« 2011年11月13日 - 2011年11月19日 | トップページ | 2011年11月27日 - 2011年12月3日 »

2011年11月20日 - 2011年11月26日

2011年11月21日 (月)

今年もミッキーたちがやって来た!(2011年11月12日・摩幌美)



僕らが出会った最初の年って言うのは、
確か「異文化交流だー」なんて言っていたと思う。
「交流」と言う言葉。
日本の流れとスウェーデンの流れが交わる…と。
その当時は、それで全く違和感なかったし、
英語をおしゃべりになる方が中心となって、つつがなく終わった…と思う。

2回目にお会いした時には、
もうちょっと踏み込んだものだったけれど、
ミッキーだけでなく、Akkuratのメンバーもいて、
日本を楽しむ写真を見せてもらいながら進んだんだ…と覚えている。
大町温泉郷の写真なんかは、浴衣が似合うんだ、これが。
うん、楽しかったけれど、
2回とも会の後に、「英語を勉強しなくちゃ!」なんて思う訳で。
それを悔いと言うならば、まぁ――…そうなんじゃないかなぁ。

今回…
じゃあ今、僕自身が「英語を勉強しなくちゃ」って思っているかと言うと、
少しだけ違っていて、
「英語はやっぱりあんまり喋れないけれど、楽しく飲んだ!」
…と思っている。
「異文化交流」だって、あんまり思っていない自分がいる。
そんな堅苦しいものじゃあない。

じゃあ、どう思っているんだって言うと、
「スウェーデンから友達が来た」と思っている。
1年ぶりに会って、「懐かしいな」って思うし、「嬉しいな」って思うし、
日本を好きでいてくれる、
そして、僕らと笑ったりしながら、お酒を…ウイスキーを楽しむ事が出来る。
そんな最高な友達が、わざわざ松本に来たんだって、
僕とYOKOさんは、再会してきた。
そんな夜だって、今では思っている。

松本を訪れてくれたストックホルムの友人に感謝。

この縁を繋いでくれる摩幌美、そして酋長に感謝。


当日は「よよぎ」で晩御飯。
日本酒を美味しく頂く。

Cimg6133

僕は山口県の「雁木」、
YOKOさんは三重県の「而今・酒未来」から始め、

Cimg6134

旬の味、大将の揚げぎんなんを頂き、
また、骨せんべいも。

Cimg6135

「ねぇ、YOKOさん、今日は何でよよぎが良いの?」

なんて聞くと、

「そろそろ、ぎんなんが出ているかもしれない」

…と言う。どれだけお気に入りか分かる会話。
もちもちっとして旨いんだ。これが。

Cimg6136

続いて、
僕は愛知県の「義侠」、
YOKOさんは群馬県の「結人」をお願いします。
僕は、久し振りに見かけて「義侠」、
YOKOさんは定番と呼ぶ程にお気に入りの「結人」と言う感じ。

Cimg6137

メニュウに見慣れない「とうふステーキ」なるものを見付け、
早速お願いしてみましたが、これが抜群の美味しさ。
ネギ、生姜、醤油の熱に融ける様ったら、
他にない美味しさ。
厚揚げとも少し異なる、
豆富の身の旨い事と言ったら、この上ない。

Cimg6138

栃木県の「鳳凰美田」、
毎年、新酒の先駆けとして登場しますが、
今年もやはり。23BYのしぼりたてのところ。

さて、程好い所で「よよぎ」を後にして、
四柱神社にお参りをし、いよいよ「摩幌美」に向かいます。


着くと、先行して摩幌美「モルトの会」の面々。
Kenchieさん、Skさん、Y岡さん、S木さん。

どうやら、本日のSpecial Guestさん一行は、
近くの居酒屋で、1杯やっているんだそうで。
後々、聞いてみると、
ビールを軽くやって、日本酒を美味しく呑んで来たんだそうです。
何だか…こう、素敵な酔っ払いでしょう?

