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2012年3月11日 - 2012年3月17日

2012年3月12日 (月)

第9回・地酒とそばを味わう会(2012年3月9日・塩尻中信会館)

えー、
誘惑箇所の多い中、
いっぱいのお運び様ァ、たいへんありがたい訳で…
気楽な所で、一生懸命書いて行く事にしております。
どうぞ、お付き合い下さいませ。

無沙汰をしておりまして…えー、久方ぶりの更新となってございますが。
冬の眠り…冬眠から目覚めた心持ちですな。
季節も三寒四温を繰り返しつつ、あたたかくなって来ましてな、
暁を覚えませんのは、春眠でございますか。
夏になれば、ミンミン…なんてんで、
眠りで四季時期が分かるてなぁ、上手いこと出来てございますな。
春夏秋冬ですから、
「秋」…「しゅうみん」ですと、「終眠」だてんで、こちらはお起き遊ばして、
農作業をした方が良い…と言う事なんだそうです。
…何も当てなった話じゃありませんが。

えー、本日申し上げますのは、
塩尻市観光協会主催のイベントに浮かれて参りましてね。
塩尻ワイナリーフェスの後にも、同様に開かれていたりする訳で…
蔵元さんや酒造組合、飲食店が主体となるイベントは耳に達し易いのですが、
こうして市の観光協会主体のイベントは、どうでしょう。
よくあるものなのでしょうか?

塩尻市には元来3蔵、日本酒蔵がございます。
奈良井宿が塩尻市と一体になって、
もう1蔵増えまして、4蔵となってございます。
日本酒は国酒、また地酒と言うほどに、
醸される場所、醸される水で育まれた食と、よく合うもの。
「そば前」なんて言葉がありますので、
蕎麦と日本酒と言うものも、よく引き合いに出されますな。
私共が食しております「蕎麦」は、
ご案内の方もいらっしゃるでしょうけれど、
「蕎麦切り」とも申しましてな、
細く切ったもの、麺状にしたものを「蕎麦切り」と言う…。
この発祥が塩尻なんだそうです。
1706年の俳文集「風俗文撰」における、
「蕎麦切ノ頌(そばきりのしょう)」に、
「蕎麦切といつぱもと信濃国本山宿より出て、あまねく国々にもてはやされける」との記録。
本山宿てぇのが現在の塩尻にあるんだそうですな。
じゃあ、それまでは蕎麦をどうして食べていたんだてぇのは、
やっぱり団子や”蕎麦がき”みたくしていたんじゃねぇかって思うんですが。

こう、箸でたぐって「ズッ…ズゾゾゾゾッ」とやるのは、
何とも良い心持ちですな。私も大好きです。
「おっ、兄さん蕎麦ッ食いだね!」なんて、
言うのも、言われるのも乙なもんじゃねぇかと思うんですな。
これが蕎麦団子でしたら、モッチャモッチャと…粋なもんじゃありませんな。
噺の中にも蕎麦を扱うものは多く、
江戸の粋として登場しますし、
信州で蕎麦を食べて来たってぇのは、旅の土産話にもなった、
自慢になった事だったそうです。

塩尻の日本酒を楽しみ、蕎麦切り発祥の地での蕎麦を楽しむ。
人気があるんだそうで、僕らは初回ですが、
なんと9回目を数える恒例になったイベントに行って参りました。

さて、申し上げるお支度、調いましてございます。
おあとがよろしいようで。


【  第9回・地酒とそばを味わう会  】

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場所は「えんぱーく」近く…、イトーヨーカ堂があった場所、
隣と言うか奥と言うか。
中信会館にて開かれました。
隣接する「龍胆」には1度行った事がありますが、催事場の方は初めて入ります。

この日、カミユキに見舞われ、朝からの雪…水分を多く含んだ雪で、
グッシャグッシャの道路。三寒四温の「寒」が当たった日、雪国に戻った塩尻市。
クロークはあるけれど、
元より収まり切らないと読んだのか、
クローク前にはモフモフしたコートがずらり、詰め込んだ服屋然として並んでいました。
3月だけれど、冬らしい光景。

本日の式次第としては、
17時からロビーで利き酒会なるものが開かれ、
18時に開場、18時30分から開催となっている様子。

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6種類の嗜好評価…まずA~Fまでを試飲して、
好きな順にA~Fを並べます。
今度はイ~へまでの6種類、シャッフルされた同じものを試し、
これも好きな順に並べて、
1回目と2回目が同じ順番になる…かどうかを試す利き酒。

