« 2015年4月5日 - 2015年4月11日 | トップページ | 2015年4月19日 - 2015年4月25日 »

2015年4月12日 - 2015年4月18日

2015年4月18日 (土)

第215回・モルトウイスキーを楽しむ会……摩幌美


ニッカウヰスキー・復刻ラベル第2弾!

第214回「初号ブラックニッカ復刻版」に続いて、

モルトの会にて、

「ハイニッカ」を楽しみます!

3月のモルトの会のお話。


Dscn77781_2


「 Hi-NIKKA・初号ハイニッカ復刻版 」

今回のテーマ・モルト。
1964年、
当時の酒税法による「2級酒」区分に分類されるウイスキーとして、
初の度数39%にて発売されたものだそうです。

ラベルにある「HiHi NIKKA」表記、「Hi」を重ねているのは、
オーディオ用語「Hi-Fi」と言う言葉が盛んに使われていた時代、
これに似て、これを呼びやすくして、
かつ「ウイスキー下さい」「ハイハイ!」と言うリズム感も、
竹鶴政孝の名付け、お気に入りであったそうです。

「ハイファイ」と言う言葉は、
「歌は世に連れ、世は歌に連れ…」…時代を語る川柳川柳師匠の、
落語「ジャズ息子」の中で伺った心持ちです。
義太夫のお父さんと、ジャズの息子の掛け合い噺。
息子さんが、そうしたステレオカセットをおねだりする中に、あったかと。

初号ハイニッカ復刻版、テイスティングしてみると、
甘く香ばしい香、甘くふくよか、
かすかなピート感、甘味、シード、柿少し、味もしっかりしている。
普通に、飲んで美味しい。
(ロックや水割り、ソーダ割りなどが向く…と言う訳ではなく、
 そのまま飲んでも美味しく、かつ飲み方を変えても、
 個性があって美味しそう…と言う印象)

味わいのしっかりさが本当、ちゃんとしていて美味しいと思います。

2級酒と言う言葉は、特級に比べて安価なイメージ。
美味しさも劣る…と比例して思ってしまいがちで、
モルトの会の中でも、
「当時より、美味しく作り過ぎているのではないか?」
…と言うコメントもありましたが、
( 実際に、そう思う事が出来る美味しさでした )
竹鶴の「本物を目指したウイスキー造り」、
そして、
「より多くの方に、手頃な価格で、
 おいしいウイスキーを飲んでもらいたい」
…その心意気が根付いた美味しさに違いないとも感じるものでした。

「 Hi-NIKKA・ハイニッカ・ウイスキー2級品 」

今回のテーマモルトの隣にあるボトルは、
ある酒屋さんにて見付けた当時もの
…年代が定かには分かりませんが、「2級」との表記。
前述の「HiHi」と言う表記もありません。
ボトルそのものも、古いものと思われ、
縦に接合したと思われる線を認めることが出来ます。
原料表記にある
「グレンウイスキー(とうもろこし)」と言う内容も珍しいものと感じます。

香は、ドライで、接着剤、片栗粉、白桃、
そうしたエステル香、どこかピート、
あっさりした雰囲気。

味は、塩っぽい、やや老ねた感じ、
ドライで塩キャラメルっぽい。
美味しいと思います。
軽く、ドライで、
モルトっぽさも薄くでも確かに感じられて良い。
リンゴ酸のイメージ。ツルッとして良い感じ。

復刻版と、この2級ボトルをハーフアンドハーフで楽しむ方もいたご様子。

Y岡さんは、
「美味しいコーン・ウイスキーを使っているんだなぁ」とのこと。
きっと、今のそれよりずっと美味しいのではないか、と。

また、kenchie会長ご夫妻から、
竹鶴政孝が、「Hi NIKKA」と共に、
醤油煎餅を食べていて、とても好んでいた…と言う話があり、
「実際に試してみましょう!」と言う事で、
試してみましたが、なるほど、相性はとても良かったです。
ハイニッカの甘味、醤油煎餅の甘味が合い、
香もお互いの良さがそれぞれ立ち上がって、グッド。

