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2013年7月14日 - 2013年7月20日

2013年7月16日 (火)

僕らの記念日に、洋食厨房を味わう。(2013年4月28日・洋食厨房Spice)







えー、誘惑箇所の多い中、
いっぱいのお運び様、誠にありがたい訳で、
気楽なところがよろしいところ、
一生懸命、書いて行く事にしております。
どうぞ、最後までお付き合い下さいませ。

えー、噺の中の ”小噺(こばなし)” てぇものは、沢山ある…
本当に沢山ございますですね~。

「ぶーん、ぶーん、ぶーん」

「うるさいねぇ!」

「…はぇ」

…なんてね。
右を向いて、左を向いている内に、ちゃんとオチが付く…
諸兄先輩から伝わっているものもございますし、
また…ねぇ、それぞれで思いつくものだってありますよ。
ちょっとした言葉の…こう、何と申しましょうか、
組み合わせを面白く、おかしいな…と、気楽にお笑いになって頂けますものが、
小噺と相場が決まっておりまして。
それをだんだんと長くしていったものが噺になって行くんだそうですが、
例えば、こんな与太噺も…。

「なぁ、兄ちゃん!1年ってな、1年ってなぁ、13ヶ月あるんだぜ。知ってたか?」

「ばぁか。なぁに言ってやがんでぇ。1年てのはなぁ、14ヶ月だ」

「えええー、なんだそれ。兄ちゃん、そんなこたぁないぜ。そんなこたぁないぜ。
 じゃ、じゃあ、数えてみるから、
 よーく聞いてなよ」

「おう、やってみろ」

「1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、お正月」

「ばーか!お盆が抜けてらぁ」

…と言っている所に兄弟の大元、取り締まりのおとっつぁんがやってきて…

「さすが、兄ちゃんは物知りだぁ」

…なんてんで。

お定まりでね。
「盆、暮、正月」なんて言いますよ。
日本国中が特別な日ですよね。
この兄弟も1年が12ヶ月と言う事は知らなかったけれども、
盆と正月が特別である事は、知っていた…てンですな。

昨年の8月に温泉に好んで行く様になって、
どうにも「連休」とかね。そうした特別な日と言うのは、
もう、やたらに混むものだ…と言う事は分かりました。
平日と休日の差は多いにありますな。
色んなご職業があって、
多くの方がお休みの日にこそ働く…それも以前に比べれば増えていると伺いますよ。
それでもやっぱり遊びの本場は土曜日、日曜日なんだなぁ…と感じますね。

そこで「盆暮正月」は、親玉ですよ。殊更に特別な日でございますから、
もっと混む、すごく混む、
「あぁ、芋を洗うようだぜ!」…と言えるくらいなんだと…
…そう考えておりました。
でも、何て事は無い、
実際に2012年から2013年に切り替わりますあたり 、
綿密な「YOKOの温泉手帳」のリサーチによって、
空く温泉施設も分かっておりましたから、
ごく程の良い所で、温泉に入る事が出来ました。
「あぁ、盆、暮れ、正月も大して特別な日じゃねぇやな」
…とも思いましてね。

けれども。

けれども、です。

さて、ここからが本題です。

私とYOKOさんにとっては、1年365日の中に、
とてもとても大切な日がございます。

4月26日。

これだけは外せない。外せませんよ。
買った豆富の賞味期限を忘れても、これだけは忘れません。
記念の1年目を迎え、繰り返して繰り返して、はや5年と言う歳月。

お陰様で、ふたり揃って満足に暮らす事が出来ております。
こうして「洋食厨房」で祝うと言う事は、
ひとつの締めくくり、終点であり、
またひとつの始まりとなってございます。
とても楽しみで、心待ちにしている日。

4周年と申しますものは、5年目でございます。
満4年の無事息災を祝い、そして感謝し、
これからの5年目の幸せを心から祈り、
一生懸命に頑張って行こうじゃねぇか…、
ふたり揃って駆け抜けて行こうじゃねぇか…と誓う。
その日、思い出となりますが、
申し上げるお支度が調ってございます。

おあとがよろしいようで。


3周年は4年目!アニバーサリーディナー!(2012年4月29日)
(  http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/342012429spice-.html  )

「あい、かわらず」と僕らは思う。(2011年5月1日)
(  http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/201151spice-9e1.html  )

僕らが決めた僕らのとても大切な日。(2010年4月25日)
(  http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/2010425spice-c2.html  )


