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2013年6月30日 - 2013年7月6日

2013年7月 5日 (金)

第19回・食酒楽会(2013年6月28日・三幸軒+白根山観光)

   Dcim1191_2



えー、誘惑箇所の多い中、
いっぱいのお運び様で、誠にありがとうございます。
気楽なところがよろしいんじゃないか…てンですが、
一生懸命、書いて行く事にしてございます。
どうぞ、最後までお付き合いくださいませ。

「郷愁」…なんて言葉がありますよねぇ。
洒落た言葉なら……「ノスタルジア」ですか。
情緒のある言葉でございます。
「郷」、お生まれになった場所、愛着のある場所を、
「愁」、「うれう」と読みますね。
郷里を離れた場所にいるからこそ、郷里を懐かしむ、
今、郷里にいない自分を寂しく思う…そんな言葉でございます。

偉い先生に伺いますと、
ある、国語の得意な先生方が旅行先で、
こう…寂しいなと言う気持ちになった時に、
「はーい!すぐに故郷へ帰りたいと思う人ー!」と発声されましたところ、
皆さん、一斉に挙手をしたから「きょうしゅう」と名付けられたんだ…
…てンですが、アテになった話じゃありませんで。

本来の意味合いからすれば、専ら「故郷」を指しますよね。
けれど、旅先において、その街に愛着が湧き、
「第2の故郷」と呼んでも差し支えない…
そうした心持ちになれば「旅先」をとって、
「郷愁」と申し上げたりする場合もございます。

中野市に遊びに行き…
これはもうお馴染みのお楽しみ、「食酒楽会」でございます。
一泊しての翌日は、山ノ内町、志賀高原を越えて群馬県は嬬恋見当、
白根山の名物「湯釜」を拝見し、
再び志賀高原へ戻って、山ノ内町、中野市へと戻る…
戻って参ります道と言うものは、本当に、もう慣れたものでございまして、
普段は「また来るよー」…と、そう言って高速道路に乗って、
松本、塩尻…旅先から郷里へと帰って来る訳ですな。

信州中野インターチェンジに入る直前、
何故だか今回は、いやに、殊更に、とても名残惜しかったですよ。
“まだここに居たい”と思いました。
「食酒楽会」の空間は、とても良い空間なんです。
自慢しますよ。
良い酒、良い料理、それだけじゃない、
良い人も集まる会なんです。
本当に、本当に。
小古井さん、上野さん、善光寺屋の旦那と言う主催される方だけでなく、
Y本さん、M入のおいちゃん、
お酒を何倍にも美味しくさせてくれる、
そう言う会なんですよ。

東京で生活もして、親元から離れてもいて、
旅だって、なんだかんだで色々していて、
それぞれに楽しく愛着もあるんですよ。
色んな郷愁がありまして、
どれが本当の「郷愁」だったかなんて、ねぇ?
分からなくなっていた中で、
今回の帰り道で感じた、
「まだ、中野市に居たいなぁ」と言う思いは、
あぁ、違え様も無く、正に「郷愁」なのだと…。

えー、これからお楽しみを申し上げると言うのに、
郷愁に耽って湿っぽくなっちゃあ景気に悪い。
今日中に話が終わりませんよねぇ。
(↑“きょうじゅう”に)

よーし、盛り上げて書くぞう!

1泊2日の小旅行、
お楽しみ多い週末を申し上げるお支度、調ってございます。
おあとがよろしいようで。


食酒楽会とは、

人生を豊かにする食と酒をより楽しんで頂ける様、
それぞれのプロが工夫を凝らしておもてなしをする会です。

( 食酒楽会パンフレットより )


【  第19回・食酒楽会  】

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「食酒楽会」の会場である「三幸軒」に到着です。

夕方にスコールがあった中野市。
「ここまで強い雨は珍しいんですよ」と皆さん、口を揃えて仰います。
雨上がり、涼しい夜になりました。

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今回のパンフレットは、こちら。

「お酒は生き物!」と題されております。

以下、パンフレットより。

今回のプレミア…
食・今回も旬の食材から仕込みまで、工夫を凝らしたメニューでお楽しみ頂きます。
酒・今回はお酒が空気に触れる事で変わる、味わいの妙をお楽しみ頂きます。

お座敷を全てを使った日もありますが、今日は半分くらいになりますでしょうか。
ゆったり使える設定にて、開会を迎えます。
開会までは、小古井杜氏、善光寺屋さんとお話させて頂いたりします。
中野のこと、日本酒のこと…
何ヶ月かに1度訪れる僕らにとっては、
そうした地元のことを伺うのも、とても楽しいです。

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開会の挨拶と乾杯を。
写真は乾杯!…と言ったちょっと後の1枚。

三幸軒・上野さんからの挨拶には、
今日のお料理は、季節を感じられる様、夏をイメージしたもの、
ピリッとアジアンテイストを用いたものがある…とのこと。
届けられていた前菜の中、
焼豚はフレッシュさのある山椒と、中国山椒の食べ比べ…との解説もありました。

見た目に、低温調理…と言うか、
ラーメン屋さんで見掛けるチャーシュー、焼豚ではなくて、
じっくり焼いた…
松本の身近な所で言うと、緑町・廣東の「釜焼きチャーシュー」と似た調理法、
知っている人間からすると、
見るからに旨そうな色合いのチャーシューに、
更に旬の「山椒」の香り比べとは…、
これは、実にときめく。

井賀屋酒造場「岩清水」杜氏、小古井さんからの挨拶は、
今回は熟成酒の用意もあり、
“日本酒は生き物である”…ことを実感してもらえれば…とのこと。
お酒の中の空気を抜く、また空気を入れる…
後者は「デキャンタ」として名が通っていると思いますが、
そうした空気と触れ合う事でも変わって行く香味、
“生きている”と言うこと。
熟成酒の生命、空気との営み…
そうした楽しみを、遊びの様な感覚で試してもらう企画を、
後程…とのこと。
日本酒の面白さを更に知る企画のアナウンスがありました。