Dscn77801


「 SHIGAKOGEN・オーシャンウイスキー・ウイスキー特級品 」

これもたいへん貴重なボトル。
Y岡さんが志賀高原の酒屋さん…と言うより、
ある蔵から発見したと伺ったような。

オーシャンウイスキーですから、
今は亡き、
いや、今となっては場所を変えて復活を目指している、
軽井沢蒸留所の原酒が使われているはず。
そして、グレーンウイスキーは、
川崎蒸留所ではないか…と言う想像などなど。
夢が膨らむボトル。

ボトルも高級感あるもので、
志賀高原のお土産、贈答であったのかな…と思います。

Dscn77901


オーシャンウイスキーのキャップ。

Dscn77931


瓶底にも誂えがあります。

Dscn77971


ウイスキー特級表示、そのシールにも時代を感じますね。
製造者は「三楽オーシャン株式会社」とあります。

非常にクリーンな香、とても綺麗なまとまり、
ナッツ、透明、白い、ソフトさもあり。
塩っぽさ、甘味の雰囲気、トロピカル感、
年代ものの木の深さ、深味、濃さあり、
糖蜜や黒蜜の香。
シンプルな楽しませ方をしてくれる、
余韻に残る味わいは、とても快く、美味しい。

素晴らしいボトルでした。

「 116.19・SMWSボトル 20年 」

リッチな香。
20年以上の熟成したアルコール感、
香を嗅いだ際の返す匂いが、
巻き起こる風がとても良い。
赤いイメージ、ルビーみたいな輝き。
時間と共にバニラと酸の勢い、
強く、とろみ、余韻の幸福感、
すごく力強くてエレガント、遠くにドライな雰囲気。

「 Highland Park・Adelph 」

非常に品の良い香、
飲むと、とってもパワフル。
こんなハイランドパーク、飲んだことがない!
…と言うくらい美味しい。
芸術品と謳って、実に相応しいボトル。
トロピカルフルーツ香もあって、
飲むたびに幸せになります。

このボトルは、
僕自身はお会いした事がありませんが、
モルトの会の先輩、M田さんのお持ちだったボトルだそうです。
先日、ご不幸がありました。
献杯の中、頂いたボトル。
素晴らしいウイスキーボトル・コレクターさん、
もちろん、ウイスキーラバーさんだったのだと感じます。
kenchieさん、酋長とスコットランド旅行に出掛けた事もある方で、
このボトルを収集されている、
それだけでも、人物を感じます。
1度、お会いしてみたかったですね。
ご馳走さまです。
本当に、美味しかった。
こう言う「ハイランドパーク」も、あるんだって知りました。

「 Glenfidich・グレンフィディック18年(旧三角ボトル) 」

艶やかで、優しく飲みやすい。
流石フィディックと言う格式、高品位さ。
バランスの良さは、今宵のベスト級。


これらのウイスキーに囲まれて、楽しんだ夜。
この席上で、
NHK文化センターで催されたウイスキー・セミナーへの扉が開いている訳です。

ボトルにも出会い、人にも出会い、縁があり。
この摩幌美舎のテーブル上に築かれる和があり、
またグラスを掲げましょう…と絆となって行く訳で。

そう、また次回。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年4月12日 (日)

マッサンが生きた道 夢のウイスキーができるまで……NHK文化センター松本


Dscn78291

この時期、この出会い、この思い。

色んな偶然が重なって、冒険になって行く。

いつも、いつでも、大切なひと時。


今日は、3月27日のお話。
半年間、欠かさずに楽しんで来た「マッサン」最終回の前日のお話。

さかのぼること、その数日前。
YOKOさんが「市民タイムス」か「タウン情報」か…
毎朝の新聞記事から見つけ出したセミナー。

当時、クライマックス直前のNHK・朝の連続ドラマ「マッサン」、
この本場・NHKで開かれるウイスキーのセミナーと言うと、
ちょっと特別な感じがしました。興味が湧きました。

