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2016年3月 7日 (月)

目は口ほどにものを言った風林火山での出来事(2016年2月13日・風林火山)


見ていたけど、

見ていたけれど、

逆に、

こちらを見ていてくれる…と言う事だと思う訳で。

お馴染みの中村さんやモモさんにもお会いする事ができ、
いつでも信州酒祭りの「大衆居酒屋・風林火山」へ行って来ました。


この日、この夜は久し振りに松本駅前の「風林火山」に行く事にしました。
駅のお城口を出て、横断歩道を渡って、すぐですよね。

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店頭に立って、いつもの写真を撮ろうとしていると、
振り返らないはずのYOKOさんが振り返り、「あっ、まだ撮ってないよ」と制すると、
一旦は前を向くのだけれど、また振り返る…
どうしたんだろうと思って聞くと、
店内のモモさんが僕らに気付いて、手を振っていてくれたみたいで。
有り難いです。そうして迎えて入れてくれるのは。

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先ず一杯、
僕は、信州池田町・大雪渓・特別純米無濾過生原酒直汲み、
“信州安曇野産ひとごこち・生産者宮澤ファーム”を選びました。

YOKOさんは、ちょうど時節重なっての売り出し中、
信州伊那・信濃錦・純米吟醸生原酒“立春朝搾り”をお願いしました。

「大雪渓」はカラリとした雰囲気にラムネ様の酸味と甘い香!…とは当日のTweetより。
ここ数年、「大雪渓の直汲み」はラムネ様の直汲みらしさが感じられて、
爽やかな飲み口を求める際には、とても良い様に感じます。香も高めですし。
単一の生産者さんのお米を用いたもので、
ワインで言うテロノワールの考え方を感じますね。
ワイン以上に酵母だったり麹の仕上がりだったり、温度変化だったり…
味わいが変わる要素が多いと言っても、
きっとお米を作る中で、それぞれの農家さんの思いや理念は異なるはず。
大信州酒造や笹井酒造のお酒にも、こうしたファーム名表記のボトルがありますが、
それぞれのファームで飲み比べたりなど、
飲み手としても興味や美味しさが広がる様に感じています。
胴貼りのラベルが、肩貼りの様に斜めになり、
大きく「直汲み」と書かれた「大雪渓」ボトルと比べると、
Tweetの通りに、少しドライな雰囲気に寄っている様にも感じました。
それは、僕にとっては好ましい方向性でした♪

「信濃錦」、しっかりお酒そのものが立っている印象でした。
よく謳われる“キリリと冷やして”なんて言葉が似合う感じ。
旨味の強いお酒だからこそ、そうして冷温帯でも強さを保って飲ませてくれる…
…温度が少し上がって来ると、肴と合わせるとより太く。
縁起物のお酒ですが、きちんとした造りを感じました。

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真だらの白子ポン酢

カロリーやら何やらを考えるとあんまり食べたくないものだけれど、
食べたさに抗えず。
ちょうど目の前、カウンター越しに他のお客様に出て行く白子たちを見て、
あまりの状態の良さに、そう抗えずに。

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ヤマセン(山芋の千切り)

YOKOさん定番の山芋の千切り。
すぐに出て来るし、サッパリして前菜に良いし、
そのまま置いておいても箸休めにも良いし。
良い肴ですよね。敬愛して呼ぶ略称「ヤマセン」ってところ。

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松本大油揚げみそ焼き

かなり大判の油揚げを香ばしく焼いて、
信州らしい甘めの味噌を塗りたくった品。
こう言うお品、信州人のDNAが流れている身としては、大好物です。
お値段も抑えられますし、程好くお腹にたまりますし。
味噌が油揚げの上で熱せられて、香立つのなんて、本当たまらん。

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グイグイお酒が進んで、次杯。

僕は、信州洗馬・美寿々“緑香村”・特別純米無濾過生原酒を、
YOKOさんは、信州小布施・Sogga pere et fils, LE SAKE EROTIQUE, NUMERO SIX
(ソガ・ヌメロシス・エロティック)を。

「美寿々」の塩尻限定銘柄「緑香村」、年毎に味わいが異なる面白さですね。
にごり酒、純米吟醸無濾過生原酒も美味しかった事から、
他の今年の新酒、是非にも飲んでみたいと考えていました。
塩尻の「さかの酒店」に買いに行かないと手に入らないボトルですから、
こうして出会うことが出来て嬉しいところ。
どうでしょう、例年に比べると軽やかでスッキリ、クリーンなイメージで、
仕上げの段でキリッと締める感覚。
青地に白文字のラベル「みすず」ラベルにも、どこか近い印象を抱きました。

「ソガ」の6号酵母仕込みは、
ピリピリとした刺激と、やや渋味があり、その広がり。
最後にちょっとアクセントがあって、甘味のバックグラウンドに支えられている印象で、
食に対して、反応のあるお酒と感じました。