【  歓迎酒・乾杯  】
【  大信州・八重原大吟醸・おりがらみ生原酒  】

パンフレット・コメント:
大信州のお酒の中でも、長野県の特約店9店でしか販売しない、
プレミアム大吟醸です。ブランド米を生産する米の匠と、
銘酒を醸す酒の匠がコラボした逸品。そのおりがらみをぜひご賞味下さい。

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中信・松本平にいてこそ、
あまり「八重原」と言う地名に明るくなく、
むしろ「八重原」とは、「大信州」蔵で使われる酒米生産地…と言う認識を抱いていましたが、
北信は東信への道もあるからか、
「八重原」と言う場所がお米の一大産地である…と伺います。

どこかソルティなイメージ、軽いレモンを想像させる香。
塩っぽさとレモンから、カクテル「ソルティドッグ」っぽいと最初は感じました。
甘み、辛みのそれぞれがハッキリしていて、
麦、ビールなどに感じる甘みにも似た感覚、
そして、最初はやや硬い印象が全体にあり、
香の中に、大信州らしい桃様の香と少しセメダインっぽい香を拾います。
レモンっぽい…これがセメダインに近い感覚でした。

これがこの後、空気に触れる事で開いて行きます。
料理に対して、程好いコシを返してくれる、食後にふわっと香る。
ほんの少し甘みを残した余韻が、何とも言えずに旨い。
最初感じた香の印象は、中盤以降にはほとんど感じる事は無く、
満開の美味しさで楽しませてくれました。

小古井杜氏の言葉にもありますが、
お酒は生き物、一瞬一瞬に良さが変わって行きます。
その良いタイミングを楽しく探して行く…
料理との相乗効果で引き出してやる…
そうした楽しみ方も良いものですよね。

【  旬前菜三種  】

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【  b 海老のフリッター 黄金のチリソースがけ  】
パンフレット・コメント:
定番のエビチリとは味も見た目もアレンジしました。夏をイメージしたエビチリです。
岩清水の特別純米とよく合います。

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まずは温かさがある内に…と僕とYOKOさんは、
海老のフリッターにかぶりつきました。

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こんな感じ。大振りの海老。
黄色いソースが、まずは目を引きますよね。
トロピカルな色合いですが、
食べてみると、しっかりトマトの味、香があります。
衣は“フリッター”らしい、ふかふかした食感ですが、
それだけに収まりません。
たっぷりのナッツ類が衣に入っていて、
香も実に香ばしく、また噛むその中で、油で揚げられたナッツの甘い香が、
何とも言えず立ち上がります。
ナッツもフリッターとしても、油のあるものですから、
味、塩が強いソースと合わせるよりも、
素材の密集感のある、ちゃんとトマトを感じる風合の、
この黄色いソース、美味しく合いますね!
酸味も好きな自分は、
もっともっとたっぷりと黄色いソースが掛かっていても良いかなぁ-…とさえ思いました。

これには「中野土びな・特別純米」を合わせる…とありますが、
僕は「大信州・八重原大吟醸」を合わせて楽しませて頂きました。
空気に触れ合っても、まだ6分咲きくらいの状況だった「八重原大吟醸」の、
少し硬い雰囲気には、むしろ食感と口の中から鼻へ届けられる甘い香に対して、
シャキッと切り返す感覚があり、美味しいと思いました。
「八重原大吟醸」自身も広がりを見せ、最後は爽やかな余韻を残してくれます。

YOKOさんは、「中野土びな・特別純米」が合うと言います。
「中野土びな」を甘みあるものと感じ、
海老の風味、ナッツと混ざり合って甘味ある感覚と、
よく「中野土びな」が合うんだ…と言っていました。

毎回の事だけれど、
自分はどうしてもメモを取りたいから、
ごく、ゆっくり食べたり飲んだりしている中で、
嬉しそうに傍らのYOKOさんが、
その間に色んな組み合わせを試している…
「食酒楽会」を存分に面白おかしく美味しく楽しんでいると、
共に楽しむ時間の在り方として成立しているとして、
すごく嬉しく、また感謝の心持ちを抱きます。

【  c トウモロコシのムースと自家製サーモンの冷燻 旨辛ラー油がけ  】
パンフレット・コメント:
まろやかなムースとサーモンを軽く燻して香ばしさと旨味を閉じ込めました。
味のアクセントにラー油を絡めてどうぞ。八重原大吟醸との相性は抜群です。

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一瞬、その麗しい見た目に出来立てのマヨネーズかな…と思ってしまった、
とうもろこしのムースの上に、
オクラ、スモークサーモン、焼きとうもろこし…と言う構成。
「初めて見る料理」と感じて、好奇心と共に頂きます。

まず、ムースだけを箸ですくってみますが、
触った感じも、とても柔らかく、本当にカスタードクリームの様な印象。
見た目も少し黄色みがかってますし。
味わいはとても優しく、甘味のほどけが柔らかく、
とうもろこしで作ったホイップクリームの様な味わい。
本来のとうもろこしには、野趣、青臭い部分も含まれていたり、
果汁が飛び出す様な元気な実の詰まった勢いある食感、味わいもあるけれど、
ここから優しい甘味だけを引き出し尽くした感じで、とても美味しい。

焼きとうもろこしを次いで食べると、
「そうそう、この甘み」と“らしさ”を感じますが、
それにしても、魅惑的な優しい甘さをムースは持っています。
…生食でも食べられそうな、甘くて良いとうもこしを使っている…と感じました。
焼きとうもろこしも、十二分に美味しいのですが、
僕はムース、とても気に入りました。

