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2012年5月27日 - 2012年6月2日

2012年5月29日 (火)

笹の譽「23BYおつかれさまです」の会(2012年5月19日・蕎麦居酒屋蔵のむこう)


Cimg7545_2

誘惑箇所の多い中、
取り分けて、いっぱいのお運び様、
誠にありがとうございます。
気楽な所で、一生懸命書いて行く事にしております。
どうぞ、お付き合いくださいませ。

えー、
今年と言うものは、
10月8日から4月22日までの期間であったそうです。
何が…と申しますものが、今回の主題となってございますな。
相も変わらず、
お酒のお噂を申し上げる事になっております。

えー、酒造年度てぇものは、
皆々様がお使いになられる暦とは少しばかり異なっておりまして、
7月1日から新しきを迎えますな。
2011年の10月8日から始まり、2012年の4月22日に区切りとなった…
平成23年から24年まで、この期間、
一生懸命になって、醸した酒がある訳ですな。

「おつかれさまです!」

…と申し上げたい心持ちは、当方にこそあり。
一堂に…一卓の上に集まった「笹の譽」、
並んでいるお姿を拝見するだけでも、トキメキをもよおしますな。
溢れ出しそうなくらいですよ。喉が鳴ります。
正座でなんて待っちゃったりしてね。
その辺の犬っころより、お行儀良くしておりましたとも。

「飲みたい!」と思う程に、
「笹の譽」が好きなんだ…と実感する訳ですよ。
砂漠でひとり彷徨う際に、
「水が必要だ!」と思うのと同じでございます。同じ。
今の自分に必要なものであると体…いや、五臓六腑が知っている、
求めている訳ですな。

伺います事には、
こうして蔵元さん主催で日本酒の会を開く、と言うのは、
初めて…なんだそうです。
笹井康夫さんの酒造りが始まって4年、
ここまで駆け抜けて来た一滴一滴が、
それぞれ集大成でありましょうけれども、
こうして主催の会を開かれる事もまた、縁起となりましょう。

さぁて、こちら、たいへんに贅沢な会となりまして、
申し上げるお支度、調ってございます。
おあとがよろしいようで。



信州松本・笹井酒造、蔵元パンフレットより。

ーー  優しい甘口を醸す、笹の譽の酒造り  ーー

「笹の譽」醸造元 笹井酒造株式会社は
北アルプス山麓源流と美ヶ原の伏流水が合流する場所に位置する
大正15年創業で300石を家庭的な雰囲気で醸す小さな酒蔵です。
基本となる酒米は契約農家と一緒に育て、
そのほとんどが松本・安曇野産の酒造好適米
「ひとごこち」「美山錦」が主となり
地産地消にも取り組んでいます。
醸造におけるすべての行程で実施している
洗米・自然放冷、
麹の管理はすべて手作業で感覚を研ぎ澄まし、
酒の旨味を最大限に引き出すよう、
袋吊るしによる上槽を行い手間を惜しまない
小仕込みによる「笹の譽」らしさの感動となって表現されています。
醸造数量の約80%が生原酒での出荷となり、
けして多くは醸せませんが味幅がどっしりとし、
優しい甘口で華やかな香と
旨味がたっぷりの地酒「笹の譽」をご賞味頂けたら幸いです。

(当日のパンフレットより引用させて頂きました)


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14時から開始。
終了時間の予定は16時。
するってぇと、
終わり次第、二次会へも行く事が出来る時間設定。
当日までの情報で、
「参加しやすい時間帯を設定します」とアナウンスがありましたが、
なるほど、
実に、痒い所に手が届く。

5月19日、
松本駅前にある、
そば居酒屋「蔵のむこう」に、
僕とYOKOさんはやって来ました。
「蔵のむこう」と言えば、
これまで11月3日に開催されている、
「城下町酒楽まつり」の会場でもあります。
この2階席の一間での…
いわゆる「蔵元を囲む会」、
笹井酒造が主催する「23BY・おつかれさまですの会」が開かれます。
…酒販店や飲食店が企画しての「蔵元を囲む会」だけれど…
蔵元さん自らの企画ならば、
「蔵元が囲まれる会」になるのでしょうか。
何だか急に物騒になった様な心持ちがしないでもないですが、
僕やYOKOさん、集まる「笹の譽ファン」は、
何も蔵元さんを取って食おうとは思っていないはずで。

