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2012年2月 5日 (日)

旅第14回・信州SAKEカントリーツーリズム(2011年1月15日・長野)

 

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えー、誘惑箇所の多い中、
取り分けて、いっぱいのお運び様、
誠にありがたい訳で、
気楽なところで一生懸命、書いて行く事にしております。
どうぞ、お付き合いくださいませ。

えー、
「思いも寄らない事が起こる」…なんて申しますな。
「まさか」の出来事、
万が一に…なんて申して居ながら、
何の因果か、それが起きてしまうと言う…
人の生き死に…にも言えますし、
ええ、他、どんな事にも現代ではお使いになられますな。
言葉が浸透致しました現代では、
言葉の重みがお古い世界とは異なりまして、
「まさか」…なんて言葉も、日常でよく用いますよ、ええ。
教科書にも書いてあって、ね、
何しろお子さんが、よく歌っているでしょう?
「まさかり担いだ金太郎〜♪」

えー、「まさかの出来事」、
これと言うのは、ふたっ通りあるような気が致しております。
本当に思いも寄らない、「青天の霹靂」である場合と、
「もしか」「よもや」なんて、
心に何かあって、ほんのちょっぴりとでもあってね、
「ああ、やはり」と起きてしまうこと…と。

今回の旅はね、これに当てはまってしまったんですな。
天気予報を見ても、
何にしたって、”それっぽい”のだけれど、
「行ける!」と思って我が家を飛び出しました。
こう言う時に、無鉄砲な自分を抑えてくれるYOKOさんも、
「うん、大丈夫でしょう」と推してくれました。
中信地区の空はいつも通りだったからで、
北信地区の空の一片も想像させてくれない空で、
ええ、毎度お馴染み様の言葉になりますがな、
「  信州は広い!  」と申す所、
行きはよいよい、帰りは…

さて、心持ちは決死の旅、荒ぶる旅第14回を申し上げるお支度、調いました。
おあとがよろしいようで…。


【  旅第14回・信州SAKEカントリーツーリズム  】
【  2011年1月15日  】

冬、この時期と言うものは、
日本酒にとって造りの時期であります。
吟醸造りが一層、盛んとなりまして、最盛期。
造れば、醸せば、日本酒が仕上がります。
仕上がったものが発売されます。
食卓に届けられて、お楽しみに供する。
賑わいを見せる、私共、酒飲みにとっては、
活気ある新酒の時期となりますな。
大好きな蔵元さんの今年のお酒を飲みたい!
仕込み1号なんてね、こうフレッシュな所を、グッと…!
これが実に情緒がある、酒を楽しもうじゃねぇか、と思わせますね。
…そう思うから、
この時期と言うものは、
TwitterでもFacebookでも、
紙面でも口コミでも、何でもアンテナに入って、
興味が湧けば、情報を得る度に、
酒屋さんや蔵元さんに足を運ぶもの、となっている訳です。

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「今日は長野に向かう日」…だけれど、その前に。
松本I.C.に近い松本市島立は大信州酒造。すっかりお馴染みの蔵元さま。
自宅から下道を通っての到着。
信州SAKEカントリーツーリズム上では、
既にスタンプを頂いている蔵元さまですが、
欲しい日本酒があるので、何度でも立ち寄りますとも。

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この日のお目当ては、冬の風物詩、
「春香彩」からの系譜、
「純米大吟にごり」、毎年のお楽しみ酒なんです。

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滓が浮かび、弧を描き漂う様なんて、
もう見るだけで香って来そうで。
たいへんに香の良い、
また滑らかさも爽やかさも持ち合わせる、
素敵な1本なんですね。

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もう1本。純米大吟醸「仕込み23号」も購入しました。
例年、11月後半…20日前後に「仕込み1号」が発売されます。
そして、年をまたぎ、1月の中旬までの2ヶ月で、
仕上がって、こうしてお目見えするだけでも20本のタンク、造りがあり、
更に30本目から先へ、
佳境に雄々しく挑んで行く蔵人の皆様に、敬意。
有難く、そして購入して高揚したワクワク感も大切にして、
自宅に無事に持ち帰らなくちゃいけない。