“スモークサーモンもやたらと旨い”…とメモ。
パンフレットを熟読して食べた訳ではなかったので、
“自家製”と言う事に気付かずに思ったのは、
「こんな旨いスモークサーモンって市販しているのか?市販できるのか?」
…と言うこと。鮮度も高く、瑞々しさがある中で、
燻した香はきちんと…身を締める事無く、身にしっかり行き渡っていて、
これまで食べたスモークサーモンの中でも抜群に美味しかったのを覚えています。
厚切りで、サーモン自体の美味しさもちゃんと味わうことが出来る…
…これだけでも、スモークサーモンとして美味し過ぎて“珍しい”と感じます。絶品。

サーモンととうもろこしのムースも相性抜群。
鮮やかなオレンジ色の身に、とうもろこしのクリーム色の衣をたっぷり付けて頂きます。
サーモンだけ食べるとあまり感じませんが、双方合わせると、
サーモンに塩気があり、これがムースの甘味を更に広げてくれる様です。
サーモンの香は、ほんわかしたムースの世界に、キリッとした香として鮮烈で、
それぞれの良さがお互いの中間点でブリッジして組み合わさる、
そんな味わいの構成を感じました。

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「とうもろこし用のラー油です」との事で卓上に置かれたラー油。

先行して食べていたYOKOさんから、絶賛の声が聞こえます。
「ラー油、これすごく美味しい!本当に美味しいよ!」
…食べてみて!と言う声は、ひと調子上げた歓喜の声に聞こえました。
なるほど、XO醤の様に様々な食材の味が解け込んだラー油で、
オイリーさより、
旨味の強さ、それだけで食材がたっぷり使われていると分かる香の濃さに驚かされます。

…正直、こんなに美味しすぎる感じがするものを、
この、現段階でも十分に成立しているとうもろこしのムースとスモークサーモンに、
掛けたりしても大丈夫かしら…と考えもしました。
しかし、そこは料理人・上野さんですから、「いざ!」と食べてみると、
実にハッキリとした輪郭が形作られる…と感じました。
美味しい。
辛味は弱くなく、刺激がキチンと生きています。
旨味たっぷりな中でも、とうもろこしの甘味は全体を支える感じ、
辛味の中に滑らかなイメージ、サーモンも身の張りにラー油の旨味が乗り、
一層の迫力を持ちます。

YOKOさんは、とうもろこしムースと「中野土びな・特別純米」との相性が気に入った様です。
共に甘味ある雰囲気が良かったとのこと。
「八重原大吟醸」との組み合わせは、華やぎ、押し出す味わいに妙を感じました。

【  a じっくり焼き上げた焼豚 山椒味比べ  】
パンフレット・コメント:
自家製焼豚に2種の山椒(葉の爽やかな香と実、中国山椒のスパイシーな香)を合わせました。
味と香の違いをお楽しみください。

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この色合いの焼豚、なかなかお目に掛かりません。
煮豚、角煮だと「味が染み込む」イメージが伝わり易いかと思うのですが、
こうした調理法の焼豚は、もはや豚にあらず。
豚さんのお肉から一段飛躍した味わいだと思っています。
繊維隅々まで料理の技術によって、組み変わっている…そんな感覚。
いわゆる飴色はたまらなく“ソソル”色合いです。

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まず、生の山椒を使ったものから。
「三幸軒ブログ」に掲載のあった食材です。

山椒は甘く仕立ててあります。
ちょっ…と摘んで食べてみると、
軽い甘味と共に、素晴らしい山椒の香が吹き込んで来ます。
「ごく軽く火を入れてある」…とは料理人・上野さん。
香を消し飛ばさない程度で、かつ、
味付けが入る…美味しい甘味が引き出されなくちゃいけない…
この両側面を満足する絶妙の状態に仕上げてあったと思います。

山椒の葉だけを微塵に切って叩いても、香は素晴らしいのでしょうけれど、
あまり食べ進める、食べ続ける事って出来ない様に思います。
この生山椒に軽く火を入れたもの、そのままでもたいへんに美味しかったです。
季節を感じる万能調味料に思いました。

もしかしてだけど…、先にタレを煮詰めて…火を止めて、そこに刻んだ山椒を入れて、
余熱で和える…とか…?
でもきっと、もっと工夫や感性があるんだろうなぁー…と想像します。

焼豚には適度な硬さがあります。
豚臭さもまた旨味だけれど、
そうした匂いは甘いタレの香に溶け込み、あまり感じません。
もっと洗練された肉の味わいが、ほのかなカラメルの様な甘味と共に届けられます。
届けられた…肉がうまい…
そう思っていると“始まる”と言う予感。
ぐ―――ッと山椒の香が追いかけて来ます。
同じ甘味を双方から感じて、味の相性は確かなもの。
その滑走路を、ごく爽やかな風をまとった香、山椒が鼻先へと飛び立って行くかたち。
余韻にうっとり。
YOKOさんも特に気に入った組み合わせだったそうです。

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かたや、中華料理の中で幅を利かせているのは、こちら。
乾燥させた中国山椒でしょう。
これが加わると、
お皿全体が引き締められつつ、ふくらみ、香に層が浮かび上がって美味しい。
麻婆豆腐や担々麺などの辛味系メニュウの、
キー・アクセントとして、よく登場しますよね。

生山椒と異なり、食べた瞬間から中国山椒の香が強く主張します。
気付くのは、特有の香と共に、味わいも非常に強い…ということ。
香だけでなく、味わいにもボリューム感、厚味を持たせてくれる、
スパイスの要素が強いのは、
中国山椒の実をすりつぶす…胡椒などと同じ“実”に理由がありそうにも感じます。

それぞれの焼豚は、見た目にも色が異なり、
豚肉の部位か、もしくは焼き加減でしょうか。心を尽くしてある様子。
どちらかと言うと、
中国山椒版の方が脂を感じない部位とも思います。
(もしくは山椒の効果で、程好く中和されているのかも)
香、味にコクがある雰囲気を中国山椒が与え、味わいにまとまった強さを感じます。