出来れば次回の更新でブログ化できればと思いますが、
「摩幌美」での吉例・月例会「モルトの会」で、
その話を切り出すと、

「 あ、それ私が広告を出したんです! 」

…と言う方が。
これには驚きました。伺うと主催者さんであると仰います。
NHK文化センター松本にて、今回のウイスキーセミナーを、
アサヒビール株式会社の方と相談しながら進めている、
企画を実現させた方が、その日、モルトの会に初参加しておいでとは…
縁を感じずにはいられませんよね。
その場で、僕とYOKOさんは参加のお願いをし、
また、モルトの会の中から、M瀬の旦那も同セミナーに参加した、
そんなお話を、申し上げます。


Dscn78261


そんな訳で、NHK文化センター松本。
松本駅から県の森まで続く道、
まつもと市民芸術館のお隣。
落語を聞きに芸術館に来ることが、何度かあって、
これまでの人生で、この周りを通る事は、
何度もあったけれど、
まさか、こうしてここに立ち寄る日が来るなんて。
縁遠い…と思っていた訳ではないのだけれど、
そうしたセミナーが開かれているんだと言う事も知らなかったのです。
行ってみて知りますが、
様々なカルチャーセミナー、開かれている様で、
受付にあった…
おそらくは繊維で出来ている鉢植、立派な仕上がりでした。

Dscn78271


セミナー開始の時間は18時30分、
基本的な営業時間は終わっていたと思います。
少しひっそりした建物内に、本日のセミナーの看板。

Dscn78281


受付を済ませ、会場へ。


このご縁となる松本の「摩幌美」では、
以前に、同アサヒビール株式会社の
ウイスキー・アンバサダーである
箕輪陽一郎氏のセミナーが開かれた事もありました。
この時にも、たいへん貴重なお話を伺う事が出来ました。

今回のセミナーはやはりNHKだからこそ、
テレビドラマと連動した着眼点を。
また異なる視点、腰掛ける椅子の差を楽しむ…
そんな体験も出来た様に思っています。

Dscn78291


セミナー中のBGMは、お馴染み「マッサン」のサントラから。
本当、耳が知っていますよね。
「あ、この曲はこのシーンで流れた」…と、つぶさに分かる。

「流石はNHK」と思うと、
どうしても…

「 NHKなんで 」

…と言いたくなります。あのポーズ付で。

内村光良さんを主宰にして展開している
“人生に捧げるコント「LIFE!」”…
また4月から新シリーズが始まって嬉しいばかりですが、
この中に登場する
ゼネラル・エグゼクティブ・プレミアム・ディレクター
兼「LIFE!」のスーパーアドバイザー役、三津谷寛治さんの決め台詞。

「 NHKなんで 」

何回か、本当、何回か心の中で思ってしまいました。

50分のセミナーと残りの時間での試飲を。
アサヒビール株式会社の寺嶋さんを講師に迎えて始まります。

翌日、3月28日で「マッサン」、半年の放送が終わるタイミング。
前日は、エリーさんが再び倒れる緊迫のシーンで8時15分を迎えていました。

「 今朝、ついにエリーさんが亡くなってしまって 」

…と言う冒頭。
当日の放送を見ていない僕らはビックリ。
史実があるからこそ、いつか亡くなる事は分かっていたけれど、
今日なのか、最終日なのか、とても気になっていた所を、
いとも簡単に。

そんなサプライズがあったものの、
やはり、そうしたタイムリーなイベントだったからこその話。

Dscn78311


「竹鶴・ピュアモルト17年」のお祝いから。
7年連続で権威あるWWAを受賞したお話。
「マッサン」の効果も、
また素晴らしいウイスキー文化の普及に繋がっていて、
噂では伺っていましたが、やはり品薄になっているそうです。