【 2013年4月28日 】

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駅前大通りを歩くYOKOさん。
日曜日の…ゴールデンウィーク期間と言っても、
やっぱり日曜日だからか、夜に向かって、
人通りは多くありません。

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頃は4月末、
随分と日が長くなって来たなぁ…と実感します。
暖かくもなって来た時期、
ふいに季節外れと言って不足の無い雪もあった2013年春。
市民芸術館、NHK近くの街路樹の花も、
これからの「工芸の五月」を迎える松本の街の彩りになります。

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秀峰中学校横で草間彌生さん号に出会う。
特に何のいわくもないのだけれど、
お出掛けすると、たいてい出会うし、特徴的なので、
どちらともなく「来た!」と言い合う習慣があります。
夕焼けの街並み。


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薄川の橋の上で恒例の万歳。

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今回も無事に神田は「洋食厨房Spice」に到着です。
筑摩神社の中を通ることで、
歩くには少し向かない「寸八」「ふらんす食堂やまもと」がある、
車通りの多い道を避けて南下しています。

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キリン・ハートランドのタンブラーサイズ。
毎度毎度思いますが、
「この為に、ここまで歩いて来たんだ」と、
心から思う爽快感、満足感。

夕焼けと共に歩いて来ました。
去年もこうだったかなぁ…と思うと、昨年の写真はもう少し暗い。
そうだ、色んな所を歩き回って辿り着いたんだ…と思い出しました。
よくここまで歩いて来ていると思います。
だいたい45分から55分くらいですから。
この美味しさを、歩く事が出来る楽しさを、
毎年繰り返して行きたいと、
こうしてブログとしてまとめていると、思います。

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ウェルカム・メッセージと、
装備して来た小物類。
普段はしない時計と日差し除けのメガネと、
直近の「古今亭菊生の落語百夜」、
抽選で当たった菊生師匠の手拭い。
嬉しいので、現在も常備手拭いとして持ち歩いております。

【  前菜:鮮魚のカルパッチョ  】

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まずはお馴染み。
今の僕らには、打ってつけ。

ちなみに、どこかで1度は書いたかも知れませんが、
YOKOさんと僕は同じタイミングで同じお刺身を食べています。
これは最初から変わらないですね。
YOKOさんが選ぶものを僕も追い掛けて同じくらいの量、箸に取ります。
せっかくなら、同じ感想を同じ時間に共有したいじゃありませんか。
だから、
酸味の強いピクルスを食べて「スッパー」と顔をグニャッとさせるのも、
同じタイミングです。
(この酸っぱさがウマイんですよネ)

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右上から、スズキ、ホタルイカ、ツバス(鰤の子供)。

スズキは身の締りが良く、プリッとした食感が美味しいです。
ホタルイカはスパイス風味。
肉々しいイメージ、味を感じさせるスパイスを宛がってあり、
ホタルイカの和やかな味わいにキリッと立った味わいが加わり、美味しい。
ツバスは、中でも醤油ベースのソースにいちばん合うと感じました。
しっかりした食感で、
醤油の甘味、塩気の中でも、ちゃんと主張する美味しさ、特徴があります。

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真ん中の列は、ゴマ鯖のバルサミコ酢〆、自家製ピクルス、ホウボウ。

ゴマ鯖、香が良いです。バルサミコ酢の香もさる事ながら、
鯖らしい香が何ともよだれを誘う…と例えたくなる感じで。
バルサミコ酢で魚を〆ると、米酢よりさっぱりと感じられる印象もあります。
ここに脂のある鯖が組み合わさるので、ちょうど良い塩梅となるんですね。

ホウボウは、パツンと引き締まった舌触り。
お魚の身の締りは言葉で表現できないくらい、
微妙で繊細な分類がある…と感じないではいられません。

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左上から、ハタハタ、ヤガラ、メジナ。

ハタハタは、とろける感触と締まった感触、プリッとした張りが、
それぞれ存在して共存していて美味しいです。
YOKOさんも身の脂の乗った美味しさを誉め、
どこか平目のエンガワの様な甘味や旨さも感じる事が出来ました。

ヤガラは、ソフト&スマートな印象。
メジナはふっくらとした印象で、程好いまろやかさ。
YOKOさんは「うーん♪やっぱりお魚って美味しいよねっ」とご満悦。

【  パプリカと人参のスープ  】

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お馴染みのお楽しみ。
洋食厨房の野菜を基調にしたポタージュ・スープ。

