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2012年1月29日 - 2012年2月4日

2012年1月29日 (日)

第9回 S.M.W.S 松本テイスティング会(2011年11月23日・摩幌美)


えー、誘惑箇所の多い中、
取り分けて、いっぱいのお運び様、
誠にありがたい訳で、
気楽なところで一生懸命、書いて行く事にしております。
どうぞ、お付き合いくださいませ。

えー、「祭」なんてなぁ、毎年の事で、
その時節になると、ウキウキとしますな。
実に楽しみなもの。
楽しみだからこそ、終わってしまうと、
「また来年も」と思いもし、
また「祭の後の侘しさよ」と詠った方もおりますな。
「祭」とお耳に達しますてぇと、
どんな風景、情景を思い出しますでしょうか。
夏祭りの方もあり、また春先の桜なんかの祭り、
国によっては、なまはげが出て来たり、
冬ならば火祭りなんてぇのものある訳で、
この聞かれた後にパッと思い起こす祭りの風景と言うものは、
えー、何と申しましょう、
「心の原風景」と例えましても、
どなた様にも差し障りがないんじゃないかなぁ…と存じます。

これ、私にとっては、ウイスキーでも思い浮かべます。
ウイスキーは、余韻がごく長く続きますな。
上質なブレンデッド・ウイスキー、
またシングル・モルト・ウイスキーにおいては、取り分けて、浮かぶ。
香に、味わいに、とろける様な時間を過ごす中で、
情景が浮かんで参ります。

大好きな日本酒ですと、風景まではいかない。
「ウマイ」と思い、そして肴を合わせて、
料理に会話に、ワッと騒ぎ、はしゃぐ。
日本酒はそうした陽気な楽しみ方がよろしいんじゃないかと思います。

ウイスキーは、その琥珀色の雫と、ゆっくりと向き合いますな。
時間を楽しむ飲み物…楽しむうちに浮かぶ情景がございます。
緑豊かな草原もあれば、炭鉱に入って、えいやっとやっているのもあり、
実に様々な情景が浮かびます。
…炭鉱仕事が私の“心の原風景”かと申しますと、
残念ながら、そんなお仕事の経験はないのでございますが。

さて、祭りであり、情景であり。

11月23日、松本のパブリックバー「摩幌美」、
恒例のお祭りがございました。
ウイスキーを楽しむための、イベント。
毎年、多くの方がお祭りの様な心持ちで、1年に1度のこの日を迎えます。

この日の「摩幌美」と言うものは、
超満員で、めいっぱいにお客様が集まりまして、
ウイスキーを楽しむ。
酋長やウイスク・イーの元木さんが外の様子を見に行き、
戻って来た際には、
お店の中に立ち込める素晴らしいウイスキーの香、
中に居続けておりますと
気付かないものなのですが、
揮発するウイスキーの香が充満し、
異空間となった祭りの場に驚いておりました。

皆さん、ウイスキーがお好きな方ばかりで、
楽しみ方も、誰とも言わず、各々に各々なりの楽しみ方があり、
それが共存しあって、良い空間となっております。
私なんかは、メモ魔でございますから。
頂くウイスキーのコメントを書いていかないと、
どうも具合が悪い。
なんだかメモがないと、蓄えようとする記憶に、
損があるんじゃないかってくらい。
おとなり、YOKOさんは、香と香の変化を集められますな。
幾つかを並べて、その差だったり、
共通点だったりを探したり遊んだりして行くんです。
そう、それぞれに楽しみ方がありますが、
こう、飲んで、ゆっくりと時間を掛けて味わい、
味わった所で、口を開き、
呼気からも漏れ、鼻に抜ける残り香、余韻も味わって、
幾つか会話をどなた様とも交わし、
ここは陽気に笑顔なんぞ、美味しければ自然に入り、
再び、ゆっくりと味わう時間に戻って行く。
味わいの陰、共有する陽、
陰陽、交わりまして、実に祭りらしい雰囲気。