Cimg6150

毎回、テーマ・ウイスキーがある「モルトの会」、
第175回となる今回は、
初のアイリッシュ・ウイスキー…
アイルランドのウイスキーから、
「Tullamore Dew(タラモア・デュー)」、
左が現行品、右は「ウイスキー特級」表示のあるオールドボトルです。
両ボトルを楽しんでいるうちに、
ミッキーたちがやって来たので…
…時系列に則って、先に味わってみた感想を。

【 Tullamore dew / BLENDED IRISH WHISKY / 特級 】

良い香!
シングルモルトの香みたいだ!
すごく明るくて、ハッキリした輪郭を描く香。
イメージする色は橙と赤の明滅、
とてもクリアな色合いを持っていて、バランス良い味わい。
少しだけ枯れた雰囲気があると言えばあるけれど、
オールドボトルと感じさせない、
今、年代の遜色なんて微塵もなく美味しいウイスキーだと思う。

【 Tullamore Dew / IRISH WHISKY / 現行 】

トップノートは、どこかセメダインっぽいと思う。
たぶん、アルコールっぽさを拾っているんだと思う。
飲むと、ハニー。
もう、蜂蜜系の雰囲気が強くて、甘い味わいでビックリする。
甘く柔らかくて、ゆったりした時間を過ごせそうなイメージ。
イメージする色は青と光、つまり長閑な日の青空に、
甘い蜜の雲が、のんびり漂っているような。

Cimg6149

kenchieさんがおもむろにパンを取り、
現行品を数的落とし、食べ始める。
ウイスキーの合間にパンは分かるけれども、
ウイスキーをパンに掛けて食べるのは初めて見た!
なるほど、
蜂蜜っぽい要素があれば、
想像でも相性が悪いイメージは浮かばないと気付く。
特に「摩幌美」のパン、
モルトの会に出て来るパンと言うのは、
「スヰト」特注のウイスキーをテイスティングする際に合うパン。
ゆえに、バターや塩の配合が違っていて、
確かにウイスキーをテイスティングする時に欠かせない。
そうしたパンだからこそ、
ウイスキーを垂らすと言う美味しさに繋がっているんだなぁ…と思う。

Cimg6140

また、ある伝説的なノートがあって、
これに掲載される写真と、全く同じ場所の写真が、
同じ年代の写真が、「摩幌美」にある。
こうした邂逅もこの日にあった。


しばらくして、
ミッキーたちが訪れると、座がぐっと賑やかになる。
当日の日中は、
酋長たちと一緒に“MARS”駒ケ岳蒸留所に行って来たみたいだ。
Whisky Catなんて言うのは、
よく聞くのだけれど、
なんとWhisky Monkyを“MARS”工場の屋根に見て来たらしい。
写真を見せてもらったけれど、確かに野生の猿。
珍しいのか、もしかしたらそうでないのかも知れないし。
(事実、職場のある辰野の裏山には猿がいる)

ふと見ると、クロースの手にしているカメラは、
「Nikon」の一眼レフ。
日本製のカメラだ!すごーい!…なんて言うと、
インガワーもクリスも…
確かオリンパスだったか、日本製のデジカメだ。
「日本製のカメラ、良い感じだよ」とのこと。
何だかんだで、
日常、高性能で評判のものに触れているのだと思うと、
ちょっと誇らしい気もする。

ミッキーたちは、志賀高原ビールを注文して楽しみながら、
駒ヶ岳蒸留所を見てきた感想や、
両国のクラフト・ビールの聖地「麦酒倶楽部POPEYE」に行って来た話も。
「全部日本のビールだったんだよ~!」
…と言いながら、見せてもらった写真は、
噂に聞く、10種類はあるかと言う呑み比べセット!
「良い店だよ!」
「日本のビールは美味しいね!ベアードとか!(常陸野)ネストとか!」
…そんな話を聞きます。

今はもう知ったからこそ、そう言う風に思わないけれど、
海外の人たちって、ビールなんて飲まないと思っていた。
ロシアならウォッカ、スコットランドならウイスキー、
フランスならワインだけ…とか。
でも、違うんだよね。
ビールは世界で愛されている。
フランスにも良いビールがあるし、
タイやフィリピン、マレーシアにもある。
地域性が出ていて面白い。
日本のクラフトビールもいっぱいの地域性がある。
飛び出す、馴染みがある名前。
スコットランドのビールと言えば、
BrewDogのSORACIH ACEの名前も出て来ました。
パブに行くと、これがとにかく置いてあって…
他にも、いろんな種類を飲むことが出来る、
「両国ポパイ」は良いパブなんだと満足げ。