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再び、大信州酒造、到着時の写真。
この写真が1時間程前の松本市になります。
”無事に持ち帰らなくちゃいけない”…自分自身も落っことす訳にはいかない。
そんな風景に、僕とYOKOさんは、
「まさか」巻き込まれて行くとは思っていませんでした。

揚々として、松本I.C.に乗り、豊科・長野方面に進路を取ります。

姨捨S.A.直前の山間を抜けたあたりから景色が変わります。
長く続く下り坂、いつもはアクセルも緩くして、
のんびり降りて行くのに、緊張が走ります。
黒いはずのアスファルト、高速道路の路上に、うっすらと雪。
これぐらいなら、普段なら滑ったりしない。
でも、それは時速50kmの世界で、今は時速80kmを超える世界。
滑るかも知れない…と思うと、ハンドルを支えていただけの心持ちから、
掴んで、しっかり握る様になります。
無事に道なりに進み、
今日の蔵巡り、旅の目的の蔵へ、
松本からは最寄りになる更埴I.C.を降りて、これは最初に撮影した写真。

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「鳥が雪景色の中で、トトトトーって歩いて可愛い」

…とYOKOさんが言い、撮影した、
「うっすら」では表し切れなくなった雪化粧を背景に。

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程無くして、蔵に着きます。
訪れるのは2回目。
前回は電車で、今井駅から歩いて到着したので、
自走陸路、道路では、また雪道では景色に気付かずに、
1度通り過ぎてしまいましたが、無事に。
「川中島幻舞」を醸す「酒千蔵野」に到着しました。
この建物が近代的な外見ですが、蔵です。
旨き酒「川中島幻舞」が生まれ出づる場所なんです。

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まだまだ降りしきる雪。どこまで降るんだろう。
止むのかな。帰ることはできるのかな。
でも、今日はこの1軒だけだし。
帰りの高速道路、事故とか…さ、起きなければ、問題ない。
うん、きっと大丈夫。

タイミング良く、杜氏である千野麻里子さん、健一さんが、
仕事のため、蔵に向かわれる途中に、着きました。
蔵内に入られるおふたりを見送って、YOKOさんの写真を撮った次第。
追いかけて蔵内に入って行きます。

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見慣れた…とは言わないけれど、
懐かしい…と言う程、回数が思い出にある訳ではなく、
でも、確かに知っているエントランス・ホール。
靴を履き替えて、蔵内に入ります。
…ピアノは別の所に移した様子。

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あの頃も、
ここにこうして日本酒が並べられていました。
これはちょっと懐かしい。

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2006年2月25日、
千野酒造場であった頃、
僕は、知人であり、日本酒の盟友と(勝手に)思っている、
サイト「まつり蔵麹室」主宰、まつり姉と、
信州中野・岩清水を囲む会(2月24日)、
大信州、桂正宗(川中島幻舞)、美寿々と言う、
蔵見学ツアーに出向いて、色んな勉強をさせて頂きました。
”あの頃”とは、そんな昔。
今も昔も、千野さんトコの日本酒は大好きです。
すこぶる美味しいと思います。

そう言えば、2007年には好きがこうじて、
「蔵出し年月:16.3」と書かれた、
「桂正宗・大吟醸”香り酒”」を買ったんでした。
いつ開けるか分かりませんが、
当時「これは絶対欲しい!」と思ったのも、
千野さんの日本酒が好きだからこそ、ですね。

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並ぶ、「酒千蔵野」が醸す日本酒。
お忙しい中…
殊更、大吟醸の仕込みがある日だったのに、
千野麻里子杜氏自ら、日本酒の解説を交えて、
何点かの試飲をさせて頂きました。
元より、YOKOさんも「川中島幻舞」が好みで、
華やかな香が特にお気に入り。
試飲では、香がより好みであるもの、
パァッと世界が開ける様な美味しいもの、
味わいがあり、YOKOさん曰く「SOJAよりの味」だと思うもの。
この旅は車で移動する旅、
YOKOさんが居るからこそ、
こうして蔵の香も感じられることが出来ます。
ひと揃い試させて頂き、気に入りを選び出します。