パプリカの香が良いですね!立ち上って来ます。
洋食厨房らしさ、いつもの美味しいベースに、
パプリカの香が立って、甘味で人参が支えてくれています。
日頃、お味噌汁にも人参を好んで使うけれど、
甘味がやっぱり美味しい食材だと感じます。
パプリカとの好相性、双方の異なる甘味の表現と、
湧き起こる香、このグラデーションにボリューム感あるスープ。

相変わらず、僕らはペロリと平らげました。

今回は予約する際に、
「お魚をメインに2品」と言うお願いをしております。
フルコースをお魚を基調として。

お肉も好きなのですけれど、
昨今、お魚の美味しさがYOKOさんも僕も気に入っています。
お肉も品種で色んな味わいの差があるんだと思うのですが、
牛肉は牛肉の味、豚は豚、羊は羊の味わいの記憶分類。
けれど、お魚はただお魚に括られる事無く、
実に多様な味わいを手軽に食べさせてくれますよね。

こうして洋食厨房にお願いするのだから、
その多様さを楽しみたい!…と感じてのお願いでした。

【  メイン: 一夜干しにした魚たち 】

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メイン料理その1は、
「一夜干し」のお魚とたっぷりの“おんやさい”の一皿。
ふき味噌が添えられていました。

手前に「ムロアジ」、
奥に「ツバス」の腹肉、背肉、
イカのゲソとミミ。

バーナーで仕上げをしたのでしょうか。
届けられると直ぐに焼いて香ばしくした匂いを感じます。
特にイカの匂いを強く拾う事が出来て、
それは、屋台のイカ焼きみたいな心躍る匂いなのです。

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食べてみて、
ひとくち、かじった瞬間より、味わう事で、
噛む事で、より一層美味しさが出て来る…そんな印象を受けます。
最初の…第1印象をメモに残そうとしている内に、
口の中で広がる旨味に、色んな言葉が浮かんで来て、
ところてん方式、最初の頃のキーワードが抜けて行き、
最終的に思うのは、ごく単純に、魚を食べて味わいたい、
魚らしい美味しさが、とても良く出ている。
良い旨味を、素直に感じ取る事が出来る…そうまとまりました。
すごく力強い感じ。
味が強いと言う訳ではなくて、密集した雰囲気ですね。
魚の旨味の凝縮…それはきっと一夜干しにしたからこそ、なのだと感じます。
シンプルだからこそ例えるものがない、
是非、食べてみて旨さを知って欲しいと思う…そんな心持ちになります。

また、添えられたふき味噌がとても良かった!
美味しかったです。
それだけでも美味しく、
酒飲みとしては“舐めるだけで五合くらいへっちゃら”とやりたい所ですが、
やはりお料理に合わせて。
ふき味噌は重く甘い造りのものも美味しいのですけれど、
添えられたふき味噌は、とても上品な感覚。
香が高く後味に残り難く、
また、魚には照りが見えたので、
わずかにタレで焼いたとして、そのタレの和の風味ともよく合って、
絶妙の美味しさ、
お魚だけでも満足できましたが、
シンプルな味わい、素材そのままのそのものの味わいに、
見事な映えを与えてくれていました。
お魚の美味しさを引き立たせ、またふき味噌の味わいや香も広がりますね。

…見ても食べても、
表面に何かコーティングされた様なツヤ、照りがあったので、
みりんや醤油タレを薄く付けて焼いて香ばしくしたんだな…と思っておりましたが、
実はこれ、伺ってみると違うんだそうで。

シェフによりますてぇと、

むしろ、何も付けて焼いていない…との事です。

驚きました。
塩水に浸した後に一夜干しにし、
バーナーで焦げ目を付けて、
フライパンも使わずにオーブンにて網焼き…この調理法。

つまりコーティングされていると思ったものは、
ムロアジが持つ脂そのもの…と言う事になります。
味わった美味しさと言うものは、
全てムロアジ自身が持っていたもの。
それをシェフの調理法によって、最大限に引き出してやった美味しさを、
僕とYOKOさんは楽しんだんだ…と思うと、本当に嬉しく感じました。

魚を長く楽しんで来た日本人の文化。
お味噌汁にもお魚のダシが入りますしね。
お魚とお味噌の相性は良い事は知られている中で、
更に季節のふき味噌を使った洋食厨房だからこそ、
美味しく味わえる組み立て。
こうした素の味わいを好んで出してくださるから、
やっぱり好きなんだなぁ…と思います。
大好物の夜メニュウ「おんやさい」も、それが良い訳ですし。