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マグロのねぎま鍋

これ、YOKOさんがすごく気に入っていました。
当日は2月の中頃、寒い日が続いていた頃ですから、
温かなお料理に手が伸び、箸が伸び、温まった安心感は格別でした。

落語好きの自分にとっては、まさに種子島入り、鉄砲入りの鍋ですけれど、
自分の体で試す勇気はなく、とても美味しく正しく頂きました。
落語「ねぎまの殿様」に登場するマグロの身は、もっと筋や血合いを言い、
こんなにも…現代版の様な美味しさはなかったそうですけれど、
庶民のご馳走には変わりなかったと思います。

「目黒のさんま」によく似たシチュエーションで、
お殿様が初めての「ねぎま」に挑戦すると言う話。
煮込まれて熱々になった長葱の胴元をグッと噛みしだいて、
芯のロケット砲がお殿様の口の中のお宝目掛けて飛び出す…と言うお話。
こんな攻撃的な食べ物を口にしたことがない温室育ちのお殿様は、
ビックリして「この鍋は、種子島(鉄砲)入りだな…」と言う噺です。

黒コショウを利かせてあって、マグロの身も締まりがあり、美味しかったですね。
僕も、とても気に入りました。


その頃、
厨房では奥の座敷の宴会用メニュウの仕込みが行われていました。
トンカツ用なのか、かなりぶ厚い豚肉に対して、切れ込みですよね…
包丁で、ダンダンと叩いている光景を拝見します。

…間違いなく美味しそうだ。

あの豚肉は美味しそうだ。

その頃は、宴会用のメニュウだと思っていなかったので、
その日のメニュウをザッと見て、
それらしきを見つけられずに、レギュラーメニュウを見て…
ラムテキは前に頼んだことがあるけれど、
そう、ラムだし肉が違うし…

そんないかがわしい動きをし始めた僕を、
YOKOさんが見て、一緒に考えてくれたり、メニュウを眺めたり。

「あれ、良いなぁ」と言う目をしていたんだと思います。
豚を仕込んでいたお兄さんが「ビクッ」として、こちらを見てくれた訳でして。

そうするとお刺身などを切っていたモモさんも、
そのアイコンタクトと言うか、
獲物を捕捉したかの様な視線を浴びせる僕らに気付いたと言うか…

「…食べる?」

…なんて有り難いお声掛けを頂戴しました。

伺うと、宴会用のメニュウではあるけれど、
お肉自体は数に余裕があるし、
出す事が出来る…とのこと。これはたいへんに嬉しいお話でした。

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そんな訳で鉄板の上の豚。
ありがたや、ありがたや。
こうして立てて外周に焼き目を付けているのですね。
その焼かれて行く様を見ながら飲む日本酒も、食欲的には乙なものでした。

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そんな訳で「トンテキ」を。
いやはや、本当に美味しかったです。ボリュームも素晴らしいものでした。
豚肉の美味しさが存分に出ていました。
匂いが良い、口の中で脂もウマイ…最高でした。
「風林火山」、ポパイソテーやラムテキ、にらもやし炒めなどの鉄板モノ、
熱さも手伝って、気に入っているんです。
メニュウにあれば、必ずや頼むべき!そんな美味しさでした。
どんな美辞麗句を並べても、食べなきゃ伝わらない…そんな気がします。
強いて言うならば「ミスター味っ子」の味皇さまみたいな心境になります。

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僕は、信州辰野・夜明け前・純米吟醸生一本“しずくどり”生酒、
YOKOさんは、
信州上田・喜久盛“鼎”・純米吟醸“番外”おりがらみをお願いしました。

「夜明け前」、
以前のしずく採りは、いつもの紺地のラベルはそのままで、
金色の肩貼りに「しずく採り」と書いてあるもの…
これと同じ仕様でしょうか。
ともすれば、ラベルが刷新され、より目を引く様になりました。
綺麗なラベルですよね。
広丘「ふじ蔵」にて、よく火入れの純米吟醸を飲みますが、
こちらの程好い熟成感に比べると、
フレッシュさと軽さを感じるボトルでした。

「鼎」、こちらはまろやかさを感じましたね~。
おりが絡んでいて香も高く、舌触り滑らか。

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トンテキでしっかりお腹いっぱいになっていたので、
軽いものを。
「エイヒレ」と…。

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「みょうがきゅうり」で。
仕上げののんびりした飲みの時間に最適な肴。


偶然の旨味も十分に堪能できた楽しい飲みでした。
後半には、中村さんもお見えになって、厨房に。

炬燵席には、
ひろっちさんもお仲間との呑みでお見えになって、
相変わらず、色んなご縁に出会えたことも、
日々の飲みの中としては嬉しかったこと。

あぁ、今宵は満足の夜。


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