣合わせで。
これも自然と立ち位置が決まっていて、
僕が左で、YOKOさんが右ですね。
毎日の晩酌はテレビを向かいに、僕が左でYOKOさんが右となっています。
ランチなどで、差し向かいになりますが、
飲みのないランチですから、そんなに長い時間にはなりません。
不思議とそんな生活を繰り返して来ているからか、
どこか気恥ずかしさすら、「差し向かいのご飯」について思うのですけれど、
その特別感もまた、こうして毎年「洋食厨房Spice」で楽しむ…
…そのひとつの大切な日の過ごし方として、
僕らに定着して来ていると感じます。

今日も良い夜でした!

ごちそうさまでした!


――――――――その後は。

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タクシーを呼んでもらい、
いつものナワテ通り東端まで連れて行って貰います。

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四柱神社にて、いつものお参りを。
日々毎日の感謝と、先々の平穏を祈念します。

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そして最後に松本駅前まで戻って来て、
「pub.摩幌美」で、電車の時間を伺いながら、
1杯だけ、ウイスキーを頂きました。

「酋長、ピートがあって美味しいウイスキーください!」

…とお願いして、出して頂いた2本。

The Scotch Malt Whisky Societyのボトル、
「29.73 BFD (big friendly dram)」と、
「33.118 Goodbye to care」を。

アイラ島のウイスキーを。


さて、

すっかり過ごして参りまして、
僕らは巣穴に戻って行く、程がよろしい所、ちょうどお時間となっております。
長講一席、お付き合いを頂きまして、誠にありがとう存じました。
またの機会、お目にかかるまでの暇を頂戴致します。
なぁに、次回は麺曜日の模様を語りますんで、長くはお待たせ致しません。
それまで、それまでの暇となります。ご承知置きの程を願って、
代わり番と相成ります。

ありがとうございました。

ありがとうございました。



僕らはこうやって、僕らの時間をゆーっくり歩いて行く。

食べて行く。

食べる時間を楽しんで行く。

それは誓って良い。

それは僕らの人生そのものです。



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