本来なら、1000円以上、
1本でスタンプラリー規定を満たすのだけれど、
美味しいからこそ、3本、購入しました。

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川中島幻舞・純米吟醸無濾過生原酒、
これは特にYOKOさんがお気に入り。
「美味しい」より「嬉しい」が顔に溢れていました。

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川中島幻舞・特別純米”山田錦”無濾過壜火入れ、
これは信州SAKEカントリーツーリズム用。
いちばん最後に全部のお酒を並べたいから、
せめて保管が利く様にと火入れ酒を集めています。

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ふわり粋酔・純米吟醸活性酒、
これは登場当時の純米活性時代から大好物で、
見掛けたら買います。
本当に絶妙な味わい加減、爽快感。

3本とも、写真は「天之美禄」の額と共に撮影しました。
素晴らしい書であり、
「酒は天の美禄である」と言う言葉から。
この言葉は2006年の蔵見学で、この場で知ったもの。
思い出深い。
移動中から、写真はこうして撮りたいと願っていました。

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YOKOさんは、ちょっと途中退席。
理由は推して知…らなくて良いです。
2階には、麹室や仕込み部屋などがあります。
外観、設備は近代的であっても、
旧来の醸造蔵の造りと何ら変わりません。
いや、より効率良く作られていると言うべきでしょうか。

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YOKOさんが上って行った階段の下にも、
様々な酒造道具が飾られておりました。
奥の額、書もたいへん独創的で良いものですね。
今回の題字は、けして足下にも及びませんが、
それっぽく書いてみたつもりです。
長野県の書家さんであると伺っており、
確認を取ってはおりませんが、
篠ノ井の西飯田酒造が醸す「積善」のラベルも
彼の書家さんではないかと存じます。

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歴史を感じさせる札。
現在の「酒千蔵野」に商号を変更したのは2007年、
創業は1540年と日本で7番目に古い、歴史ある蔵元です。
(蔵元HP参照。Wikipediaでは5番目に位置しています)
「千野酒造場」の設立は1963年のこと、
1997年に現在の新しい酒蔵が建設されています。

親切に、実に丁寧に対応して頂き、
誠に感謝、尽きません。
造りの最中に、あたたかいご対応、
本当に嬉しかったです!

今日の蔵巡り予定は、この「川中島幻舞」蔵だけ。
ノルマ達成、美味しい日本酒を購入出来た事もあり、
浮いた心持ちになって、蔵を後にします。
テンションが上がっていた…正にそんな感じで。
「YOKOさん!さぁ、帰ろう!」と…ね、意気揚々、車に乗り込みます。

雪はもう、強くは降り続いておらず、
主幹の道路はアスファルトが見えている感じ。
「あぁ、何とか帰ることは出来そうだ」と思って、
けれど、またいつ降り始めるとも知れないし、
「安全運転、そして早めに帰ろう」と言う帰路方針を打ち出します。

だから、例えばお昼ご飯は、ちょっと遅れるかも知れないけれど、
松本に戻ってから食べようか…なんてね。
当初は余裕があれば、戸隠にも行きたい…なんて言っていたのだけれど、
そんな気は既に全くありませんでした。無理。
カーナビは下道よりも高速道路を選ぶので、
今度は更埴I.C.ではなく、長野I.C.へ向かいます。

道は混んでいたけれど、降雪時は混むもので。
大した心配なく、車を走らせましたが、
高速道路の入口間近、電光掲示板に「通行止め」表示を見掛けます。
まさかと思って、あんまりよく見なかった…
いや、見たけれど把握できず、
「あれ、おかしいな」と思いながら、
「とりあえず」で、高速道路へ乗ります。
列になって動いているから、
急に「確認する」って止まることも出来ない訳で。

それなりにスピードも出すことが出来、
車量も多いけれど、ちゃんと流れている。
でも、どうも、どうやら、先程見た電光掲示板には、
姨捨方面で事故だと書いてあったと思う。
姨捨方面と言えば、僕らの帰り道である。