実に美味しい食べ比べ、香比べでした。

…このお料理については、次々にパクついてしまって、
あまりお酒との相性は覚えていなかったりします。
ただ、「中野土びな・特別純米」を間に挟んで、心地良かった印象がありますね。

【  冷前  】
【  冷やしトマト ~赤い宝石箱~  】

パンフレット・コメント:
食酒楽会のお料理ですから、ただの冷やしトマトではありません!
中身は割ってからのお楽しみ。塩味ジュレとまぜてお召し上がり下さい。

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到着して、すぐ「おおっ!」と感嘆する見た目。
トマトの透明感ある肌、トマトの赤と共にきらめくジュレ、
「美味しそう!」と思うと同時に「綺麗!」とも感じ入りますね。

器からはトマトの香、そして少しゴマ油の香も。
ジュレからも良い匂いがします。
これは鶏のスープを塩味にして仕立てたジュレ…なのかなぁ。
トマトにかぶり付くと、このトマトがしっかり肉厚で、とても瑞々しく、
見た目に感じた美味しさを全く裏切らない素晴らしい味わいを感じます。
トマトの風味は口いっぱいに頬張った事もありますが、ずーっと続く、
楽しんでいられる…旨味もある、甘味もある、
完熟した感覚、まるで果実なりのジュース、口の中の涼感が何とも心地良い!

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“開けてのお楽しみ”…トマトの中には、お刺身のマリネが入っていました。
すごく香の良い油で和えてある感覚、
前回もありましたが、ネギ油かなー…と思います。
程好い塩加減と油の絶妙なバランス。
(実は後程分かるのですが、炒めたネギ油ではありませんでした)

トマト、マリネ、ジュレのそれぞれは三位一体ですね。
組み合わさった時に、何とも言えない旨味が形作られます。
野菜にしか存在し得ない瑞々しさ、
ジュレに感じるダシの雰囲気、塩味の土台で全体を包み、まとめる感覚、
そして、マリネのほんのり塩味とそれによって引き出される鮮魚の味、香。
ネギと油の美味しい香。
それぞれの香のベクトルは混ざり合わさる事がない様な、
種類として、別々の方向を向いていると思うのだけれど、
それらの度量が本当に円を描くために、適度なバランスで入っていて、
全体としてひとつ、見事に調和されていると感じます。

「中野土びな」と合わせると、
お酒が更に全体を覆うようなイメージで、
食べ終わった際に、涼感に加えて、マイルドな余韻へ導いてくれます。
次が食べたくなる様な、
甘塩風味を口の中に残してくれる、何とも良い加減です。

「トマトと日本酒って難しいですよね」

…とは、会の中での料理人・上野さん。
前述のブログでも試行錯誤があったと記事がありましたが、
このお料理を指している部分もある様子。
そう仰いますけれども、
やっぱり上手にまとめて来ている…素晴らしいと感じます。
本来、生に近い野菜と日本酒は、
お互いに水の属性…と申しますか、水分量がある同士なので、
なかなか合わない感覚があります。
逆に水分が抜けるお漬物になると塩もあって美味しくなったりしますよね?
そんな中で、
トマトの瑞々しさが鍵になると思うのですが、
本当に上手に水分を抑えてあるカタチ、
ネギ油やジュレの美味しさを薄めてしまわない様な、
良い見極めと言いますか、バランスを保っていたと思いました。

ネギ油、ネギ油と書いて来ましたが、
伺うと、前回などに登場したネギ油ではないんだそうです…とは、先に書いた通りで。
これだけ旨味を移す油が、
他の手法で実現可能なのか…と思いました。
伺うと生の玉葱とオリーブオイル、胡麻油が少し。
玉葱の旨味は、では焼いて出したんだ…と思う所に、焼いていないとのこと。
焼くと、きっと少し重くなるんだと思います。
焼かず、涼感を引き立てる仕組みは本当に凄い。
工夫を感じます!

そう言えば、試食会を経ている小古井さんと上野さんは、
トマトを食べるとお腹いっぱいになる…なんて仰っていました。
日頃、野菜を食べたくて仕方がなく、
比較的、野菜の方をメイン料理よりも多く食べる事が日常の僕らは、
「そうなんだー」と伺いましたが、
ホテルに帰って実感として夫婦会議を行うと、「トマトは適量」と言う判断になりました。
野菜をしっかり食べられるって、本当に心地良いものです。
僕らにとっては、たっぷり食べられるトマトも、とても嬉しいものでした。

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もう1回写真を。
こう、夏!…って季節感もあって美味しそうじゃありませんか。

【  鶏・炒め  】
【  鶏モモ肉と夏野菜のオイスターソース炒め  】

パンフレット・コメント:
皮目を香ばしく焼いた鶏肉と夏野菜のさっぱりしながら旨味ある炒め物です。
これも特別純米が合います。このお酒、結構万能です。

「中野土びな・特別純米」と合わせて。

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まず中でも香の届き易いパプリカの香を感じます。
それだけでも胸がすく感じがしますね。
ベースに塩、全体にオイスターソース…と言う印象。
パンフレット通り、鶏肉そのものは柔らかく仕上げてあるのだけれど、
要所…と言うか、皮の香ばしさ、ちゃんと炒めた最外表面の焼き締めた硬さが、
味にも香にもアクセントとなっていて、美味しく感じます。

パプリカ、アスパラは高い香、野菜らしい味わいを強く感じます。
ソース、味付けで覆われ過ぎないくらい、
ちゃんと味はあって、塩味に旨味が引き出されて、
野菜そのものの美味しさ、料理としての昇華があり、良いですね!