Dscn78301


セミナー中の“リラックス用に”…と届けられた、
プラスチックカップに入ったウイスキー。
「竹鶴ピュアモルト」でした。

いつもバーや家だったりでは気付かないけれど、
ウイスキーとは、如何に香が立ち上る液体なのかを再確認。
セミナールームと言う、
強いて言えば堅苦しい場所において…特段の匂いがない場所での、
ウイスキーから昇る…香の素晴らしさ、飲む前から溢れだす昂揚感。
きっとこれを口にする事で、幸福な時間を過ごすことが出来る…
空間を満たす匂いの威力、大切さを感じながら、
セミナーは始まって行きました。

セミナーを速記で全部記録する事は難しいので、
当日のメモ書きから、補足しながら。

「 ウイスキー一筋で生きてきた。その意味では一行で片付く男である。 」

竹鶴政孝氏の著書「ウイスキーと私」より。
冒頭に、まず竹鶴を表すならば、「これ」と言う言葉。
「日本のウイスキーの父」と呼ばれる、
現代のウイスキー事情の礎…だけでなく、
礎に用いる素材すらも、イチから集め、洗練させ、築き上げた人物であることがよく分かります。

信念としては「本物へのこだわり」、
「本物のウイスキーを飲んで欲しい」と言う思い。
先達て箕輪さんのセミナーで頂戴した冊子、
川俣一英氏著作「ヒゲのウヰスキー誕生す」を読んでいた自分には、
その「本物へのこだわり」は、いたく感じられるものでした。
竹鶴威さんが結婚し、歌子さんが嫁いだ項に、
生活のひとつひとつに、エリーさん…いや、リタさんと共に竹鶴家の、
美味しさへのこだわり、本物の追及を感じました。
ウイスキーだけ、本物を目指した方でなく、
全てにおいて、常に本物を意識する尊く、強い精神、志。
だからこそ、現代に「竹鶴」の息吹が伝わっているのだと感じます。

竹鶴政孝の幼少期の写真は貴重とのこと。
その家族写真の中には、竹鶴威の母であるお姉さんもいる訳で…
前述「LIFE!」にも出演している西田尚美さんが、
「マッサン」ではその役どころ。
この中の、どなたかがモチーフなんだなぁー…と思います。

竹鶴政孝の実家は、
今に続く広島県竹原市・竹鶴酒造、銘酒「竹鶴」の醸造元。
ウイスキー一筋で生きてきた竹鶴政孝の基盤は、
やはり、父の影響があり、酒蔵の息子として育った時代にあると言うこと。

「酒はつくる人のこころが移るものだ」

「マッサン」を見てきたからこそ、前田吟さんの優しい笑顔が浮かびます。
劇中も、本当に困った時、悩む時に、
勇気と力を与えてくれていましたもんね。

その言葉は、先進的であったのか、今も本質として変わらないのか。
現代の酒造りにおいても、
日本酒の市場の中でも、和醸良酒の心意気が根付いています。

同じ竹原から出た人には、
内閣総理大臣などを歴任された池田勇人氏がおり、
忠海中学校では、竹鶴政孝の1年後輩であるのだそうです。
国賓との晩餐会に、国産ウイスキーを扱うなど、
交流が続いたのだそうです。
お互いに同じ郷里を持ち、世界に打って出ている方々。
通じるのは必然のことなのかも知れませんね。

セミナーは、まさにドラマ「マッサン」のプレイバック。
懐かしくすら感じます。
この半年見てきたストーリーを追い掛けている…
知っている部分、もっと深く掘り下げられた事実、
「マッサン」には描かれていなかった、本当の竹鶴政孝に触れる。

1870年(明治3)、
ジンの輸入が日本で初めての洋酒とされているそうです。

竹鶴が洋行に旅立った当時の
「東洋汽船」の船の資料も時代感があって、すごく興味深いです。

スコットランドへ旅立ち、
大学へ学びに行く際に、色々とご苦労があったことは存じておりました。
資料には、その当時に頼った教授の教本、
「THE MANUFACTURE OF WHISKY AND PLAIN SPIRIT」の表紙の写真も。