…かと言って、
ランチメニュウの「ドライカレーのオムライス」も大好物ではある訳ですが。
洋食厨房…と言うものは、
質実剛健と言う程、派手さや色が無い訳でなく、
華美絢爛豪華と言う程、味付けし過ぎて本体を見損なった訳でもない。
素材の良さ、美味しさを本当に心地良いバランスで味合わせてくれる。
その中の一品なんだと…
料理法を伺った時には感じたものでした。

美味しさへの苦心探究心、ひとつまみの努力を加えて加えて…
それがスパイスとなっているのだなぁ、
美味しくて嬉しいなぁ、と思う訳です。

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続いてはツバス。
先程、鮮魚のカルパッチョでも出て来ています。
比べてみると、お魚らしい風合が強い生の状態から、
グッと落ち着きを見せた様な印象でした。
“生らしさ”と言うものを、
比べて、しっかり火の入った状態からかえって思い出して感じるくらい。
強い脂がある訳ではなく、
しっとりとして、ふっくらとして…
背中、お腹と部位によって食感と脂の量で、
そのまま食べても、味噌と合わせてみても、
また印象が異なりますが、持っている熱、温かさが、
いつも味噌の香を跳ね上げて鼻先まで届かせて、
噛む度に熱が口の中いっぱいに散って、
ツバスの風味とふき味噌の芳しさが合わさる…。
味があって、香はシンプルであるからこその美味しさと思いました。

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イカのミミ部分は、
「パリッ」と言う擬音が合うくらい小気味良い食感。
ゲソは「プリッ」としていますね。
それぞれに爆ぜた、焼いた香が乗っています。
合わせて、濃く苦いイカの肝も、また実に旨かった。
イカはどちらかと言うと甘やかな感覚ですけれど、
しっかりとした苦味と相反するもの同士で合わせた時の、
美味しさの重なりがあり、旨味と食感の良い点が現れ、
何とも…こう…“イカイカしい”…とでも申しますか。
肝の苦味によって、更にイカの甘味が増して感じられました。

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合わせて、白ワインを。
軽やかな味わいが、頂きやすいものです。

【  メイン: スマガツオの焼物・2種の盛り合わせ 】

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写真を撮ってみると、
どこかニッコリ笑った様なデザインの一皿…と感じました。
“メインその1”とは異なる野菜がたっぷりと使われています。

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スマガツオをそれぞれ異なる調理法によって仕上げたもの…だそうです。
こうして2枚の写真を見比べてみますと、
その色合いに濃淡ある事がお分かりになるかと存じます。

1週間(!!)前にバーナーで炙った後にオイル漬けにしたもの、
同様に醤油漬けにしたもの、
これに鰹を煮詰めて作ったソースを合わせて頂く趣向。

よって、今日としては“温めただけ”…
フライパンの上を転がしただけ。
手間暇工夫をしっかりと掛けて頂きながら、
魚のコースとして、魚本来の味わいを楽しむ事が出来る様に…
…そんなコンセプトが伝わって来ます。

色の濃い方が醤油漬け、薄い方がオイル漬けと言うことですね。

醤油漬けのスマガツオ、
味わいの濃さが嬉しくなるくらいで!
多重、多層、スマガツオの風味と醤油の味わいの絡み合いが、
何とも言えない極上の交差をしている感じ。
味の濃さは、
けして塩気に通じている訳でなく、
味付けが濃いのではなく、
染み込んでいる味わいの深みが、濃色の色相の中に、
グラデーションをしっかりと造っている感じ。
そして、身離れが良く繊維のような1本1本の身の熟れを感じ、
醤油の風味が味わいをいかに引き立てているか、
食べる度、歯で身を潰す度に、
確かな食感と共に、よく響きます。

料理としても、また酒肴としても美味しい。
ご飯とダシとでお茶漬けでも美味しいと思います。
円熟味。

オイル漬けは明らかに雰囲気が違います。
明暗分かれると言いますか、色合いも異なりますが、
食感も風味も、根底のスマガツオは一緒であるのに、違いがあります。
食べてみて食感、硬さが異なると、
口の中で転がされる、風味や味にも変化を付けてくれるのだと知る事が出来ます。
オイル漬けは、ふわふわとした食感。
柔らかい…は柔らかいのだけれど、
そう言う“硬さ”を言うのなら、ちゃんと食感としては残っている。
けれど、とろける…とも違って、
繊維、強さを感じさせた醤油漬けと比べると、
細かく崩れて行く…そんな食感なんです。
粉雪を木の枝から振り落とした様に、
ふわふわっ…とした食感。
この例えは、あまり正しくないと言うか、申し訳ないのだけれど…
どこかシーチキン(マグロのオイル漬け)に近い要素も感じます。
風味の良さ、柔らかく穏やかな味わい。