「蔵のむこう」は、普段通りの営業中。
「笹の譽の…」と給仕さんに伝えると、
「どうぞ、お二階へ」と通される訳ですが、
どうしても、
これからのお楽しみの事を思うと、
今年、平成23酒造年度の造りの総揃いの事を思うとニヤけるし、
他の方々、一般の方々はあり付けないので、
どうにもスペシャル感が強く、
「トントン…」と階段を上って行く最中にも、
たまらない喜びがあります。


開場の13時30分ちょっと過ぎ、
「蔵のむこう」の一間には、
笹井酒造の杜氏、笹井康夫さんがいらっしゃいまして、
営業の狭間さん、松澤さんがおられるのはもちろんで、
「一番乗りかな…」と思っておりました。
早めに行って、
笹井康夫さんに造りの話を聞こう…と思ってもいました。
すると、先客の1名様。
”自分と同じ思惑なのかな”…
そうしてお酒の会に参加なさるとは、並々ならぬ思い…
…そう拝見しました。
「笹の譽」ファンとして、
ご縁が出来るのは何よりだと思うも束の間、
笹井さんから紹介がありました。

「…この方、大分の…」

…と聞こえた途端に、
ある頭ン中の引き出しが勢い良く開きまして。
今回、九州からお越しになり、
この「笹の譽」のイベントに参加する方が居られると、
笹井さんから伺っておりました。

「大分の…」

…で十二分に繋がり、
「それはすごい!」と「それは素晴らしい!」が、
混ぜ合わさって3にも4にもなった興奮がありました。
その後も、いろいろ聞いてしまいました。すみません。
醤油の文化の違い、
そうした食生活に根付く日本酒の味わいの幅、
逆に共通点、とてもワクワクとして、
もっともっと色々なお話を聞きたいと感じる好青年さんでした。

大分県の古国府(ふるごう)と言う街からお見えになった樋口さん。
古国府は大分市にあり、別府湾が近い土地柄、
海も山も近くにあり、
こちらで笠木酒店と言うお店を営んでおられるそうです。
ブログを拝見すると地元は「鷹来屋」、
九州・佐賀から「東一」や「能古見」などを取り扱い…だけでなく、
「房島屋」や「奈良萬」などもあり、
リーチインの冷蔵庫もあり、
お店のブログもしっかりしていて…何とも良さそうな雰囲気なんですな。
(  http://kasagisaketen.blog18.fc2.com/  )

なるほど、こうして蔵会に参加される情熱がありそうだ…!

…と言うのは、
後々に調べて分かった事で、
当時は純然と、「笹の譽」に興味を持って松本へ来て頂いたこと、
松本を故郷とする自分として、嬉しく思ってお話させて頂きました。

「笹の譽のどんな味わいが気に入ったのでしょう?」

…と伺うと、

「実は、飲んだ事がないンです」

…とのお答えに、すごい…
素晴らしい、
スゴスバラシイ探究心、意欲、情熱を感じました。
インターネット上や酒飲みのお噂などで興味を持たれたんだそうです。
本日は「笹の譽」23BYの造り、日本酒を揃えた会。
今日ほど興味を存分に果たせる日はないでしょう!
笹井さんの「笹の譽」と、樋口さんの出会い、
この縁、何度でも言いますが、素晴らしいと感じます。

だから…故に、瞬間、願いました。裏腹、脳裏に浮かぶ言葉。
「僕は笹の譽が好きだけれど、
    どうか樋口さんのお気に入りにもなりますように!」…と。


今回、「蔵のむこう」で開催された
「笹の譽・23BYおつかれさまですの会」に参加された方は、
僕とYOKOさん、樋口さんと、
S水さん…どちらかで何度かお会いした事がある…と、
松本、大町などの飲み歩きに何度か参加する以上、
そうした思いはあって、たぶんお見掛けした事があるんだろう…
…と考えていましたが、
後日、ハッキリ思い出しました。
大町の飲み歩きの際に、
北安醸造の物販ブースにおられたと思うんですな。
(違ったらごめんなさい)

そして、もうお一方、
U野さんも何度かお会いした事がある方。

この5人だけの会となりました。
何とも良い面子…と申しますか、
笹井さん、営業の方も交えて、楽しい会となりました。
マイペースで穏やかな雰囲気が保たれていて。
時間がすごく贅沢に感じられました。
「今、ここにいなかったら後悔する、勿体無い」
人のご縁からもそんな思いを抱き、
もちろん、用意された日本酒から…
笹井酒造が醸した日本酒のラインナップを見ても、
やっぱりすごく贅沢。