また在学中の落書きには、以下の落書きがあるんだそうです。

苦シイ洋行ダナー 何一ツホントーニ、
ロクナ事ハナイ 頭ニハイラヌ…
イヤイヤ、心棒セヨ

ノートの落書きを後世、閲覧されるなんて夢にも思わないのでしょうけれど。

こんなに苦労していたんだな…と思います。
そりゃそうだろうけれども、なお思い直します。
歴史上に名を遺した偉人に違いないけれど、
でも、同じくして“人”なんだと思わされます。
自分も頑張れば…とか。
それだけの努力、努力が数値化出来るのならば、
全く程遠い、雲どころか星を掴む様な差があるのかも知れないけれど、
でも、それでも、希望を感じないではいられません。

努力があったから、ウイスキー文化が花開いたのだと言うこと。
全てが現実の…
もっともっと古い時代の英雄の話は、
世界も文化もあまりに異なっていて、お伽噺の様に感じてしまいます。
今とそんなに変わらない近代を生きた、
竹鶴政孝の苦労が実っている。
これだけで、心に一本の意気込みが湧き起こる様な…
熱い気持ちを感じないではいられませんでした。

ロングモーングレンリベット、
ヘーゼルバーン、
ジェームスカルダー社ネース工場などで、学ぶ…
その当時の写真も拝見いたしました。

これは「摩幌美」の酋長のライフワークそのものだと感じました。
「摩幌美」のホームページを見て頂ければ分かりますが、

( Wonderful Scotland, http://www.mahorobi.com/ )

酋長はウイスキーパブのオーナーであり、
また、今では蒸留が無くなってしまった、
場合によって、取り壊され、
ショッピングセンターになってしまった、
かつての蒸留所を追い掛けています。
その当時の面影を追う事で、今を見つめている…
それが酋長の写真家としてのライフワーク。

竹鶴が修業した蒸留所の写真を見たとき、
むしろ、これは酋長の写真だったりするのかな…と思った程です。

Dscn78321


スコットランドへ留学し、学んだ努力の結晶「竹鶴ノート」、
このレプリカも拝見させて頂きました。
とても綺麗な字で書かれていて、かつ集大成を感じる自信のある文字。
この2冊ある「竹鶴ノート」の行き先のひとつ、
駒ケ岳蒸留所と縁のある岩井喜一郎氏のお話も紹介されました。

昭和37年、ヒューム副首相が当時の池田首相に話した、

Japanese who borrowed the secret of Scotch.

…色々調べてみると、ヒューム外務大臣であり、
翌年であるなんて意見もありますが…とにもかくにも、
裏返して、日本のウイスキーの品質を誉めた言葉ですよね。

竹鶴政孝の洋行は、
ウイスキー造りに関わることだけでなく、
生涯の伴侶となるリタとの出会いもありました。
これを無くして、語られはしません。

X'mas pudding の占い、
男性が6ペンス銀貨、女性が指貫を当てる…と言う、
組み合わせも大切なんですね。
遊びではあるのだろうけれど、
それでも、こうして幸せを掴んだふたりを結び付けているのですから、
あながち、ただ“遊び”で片づけてはいけないのかも知れませんね。

リタの写真の中には、大阪時代の家でしょうか。
ドラマの中で出て来た縁側と、よく似た雰囲気の写真がありました。
「マッサン」、そうしたディティールにこだわって作られていたのだと感じます。

また、この言葉も心に残りました。

阿部社長の沈んだ顔、慈愛に満ちたあの眼差しは、忘れられない。

摂津酒造を辞める際の竹鶴の思い。
ドラマでも西川きよし師匠の好演は、胸に響きました。
普段のバラエティで見る西川きよし師匠も、とてもとても良い方。
熱い思いのある方。
阿部喜兵衛社長も、きっとこう言う人柄だったんだと感じさせられます。