油の濃さはあまり感じず、あっさり…と言うより、
さっぱり…と言うより、どうでしょう、軽やかな…そんな雰囲気を感じます。
軽やかさは、野菜に持ち上げられた一皿、全体を見回したイメージ。
ご飯と一緒に掻き込んで食べるならば、
もう少しの塩や油の重みがあった方が合う様な気がします。
酒肴であるからこその軽やかな味付けが、素材を殊更ハッキリと活かしている…そんな風合。
箸で文字通りツマんでツマんで、ひょいパクひょいパクと行けるクチ。

この頃合、「中野土びな・特別純米」が空気に触れる事で、
また少し印象が変わって来ている様にも感じました。
パワフルさ、力強さがほぐれて来た感覚、当たり柔らかい印象になり、
お料理と強さの均整が良い所に落ち着いていました。

次のお料理に合わせて…が、本来なのだけれど、
卓上には「岩清水・本醸造・無濾過瓶火入れ」も出ていました。
「本醸造酒」を、鶏と野菜の炒めに合わせるのは、
以前の食酒楽会でも体験に覚えがあります。
「本醸造酒」はバナナの含み香と、少しの苦味が残される…
このちょっとした苦味が後味にサッパリ感をもたらしてくれる訳で、
中華料理、殊更、三幸軒の料理と相性が良く、
薄緑色の「岩清水」本醸造ラベルを見ただけで嬉しい訳です。
夏野菜、塩、オイスターソース、そして「岩清水」の本醸造。
この組み合わせは鉄板に違いありません。

ところで、
この「岩清水・本醸造・無濾過瓶火入れ」、
若々しさも感じられたので、
今年の造り、2013年1月~2月くらいの醸造かと思いましたが、
2年の熟成を経ているのだそうです。
2年前の味わいと何が違うか…と言うと、
自分自身の感じ方も異なって来ていて、ハッキリした事は言えないのだけれど、
近年の「岩清水」の美味しさ、まとまりに通じるものが、
この2年熟成酒にはあって、それで今年のお酒かと思ったくらいで…
実に良い塩梅なのです。良いお酒なんですね。
若々しくも角張った感じがなく、
かと言って青年の力強い立ち姿にも通じます。
じっくり付き合いたい1本であるのは確か。

【  鮮魚・炒め  】
【  鮮魚の唐揚げとバイリングのガーリック炒め・オリジナルスイートチリソース添え  】

パンフレット・コメント:
ふわっと柔らかな魚と歯ごたえのある中野産のバイリングを大蒜でさっと炒めました。
お好みでスイートチリソースを掛けてお召し上がり下さい。
旨辛夏味です。

「岩清水・本醸造・無濾過瓶火入れ」と合わせて。

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薄い衣での唐揚げ。魚の香がしっかり届きます。
食感は実に柔らかく、噛む度にふわっふわっ…と香が立つ。
これが美味しさの大事なところ。

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取り分けて、こんなカタチ。
野菜も嬉しいところ。

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スイートチリソース。
唐揚げだけだと美味しさは確かにありますが、シンプルな構成。
これはこれで美味しいけれど、
ここにスイートチリソースが加わると、香から大いに変わって楽しめますね!
バイリングは、「はくれい茸」とも呼ばれているもので、
食感が良いのは毎朝のお味噌汁にも使った事があって知っていましたが、
しっかり焦げ目も入って見るからに旨そうに、
焼いてあるものを食べるのは初めて。
チリソースに同じ香ってないのだと思うのだけれど、
どこか、明るいイメージのする香は協調性があった様に感じます。
ニンニクは自身の強い香は密やかに、旨味をよく引き出してくれていて、
全体として、良いまとまりがありました。

YOKOさんは、
「岩清水・本醸造」が持つサッパリした感じが、とてもよく合う…とのこと。
お酒そのものは香が強くないのだけれど、
それこそが、香のある唐揚げやスイートチリソースに合うのだと言っていました。

“サッパリさ”の感じ方はそれぞれだと思うのですが、
「岩清水・本醸造」には、五味それぞれがきちんとあり、
苦味や渋味も、また特徴として旨い酒だと思っています。
味を締める要素を持ちますから、
YOKOさんの食後の感覚の良さに繋がったのではないでしょうか。

「冷やしトマト」とも「岩清水・本醸造」を合わせてみますが、
これも相性が良く感じます。
「中野土びな・特別純米」も万能に感じますが、
「岩清水・本醸造」も万能に…それは美味しい日本酒ということ。
杯を喜んで重ねて行きます。

「岩清水・本醸造」は前から変わらず、
中華料理に合う…と言うか、三幸軒の料理に、とてもよく合うと感じています。
「本醸造、本醸造」と言って、
それはあくまでクラス、階級、特定名称と呼ばれるもののひとつで、
お酒の名前ではなくて…
けれど、本当に相変わらず「本醸造」が旨いんですね。
小古井さんが造る本醸造と言うボトルが、
相変わらずで、料理人・上野さんが作る味わいによく乗って、
名称とか階級とかを気にしないで、
そうした堅苦しさ、形式ばったものを通り越して、
日本酒って旨いんだ、料理と合うんだ…と言いたくなります。

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使った箸の絵で恐縮ではありますが。
ここで、ひとつお楽しみ…として、
小古井さんから実験と言うお遊びが提案されました。

日本酒が生き物である…
空気と触れ合う事で味わいが変わる。
ほんのちょっとの時間でも変わって来るんだと言う事を、実践してみよう!…
…と言う企画。

空気に触れ合う量を増やしたいならば、瓶から取り出し、
温度に気を付けながら、しばらく空気に触れさせておけば良い。
硬いと思ったお酒を開く様にしたい時に、
そうした手法を行うのは、ワインも日本酒も同じことです。

逆に、空気を抜くことで過熟のもの、空気と触れあい過ぎた…と感じるものを、
開封時に近づける…それは、お酒を若返らせる…と言う事が出来る…この実験に、
件の割箸を用いました。

グラスの中へ箸を入れて、トントン、トントンと繰り返すだけ。
これでお酒の中の空気が抜けて、雰囲気が変わると言います。
本式はシャープペンシルで(よく消毒して)行うそうですが、
ノックする事で空気を抜いて行くのは、
手動ポンプ式の簡易はんだ吸取器と同じ構造ですね。

お酒をいちばん自分に合う味わいで楽しむ、
生き物として変化して行く中の良いタイミングを探す…と言うのは、
日本酒をより広く深く充実して楽しむ為の、ひとつの大切な要素だと感じました。

【  豚・炒め  】
【  豚ヒレ肉と新生姜の甘味噌炒め  】

パンフレット・コメント:
味も食感もボリューム満点の一品。
このお料理の為に小古井杜氏渾身の秘蔵酒を特別にご提供します。
(特別純米生詰6年熟成)相性バツグンです!