「まさか」と思いながらも進む。
逆方向かも知れない。
「姨捨ー麻績」と「麻績ー姨捨」で意味も違う。
上流下流が異なるけれど、
「姨捨ー麻績」表示されていた気がして、
それと言うのは、僕らが利用したい方向だけれど、
見間違いとかさ、上下の認識が違ったりとかさ。
いろいろ考える。
高速道路上、Uターンなんて出来ない。
車が流れているんだし、最新情報じゃないのかな…
処理済みのものが遅れているのかな、
そう考えるけれど、想像でしかなく、
でも、前には進まなければならず、
どこかで落ち着いて考えたいと心は懇願しながらも、
流れに乗って進んで行く。
「とりあえず、進もう」と進んで行く。希望に何の根拠もない。
「無事に帰りたい」って、願望だけはあるんだけれど。

すると、松代P.A.が見えて来た。
先を急いだ方が良い…と言う思いもあったけれど、
止まりたい、落ち着きたいと思った。
そして、YOKOさんの一言も後押ししてくれた。

「 ここでご飯を食べちゃおうよ 」

いつになるか、これから先が、
どんな流れになるか分からないからこそ、
万全に支度をしよう…と言うのだ。

車は依然、変わらずに流れているけれど、
嫌な情報、通行止めの情報は出ている。
進んで行く車はどこに行くんだろう。
その流れに入らなくて良いのか?
…思い出しても、混乱していた自分。
混乱していた割には、
不安な気持ちは鮮明に覚えています。
道が動いているし、先に進む人達が、
車が次々とあるんだから、先に行かねば…と言う気持ちと、
冷静に落ち着いて対処するんだと言う気持ちと。
松代P.A.も、混んではいるけれど、
すごく混んでいる訳ではなかった。
大型連休のそれの方が混雑していると言う言葉に相応しい。

トイレに行くと、その脇の路線図でハッキリした。
姨捨方面へ行く、長野から松本に戻る道の上に、
黒塗りが為されていた。
松本から長野に戻る道は問題がなかった。
居合わせたおじさんが「あちゃー」と呟く。
概ね、僕自身もそんな心持ちで、
さぁ、どうして帰ろうか…と考える。

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当時のTweetを辿ると、
14時01分
「川中島幻舞に行って来ました!
   ただ今、千曲川パーキングでお昼ご飯。
   どうにも帰りの高速道路、事故渋滞っぽいです。
    無事、帰る事ができるでしょうか…?」

…とある。
松代P.A.併設の食堂が「千曲川」と言うらしい。
余程、状況に慌てていたんだろうと思う。
まだ事故渋滞、通行止めの現実に悩んでいる事が、
「っぽい」と言うあたりに見える。

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昨今、サービスエリアのラーメンも、
番付を企画したり、色々進化している様で、
その名も「玉節醤油ラーメン」と言う。
玉葱、鰹節の名前を取ったもの。

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なかなか美味しい香の…鰹節の利き加減で、
麺もしっかりしていて好み。
玉葱、煮干をギッチリ使った燕三条系がベストマッチだと思っていたけれど、
こう言う使い方も美味しいものだ…と思う。
今度、自分でもやってみたいな、と思う事が出来る。

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「チャーシュー丼ミニ」、
しっかり食べようと、こちらも追加。

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YOKOさんは少しでもお野菜を食べる様に…と言う事で、
「ピリ辛とろみ醤油ラーメン」を注文。
きっと「ピリ辛」にも惹かれていたはず。
メニュウには「美味しく出来ました」と書いてある。
自信作なんだろう。

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外は雪景色。
この雪が、今僕らの足止めの原因。
ご飯を食べて、だいぶ落ち着いたかな…と思う。
食べながらも、YOKOさんとディスカッション。

まず第一に、いつ通行再開するかも分からないし、
高速道路を使う考えは諦めなくてはいけない。
ルートとしては更埴JCTを東信方面に南下し、
三才山トンネル、和田トンネルを使うと言う事だ。
YOKOさんは不安視をする。山間、峠であれば、
現在地、長野よりも雪深く危ないのではないか。
かと言って、姨捨方面へ下道で行く事も避けたい。
やはり山の中を通るルートは怖い。
ただ、もしかすると雪への対策が早く、
案外、普通に進んでしまうかも知れないと考える。
でも、これは根拠がないんだ。楽観視に思えた。
ウェブカメラを見てみようとするけれど、
生憎、僕のケータイでは、ウェブカメラまでは見れなかった。
「じゃあ、どうする?」
こうなると「待つ」も考えなければいけない気がする。
車の中にしても、このこじんまりしたパーキングエリアにしても、
何時間も待つのは、とても疲れてしまいそうだった。

次いで、14時22分のTweet。

人生の先輩、親父に聞いてみる。
三才山もチェーン規制で吹雪く可能性ありとのことで、
国道19号を通って信州新町経由はどうだろうかと。
よし!それで行ってみるぜ!

