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2015年2月14日 (土)

穏やかで美味しい休日を…洋食厨房Spiceで。


深呼吸をするんです。

深呼吸できない苦しい時ほど、深呼吸をするんです。

とても難しいことだけれど、

成功すれば、その時間はかけがえの無い休息になるはずなんです。


1月25日は、それなりに事件があって疲れました。
うん、疲れたんですね。とても。

元より、それを予測していた訳ではないのだけれど、
明くる日1月26日、次いで1月27日は有給休暇を取得しておりました。
ちょうど良かった…と思うことが出来る、これはまさに幸運。

1月26日は、人生初となる場所へ足を運び、調べ物を行った午前中、
午後は信州スカイパークを9kmのジョギングを。
夕刻、景色が少しずつ暗くなる高速道路上を一路北上。
信州スカイパークでのジョギングのあとは、
たいていが「竜島温泉・せせらぎの湯」なのだけれど、
基本的に月曜日が定休日である訳で、

「 さぁ、どうする? 」

――…と、なりました。
近くだったら「林檎の湯屋おぶ~」があるのだけれど、
思いを巡らせた上で、「せっかくの平日なんだし」と思い付いたのが、
青木村「田澤温泉・有乳湯」でした。

県外からのお客さんも多い、信州が誇る名湯のひとつ。
加温、加水の一切無い、新鮮な温泉の掛け流し。
新鮮だからこそ、炭酸含有系の温泉ではないのに、
体に泡が付く…それぐらい新鮮なんです。お湯に入った瞬間「あぁっ」となります。
これまでは同じく平日、昼間に足を運んだ事がありました。
さて、平日の夜はどんな雰囲気なんだろう…そう思って出掛けましたが、
これが、昼の時分に増して、共同浴場らしい風情に満たされたものでした。

日常に溶け込んだ雰囲気。「日帰り入浴施設」と言うより「我が家のお風呂」と言う旅情。

YOKOさんと話したのは、
沓掛温泉・小倉乃湯では、カラカラと浴室へ続く引き戸を開け、
とりあえず、地元ではない僕らも「こんにちは」って言う…そんな雰囲気だ…と言うこと。
感覚的な話なのですが…人が多くいらっしゃらないからかも知れません。

田澤温泉・有乳湯では、地元のお知り合いさん同士だけが挨拶をしている様な印象です。
いやいや、あくまでそれは“部外者出て行け”って感じではないんですよ。
けして、そんな事はありません。
本当に…町内にある、町内皆、家族同然の中のお湯に、
代々、守ってきたお湯に、僕らも入れてもらっている…
…そう、客人扱いと言いますか。
だから何かを特別にしてもらうって事はないのだけれど、そんな雰囲気なんです。

平日の夜と言う事もあって、1日の疲れを癒すため、夜の支度に移るため、
そうして訪れて、ワイワイガヤガヤと…
落語の世界に残る「若い衆は湯屋と髪結床に集まった」と言う、そんな景色。
耳に入る世間話も、政治とか世相とか、そう言った話ではなくて、
家族のこと、畑のこと…実に長閑なものでした。

「 今日は誰と来ただ? 」
「 かあちゃんと来たんですよ 」
「 そういやぁ、木、切ったね 」
「 あぁ、切りましたね。植木屋さんが来て 」
「 ありゃあ、どうやって切ったんだい。あんな高いところ 」
「 するするって登って行って 」
「 ほうー 」
「 ここ、よく来るんですか 」
「 いやー、家の風呂じゃ5分も入ってられねぇけど、ここなら誰かいると思ってさー 」

…ご近所さんなのでしょうけれど、
渋味のあるオジサマと、茶色い髪をなびかせた若いお兄さんと。
一帯の家族感、とても良い関係が築かれているんだと感じました。

自然と…とても良いお湯、温泉に入れてもらっている、その感謝を抱く空間でした。

1月27日は歯医者さんの診察をお願いしてありました。
松本歯科大学に行きます。
診察のついでに、売店へ。
ここの売店に売っている歯磨き粉でないと、自分はダメなんです。
歯茎が荒れてしまいます。
元々、歯周ポケットが深く、困っていたところ…
ブラッシングもちゃんとしているのに…そんな流れから、
オススメされて試してみた歯磨き粉。
専門の方がオススメするだけあって、実に良い。
手放せなくなってしまいました。
歯ブラシもコンパクトヘッドで使い勝手の良いものが、より取り見取り。
街のドラッグストアも品揃えは良いのですけれど、
松本歯科大学の売店が、僕らの口腔ケアには不可欠です。

診察の後、扉温泉・桧の湯へ。

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霧立ち込める天候。

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霧の風景が、山側を見るとよく分かると思います。
平日に「桧の湯」は何度か経験がありますが、
ここまで空いているのは珍しい…そう思いました。
平日であっても、常連さんが多く居られるのに。
道路の雪、霧、寒さ…そうした気候の要因に感じられます。

露天風呂は霧の中にあり、冷え込んだ…と言う印象はあまり無かったのですが、
お湯はいつもに増して、ぬるめ。これがたまらない心地好さ。
この日は男性が広い露天風呂側でしたが、
1時間以上、ずーっと…うとうとしながら、のんびりとしていました。
他のお客さんも、地元の方ばかりが数名。それぞれの時間に浸っておられました。
静かで、休む事に集中。悪天候も捨てたもんじゃありませんね。

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先達て使っていた回数券の手持ち分がなくなると言うことで、
僕とYOKOさんは、次の回数券を買い求めます。