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【  笹の譽・23BYおつかれさまですの会  】
【  出品酒リスト  】

【  乾杯酒  】

笹の譽・純米大吟醸・袋吊るしあらばしり

【  レギュラー酒仕込み  】

普通酒
松本市新村産「美山錦」
(白ラベル)

本醸造酒
福井県大野市産「五百万石」
(茶ラベル)

【  契約栽培米仕込み  】

純米・低精白80 無濾過生
長野県産「美山錦」
(赤紫ラベル)

特別純米・直汲み生
北安曇郡松川村産「美山錦」
(緑ラベル)

純米吟醸・直汲み生
松本市島内産「ひとごこち」
(ピンクラベル・9号系)

純米吟醸・直汲み生
松本市島内産「ひとごこち」
(水色ラベル・長野D)

純米吟醸・直汲み生
松本市新村産「美山錦」
(薄緑ラベル)

純米吟醸・中汲み生”三割麹”
松本市島内産「ひとごこち」
(群青ラベル・長野D)

笹の譽・純米大吟醸・袋吊るし無濾過中汲み原酒
北安曇郡松川村産「美山錦」
(黒ラベル)

【  リキュール  】

純米酒仕込み「梅酒」2011年

全11本の「笹の譽」が並びました。
「直汲み」と言う非常に手間の懸かるボトルが多い事が、
まず目に入る特長かも知れません。
いやしかし、それ以上に感じて欲しいのは、
会に参加した者として、
こうしてブログを書くからには伝えたい事は、
「笹の譽」と言う日本酒は、
信州松本にあり、
信州松本の地元で育まれたーー…
松本平の土地に生まれ、
アルプスからの風を受けて育った酒米から醸されている、
蔵に湧く水源を用い、
信州に生きる笹井酒造が醸している…と言うこと。
その地で呑まれるから地酒…だけでなく、
その地で育まれ、その地で呑まれている地酒なのです。

本醸造酒に使われている、
福井県大野市も縁があるのだそうで、
このお酒自体、
蔵のある島内周辺と、お米を育てた方の近隣の、
ほんの少しの地域でだけ流通しているものだそうです。

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料理も豊富かつ豪華な揃いで、
「笹の譽」にも料理にも歓談にも…
夢中になっていたら、写真をこの1枚以上は撮り忘れました。
記憶にはしっかりと残っているのですが…。
〆にはざる蕎麦も出て来て、大充実。

以下、
メモは「笹の譽」を飲んでみての感想となります。
23BY、新たな試みもあり、
昨年も良かったけれど、
更に来期に繋がる造りであったのではないでしょうか。
会では、リストの上から順番に登場して参りました。

・笹の譽・純米大吟醸・袋吊るしあらばしり

現在、「笹の譽」のブログ記事のいちばん上にあるもの。
「笹の譽」における金額的上級酒は、
「大吟醸・門外不出」の白ラベルだと思うのですが、
今年は、黒ラベル「純米大吟醸」が登場しました。
この「あらばしり」は営業さん達も存在を知らされていない…
…くらい、ごくごく少量のボトルで、
杜氏の隠し酒と言った位置付けとのことです。
蔵元を囲む会…蔵元が囲まれる会ですから、
こうしたスペシャルなお酒の登場は、
「わっ」と活気付きますね。

香高い、長野県酵母Dらしい華やかな香。
”あらばしり”故か、
味の強さ、甘味の深さは、
「笹の譽」と言うイメージで飲んでしまうと、
やや薄い感覚があります。
なるほど、乾杯酒として適する雰囲気。
酸は相応の出方を感じますが、
それ以上に、提供温度がやや高めで、
もっと冷やした美味しさを味わってみたいと感じました。

・笹の譽・普通酒(白ラベル)

普通酒…日常酒、レギュラー酒。
言い方はあるけれど、毎日の晩酌酒として良い…
安堵する心地にさせてくれる風合を持つ日本酒。
”毎日の晩酌酒”と言う事は、
戦場なる仕事や1日の諸々を終えて、
区切りを付けて、
明日の荒波に対峙する気持ちを調える時間です。