------答えに辿り着く。
父の職業は県内を駆け巡る事であったので、
道路事情は勿論、雪上時の交通手段も詳しい訳で、
仕事中の事も考え、お袋経由で電話連絡を取り、情報を得た。
僕は早速、ケータイに入っている
GPSを使った地図アプリで、経路を確認する。
焦点は「どうすれば国道19号に乗る事が出来るのか」…
長野市に住んでいれば国道18号もあり、
馴染みの度合いが異なるかも知れないが、
生まれも育ちも松本生まれの自分には、
国道19号は物心付いた時からの仲であり、
母なる大河と比較しても遜色ないくらい。
小学校だって国道19号沿いにあり、
生活の中で、よく通るものでもあり。
次なる更埴I.C.を降り、国道19号線までは、おおよそ一直線に見え、
まずはこれを目指そう!…と相成ります。

長野市内から伸びる国道19号回りと言うのは、
大町、信州新町周辺から明科や生坂を経由して松本に通るルート。
自分がこれまで下道で松本から長野に行く場合は、
聖高原、筑北・麻績村などを通るルートを使っていたので、初めての道。
やってみよう!と言う心意気で、
YOKOさんと共に気合を入れ、松代P.Aを出発しました。

渋滞の度合いはあまり変化がなく、
道はそれなりに流れているけれど、交通量が多い感じ。
けれど、更埴JCTで現実をハッキリと目の当たりにします。
確かに、姨捨方面へ行く道が閉じられている。
他の路面と違い、
車のタイヤの後が残っていない道路が続いていました。

更埴I.C.で高速道路から降りると、
その道は、国道18号線、数時間前に通った道、呑気に鳥を撮影していた道。

「またこの道か」

「ついさっきも通った道だ」と思うと同時に、
酒千蔵野「川中島幻舞」蔵から、
程無く、現目的の路線に突入できたんだ、
より国道19号線が近い、2周目の道のりを少なく出来たんだな、と思うと、
少しだけやるせない。
けれど、ハッキリと進むべき道が見えていて、
ワクワク、小旅行であって小冒険気分も出て来て、
楽しくなって来た頃だと記憶している。

更埴I.C.を降りて長野市街地方面に向かうと、
自然と国道18号に乗る。
進んで程無くして、「篠ノ井橋北」で県道77号線に入る。
雪が重い、水分を含んだタイプだから、
時折、車の車輪、足を取られながら、
渋滞する道を、ゆっくりでも着実に進んで行く。
たぶん、ここを曲がると「川中島幻舞」蔵だと思う交差点もあった。
こんなに早く戻って来るとは思わなかった。
そのまま北上し、国道19号と交差する、
「稲里西」の交差点を左折。
そうして、家に帰るまでのスタートラインに立って、
アクセルを、ごく慎重に踏み込んだ。

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雪が止んでいた事も功を奏したのか、
道路上に雪は深く残っておらず、緊張はするけれど、
想像よりはずっと快適なドライブ。

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家々のない景色が続く。
道が整備されていなかったら、
きっとこんなに安心して帰れないんだろう…と言う事は、
外の景色を見ていて、分かる。

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雲の向こうに光が見えた。
降り続いていた最悪の状況は既に脱しているんだと感じる。

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信州新町付近へ。
思い起こせば、旅第6回、ジンギスカンを食べようと、
そして尾澤酒造場に立ち寄るべく、この町に来ている。
夏の頃、ちょうど「松本ぼんぼん」の日だったのだけれど、
もちろん、この雪景色に、それを思い起こさせる要素は見えない。

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ただ、人里に辿り着いた事で、
すでに1度でも走った経験がある道を走ると言う事で、
YOKOさんも何枚か風景を写真に撮り始めた。

