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2016年3月19日 (土)

僕らのBarと言う言葉の転変。(2016年2月20日・摩幌美)


もちろん、
大前提に「摩幌美」は「Pub」であります。
「パブリック・バー」ですね。
日本の文化と言うより、
スコットランドの日常であるところの、
「パブリック・バー」なのです。

カクテルにも魅力はあるけれど、
松本はBarの街だけれど、
いつからか、
好みも…味の好みと言うより、
時間の費やし方と過ごし方の好みによって、
「摩幌美」の、酋長が集めたウイスキーを、
どれか1杯、多くて2杯くらい、
選んでもらう、またバックバーから選んで、
ゆっくり楽しんで帰ると言う甲斐を、
Barに求める様になって来ていて、
時たまお世話になっている、
武蔵境の「酒のなかがわ(中川商店)」に、
初めて行った日を思い出すのです。

「ウチは日本酒のセレクトショップなんだよね」

…10年くらいは前の出来事…かな。
その志には感動できたし、
そのまま店っ先で90分くらい、
お酒を飲まずに真剣なお酒談議が出来て、
すごく嬉しい時間だったこと、今でも覚えています。

選ぶことは楽しい。
酋長、オススメのモルトを知る事も楽しい。

最近、なかなか足を運ぶまでに至っていないけれど、
僕らの感覚として、
「摩幌美」と言う「パブリックバー」は、
図書館の様な、ウイスキーを知る場所と言う認識で、
それでいながら、
心を楽しませてくれる場所でもある…と言うかたち。

はしご酒の大トリに、「Pub.摩幌美」に行き着いたお話。


…と言うのも、

最近、飲み過ぎたり途中で腰を落ち着けすぎたりして、
終電車との兼ね合いで、
「摩幌美」に辿り着けない場合もあったりするのです。


Dscn1600


この日はどちらもSPEYSIDEのシングルモルトウイスキーを。

「Benromach aged 10 years」

トップノートで見えた感覚は、
酸、樽…と言うもの。
述懐して、青林檎とチョコレートが並列に存在している感じ。
程好い質感、乱れた雰囲気の無い統率感を思います。

滑らかさもあり、もったりした緩やかな躍動あり、
旨味が強く、麦の印象が強い感覚の焦げたピートの様な印象。
飲んでみると、おおよその印象は変わらないものの、
後半にパフューム感があり、更に余韻に麦茶の様な香ばしさ。
全体を通して、美味しい変化に富んだ1本と感じました。

「BenRiach aged 12 years」

シェリー樽による熟成のボトル。

トップノートに、すごく洒落た白いドレスの女性を思い浮かべました。
上質な香。軽さもあるけれど、
甘味のあるシェリー樽の芳しさと艶やかさを持ち合わせていました。

シェリーかつ長熟の雰囲気より、
ずっと若さによる勢いと厚みを感じ、旨味をよく拾います。
強く甘く、強く旨い、パワー型の味わい。

この日はスペシャルなレコメンドとして、
酋長オススメのシェリー樽熟成のモルトが開栓されていました。
写真はその際に(僕が酔っ払って)撮影し切れなかったので、
また再び、お目に掛かりに行きたいと考えています。

The Scotch Malt Whisky Societyの「123.15」と言うナンバリング。
Aged 17 Years old の「グレンゴイン」を、
最後の1杯として、頂きました。

トップノートに抱いた印象は、
「すごく良いシェリー樽の熟成、そして成熟」
素晴らしい香でした。シェリー樽熟成かつ超熟にある香、
それは30年を超えたであろう樽の風格。
これまで、色んなモルトを飲ませて貰っているけれど、
ブラインドで試したなら、
味はともかく、香の高品位さに驚き、蕩け、
30年以上の熟成として、ボトラーズブランドからリリースされる、
そんなストーリーを想像し得る、
素晴らしい香だと思いました。高貴で、雑多を寄せ付けない香。

高貴、リッチ、芳しい、堅い、清純…
どこか超熟繋がりで「TOMATIN」のそれの様な…
シェリー樽との調和、
どこか芳しさが桃のニュアンス、
ルビーとかそう言う宝石の輝き、
上質な牛乳を使ったクリームの舌触りの倒錯感。
空気に触れると、更に杏の厚味を感じ始め、
手を離してYOKOさんが飲んでいる際にも、
香を拾うことが出来る程に、華やかな香を湛えていました。

芳しく特長的だけれど、
青林檎の様でなく、これはイメージカラーとして明るい緑、
デリシャスリンゴの様でなく、これはイメージからとして黄色、
洋梨の完熟したイメージを掻き立てながら、
華奢だけれどグラマラスな印象がありました。
イメージとして深い黄土色と派手な紫色の延長線上。
相対するイメージの延長であると言う熟成の妙。

飲んでみても、
これを30年以上の熟成品と思うこと違いないと感じました。
リッチな香が飲んで更に高まります。
より高貴、気品ある立ち振る舞い。
集約されて行く、集中を呼び込む香の高さ。
余韻の中に、少しだけ胡椒の様なニュアンスがあり、ドライな仕上がり。

非常に美味しいモルトでした。
出会えたことに喜びを感じます。

もっともっと感じていたかったけれど、
迫る終電車の時間に、僕らは「摩幌美」から駆け出しました。

美味しく味わいながら、
楽しくお話もして…素晴らしい酔いの彼方、摩幌美舎の思い出。


Barとは何たるか。
終電に走る僕らは、何にも考えちゃいないのです。
今日1日、楽しかった。楽しく過ごした。それは幸せだ…と。
「宿り木」ではあるのだろうけれど、
この楽しい時間の過ごし方をとても大切に思う、それが言葉の転変の先にある。

そう、楽しいを大切にさせてくれる場所、かな。

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