そんなお楽しみ、素晴らしい休日の一席、
申し上げるお支度、調いましてございます。
おあとがよろしいようで。


【 2011年11月23日 】

別に…席順なんてないし、
早い者勝ちって争ったりもしないし、
でも、基本的に駅を出て、
ローソン前からの100メートルくらいは、自然と早歩きになります。
楽しみだから。
僕らはどうしたって、四柱神社にお参りに行きたいから、
すぐ、「摩幌美」に入ったりはしないんだけれど、
でも、どうしても早歩きになります。
本当に楽しみで。

Cimg6178

こうして明るい時間に「摩幌美」を訪れる事は、年に1回ごと。
昨年もこうして訪れ、写真を撮っていますが、
今年は偶然、外の様子を見に来た酋長が入りました。
YOKOさんに立ってもらって、
シャッターを半押し、ピントを合わせて、
その辺りからドアが開き始め、見事なタイミング。

迎え入れられ、モルトの会メンバー席へ。

Cimg6180

今日のボトル・リストを見ながら、
待ち時間は作戦会議。
どれを飲みたいかな、どれを忘れずに飲もうかな。
全38種類、うち2種のラム、2種のビールが含まれます。
ビール、ラムの登場は初めて。
思い思いにモルトに思いを巡らせて祭りの前。

酋長、元木さんにご挨拶を頂きまして、いよいよ…となります。
そんな訳で、以下はテイスティング・ノート。
試して行った順に書いて行きます。

【  第9回 S.M.W.S 松本テイスティング会  】
【  Tasting Notes  】

【 Glenugie /  30 yeas / ??% 】

強くリンゴ、酸味、乳酸、灰分、
ワインカスクっぽい、ヨーグルト的な香も感じる。
味わい広がる、旨い。
甘く、強く、柔らかい奏でる。

【  GlenAlbyn /  30 yeas / 46.7% 】

樽の香、甘く華やか。
甘さと華やか。ソフトでなく、ハッキリした感じ。
舌先に甘味が強く残る。
その糖質、甘味が良い。

【 GlenOrd / 23 yeas / 56.8% 】

クリーム、レモンクリーム、芳しい鼻先、
甘味が豊かに、
でも爽やかに伸びる。
優しい雰囲気がすごく伸びる。優しくて柔らかい。

【 GlenMoray /  39 yeas / 50.3% 】

ベリーキュート!
ショコラ、オレンジピール、
苦味あり、イガイガって感じる部分もある。
この雰囲気がどこかビールの様な感覚を思い起こさせる。

【 Aultmore / 28 yeas / 51.1% 】

クリーン、飲むと綺麗なリンゴ。
手に取りやすさがあって、スキャパっぽい印象も抱く。
そのキャラクター。

【  GlenMorangie / 18 yeas / 56.6% 】

甘味、優しい香(小)とスパイス、後から樽香。甘い。
飲みやすさあり。
美味しい、バランスが良い。
程好くスイート。

【 Macallan / 20 yeas / 55.8% 】

魚の鱗、麦茶。
飲むと、これが伸びた感じ。味は飲んで美味しい、
奥に甘味を感じる。

【 Bruichladdich / 17 yeas / 53.5% 】

味、ソフト、オレンジの甘いミルク、
トップノートの印象は少なめ、
でも、味は適熟。

【 Springbank / 10 yeas / 50.6% 】

焼き塩、薬品、
飲むと寸時、柔らかく広がって、
グーンとピートが出る。
スプリングバングらしい雰囲気が、程好いパワー。

【 Rosebank / 19 yeas / 57.7% 】

ストロベリーミルクの香、
苺ミルクが瞬間に強く広がってグッとなり、
甘味が余韻へ。
甘味のソフトな世界観が強く伸びて行く。

【 SCAPA / 9 yeas / 57.2% 】

手の香とミント、お香の匂い。
スーッとした雰囲気、香。
ピールの雰囲気、ほのかさがある。
飲みやすい。
→オレンジミント。

【 CAOL ILA / 18 yeas / 55.9% 】

うんうん、どギツイ。
”薬品ぽい”くらいの雰囲気。
パワー、ストロング、ピーティ。
モルト感、強い。
これはCAOL ILAらしいが、
深みを感じるより、
むしろ、前半の強さが印象に残る。