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スピードに気を付けながら進む。
路面は濡れてこそいるけれど、凍ってはいない様だし、
むやみにブレーキを踏まない、
踏む様な状況にならない様に、車間距離を開いて、
煽られようとも、無茶してスピードを出さない様に、進む。

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この橋は見覚えがあります。
夏にも通った場所。
他の木々、白くなった景色よりは、
ずっと夏と同じ顔をしています。
だから、見覚えとも合致して、
今僕らが通っている場所が松本へ連れて行ってくれると、
自信を持つ事が出来ました。

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その後の写真を見ると、
視界が明るくなって行った事が分かります。

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犀川と道路上、崖を支えるコンクリートだけの景色から、
時に家々を見る様になり、
至って、こうして田畑を眺める場所まで進みました。
田畑は雪の中で、何も見えず、雪原にしか見えないけれど、
けれど、グッと街が近づいて来た雰囲気。

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ここまで来ると、もう安心だ。
そう思える頃合い。
次tweetは、以下の様に。

16時06分
信州新町を抜け、豊科まで帰ってきました。19号、本当にありがとう!

そして、松本を経由して、居住地へ…
僕とYOKOさんが暮らす家に、本当に万事無事に帰って来る事が出来ました。

「家に無事帰って来ることが出来ました!
    本来の帰宅時間ジャスト。
    寄りたいところ、全てには行けなかったけれど、でも、大満足の旅14回でした!」

これが17時04分のtweetとなります。

最初に計画した、「戸隠」行なども考えていた頃の、
「17時に家に戻る」…そんな計画が果たされるとは、
面白いものだなぁ、と感じます。
不測の事態はたいへんだけれど、
人生を楽しくする事も出来るんだなぁ…と思う。



17時に家に着いたと言う事は、普段通りの飲み、
土曜日恒例の飲みに出ようと言う事になります。
元々の計画も、そうして周遊して来て、
着地点を17時で考えていたのは、そう言うこと。

【  厨十兵衛:睦月十五日・今宵の酒菜  】

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四柱神社へお参りを済ませ、「厨十兵衛」へと向かいました。
二礼二拍一礼、手を合わせ、普段通りのお願い事と、
そして、無事に帰って来る事が出来た感謝と。

【  福島・奈良萬 & 島根・王禄  】

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福島・奈良萬・純米生酒おりがらみ
島根・王禄・純米吟醸直汲み”山田五十”H21BY・無濾過生原酒、

YOKOさんは名に覚えがある「奈良萬」を。
僕は生のまま1年熟成され、そりゃあ飲み頃だろう!…と思い、
注文した「王禄」で、乾杯。

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手始め。
家に帰る事で、ひと心地は着いていたのだけれど、
でもやっぱり、こうして晩酌…それも、
美味しい日本酒と共に楽しむ時間を迎えられると言うのは、
一段と心易く感じるものですね。

「王禄」は1年の熟成が本当に効果的に現れていて、
熟成香的なものはなく、
味わいが膨らむし伸びるし、申し分無い美味しさ。
新酒らしい若々しくトゲトゲしく酸がギラギラした感じが、
なだらかでも、張りを持って、こなれて来ている。
「奈良萬」は新酒らしさ、フレッシュさがあって、
「王禄」の様な熟成美味とは異なる、真逆の世界だけれど、
「奈良萬」蔵の米の旨味を湛えるバランスが美味しく、
初手に合う強さで美味しく頂きました。

【  たたき胡瓜のごま油和え  】

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酒肴はYOKOさん大好物の「たたきゅう」から。

【  もつ煮  】

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寒い中を歩き、
温まりたい心持ち故の「もつ煮」をお願いしました。

【  埼玉・鏡山 & 三重・天遊琳  】

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埼玉・鏡山・純米しぼりたて、
三重・天遊琳・純米吟醸生”阿波山田錦”2004年

続いてお願いしたのは、
YOKOさんは多摩独酌会にて更に注目度が増した、
埼玉県は川越の「鏡山」を。
パッと広がる華やかさがあり、こちらもYOKOさんは気に入った様子。
僕は、松本ではなかなか見掛けない蔵元「天遊琳」、
この熟成酒を頂きました。
こちらは品の良い熟成香があり、
「王禄」の攻めの姿勢から、「守る」…「受け止める」、
そんな印象の味わいでした。