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先立って、洗馬の美寿々酒造、社長兼杜氏、熊谷直二さんからの解説。
ご自身はこうした利き酒大会で、何度も賞を取っている名人です。
利き酒に挑戦したものの…
採点された答案をもらって帰って来るのを忘れてしまいました。

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開場され、中に入ってみると想像以上に広い会場でした。
今日の設定人数は230人!
これが満席ですから、人気が伺えますね。

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10人毎のテーブルは決められていますが、
テーブルのどこに座るかは、自由みたい。
見ると、椅子2つの間に1本ずつくらいの割合で、
塩尻4蔵の大吟醸が置いてありました。

「やっぱりここかな」と思って、
「美寿々」の大吟醸の前に座ります。
その後、YOKOさんに何度も話している”くだり”を…
現「よよぎ」、当時の「ぷるーくぼーげん」で、
人生初めてお会いした蔵元さんが、
この「美寿々」の熊谷さんで…素敵な思い出深い夜で。
ひとしおの思い入れを何度でも話してしまいます。

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円卓上には、食べ物たっぷり。

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各蔵、数点の日本酒を持って来ておられました。
大吟醸から…色々とあって…
…この会、参加費が3500円なんですよね。
最後に蕎麦が出て来て、
蕎麦って1枚1000円の所もあるけれど、
こう、600~800円くらいとして、
料理がそれなりに出ていて…
そうなって来ると、
地元での開催だし、
良くて純米吟醸、他は普段に飲んで欲しいレギュラー酒、
本醸造、純米酒、普通酒あたりを飲み比べ出来るかなー…と思っていたんです。
それなのに、いやはや、凄く豪華なラインナップ!

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…隣合っていた「杉の森」の大吟醸。
うん、すぐ隣にあるんですよ。
フリードリンク状態で…
これだけでも元は取れちゃうくらいの有難さ。

更に開催直前になって、
「美寿々」の熊谷さんが慌ただしく動き出し、
「なんだろう」と思って見ていると、
発泡スチロールで作られた大きな箱から、日本酒の小瓶を出し始めました。

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日本酒を色々と飲み始める様になって、
「美寿々」はその黎明期からお付き合いして頂いている中で、
初めて見ました。本醸造・上撰の1合瓶!
「わぁ、これ初めて見る!」と思って嬉しくなって、
それを1人1本ずつ配り始めた熊谷さんから、受け取りたくて、
手を差し出すと、
「熱いから気を付けてね!」と渡される…
持った場所からじんわり熱が手のひらに伝わって、
”持っていたくない”領域に近付き出す…
「わわっ!」とテーブルに安置した所の写真。
何と、これ燗酒になっていました。瓶ごと燗。
見ると、ひとり1本ずつ、
他の酒蔵さんのものも入り混じって配られています。

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会の終盤では、
すっかり飲み干されていた各蔵の仕込み水。
和らぎ水を日本酒と共に飲む…
この習慣もしっかり根付いているみたいで、素晴らしい限り。
ただ、これだけの量の日本酒と相対する訳ですから、
自然と翌日のため、身についた慣習なのかも知れません。

さて、飲んだお酒の感想を。

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丸永酒造場・広丘高出

そう言えば、ほぼ通勤路だし、
帰り道に「ここを曲がれば高波」って十字路を通っている気がしています。
本当に地元に愛される類の日本酒ですよね。

「大吟醸・おり酒」は、18号酵母なんだとか。
なるほど、香があり、滓が上手に絡んで来て、
まろやかさとバランスがあって美味しい。

「しぼりたて生酒」は、
「おらが酒呑み歩き」でも出会っているけれど、
例年、その頃合い…4月中旬頃には売り切れてしまうとお聞きしています。
故に、呑み歩き時には、別に取ってあったものを持って行っているんだそうで。
4日前に上槽したと言う、本当に「しぼりたて」の味わいで、
ガス感が強く、香は爽やか!
タンクに鼻先を近づけた様な風が吹きます。
けれど、味はすでに丸くなりつつあって、面白い…と感じました。
舌先に甘味が乗る…その後、少し苦味が残る。
けれど、これはお酒の若さなんでしょうから、
更に伸びて行きそう!
4月にまた飲ませてもらいたいと思いました。