また出資者の加賀正太郎さんも、
リタが英語の先生を担当したと言う史実に基づきながら、
証券会社の社長と言うお姿は、劇中も雰囲気そのまま。

ニッカウヰスキー・余市蒸留所の浮世絵も拝見しました。
すごいです。
浮世絵でありながら、
赤い屋根、写真ですが見たことがある、あの蒸留所。
この資料、どこかで一揃い見られないものでしょうか。

セミナーの進行が余市蒸留所の黎明期へ差し掛かった際、
ニッカウヰスキーの前身、大日本果汁時代、
買い上げた大量の林檎の山の写真と共に、
「アップルワイン」も、プラスチックカップに入れられて出て来ました。

この香が、たまらなく良かった。深い林檎の香。
飲んでみると、モルトと大きく異なる風情があり、
甘くて美味しく、林檎の香がアップルパイのそれの様な、
甘くてホッとする味わい。
「アップルワイン」は、
林檎のワインに林檎のブランデーを加え、
ブランデー樽で熟成した原酒を用いたものなんだそうで、
銘柄はずっと拝見していたものですが、
ここで初めて、試すに至りました。うーん、これは美味しい!
お値段も、とってもお安いもので、マスト・バイ!

余市蒸留所からの初荷を一礼して見送った…
そのエピソードもドラマで再現されていましたね。
「ニッカウヰスキー」の「ヰ」は井戸の「井」の意味。
「水が命」と言うお酒の根源を表しているのだそうです。

カフェグレーンのお話もありました。
モルト・ウイスキーだけでなく、グレーンウイスキーも含めて、
全て日本で作る、蒸留すると言う夢。
これも「本物」を目指した竹鶴政孝の思いが表れています。

歴代のマスターブレンダーさんの写真もありました。
以前、「摩幌美」にお見えになった佐藤茂生さんのお写真。
竹鶴政孝、竹鶴威、そして佐藤さんと続いている…
…そうした方と間近でウイスキーを楽しむ時間があったと言う、
その神秘性すら感じるご縁に、ただ驚きと感謝を思うばかりです。

竹鶴政孝のストーリーの後には、竹鶴リタのお話もありました。

写真も何枚か拝見させて頂き、
何度見ても、文金高島田の髪を載せた写真は、
戦時中の苦労をまざまざと感じさせるもので、辛く映ります。
しかしながら、
スキーをするプライベートショットは、とても可愛らしく、
楽しんでいる…また、そのまなざしの優しさが、
撮影者、きっと竹鶴政孝を見ている、本当に愛を感じる瞳で、
辛いばかりではなく、良いことも、竹鶴との素晴らしい人生であったのだと、
それが全てであったのだと、本当に感じられる笑顔でした。

「 IN LOVING MEMORY OF RITA TAKETSURU 」

いつか、余市蒸留所に行きたいですね。本当に。
その余市蒸留所を眺める丘に立つ、ふたりのお墓をお詣りに行きたいです。
僕とYOKOさんの出会いにも、
実は日本酒とウイスキーが関わっていますから、
いつか、1度は行きたいですね。

竹鶴とリタ、ふたりのお話のあとには、
「余市」「宮城峡」、
ニッカウヰスキーが持つ2つの蒸留所のお話もありました。

「 風の味を作る 」

風土がウイスキーを作ると言うこと。
音に聞く、現代では世界的に珍しい石炭直火加熱による蒸留器の稼働は、
1日に1.5トンの石炭を用いるそうです。凄まじい量ですね。

発売当初のウイスキーは、現代の物価換算で4万円ほどだったそうです。
生産本数も1000本とか、ごく少量。
その時代から文化として根付いて、
今は安価でも美味しいウイスキー、本当に増えたんだと思います。
一時代、安価なウイスキーはウイスキーではなく、
イミテーションのウイスキーばかりであった時代から、
竹鶴政孝が、本物をいつも見失わなかったからこそ、
本物を、安価に美味しく飲むことが出来る今があるのだと感じます。