「岩清水・特別純米無濾過生詰・熟成6年・H18BY」
「中野土びな・特別純米」特別純米と古酒を合わせて。

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しっかりと生姜が利いていました。
鮮烈さが先に出るのではなくて、
生姜が持つ本来の、いちばん旨いところ、
生姜の旨味が「ギリッ」と利いていると感じました。
こう、すごくすごく生姜が活きていて旨い。
生姜風味でなく、生姜の味しかしない訳でもなく、
タレと組み合わさって、
濃い雰囲気ながら、芯に生姜の甘味を感じられる構成で、
実に良い味わいと感じます。
これまでのどれよりも濃い雰囲気は、ご飯にも乗せて美味しそうな度量。
味噌の味わいとタレとしての、こってりした感覚、
そこに反する生姜が甘味と共に合わさる…
その濃厚さの頂点でレモンが効いて来ると、
こう、たまらない妙を感じないではいられない訳で。

お肉も捩じった様な印象があります。
捩じって皺が出来て、そこに味がしっかりと染み込んでいて、
まるで、鶏の首肉せせりの旨さに近いと思ったりもしました。
食べて、“食べで”があって、しっかりと旨味が伝わる。
この強さと豊かさがあるメニュウには、
なるほど、小古井さん渾身の熟成酒、
納得の組み合わせですし、
むしろ、このコース・メニュウの最後、
ダメ押しの料理は、少し濃い味付けで…
これを本陣として出せるのは、このお酒があるからこそ!
…と感じました。

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僕は少し先行して、
2012年10月18日「長野酒メッセin長野」で出会っています。
「すげぇ美味しい!」と思って、
開始直後に直ぐに物販ブースへ向かい、購入したのを憶えています。
6年間、1℃~2℃の冷蔵庫にて、
じっくりと熟成された日本酒です。

甘味、まろやかさが1本、大きな柱になっていて、
もう一対、鋭さのある、瞬間にパッと貫く感覚の酸が栄えて、
その両柱が見事なバランスで反り立つ感じ。
穏やかさと攻撃性を程好く感じさせてくれる、
非常に良い熟成、空気に触れる事で“生き物”らしく、
ほぐれていく様、美味しさは常に魅力に溢れていました。

生姜と味噌のバランス、生姜がしっかりと効いている…
甘味を甘く感じさせない程度に、
すごく良いバランスで使っているなぁ…と感じました。
生姜の髄が利いている感じ。
千切りにされた生姜をひとつ摘んで食べると、
それは、もつ煮に入っている、よく炊いてある生姜と似た味わい。
それだけでもすごく美味しいし、
するってぇと、味の染み込み方が全体の旨さになっている…
そう感じられました。

【  〆(しめ)  】
【  鶏飯(ケイハン)~三幸軒アレンジ~  】

パンフレット・コメント:
奄美大島の郷土料理を三幸軒風にアレンジしました。最後までお楽しみ頂ける様、毎回工夫を惜しみません。

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ダシ!オクラ!昆布!

…と、食べて直ぐに浮かんだのは、そんな3つの言葉。
スープのダシ感は〆としてたいへんに好ましいもの。
豊かにダシは利いていて、かつ、頂くことでお腹も落ち着き、
食べ終わった感覚は、快い。
ご飯は少し焼いて、焼きおにぎり風にしてあって、
その香ばしさもスープに良い効果がある様でした。

僕もYOKOさんもオクラは好物で、
オクラの香が何とも言えずに夏っぽく、爽やかさに通じていると思いました。
元来、青さのある香ですが、軽く熱が入る事で、
スープへのとろみも出し、香が溶けて、
青さが和らぎ、食べると食感はまだ残っていて、心地良くて、
とても美味しく頂きました。

YOKOさんは上に乗る鶏肉の歯応えを絶賛。
「美味しい、美味しい」と繰り返し呟きながら食べていました。


お料理も全て出まして宴席、宴もたけなわではございますが…
…と「中締め」のお時間。
毎度恒例である「一本締め」で会をお開きとしようと挨拶を始めた善光寺屋の旦那に、
ひとりのおいさんから、提案が興ります。

何でも元々は地元「中野」の人でないんだそうで、
この地域に来て、初めて「御天領締め」なるを聞いて、
「これがこの土地の文化なんだ」と感銘を受けた…と、
今日もそれでお開きにしようじゃありませんか!…とのこと。

酒落語「中野土びな」を書くにあたり、
いろんな情報を集めた中に、
「北信流」と言う宴席ルールと、
「お杯の儀」と言う儀式、
「御天領締め」なる締め方がある事を知りました。

こうした伝統は廃れて行く…かと思いきや、
街の「消防団」なんかではバッチリ先輩から後輩に受け継がれている様ですし、
難しいとされる「お杯の儀」はともかく、
「御天領締め」は、そんなに難しいものではないので、
発案のおいさんの「やってみましょう!」と言うノリで、皆も乗っかります。

自分は、いつだか小古井さんに「御天領締め」について伺った際、
中野市では、よくあるもので、いつか体験できるかもですよ…
…なんてなぁ事を聞いておりましたが、
まさか、こんなに早く目の当たりに、
また座の中に混ぜて頂けるとは思いませんでした。
ありがたい。

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何でも女性であっても、必ず胡坐にて身を正すんだそうです。
「これは貴重なシーンだ」と何枚か写真を撮らせて頂きましたが、
皆さん、胡坐姿の様子の良いこと!
地域の外から来ている人間としては、その格好良さに痺れました!