やや光沢のある硬さ、その雰囲気が、
まず舌触りの前の段階、飲んですぐに感じますが、
味わいが舌に乗り始めると、
ミルキーな、滑らかな食感に出会います。
このほわっと優しい感じは好み。
後半は、スッキリと完結され、水のイメージも湧きますね。
YOKOさんも「飲みやすい」とのこと。
味わいグラフを描くならば、
それぞれの頂点に向けて均等に各値が調和しているイメージです。

・笹の譽・本醸造酒(茶ラベル)

普通酒より、更に透明感を感じました。
甘味も透き通る雰囲気を湛えていて良いです。
YOKOさんは「すっきりした感じ」とのこと。
アルコール度数15度が良い方向に、
伸びに繋がっているのかなー…と思いながら頂きました。
本醸造、原酒での販売も各酒蔵さんでお見受けし、
なかなか強く、度数が強い分のコシ、コクで呑ませるものもありますが、
低めに設定されたアルコール度数が、
全体の爽やかさと、1杯の軽やかさを感じさせてくれています。
美味しい本醸造酒。

・笹の譽・純米・低精白80 無濾過生(赤紫ラベル)

昨年の造り、
22BYから登場した精米歩合80%の「笹の譽」、
23BYにも登場しました。
22BYの造りでは、すぐに販売されずに、
蔵元内冷蔵庫にて約1年の熟成を経て、
2012年2月頃に、販売されています。
程好い熟成感があり、飲み頃を感じさせつつ、
更に伸びる様相を感じたので、
購入後、まだ家の冷蔵庫に控えておりますが…。
比較的、成熟の遅い、荒さも残るべきが、
80%系の日本酒だと感じられる中で、
技術の進歩は目覚ましいのか…

「あ、香も良い。80%系とは思えない」

…なんて声が会では、よく聞こえましたし、
自分もそんな風に感じました。
1年寝たからこその22BYの同ボトルだけれど、
甘味、バランスの良い甘味、酸味、コシ…
力強さも持ち合わせながら、
その強さが熟成を経た方がこなれるか…
熟成させるべきだ…と素直に思わせない。
今も美味しい。
寝かせる前に飲んじまおう、
もし、この23BYが熟成したらば、
どうなるか分からないくらいに、こなれる前から美味しい。
想像するに、
熟成後は、更に深味、滋味が加わって、
冷酒、常温、燗酒それぞれに楽しそうな印象。
YOKOさんも「うん、美味しい!」と即答でした。

今、こうして後日になってブログを書き、
しっかと印象が残っていますね。
22BYからの進化にも驚いたし、
とにかく深さのポテンシャルがありそうで。

・笹の譽・特別純米・直汲み生(緑ラベル)

「工芸の五月」の一環、
市内、三代澤酒店さんで開かれた
「ほろ酔い工芸」にも登場したボトル。
「あづみのガラス工房」の素敵なガラスの器との相乗効果、
たいへんに美味しかった印象があります。
伺うと3種類の酵母を合わせたもの…とのこと。

バランス良く酸と甘味を持ち合わせていて、
香も立ち、美味しいです。
お酒に勢いがあって、
含んで華やかな香とは逆に、
キリッと喉まで勢いを付けて落ちて来ます。
余韻の渋さは「美山錦」らしさである…
…そんなコメントも出ていましたか。
信州のお酒らしく、しかしながら、
「笹の譽」のより良い美味しさも感じ取る事が出来る、
そんな感触も残りました。

・笹の譽・純米吟醸・直汲み生(ピンクラベル)

大人の女性の雰囲気を感じるボトル。
やや苦さ、渋さを持ち合わせている印象です。
全体にエレガントさがあって、
空気に触れる内に、
段々と美味しさが表現されて来ている…と感じました。
もうしばらく先、熟成した先の世界に興味が湧きます。

・笹の譽・純米吟醸・直汲み生(水色ラベル)

このボトルは昨年夏、特別純米でリリースされ、
心の底から美味しい!…と思って、
4合瓶を購入、その後に1升瓶を買い足した思い出深いもの。
今年は既にリリースされ、
僕らは発売当日、安曇野アートヒルズや、
おみの珈琲店などの周遊ルートに加えて、
穂高・酒一番どんぺりにて購入しました。

今回、ひと口飲んでみての印象は、
「バランスが良い、良くなった…かな?」と言うこと。

4月2日に飲んだTweetを見てみると、
”クリーンでクリア、ハッキリした雰囲気を持ち、
  心地好い喉の通りを感じます。
  香はゆっくり出て来ていますね〜!だんだんとパイン系の香!”
…と感じた様子。