オイル漬けと言っても、食べていてオイル感は全く感じません。
コンフィともまた違った感じ。
一夜干し、干物とも異なって、オリジナルな食感だと思います。
ポワレや蒸しもの…うーん、どれにも似て非なるところ。

醤油漬け、オイル漬け、
共に、洋食、イタリア、フランス、中華、エスニック…
どれに近い雰囲気かと考えると、
最終段は、ただ魚を軽く焼いただけ…と言う事からも、
ソースもごく強い“味”があるものでは無い訳で…
どの西洋料理にも合致せず、
和食的な要素を感じます。
だからこそ、スマガツオへの敬意と申しますか、
本来の味わいを保ったままの、もうひと味を実現している…
そんな風に感じるひと皿です。
和食ではなく、和食的…その創作された手法こそ、
洋食厨房らしさ、洋食厨房の洋食なのだと感じ入ります。

こんなに創意工夫かつ素材を大切に味合わせてくれるなんて、
またコンセプトを決めてのディナーをお願いしたくなっちゃいますよね。

スマガツオと共にある「おんやさい」と下に敷いてあるものは、
アボカド、フライド・チップ、オイルをまぶしたもので、
これも野菜の美味しさ、アボカドのオイリーさが、
全体に優しいまとまりをしていて、
ほんのり塩味の感じ方が、
酒肴としても、とても優秀なサラダと思いました。
…フライド・チップと書きましたが、
オニオンやガーリックの様な強い香はなく、
ただただ香ばしく、
アボカドとは異なる油の雰囲気と食感とで楽しませてくれましたが…
大きめ粗切りのパン粉をフライパンで炒ったもの…
…と言ったカタチやも知れません。

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こちらはいつものサラダ。心の清涼剤。
これもやっぱり欠かせないものです。
旬のお野菜、量も種類もたっぷりです。

ここまででも驚きと楽しみはあった訳なのですが。

まだまだ、洋食厨房の夜は楽しい!

【  食事:焼きスパゲティ・スープ仕立て  】

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紅白かまぼこ、あさり、海苔でちゃんぽん風!

…と直感的に思ったのですが、
いやいや、ピンク色はパンチェッタ、白色は筍だそうです。
初めて伺います。「焼きスパゲティ」!
スープはヤガラとアサリのスープとのこと。

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麺に焦げ目が付いていて、
食感は“かた焼きそば”の麺の様にパリパリ!
けれど、揚げてある訳ではないので、
普段のスパゲティの香に焼いた香が混ざった上でのパリパリ感は、
新食感、新感覚です!

スープは塩味が基調となっていますが、
ヤガラ、アサリの香、ダシが深く強く出ていて、
パスタの香とも絡まって、何とも不思議な雰囲気を持っています。

焼く、焦がす為の油の、油そのものが熱せられた香があり、
これが全体に統一感のある椀としてくれていると感じます。
岩海苔も、とても品の良い、味の濃い岩海苔で、
風味が引き立って感じました。

全体の油加減が絶妙で、程好い重み。
これまで素材そのものにかじり付いて楽しんで来ましたが、
こうした素材を融合させた味わいも、実に旨い!

【  食事: 洋食厨房のお寿司 】

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写真右側から、マイワシ、カタクチイワシ、ブリの醤油漬け。
「お食事」として、もうひと皿、
可愛らしい手まり寿司が出て来ました。

マイワシ、本当に好みの美味しさ。
このちょっとした大きさで十分に満足させてくれる美味しさが、
たまらなく愛おしく感じます。
酢飯の加減、仕込まれた大葉のイキイキとしたフレッシュな香、
そして、鰯自身が輝いて放つ香。
とても良くまとまっていました。
塩加減も絶妙です。

比べるとカタクチイワシの方が、鰯の個性を強く感じられました。
可憐なイメージのマイワシから、ドシッとした奔流の中を泳ぐイメージ。
ブリはとろける…と言えばとろけるのだけれど、
それ以上に酢飯までを含めた全体がひとつになっていて、
口の中で、とても上品にまとまり、味合わせて、スッっと余韻の香、
残り香を漂わせて席を立つ様な…
後を引く様な美味しさを感じました。

3種が3種共に、しっかりとお魚の個性を際立たせていて、絶品。

食事として、
焼きスパゲティと手まり寿司と言う2本立て。
量もちょうど良い加減で、たいへんに美味しく頂きました。
満足!