ここでkenchieさんから、
Gordon&Macphail社のボトリングシリーズ、
「Connoisseurs Choice」の中から、
「Macduff」を、ミッキー達に飲んでもらい、
その感想でお話したりもしました。

こう、酔いの中と言うのは、
ふっと我に返る時があるのだけれど…
そんな時、
「あぁ、楽しいなぁ」と思うと同時に、
「英語、分かんないけど、でも楽しいな」
…と言う確信を得ていました。
僕らも一生懸命に伝えたくて話すし、
ミッキー達も、楽しさを共有したくて、
僕らに分かる言葉を選んでくれるし、
なんだか、
本当に言葉を足かせみたいに感じた日。
言葉がなくても、
心がお互いに歩み寄れば伝わるんだ、
美味しくお酒を飲むことが出来るんだって、
すごく、すごく思った。
英語を話せない開き直りにも、
自分で言っていてさえ、聞こえるけれども、
良い縁、言葉は通じなくても友達!
それが何だか、
すごく幸せで、嬉しく思ったものでした。
そう思う事が出来るからこそ、
去年や更に前に会った時に少しばかりあった緊張と、
物怖じを感じなかったんだって思う。

Cimg6152

しばらして、
群馬から仕事終わりに駆けつけてくれた、
T田さんが、座に合流しました。

何でもT田さんは東京に出張か何かで赴いた際、
ある酒屋さんで、偶然に、ミッキー達と出会ったのだそうです。
ミッキー達はミッキー達で、
日本のお店だからこそ売っているウイスキー、
レアなボトルなどを見に、
本当に偶然に、そのお店に立ち寄っていたのだそうで。

それって、どれだけの確率でしょう!?
僕ら、同じ日本に住む者同士だって、
そんな奇跡、一生に1度あるかないかの世界で、
こうして再び、出会いの場、
信州松本のpub「摩幌美」で再会する、
とても素敵な事だと感じました。

T田さんもオススメモルトをそっとグラスに注ぎます。
Kingsbury社のFINEST & RARESTシリーズから、
これも偶然「Macduff」を試してもらっていました。
何と言う重なり合い。

では、ここぞ!…とばかり、
自分も持ち寄った2本のボトルを、
ミッキー達が、どう感じるか知りたくてグラスに注ぎます。

Photo

東京・酒のなかがわさんで購入した、
「風の森」でお馴染み奈良県は油長酒造の醸す、
昔造りとも言える「菩提もと」による日本酒、
「鷹長・純米」
琥珀色の彩り。気に入ってもらえたみたい。
今回の旅では、
日本酒もウイスキー以上に購入しているんだそうです。
けれど、このお酒は、そのどれとも違う感じだ!
…と言っていました。
それもそのはず、「菩提もと」そのものが、
日本酒造りの起源とされる製法を今に蘇らせたもの。
そこまでの詳しいお話は出来ずに、
「Very Old Style SAKE」としか表現できませんでしたが、
それなりに伝わったみたいです。

油長酒造の醸す「風の森」は、
酋長も、もちろん自分も大好きな銘柄。
その地元銘柄「鷹長」の少し珍しいお酒を楽しんで頂きました。

そして、
せっかく日本に来てもらっているのだから、
僕の知る日本酒の世界の中でも、
ある一極の頂上にいる日本酒を持って来ました。
注ぎ、色を見るからに驚いてもらえる。

Photo_2

これは蔵元で購入したもの。
既に当ボトルの販売は終了しています。
信州は中野市、丸世酒造店の「勢正宗・もち酒熟成酒」、
30年以上の熟成を経た古酒です。
確か、33年ほど前の醸造。

ミッキーが言うには、
「レーズンみたいな香もある」とのこと。
なるほど、濃い蜜の様な印象を持っていましたが、
香の高さは、レーズンを想起させるのも理解できます。
また、シェリーを感じさせるとも。
後に、「これはNew Worldだよ!」なんて言ってもらいました。
たぶん、これを知る日本人も実は少なくて。
こうして、この類稀なる美味しさを知ってもらえるのは、
本当に嬉しい。

Cimg6153

すごく気に入ってくれたみたいで…
でも、このお酒は本当に他に替えが利かないもの。
だったら、せっかくだし、
「持っていって!」と相成ります。
是非、楽しんで欲しい。
関さん!このお酒、すごく喜ばれていましたよ!
関さんのお酒が、僕らだけでなく、
僕の友達にも、すごく喜んでもらえました!