ウイスキー業界のスーパーヒーローで、
かつ、
誰も為し得なかったことをやり遂げた功績、
学生時代の苦労、リタとの人生、
「マッサン」では、ヒーローではなく、
どちらかと言うと、ダメな旦那さん役…だったのではないかと思います。
何度も折れそうになった、そんなシーンはひとつやふたつではありません。
不甲斐なかったシーンもいっぱいありました。

人生がそこにあるのだと思います。
常勝無傷、悩みなどない人生はありません。
それを見て見ぬフリをして、誰かに責任を押し付けて、
逃げ回る人生はあるのでしょうけれど、
目標に向かって、折れても立ち上がり、
本物のウイスキーを楽しむ世界を築くために尽力した竹鶴政孝と言う、
尊敬すべき人物。

知っていた事がほとんどではあったけれど、
本当に、聞いて良かった。
これは、M瀬さんとも意見が一致していました。
知っている話だけれど、改めて聞くとまた新たな発見や思いに出会うこと、
テレビドラマ「マッサン」になぞらえる部分、思い出のシーン、
また、エリーさんとリタさんの違いもあります。
様々な思いを自分の中で見つける事が出来ました。

とても良い時間を過ごしました。

Dscn78331


試飲、とても豪華なラインナップで、すごく良かったです。

竹鶴・ピュアモルト(確かノンエイジ)
余市10年
宮城峡10年
余市・原酒(蒸留所限定ボトル)
THE NIKKA - Premium Blended Whisky -
初号スーパーニッカ復刻版
アップルワイン、
アップルブランデーXO
シードル

記録をしっかり取って来なかったので、
きっと合っていると思いますが、間違っていたなら、ごめんなさい。

飲み方にも、いろいろ案内がありました。

発売されたばかりの「エリーウイスキー」の原型とも言える、
「初号スーパーニッカ復刻版」は、飲んでみたい興味があったもので、
ここで出会えたことが嬉しかったですし、
また4月25日に予定されている
4月の「モルトの会」のテーマウイスキーでありますから、
また「摩幌美」で、“こんな感じ”と、皆で言い合えたらって思います。
余市や宮城峡のシングルモルトウイスキーは、
重厚な余市、可憐な宮城峡を飲み比べる、いつも新鮮な発見がある選択。
そこで、更にブレンデッドウイスキーの美味しさが光る。

またアップルワインに対して、
アップルブランデーも、また味覚に大きな差があります。
アップルワインのとろける様な甘味、
香は林檎らしさを感じるけれど、舌触りは蒸留酒のそれであるブランデー。
シードルもまた林檎由来のお酒ですし、
そのニッカウヰスキーの多様なお酒の世界を知る事が出来るラインナップでした。


僕とYOKOさんは閉会後に、
緑町・廣東にご飯を食べに行き、四柱神社にお詣りをして、
きっかけである「摩幌美」に戻って来ました。

Dscn78441


スコッチウイスキーと素晴らしき日本文化「ホッピー」を合わせた、
摩幌美オリジナル「スコッピー」…
これ、竹鶴政孝氏が出会ったら、なんて表現するのでしょうか。
文化のマリアージュがあると思うのです。
登場以来、僕もYOKOさんもずーっとお気に入りです。
それなりに度数があるので、酔っ払いはするものの、
後に残りにくい印象があります。

カウンターには、先程まで一緒だったM瀬の旦那、
モルトの会のT内さん、
そして、この会を主催した方もお見えになっていました。
簡単なお疲れ様会の様相。
それが叶う摩幌美のカウンターって良いなぁ…って思うんです。
翌日の「マッサン」最終回の話をしたりしながら、盛り上がった夜。
本当に、企画運営進行などなど、お疲れさまでした!

Dscn78501


当日は、
G&MのPULTENEY・1998を頂いたりしながら、過ごしました。


次回更新もウイスキーで行きたいと思います!

何故なら、そう、次回のモルトの会が近づいて来ていますから。
その前に更新をしたいなー…と言うところ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年4月5日 - 2015年4月11日 | トップページ | 2015年4月19日 - 2015年4月25日 »