レギュラーの純米酒は、
うん、塩尻の料理に合わせたい感覚。
広丘駅前「ふじ蔵」とかさ、
ああ言った地元の料飲店で、ゆっくり飲みたい感じ。

大吟醸は、温度帯もちょうど良いタイミングで、
とても美味しく感じました。
香があって、透き通った感覚、スッと入って来て楽しめる。
純米大吟醸とは別タンクでの醸造で、
大吟醸が麹米も掛米も山田錦で、
純米大吟醸は山田錦×美山錦の組み合わせだそうです。

では…と純米大吟醸を。
大吟醸と比べると、味わいに柔らかさがあるのは純米大吟醸。
前半の華やかさは大吟醸に好みがあります。
純米大吟醸は、どちらかと言うと乾杯を過ぎて、
落ち着いて来た頃に、ゆっくり飲みたい雰囲気。
そう言えば、
これが秋口には”ひやおろし”で発売されるのでしょうか。

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笑亀酒造・塩尻町

道に寄ってはこちらも通勤路。
国道153号線上の県の文化財登録の蔵元。
「尻」の伝道師、丸山大輔杜氏兼社長さんの蔵元。

「嘉根満」は生酒のまま熟成された22BY…昨年の造りのもの。
いやはや、しっかり熟成していました。熟れ熟れ。
こってり感じる味わい。こってりほっこりまったりうっとり。
温めても良さそうな印象を受けます。
強い酒を思わせますが、まろやかさに落ち着きと余裕があって、
精神的な余裕、達観した人格者の想像を思い描かせますね。
この会の翌日の市民タイムスには、
僕らも小さく掲載されましたが、
熱心にオーブンで酒粕を焼く杜氏さんの姿が掲載されていました。
パワーバランスが飲み頃を感じるけれど、
まだまだ面白くなりそう。
酸の主張が、何と言うか…「酸が高いお酒だな!」と思わせないけれど、
このコクは酸の熟成ゆえだと思えて、
どうやってこんなにまろやかになってんだっ!…と言う個性。
YOKOさんは、この特長的な雰囲気を覚えていたみたいで、
「これ、どこのお酒だと思う?」
…と聞くと「んー、笑亀かな」とご名答。
甘味を主体とした、良い主張があるみたいです。

「にっこり純米吟醸・生」は、
マッコリを意識されたのでしょうか、食べる感覚のにごり酒。
つまりは、たっぷりの”中身”入りの日本酒でした。
米粒がいっぱいで、炭酸感もあって、
「嘉根満」の後に飲むと、もう日本酒の世界の広さを感じさせられます。

広丘でよく行く「ふじ蔵」にも燗で入っていたりして、
地元感ある味わいで、それはそれで好きなんだけど、
こうして唸らせる個性がある、威勢の良い蔵元さん。
知ってはいたけれど、今晩も楽しむ事が出来ました。

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美寿々酒造・洗馬

松本酒造組合のHPに行くと、
「発泡性のある純米酒・しゅらら」と言う日本酒が掲載されています。
実際に街でもあまり見掛けず、
酒屋さんでも見掛けず、長野酒メッセでも見た事がなくて、
飲んだ事がないな…と思っていましたが、
ここで出会うとは。
なんと、美寿々蔵で醸しているんだそうです。
(その後、更にHPを見ると、善哉でも醸しているのだそうで)

早速頂いてみましたが、上々の美味しさでした。
低アルコール日本酒と呼ばれるジャンルで7%のアルコール度数。
実はこのジャンル、苦手なものに、たまに当たるのですが、
流石は熊谷さんが醸したお酒…と言う感じで、美味しかったです。

塩尻市限定販売「緑香村」、
これは近年、大好物であるのですが…もうね、
やっぱり美味しい訳です。
塩尻の料飲店で、どこでも飲めると良いのに!
パンチがある、速度もある、勢いがある中で、
味の芯がしっかりしていて、飲み応えに通じて、
飲ませてくれるバランス、いやはや、好きなんですね。
YOKOさんも一時期…
僕と一緒になった頃の好みでは、
この素晴らしい攻撃力が、やや苦手であったそうなのですが、
近年では、「辛い」と言いはしても、
その後の世界、「甘くて旨味があって美味しい」とのこと。
魅了してくれています。