当時は、それでもやや硬めの印象があり、
開封直後は香の出方も秘めやかで、
けれど、その後に発散、かつYOKOさんの気に入りもあり、
4合瓶でしたから、
2日程で飲み干してしまい、
以降のコメントが記録されていません。
日を追って…と言う程の経過はありませんが、
香が出て来ると更に良く感じたボトルでした。

4月初旬頃よりも更にほぐれた感があります。
緊張感は持ったまま、熟成している…そんな印象。
喉の通りの良さ、通りが良いだけでなく、
味の残り方…と言うか、
ちゃんと存在感があって、香が爽やか。

・笹の譽・純米吟醸・直汲み生(薄緑ラベル)

「あんまりこう言うお酒は…」

…と言う笹井さん。
特に酸を強く実験的に仕上げたボトルなんだそうです。
飲むと「シパシパ」と…そんな音の表現を思い出します。
酸っぱくて、こう…口の中をモゴモゴする感じ。
これまで飲んで来ている「笹の譽」の系統とは異なる印象です。

1〜2年くらい前がピークでしょうか、
酸の強調された日本酒の味わいに感じます。
これを「食中酒」として売る…流行みたいなものが、
あった心持ちが個人的にはしているのですが、
その当時に出会っていたならば、
カテゴリ内に収まっていた事でしょう。

甘味もちゃんとある中で、辛くも感じます。
僕は笹井さんの日本酒…「笹の譽」と言うものは、
どちらかと言うと「女酒」であると思っています。
たおやかさ、甘さ、優しさ…
比べると、「男酒」的な性格を感じました。
酸の強さが故の渋味も瞬間、感じますが、
味の膨らみがあり、
旨味と反する酸の盛り上がりに、
勢いがありながらの調和と言うか…
これはこれで好みの雰囲気。

・笹の譽・純米吟醸・中汲み生”三割麹”(群青ラベル)

お隣で飲んでいらしたS水さんが、口にしてすぐにポツリ…
「お、これウマイ」

当日、僕とYOKOさんが気に入ったボトルはこのボトルでした。
その後の情報も追うと、
これとは別にフルボリュームに進化した常温熟成品もあるらしく。
思い返してもキラキラと輝いて感じます。

自分もS水さんと同じ様に、
ひとくち飲んでみて「おわー!」…と言うメモを残し…
「おわー」と言うのは、
我ながら今思っても品が無い気もしますが、
えー、とにかく目が覚める様な美味しさにビックリしたと言うか、
感嘆から始まっています。

すごく美味しくて。
香高く、ハッキリしていて、飲み込んだ後に、
飲んだ喜びを噛み締める程の美味しさをがあります。
おそらくは三割麹…実際には33%程なのだそうですが、
これによって味わいに深みが増し、
香の高さ、明るく華やかな世界に、
実を表現して、
全体のメリハリになっているのだと感じました。
味があり、
味がある分、旨味がある分の適度な重さはあり、
その重さが香の華やかさによって昇華され、
バランス良く美味しさを届けてくれている…。

実はまだ発売されていないボトル。
今後の動向がいちばん気になる「笹の譽」でした。

・笹の譽・純米大吟醸・袋吊るし無濾過中汲み原酒(黒ラベル)

僕はどこか麦っぽい香と感じ、
YOKOさんはチョコっぽい香と感じ…
22BYの本醸造を頂いたあの日を思い出します。
その時も、甘味のある香に、そんな風に感じたものでした。

乾杯酒の「あらばしり」とは、やはり印象が異なります。
立ち香より、含み香の広がりが良い。
パイン系統の香が伸びて、大吟醸造りらしさを感じます。
しっとりした雰囲気も持ち合わせて、
これから更に熟成しても楽しむ事ができそうな感覚。
今回登場してはいませんが、
イベントなどで出会った「笹の譽」の大吟醸、
これと比べると…
今、並んでいる「笹の譽」ラインナップの延長線上に純米大吟醸は居る…
そんな感覚を抱きました。