ション・ション・ション

ション・ション・ション

ショーン、ション

…と言う拍手。
見よう見まね、音まねで僕らも加わり、
これにて「食酒楽会」、第19回は中締めとなり、
流れ解散…となります。

僕とYOKOさんは、もう少しお邪魔させて頂きまして、
また色んなお話を伺います。

その中でYOKOさんが心配するくらい、
僕は「中野土びな・特別純米」を楽しんでいました。
室温くらいの温度、空気によく触れた後の「中野土びな」が、
もう、どうしようもなく和む味わいで、
酔う感覚ではなくて、呑むことがたいへんに心地良い、
お昼寝と二度寝を繰り返している了見に近い感覚。
美味しかったですね~。

今回の三幸軒のお料理は、
3種類のお肉を使い分けた焼きもの以外は、
「正に中華料理」…と言うものではなく、
創作料理であったり、西洋・東洋風であったりしていますが、
そうした料理であっても、
「必ずどこかに中華料理のエッセンスを加える」
…と仰る料理人・上野さん。
そうした意気込みがより良い料理を形作って行くのだなぁ…と感じます。

また「某ケンミンSHOW」で放映されていた「にらせんべい」や「こねつけ」の状況を伺ったり。

12月にとても楽しみなお約束もさせて頂きました。

「第19回・食酒楽会」も大満足、大充実!

しっかりと楽しみました!


素晴らしい宴「食酒楽会」の翌日。
それなりの時間に起き、朝食を摂り、いざ活動開始と相成ります。
お宿はビジネスマンの方が多く、のんびり朝食を摂る事は、贅沢な心持ちも致します。
チェックアウト時間近くには、整然と詰めて並べられていた玄関近くの駐車場が、
すっかり空になる…食酒楽会後の名物の様に思えて来ました。

今日の目的地へは天候にも寄る…と思っていましたが、
幸いに悪くはならなかったので、出掛けます。

大町・横川商店さんのブログ「呑ん子の放浪記」より、
せっかく北信、志賀高原の手前にいるのだし、
「白根山」なる場所へ行ってみようじゃないか…と考えます。

( 参考にさせて頂きました!→ 呑ん子の放浪記「初夏の白根山」 )
( http://blog.livedoor.jp/nonko0127/archives/55568501.html )

志賀高原への道は、
これまで「SNOW MONKEY BEER LIVE」の経験で、
「蓮池」交差点にある「白樺荘」までは行った事があります。
その先は未知の領域。
呑ん子さんが見ていた「湯釜」を是非、僕らも見てみたい…との事で、
「白根山レストハウス」を目指します。
実は当日調べてみて知ったのですが、
群馬県に入るのですね。そんな状態での出発でした。
そうだ、人生を思い返してみると、僕は群馬県に行った事がなかった。
…と、後に気付きます。

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道中には「日本国道最高地点:標高2.172m」のビュースポットがありました。
何だか、やけに車が止まっていて、人が降りているので、
「よーし、止まってみよう!」と言う物見遊山的発想から停車しましたが、
いやはや、止まって良かった。

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雲が掛かっていますが、眼下に広がる景色は絶景です。
下を眺めるYOKOさん。

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こんな感じの景色が見えます。

周囲の道は、やけに開けていて「怖い」と思いました。
燕岳・大天井岳への登山道に通じる、
安曇野の「有明荘」に向かう道は、狭く断崖絶壁がガードレール越しにあり、
スピードなんて全く出せる様な道でなく、
常にすれ違う車が来ない事を祈る様な難所的ルートなのですが、
それとは逆に、
ちゃんと整備されて広い道ではあるのですが、
逆にスピードが出てしまい、運転が知らず知らずの内にダイナミックになりがちで、
車に羽が生えていたら、崖下や大空に飛んで行けるんじゃないかと言う…
…そんな感覚を抱きました。
良い景色には違いないのですが…。
ただ、こうして道を造り上げた先人様の努力は計り知れません。

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「白根山レストハウス」周辺の駐車場は有料になり、
車を停めて、まずは小休止。
標高の高い山の頂上、そんなに観光客はいないだろう…
…と想像していたのですが、結構な駐車台数で驚きました。
更に草津寄りの「白根山」も合わせて、観光地としてしっかと人気がある様です。

日本三大名湯の草津が群馬にあるとは音に聞いておりましたが、
まさか、長野県境からそんなに離れていない場所にあるとは…。
知らなかったからこその感動。
そして行動範囲が広がって行きます。

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今度は白根山レストハウスから「湯釜」を見ることが出来る位置まで、
歩いて山を登ります。
凹凸を付けた坂が続きますが、歩き易い道なんだと思います。

僕は、かなりヒイコラ、エイヤコラ登りましたが。
(そして、どんどんと登って行くYOKOさんの背中を見てばかりでした)

伺うと、別に湯釜の近くまで行く道もあるんだそうですね。
ただ、火山活動の活発化によるガスによって、立入禁止としているのだそうです。
勘違いかも知れませんが、
靄が出た際、風向きによっては硫黄の様な匂いが感じられた気がしています。

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登る道中、心の清涼剤。

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登り切って白根山名物「湯釜」とYOKOさん。
「草津白根山火口展望台」とあり、
「白根山」は標高2160mとの掲示板がありました。

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空よりも濃い色合い、神秘的な池。
何だか吸い込まれそうになります。
「行ってみたい」と思う。
山岳信仰の対象になっても良いんじゃないか…と言う雰囲気を感じました。