【  ぶりの西京焼き  】

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ご飯が14時頃だったから、
まだあまりお腹が空いていないと言う事で、
軽い酒肴を主体にお願いして行きました。
焼き魚、それも西京味噌の香、
焦げて甘味と香ばしさが入り混じった香、
酒が旨くなる、ご飯が欲しくなる、人好きの良い香。

【  長野・豊賀 & 広島・寳剣  】

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長野・豊賀・特別純米・厳選中取り無濾過生原酒
広島・寳剣・純米生”限定超辛口”

酒は進むもので、
YOKOさんは大定番と言って良いでしょう。
小布施の「豊賀」を注文し、
僕は店主殿おまかせの…そしてオススメの「寳剣」になりました。
この時期、広島の新進気鋭「寳剣」の評価が高まり、
率先して入荷していた頃だったと記憶しております。

【  おぼろ豆ふ  】

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もうちょっとだけ軽いものを楽しみながら…と言う事で、
箸休め飲み休め、あっさりしたもので、今日はこれまで。


僕らは続いて、旅の終わりをじっくりと味わう場所へ。

【  pub.摩幌美  】

【  Glen Turner / ウイスキー特級  】
【  Pure Malt Scotch Whisky / Aged 12 Years  】

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ボトルキープのグレンターナーをゆっくり楽しみながら、
酋長、Akkoさんの沖縄旅行のお話をお聞きします。
僕らは雪の旅、
沖縄は南国、神谷ウイスキーの話も伺いながら、
時間を楽しみます。

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この旅行記を書いている2012年初頭もまた、
おみやげの島人参を頂きました。
こうして電灯の下に見ると白っぽい人参に見えますが、
実際は鮮やかな黄色をしています。
酋長がお持ちのペンライトで照らして下さいました。
人参らしい甘味があって、美味しい。

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こちらはスクガラス豆腐。
アイゴ類の稚魚を塩辛にしたもので、沖縄珍味のひとつ。
旅のお土産を、耳でも舌でも味合わせてもらい、
すっかりYOKOさんとふたり、良い心持ちになり、
”そうだ、今日はいろいろ大変だったんだ…”
何だか、ずっと前の事もみたいで。

憂き思い、
何もかも酔って浮かせて宵の向こう、
見えて来るのは、我が家なり

ふらふらっと駅から歩いて、
「楽しかったね」と言い合って、
歯を忘れずに磨いて、
1日を楽しみ尽くした満足感をたっぷり詰めて、
夢の中へと持って行く。

チラッと浮かぶ雪景色、それもまた良い思い出になった。

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以上、旅第14回信州SAKEカントリーツーリズム、
雪の旅のお話を申し上げました。
今回、旅をした蔵はひとつ。
全76蔵制覇まで、あと12蔵となりました。

次回は南信の旅となります、旅第15回。

旅第2回以来の南方へ。

いよいよ、旅15回、旅16回で、
僕らの信州SAKEカントリーツーリズムの旅は終わります。
佳境へ!

続きます!

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コメント

gootara39です。
豪雪の北信濃、酒蔵探訪記、拝見しました。
臨場感があって、ドキュメンタリーのようでした。
川中島の酒千蔵野、モダンな建物が素敵ですね。書も展示されているようで、訪ねたくなりました。
19号線も、好きな道です。

投稿: gootara39 | 2012年2月 5日 (日) 17時06分

コメント、ありがとうございます!

やはり、特に古くから続く蔵元様ですし、
これまでの歴史、時代が付いた風景を拝見出来ますね。
初めて訪れた際も、
GPS地図なんてない時代で、
印刷した地図を持って移動していました。
大きな釜の様なものが、
古い塀の脇に転がっていて、
それが酒蔵のものだと、
あの当時は直ぐ分からなかったくらいです。
その時代の付き振りは、
数ヶ月と言う事もなく…。
味わいも理念も県内指折りの銘醸だと思います!

投稿: SOJA | 2012年2月 6日 (月) 14時58分

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