【 BOWMORE / 23 yeas / 48.8% 】

なるほど、フルーティ。
パフューム・ライト、イージー。
飲むと、しっかりパフューム感。
スミレの香も感じる。
そして、サッと溶ける。
度数として弱く、48.8%、
これを裏付ける雰囲気はある。

【 Teaninich / 27 yeas / 55.0% 】

甘く、甘美な香。
薄くアルコール、薄くモルト感、
分かりやすい、あるべき感じ。
バランスがあって、
突出するものはないが、美味しい。
甘味伸び。

【 GlenScotia / 11 yeas / 61.8% 】

ナッツ+オイリー+ピート。
これは好き。
程好いピート。
甘味とのせめぎ合い感でバランス。
ソサエティらしい味わい。
志向性が理解出来ると言うか。

クリームの感じに変化して行く。

【 Mortlach / 15 yeas / 55.8% 】

トップノートは低め、味はすごく可憐で美味しい。
ソフト、優しくふんわり。
とても良い。

【 Laphroaig / 12 yeas / 63.8% 】

浮き輪、ゴム、針、注射針、金属製、
辛い感じ。ギュリッとした感じ。

【 Laphroaig / 13 yeas / 64.1% 】

香薄い、モルト、ゴム、
飲むとすごい刺激がある。
けれど、余韻に向かうと甘味が出て来る。
スペアナ上のNarrowBand Noiseを見ているみたいな波形。

【 Glenrothes / 20 yeas / 55.8% 】

焙煎、コーヒーみたいな雰囲気。
勿体ぶる感じと言うか、奥ゆかしいと言うか。
飲むと、奥から想像以上の香、
枯れた樽の香が出て来る。
同時にツンとした甘さ。
特徴的で、古城のイメージ。

【 Longmorn / 18 yeas / 53.8% 】

バランス良い。香がソフト&メロー。
浅い感じ。
樽のキャラクターはあんまり感じない。

【 Macallan / 19 yeas / 53.8% 】

あんまり香ない?
でも、静かにシェリーっぽい。
飲むと美味しい。
程好いシェリー、バランスの味、
ほの甘いシェリーっぽさが良い。

【 ROCKLEY / 9 yeas / 75.4% 】

ラム香、ラムレーズン香。
すっごく高い、強い香。
直アルコールを感じる。

アルコール!って感じる。
すごく灰分と言うか、強烈、
灰っぽいって言うか舌、口の中が乱れる強烈さ。

【 LONGPOND / 9 yeas / 81.3% 】

トマトケチャップ、ウスターソースの香。

セメダイン、更なるアルコール。
ロックリーの方が甘味があったなぁ。

【 GlenMorangie / 16 yeas / 52.2% 】

少しアルコール感。
軽い感じ。奥にウスターソースを感じるのは、
ロングポンドの影響が残っているのか?
辛い、ジッとした感じ、
味強さ、熟成の中間にある感じ。
どうだろう、Magazine Liveで楽しんだみたいに、
ソーダや果実と割っても美味しいかも。

【 CAOL ILA / 17 yeas / 59.8% 】

香はカリラらしい。あっさりした感じ。
ストロングさ、キャラクターがソフトに感じられる。
そんなに強くないと言うか。
バランスがあって美味しい。

【 GlenMorangie / 11 yeas / 55.8% 】

日本酒っぽい香。
飲むと若さは感じない。強さ、深さは少なめで、
飲みやすいなー…って感覚。
熟成感の長短の印象少なく、アルコールを感じる。
樽の影響は、あまりないのかも。

【 GlenAlbyn / 21 yeas / 59.8% 】

純米酒の田舎っぽい香だ。
これに似ている山廃ミルク的なものはある。
今飲むと美味しいなぁ。

加水すると若返る感じ。
均一化されて、米っぽかった雰囲気がなくなる。
(旧ソサエティボトル)