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ひと仕切り「湯釜」を見ての帰り道。下りの坂道から眺められるのは、
先程車を停めた駐車場と、「弓池」と言う池、付随する湿原。
「お散歩してみよう」と、どちらとも無くそう言って、そうすることに。

天気はおおむね晴れていましたが、
日の当たる時間はとても暑く、ジリジリする様な陽光の強さを感じ、
逆に、雲が掛かると途端に暗く、涼しくなる…
体感する温度差は、数分毎にも変わる場合があって、
“山の天気は変わり易い”と言うのも頷けます。

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正面に弓池。湿原へ降りて行く道。

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弓池と同じ高さまで下りて来ました。

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ぐるりと湿原を一周出来る遊歩道。
遊歩道から湯釜展望台を臨みます。

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小高い丘から眺める弓池。

ところで、弓池と言うものは飲用には適さない、
酸性の水から成るだそうです。
それでも生命は育まれているし、鳥の姿も見えました。

SOJA「YOKOさん、この池、酸性なんだって」

YOKO「じゅー」

YOKOさんが擬音で返しましたが、
たぶん、その擬音は硫酸とか塩酸とか、
そうしたものを想像したんじゃねぇかなー…って感覚。
ひと笑い、楽しいお散歩でした。

本来なら中野市まで戻ってお昼ごはんを食べたいところですが、
時間の都合、より観光らしく、初めて訪れる場所を楽しんでみよう!…と、
白根山レストハウス2階の食堂で、昼食を摂る事にしました。

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しばらく歩いて喉も渇いたので、
ノンアルコールビールで潤いと涼を取ります。

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僕は人気1位のオススメだと言うので「鶏そば」にしてみました。

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YOKOさんは「白根湯釜カレー(辛口)」を。
何だか、ここに観光に来たなら食べなくちゃいけない心持ちにされるじゃないですか。
グリーンカレーと言うのも、
何だか…今しがた見てきた光景と重なる訳でして。
ご飯の量がなかなか多かった印象ですが、ぐるっと囲むと致し方なし…とも思えますよね。

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その帰り道、熊の湯温泉・熊の湯ホテルに立ち寄ります。
群馬県から志賀高原へ向かう場合、
メインの国道292号線から分岐して、
熊の湯温泉まで降りて行く道は、駐車場の中にあって非常に分かり難いですね。
きっと雪の季節ならば雪の壁によって道が分かるのだと思いました。

12時30分から15時までの短い時間だけの立ち寄り入浴だからか、
常に人が入れ替わり…と言うカタチ。
内湯は43℃の設定だそうで、かなり熱く長湯できない様になっています。
これは湯あたりを避けるため、
それほど強い温泉なのだと、入ってみても実感しました。
男性用の露天風呂はぬるめになっていて、適温。
女性用は浴槽の広さや風の入り方によるのか、
あまり温度は下がっていなかった様で、内湯と変わらない熱さだったそうです。

緑色が薄く濁ったお湯、木の浴槽は全体の建物の木の概観とも相まって、
非常に雰囲気があります。湯治場の様な落ち着いた空間。
焦げたゴムをすりつぶして百草丸を溶かした様な燻した香だと思いました。
沈殿した成分からなのか、湯船の中の床はツルツルで、よく滑ります。

噂に違わぬ名湯でした。
温泉本を眺めていて、是非1度は入ってみたいと思っていた温泉。
タオル付き1000円は県内としては少しお高い設定ではありますが、
その価値があるお湯だと思います。

YOKOさんとは次回は万座温泉と横手山のセットかな~…と言うお楽しみを画策しています。
硯川ホテルにも行ってみたいですね~。
志賀高原、楽しむ場所がいっぱいある!
それを実感する旅でした。

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すぐ近くの「ほたる温泉・平床大噴泉」も見学。
強い湯煙が出ていて、
行きの車内、この噴泉の前を通った際に、硫黄の香を、
締め切った車内であっても感じて、驚いたものでした。

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中野市まで戻って来た所で、
「たかやしろファーム」にてワインを買い、
「オランチュ中野」で黒あわび茸も買いました。
噂のキノコなんだそうで、その後炒め物、お味噌汁の具として活用しました。
聞くと結構高額なキノコだそうなんですが、
オランチュではたっぷり入って150円でした。安い。
きくらげ味の椎茸みたいな食感…そんな印象でしょうか。
焼く場合には、炭火でおろし醤油あたりが美味しいかなぁ…と想像。
エリンギにも似た印象がありますが、
繊維の方向が違う感じです。

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ついでに購入してみた「えのきパン」は、
えのき茸だけでなく、えのき氷も入っているらしく。
えのき茸を使ったヨーグルトも最近では売っていたりしますね。
あ、「かわら家」の「えのきせんべい」もあったり、流石。
味付け乾燥えのき茸も買って帰りました。
オレンジ色の袋、海野きのこ園の「おつまみえのき」、
僕もYOKOさんも大好物なんですね。


実に、大いに楽しんだ2日間、遊び尽くして、
翌週となる今週はちょっとだけグロッキーであります。
これもまた語り草、楽しかったからこその疲れであります。

次なる第20回は記念だけれど、
秋口となりますてぇと、造りで酒蔵は忙しくなる頃合でございます。
どうかしら、
第20回は新酒のお披露目も兼ねて年明けかなぁ…とも思ってございます。
何にせよ、素晴らしい会になる事は請け合い。
気長にお浮かれの時を待とう!と心に決めました。

さて、長講一席、長らくお付き合いを賜りましたが、
ちょうどお時間となってございます。
素晴らしい信州、北信の余りある溢れんばかりの良さが、
ちょっとでもお読み頂いた方に伝わりますれば幸いでございます。

ありがとうございました。

ありがとうございました。





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( http://blogs.yahoo.co.jp/shokusyu1 )

三幸軒ブログ
( http://sankouken.blog.fc2.com/ )

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