この笑顔、楽しさの証!

すごく良い夜でした!

YOKOさんと話します。
この楽しさはかけがえがない。
終電で帰ってしまうには、早過ぎる。
その日、
僕らは、久し振りにタクシーに乗って帰りました。

全て、心からの楽しさを。
あっと言う間の楽しさを。
この縁に感謝は尽きません。
また来年、会えたら良いなぁ。
そう思える一夜。
摩幌美の夜。



【 added,Tasting Notes 】

せっかく「摩幌美」の特別な日のブログを書いたので、
いつも通りの日、別の日に、
僕とYOKOさんで楽しんだ、ウイスキーのお話も。
テイスティングノートから、書き写します。

Cimg6091

Glenscotica / Acorn / aged 33 years old
Alc.54.6%
Islay Tour 2010
Memorial of Scotland

総じて浮かんだイメージは、
「黄色い森の黄色いシマウマ」と言うイメージ。

(テイスティング・グラスに注いでもらって直ぐ)

レモン、オレンジピール、ドライ、少しミント、
切っ先にある、ほんの一瞬だけ香が揺らいだ後に、
ジューシーな香、ゴールドの香、
すごく広く、香が揺らぐ感覚。

どの香も、強く長く存在しないで、揺らぐ。
リンゴはよく熟したリンゴ、熟れて真っ赤で、
そうらかじりたくなる様なリンゴ。
今、もいだばかりでなくて、
よく寝かせて、芳しさが鼻先に届くような。

洋ナシにサワークリームを混ぜた感じ。
奥行きにアプリコットの熟れた感じが活きている気がする。
品の良い近年の高級梅酒やプラムの香がどんどん出て来る。
そして、どこか刹那、枯れた雰囲気も揺らぐ。
ほんの少しだけ。アルコール的な雰囲気と同じ?

また変わる。
強く、明るくなって来た。
砂漠に、橙色の大地があって、
木が林立していて、葉は全て黄金に色付く。
奥に空があって、雲ひとつない風景。
葉に近付くと、葉から甘い香。
ハーブっぽさもあって芳しい、すっと画に、
黄色いシマウマが紛れ込んできた。

…と言う香から思い描いたイメージ。

こうして集中して飲むのも、また楽しいなぁ。

( 飲んでみる )

ライト、軽い音を立てる木片、
まとまったバランス、
(例えるならば、ごく上質なブレンデッド)

イチジク、
イチジクのコンポートにシナモン、ジンジャーの香。
さっぱりさせる、持続時間は短め。
現行の12年を、すごくスタイリッシュにした感じ。
アールグレイと言うより、
その最上級品と言うか、
あんなにベルガモットが強くないけれど…
上手に遠くで匂いを感じるような雰囲気。
飲み進めて、奥にクリームっぽさ、シェリーっぽい雰囲気少し。
ドライアプリコット、ややオレンジ。

イチローズモルト“秩父 THE FIRST”

Cimg6092

YOKOさんのコメント。

ラムレーズン、飲むと甘味が強い。
どこかシェリーっぽい?
後に、バニラ感も出て来る。
ただ、強くなくて一瞬だけ出て来る感じ。
飲むと、本当にケーキを食べているみたい。
イチゴショートのそれに近い雰囲気。

僕はホワイトラムにレーズンと言う感じ、
ベイクド感が甘味の中にあると思うので、
YOKOさんが言っているケーキっぽさと言うのは、
これと通じているのかも知れない。
香は、プレーンヨーグルトに蜂蜜を落とした印象。
特に香には、若いモルト然とした雰囲気を感じる。


以上、
信州松本・摩幌美とウイスキーのお話でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年11月13日 - 2011年11月19日 | トップページ | 2011年11月27日 - 2011年12月3日 »