【 Arran / 12 yeas / ??.?% 】

あっ、アランの味だ。
バランスが良く飲みやすい。
甘味が明るくアーチのイメージ。

【 Punk IPA / Brewdog 】

【  5AM SAINT Amber Ale / Brewdog  】

この2種はその後、摩幌美のビールリストにアップされました。
Magazine Liveでもマスタークラスに参加した「Brewdog」のビール。
人によって、まず先に飲んだり、
ウイスキーのチェイサーに飲んだり、
いちばん最後に楽しんだり。
思い思いに楽しんでいましたが、あって良かった!…
…そう誰もが思ったはず。
こう、ウイスキーの連続テイスティングの中で、
良いリズムを造り出していてくれたと思います。

「飲みたい!」と思って狙いをつけていたもの、
また、同じテーブルを囲んだ戦友さんの「飲みたい!」と思ったもの、
優先順位が高かったもの、前半戦のモルトに特に良い印象があります。
Glenugie,GlenAlbyn,GlenOrd,Aultmore,
Rosebank,Teaninich,GlenScotia,Mortlach…美味しかったですネ。
希少なものも多くあり、とても贅沢なイベントでした。



当日の様子は、
THE SCOTCH MALT WHISKY SOCIETYのWeb Siteにも掲載されています。

(  http://whisk-e.smugmug.com/Other/Matsumoto2011/20321060_fWm4RN  )

モルト・ラバーさん達の盛り上がりを、とても熱いものに感じた様子。

会が終わると、ちょうど飲食店さん方が夜営業を始める時間。
僕らは毎回、二次会に出掛けるのだけれど、
今年は「摩幌美」からすぐ近く、
酋長オススメのお店に行く運びとなりました。

【  CIAO・BAMBINA  】

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リーチインのワイン、ビールセラーがあって、
選べる楽しさがあります。
洒落た赤い座席に腰掛け、まずスパークリングワインから。

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カリフォルニアワイン「Cook’s」、
まずは乾杯、ボトルでのオーダーも10人居れば10分割。
程好い量を程好く楽しむ事が出来ます。
モルト・ドリームに酔った僕らの目を覚ましてくれる爽やかさ。

オススメのお料理をお願いしましたから、
楽しむお酒も、お店の特色にあったもの…セラーの中、
ワインで楽しもうじゃないか…と相成りまして、
お店の方に相談しながら選びます。

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チリワインの「Cono Sur」、
Pinot Noirで、ラベルには
「Wine made from organic grapes」とあるもの。

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小布施ワイナリー「Sogga pere et fils」、
「Ordinaire(オーディネール)」は
Merlot & Cabernet Sauvignon で、2009年ヴィンテージ。

お料理も相当量、頼んでいたのですが、
ワインもボトルで、これだけオーダーしているのですが、
いやはや、とってもリーズナブルに、
「えっ、こんなに美味しくて楽しめて、こんなにお安いの?」
…と思う程に、満足度、高かったです。
人気もあり、年齢層を選ばない感じで何名も訪れ、
すっかり満席になりました。
家族連れ、カップルさん、タペストリー型の仕切りがあるので、
半個室の様に区切られ、空間も保たれて、実に居心地が良いものでした。

その後、
お店の片付けを終えた酋長、Akkoさんも合流してのお疲れさま会になりました。

ビールも出たし、日本酒も出たし。
お酒が大好きな仲間のお酒を楽しもうと言う会です。
1日を美味しさと共に過ごしましたが、
体のダメージって、そんなにはなくて。
志ん朝師匠も噺のマクラで、
「お酒飲みは陽気な方が良い」なんて仰っておりました。
体現と言う所、これを充実と言わずして何と言う。
良い1日となりました。

さて、モルトの香、仲間たちとの楽しみを申し上げました。
ちょうどお時間となってございます。
長講一席、お付き合い下さいまして、誠にありがとう存じました。

ありがとうございました。

ありがとうございました。


【  これまでの様子  】

第8回S.M.W.S.松本テイスティング会(2010年9月18日・摩幌美)
( http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/8smws2010918-b0.html )

第7回S.M.W.S.松本テイスティング会(2009年11月29日・摩幌美)
( http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/7smws20081129-a.html )

第6回S.M.W.S.松本テイスティング会(2008年11月16日・摩幌美)
( http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/6smws20081116-1.html )

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