「美寿々」と言えばこれ!…と言うのは、
「純米吟醸・無濾過生原酒」ですよね。
マイ・スタンダード。
大好きな味わい。
今年の造りは、バランス重視で、
香の高さは程々と言った所。
キレなどもよくまとまっていて、例年のお楽しみ感に、
ちゃんと応えてくれる思い。

ところで、前述した「1合瓶・燗」なのだけれど、
大好評でした。正直、こんなに旨いんだ…と思い、
あぁ、そう言えば、
「緑香村」や「純米吟醸」のイメージが強過ぎて、
「美寿々」の燗酒に出会った記憶がほぼ皆無…
あ、いや、大吟醸・十年古酒を燗にした事はありますが、
なかなか体験していないと気づきます。
熊谷さんに「燗、すごい美味しいです!」と伝えると共に、
今思えば、やや失礼なんだけれど、
「さっきの1合瓶、すっごい美味しいです!
   これって、普通のレギュラーの本醸造の上撰なんですか?」
…と聞いてしまいました。
何もそんなにレギュラーを押さなくても良いのに。
ただ、普通に売られているもので、
こんなに柔らかな、マシュマロみたいなふんわり感の出る、
伸びやかな燗があるんだなぁ!…と思って、興奮しました。
ミルクセーキの様でもありました。
比較的、米味のする燗酒が好きで、
それなりに試したり、試飲会だったりで出会っている…思いはあったけれど、
どれとも、また味わいの基礎が違う感じで、
新しい発見でした。

「熊谷さん、明日、蔵でお酒買えますか?」

…と一緒に聞いたのは言うまでもなく。

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壺に入っているのは、本醸造の濁り酒。
この提供の仕方もイベントならでは。
滑らかな濁り酒で、まったりしていて、
気が付くと、すっかり酔える感じです。
流行の”爆発・危険物”、活性で噴く…と言うそれとは違った意味の、
飲み過ぎて危険な類の濁りですね。

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杉の森酒造・奈良井

奈良井宿にある蔵元。
ラベルに統一感があって、綺麗ですよね。
イベントでも、あまりお見掛けしないので、
ラインナップを知らなかったのだけれど、
こうして、ひと揃い並ぶと壮観。

特別本醸造・生貯蔵は、飲み易く料理に合わせ易い感じ。
聞くと、テーブルに置いてあった大吟醸は2回火入れなんだそうです。
松本駅前「風林火山」でも何度か頂いた事がある、
強烈なインパクトを残す「杉の森・にごり酒」は会場でも
好評だったみたいです。代表格って心持ち。
この強さと比べると、他のお酒は落ち着いた感覚でしたね。

「純米吟醸」もそんな塩梅で、
全体に広がる統一感、趣味趣向を感じました。



塩尻市観光協会が主催だからか、
副市長さんが挨拶したり、市議会議長さんが来賓だったりとか、
僕らがこれまで経験して来たイベントとは、ちょっとだけ空気が違う感じ。
田舎のお祭り…と言うか、町が楽しみにしているイベント、
そんな空気を感じました。
お酒は勿論楽しみだけれど、集まって飲むコミュニティ感とか、
そう言うものも大切にしている会だと思えました。
途中、ベリーダンス・ショウがあって、盛り上がるオジサマ方。
何だか不思議な空間でしたとも。
…浴衣とか、そう言ったドレスコードを設けたら、
ある種の雰囲気が、もっと出たかも知れません。


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最後に、塩尻市4蔵の皆さんからご挨拶。

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笑亀・丸山大輔さん。

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美寿々・熊谷直二さん。

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想像以上に良い会で、
9回続くのも納得だなぁ…と感じながら聞いていました。
今を以っても、ベリーダンスは不思議だったけれど。

そうそう、抽選会では、
4本…各蔵で1本ずつが用意された「酒蔵賞」なるものに当選しました。
230人の中で4人と言うもの。
「杉の森」の大吟醸を頂いて帰りました。有難い限り。

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〆にお蕎麦が出て来て、閉会へ…。



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僕らは早速、翌日には美寿々酒造へ。
お目当ての「本醸造・上撰」を買って帰って来ました。

久し振りのブログで、何も考えずに徒然に書いて参りました。
お付き合い下さりまして、誠にありがたい訳で…
ちょうどお時間となりました。
本日はここまでとさせて頂きたいと存じます。
ありがとうございました、ありがとうございました。

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