12枚綴りで3000円の回数券を3セット同時購入すると、
3枚の入浴券が追加でサービスされるシステム。
これに初挑戦しました。
当日、1枚使用したので、3セットと「特典」チケット2枚の写真になっています。
つまり、9枚のチケットが…入浴料は300円なので、2700円分のお得チケット。
しかも、有効期限がありません。期限切れの杞憂もなく、安心のお買い物なのです。

それにしても「特典」と書かれたチケットのゴージャスさったらナイですね。
日本酒ラベルコレクションの一角に、
大切なチケットとして取り置いておきたいくらいです。

お腹が空いていて…
「桧の湯」に隣接する「かけす食堂」も美味しくて大好きなのですが、
寸時、我慢して「洋食厨房Spice」に向かいました。
出来るだけ、立ち寄りたいお店です。いつも必ず期待以上の美味しさに出会えるお店。

前菜、デザート付きの「ランチコース」にて、お願いしました。

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前菜の「鮮魚のカルパッチョ」、
右上からヒメジ、右下ニザダイ、中央上サゴシのスモーク、
中央中は自家製ピクルス、中央下チカメキントキダイ、
左上メジナ、左下ハチビキ…と言う一皿。

それぞれ異なる食感、味わいを楽しみます。
特に気に入ったのはサゴシのスモークですね。
燻す…燻したものを馴染ませるために、1週間ほど寝かせてあるそうです。
干物ではなく、半生…と言うほど乾いていませんが、
程好く水分が無くなっていて、凝縮された旨味の感じさせ方が絶品。
お酒も美味しく頂く事が出来そうな仕上がりでした。

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今日のスープは「長葱と生姜のスープ」、そしていつものサラダ。
スープからは、どこかカレーの様なスパイス感。
生姜由来でしょうか。
グイグイと息をつかせず、美味しさに身を任せて飲み干すと、
空になった器から湯気が立つくらいの早さ。
温かいものは、温かいうちに、美味しいうちに…ですよネ。

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「おさかなのサラダライス」をご飯大盛りで。
たっぷりのおさかな。
土日に食べるバージョンとは少し異なる食べ方なんだそうです。

「 お刺身とお寿司のネタは違うんです 」

…そのお話がとても興味深いものでした。
お刺身は魚の鮮度を食べるもの。
お寿司はご飯もある…ご飯と一緒に食べて美味しいお刺身でなくてはいけない。

てっきり、同じもの…そう思っていました。
実はそうではなく、
お寿司の場合は、ご飯に合う食べ頃を見極めて使っている、
それが、お寿司の本来…と言う話。

最近、牛肉などでも肉の熟成を謳う様になりましたよね。
エイジング・ビーフと言ったりして。
お魚にも同じ事が言えて、ご飯と合わせるのに、ちょうど良い状態、
ちょうど良い食べ頃、処理方法がある…と言う事なんです。

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「おさかなのサラダライス」に添えられる醤油ベースのソース。
そして、辛味のあるスパイス2種。

「 スパイスを山葵みたいに薬味として使ってください 」と言います。

これがたいへんに美味しかった。

むしろ、海鮮丼と似た構造だからって、山葵を合わせたら勿体無いかも。

サラダライスのご飯も土日のものと少し酢の雰囲気が異なり、
マヨネーズも土日版にはありません。今日のお魚の熟成に合わせた構成、
美味しさの追求がここにあるんだと感じました。

マヨネーズの匂いが僕は少し苦手なのだけれど、
それが、スパイスとおさかなの旨味によって、旨味だけに感じられ、
それぞれの素材がとても美味しく感じられます。
どれも必要!
マヨネーズも、とても美味しく感じます。
ちゃんと美味しさが伝わって来るんです。
スパイスは衝撃的な辛さ、そのまま食べるとビックリするくらいの辛さですが、
ふり掛けて、薬味として使うと、
辛いのだけれど、心地好い刺激となって、
美味しさを味わう心の喜びを跳ね上げますね。

この日、注文まで悩んだんです。
サラダライスにしようか、久し振りにハンバーグにしようか。
YOKOさんが、「ハンバーグ師匠」の事を嬉しそうに言うので、
ハンバーグを食べたくもなっていたのだけれど、
今日は今日で、大正解のメニュウ選択でした。

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YOKOさんは「かきのパスタ」を。

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中には牡蠣がたっぷり入っています。
牡蠣の肝をソースに使ったもので、
脂や油で濃厚さを感じるのではなく、
オイスターソースにもなる牡蠣の旨味が詰め込まれた
肝の旨味の濃厚さで食べるパスタ。

「かきのパスタって何味ですか?」

…と聞かれる事が、たまにあるそうです。
ペペロンチーノやタラコスパゲティみたいな塩味、
和風のスパゲティみたいな醤油味、
乙を気取った和風で味噌味…色々ある、それをお客さんは聞いてらっしゃるとは思うのですが、
シェフさんも悩むんだそうです。
僕も自分だったらどう答えようか…と悩んでしまいました。
「牡蠣の牡蠣らしい味のパスタなので、牡蠣味」だと思います。
牡蠣の味わいたっぷりの牡蠣味。
シンプルだからこそ、食べてみて分かる「味覚の名称」と言った所でしょうか。
YOKOさんも大満足の旬味でした。

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食後のコーヒー。

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今日の「デザートの盛り合わせ」は、

金柑と生姜のロールケーキ、
ザクロとグレープフルーツのカクテル(加糖無し)など。

ザクロとグレープフルーツは、
果実そのままの甘味で十分美味しいし、香がとても高かったですね。


しっかり食べて、また食に関わる興味深い話を聞く事が出来て。

贅沢な時間を心から楽しんだ1日。

楽しむことこそが、体全体をも巻き込んだ深呼吸になった1日でした。

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