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食後のコーヒー。
普段の毎朝、毎晩にYOKOさんとふたりでコーヒーを頂いている中で、
こうしてコースの中に、コーヒーがあると言う事も、
また、とても大切で嬉しい事だと感じています。
いつも通りの落ち着き、快さがあって、
食事をしていると言う贅沢さを感じて。

【  デザートの盛り合わせ  】

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小玉スイカは、この時期ならば皮も美味しく頂ける…
…と言う事で、スイカのコンポート。
自家製バニラアイスとロールケーキ、
バナナキャラメル、甘く煮たレンズマメの盛り合わせ。

スイカのコンポートはこの時期の洋食厨房の定番のひとつ…とも感じます。
食感は硬さもある今の時期ですが、
程好い…甘味をほとんど付けず、軽く爽やかなフィニッシュのコンポート。
食感も生同様に残っていて、音を立てて頂きます。

バニラアイスとキャラメルの甘さと言うのは、
こうして比べてみると、大きく違うものですね。
同じ冷たいスイーツでありますが、
お馴染みのミルクと砂糖、バニラの美味しさを感じるバニラアイスと、
香ばしさ、苦さすらも感じるキャラメルと、
自然の果実であるバナナの組み合わさった甘さと言うのは、
似もせず、非の味わい。
だからこそ、お料理って素晴らしいと思うんです。
甘味と言うカテゴリでは、どちらも一緒ですし、お砂糖を使っていますし。
対極の風味を楽しみました。


【  4周年は5年目  】

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フレンチトースト風に仕立てて頂いたスペシャル・プレート。

パン、小麦の味わいをしっかり感じながら、
酸味のあるジャムも相性良く、美味しく頂く事が出来ます。
クシュクシュとした食感、噛む度に溢れる味わいがたまりません。

パンの下に白いクリーム状、柔らかいプリン様の“何か”が敷いてあり、
ホイップ・クリームでなく、またムースでもない、
ババロアやミルクプリンを崩した様なもの…?
…と思い、YOKOさんに聞いてみると、
「カスタードじゃない?」と教えてくれます。

けれど、僕はカスタードはもっと黄色いし、
カラメルが合いそうな、もう少し濃いものだし…
…とその意見を聞き入れませんが…
後々、伺ってみると、確かに「カスタード」であるとのこと。
YOKOさんの直感に助けられること、
この数年の中に、何度も何度もありました。

どちらかと言うと…
こうして色んな所に行ったり調べたり動き回ったり、
血気盛んに躍動している感じの自分で、
目的のために無茶もしたりもしていた中で、
YOKOさんと一緒になって、ブレーキを適度に掛けてくれるので、
何と言うか、大事にならない、動き過ぎて疲れてしまったりとかしない、
慌てすぎない、急ぎすぎない、
そんな人生になっていると…思うんですね。
なんだかんだ言っても、たいていはYOKOさんが正しい…
…ことが多いなぁ…と思います。

カスタードで人生は左右されないけれど、
こうして、来年も美味しく洋食厨房で記念日を迎えられるかどうかは、
YOKOさんの意見に、パートナーに左右されると確信しています。
自分もYOKOさんを支えられる部分で支えながら、支えてもらいながら、
そうして一生懸命がんばって、更に1年先、飛躍して行きたいと思いました。

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「洋食厨房Spice」での楽しいひと時の後、「洋酒店 醇」へ。

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思い出のあるこの場所で、
「宮城峡」と「余市」を味わう。
ここまでが“今日やりたいこと”、
祝いたい、セレモニーのうち。


さぁて、長く申し上げて参りましたが、
そろそろお時間と言うところ。

僕らは、ふたりで色んな場所へ行きました。
色んな方にお会いし、食べもし飲みもし遊びもして、
歳月は確かに5年と経っているのですけれど、
長くは感じませんね。毎日をあくせく過ごしている様で、
全体を眺めますと、ゆっくりと穏やかな幸せに満ちていると感じております。

この幸せは努力なしでは続いて行かない…
…なんてなぁ、よく申しますよ。お噂になります。
努力は1日にして成らず、あせらずゆっくり、急がば回れ…てんで、
1歩1歩、進んで行こうと思う次第。

年々と 年を重ねて 写真を見れば なんだ変わらぬ この笑顔

どうぞよろしく、
ご贔屓、お引き立ての程を願っておこう…と言ったところ、

ありがとうございました。

ありがとうございました。

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