初めてお会いした「おらが酒呑み歩き」での大吟醸、
「城下町酒楽まつり」などで味わった近年の大吟醸、
それぞれ美味しいのだけれど、
より滑らかな、舌に訴えかける味わいを、
純米大吟醸は持っている…と感じました。
人によっては、もしかして「重い」と言うかも知れないけれど、
大吟醸のサラッとして香の良さで呑ませてくれる美味しさ、
これもまた良いものだし、
試飲点数リストを見ても高得点を記録しているのだけれど、
比べると、純米大吟醸は、
”布団を掛けて寝る安心感”の様なものを感じました。
何だか落ち着く。
純米だから、大吟だから…と言うのでは無く、
どうでしょうか、
笹井酒造のイメージに合致して味わう事が出来ました。
ここまでの10本を楽しんで来て、
そして、満足して飲み干すに相応しい美味しさ。

・笹の譽・純米酒仕込み「梅酒」2011年

笹井酒造が持っている、
もう1銘柄の「松本城」に使っている純米酒を用いて、
昨年発売された梅酒を食後酒として。
昨年の発売頃は、もう少し酸味が強かった印象がありますが、
甘味も感じる所があり、よりトロッとして、
食後、飲み後に、気持ちを新たに呑み直せそうな…
いやいや、新しき心地にしてくれます。


仕込みは前半と後半があり、
これは蔵元ブログ「酒造りへの情熱に身を委ねて…」にも掲載されています。
日々試行錯誤、誠心誠意の酒造り、
後半は前半の感想などを聞いて、
より米が融ける様に引っ張って行ったと言います。
考えて、そして次に繋いで行く…
日本酒はそうして1年に1度しか醸せないものだからこそ、
その造りの時期に、最大限の情熱を輝かせるもの。
今年の成果、美味しさを存分に堪能出来ました。

笹井さんは今回のボトルの中では、
水色と群青色のボトルが好みなんだそうです。
共に「ひとごこち」のお酒ですよね。
会の中でも、
「ひとごこち」のお酒の方が優勢に感じました。
さてさて、今後の造りは如何なりますでしょうか?

会の後半では、
大町の素敵な酒屋さんの蔵元を囲む会の恒例行事である、
「自己紹介」コーナーが設けられました。

走馬灯…じゃいけませんが、
今日までの「笹の譽」にまつわる、色んな事を思い出していました。

http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/20092009411-fd0.html

↑は初めてお会いした時、
2009年の「第1回おらが酒呑み歩き」の記事です。
如何に注目していなかったか…が、分かります。
今だったら真っ先に行くと言っても過言で無いのに。

当時は既に、長野酒メッセにも参加していた頃で、
長野県の酒を知りつつあり、また特に松本平の日本酒ならば、
それなりに覚えていた中で、
出会っていない日本酒に対して、
興味を持っていなかったんですね。
ですから、
「廣田泉」「菊水・銘峰槍」「深志鶴」の様に、
「長野酒メッセ」に登場しない蔵だと思っていました。
「今後、参加しますよ!」と伺って、
「あ、ここから始まるんだな」とおぼろげながらに思った記憶があります。
起点になる、「笹の譽」を今、僕はちゃんと知ったんだ…と。

今では飲む幅も広がったYOKOさん…、
当時は苦手なお酒が多かった、
イベントに参加するのも不慣れで、
緊張していて、
「美味しい」はなかなか出なかった、
その中で、特に「笹の譽」大吟醸を気に入ったみたいで、
酔い心地の中で誉めていました。

(  http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/201125-1593.html  )

昨年、大町の「横川商店」呑ん子さんとご一緒させて頂いた、蔵見学。
たいへん思い出深いものになっております。

今後も追い掛けて行きたいと思います。
応援して行きたいと思います。
思い出しながらのこれまでと、これからを大切に飲んで行きたい。
あっという間に時間は行き過ぎ、
本来の開催時間の2時間から、
笹井さんの交渉によって、もう1時間程延長させて頂いて、
じっくりとお話を伺う事が出来ました。

あの座を築いたのは、
そりゃあ蔵元であり、
造り手である笹井さんなのだけれども、
繋がる縁、宴の主役はやっぱり何より、
「笹の譽」と言う日本酒だったんだと思います。


さて、「笹の譽」笹井酒造主催、
そば居酒屋「蔵のむこう」で開かれました日本酒会、
この一席を申し上げて参りました。
同席させて頂きました、
S水さん、U野さん、遥々古国府よりおいで下さった樋口さん、
楽しい時間を、本当にありがとうございました!

松本の
酒(ささ)よここぞと
おらが自慢よ
飲めば和となり
譽(ほまれ)なり

…と、都々逸をひとつ吟じさせて頂きまして、
ちょうどお時間。

ありがとうございました。

ありがとうございました。

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