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2010年12月 1日 (水)

その背中に書き殴りたい言葉はなに?(2010年7月17日・地酒屋こだま)

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この背中である。

パッと浮かんだのは、高杉晋作の辞世の句。

「 おもしろき こともなき世を おもしろく 」

ただ、
ここでとても大切なのは、
面白くなくも、事もなくもないと言う事で、
知っている素晴らしさを伝えたい気持ちが伝わると言う事で、
日本酒と縁とを取りまく素晴らしい世界、
知らずにいる事こそが「おもしろきこともない世」であり、
たけさんはそう思っている人を、
「おもしろい」と言わせたいんじゃないか、と僕は思っている。

「 日本酒って美味しいんだ! 」

有名な酒もある、無名な酒もある、
高い酒もあって、安い酒もあって、
誰と飲むかで味まで違って感じられて、
日本酒って、そう言う意味では、
選び様がなく捉え所がなく、
「絶対に間違いない旨い酒」ってぇモンは存在しないと思う。
常にあるのは、
「僕が、私が、好きな酒!」と言う事だと思う。

だから、楽しいんじゃないか。

「今を楽しむ!」ことが大切だと思うならば、

今、目の前にある日本酒を美味しく飲み干すことが、

「すべて」であると僕は思う。



2009年7月の旅行、
主たる目的は、
「摩幌美・モルトの会」で行く、
「宮城峡蒸留所」の見学でした。
宮城県仙台に向かう、その前日、
僕とYkさんは、東京に前乗りする事にしました。
行きたいお店がある!
それが理由。

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駅のホームにて電車を待つYkさん。
今回の旅は、
宮城峡蒸留所の見学の他に、
仙台や松島を見て回りたかったので、
やや日程を広く取り、
荷物も多めに持つことになりました。

松本駅に着き、
お昼ご飯を食べて東京に向かおう!
…と言うスケジュール。
グルグルと、
駅ビル「MIDORI」の飲食店街フロアを回って、
どこで食べようかを悩んだ先に、
こちらを選びました。
夏向きのメニュウが、Ykさんの心を射止めた様子。

【 松本駅・駅ビル内 杵屋 】

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松本駅の中で食べるのは、
そう言えば初めてかも知れません。
駅の中を訪れるまでに、
駅周辺のお店に吸い込まれている気がします。

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僕がお願いしたのは、こちら。

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可愛らしい鰻の蒲焼セット。

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Ykさんは、この清涼感のありそうなセットメニュウを。
おろしの他に酢橘がセットで付され、
サッパリと食べる事が出来たそうです。

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座った席からは、
駅前の「真澄」の看板が、
いつもよりずっと近くに見えました。

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見慣れた松本駅改札も、
今日これからの旅を思えば、
まるで、見慣れないスタートライン。
わざわざ、Ykさんに立ってもらうことも、
こうした時だけ、それは少し特別な気分。
高揚感が湧き上がって来ることを感じます。


【 地酒屋こだま・大塚 】

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途中、道に迷い、
「たけさん、ヘルプミー!」と電話をした後、
目的の場所に到着しました。
着いてみれば、
別段分かりにくい場所にある訳でもなく、
むしろ道沿いに分かりやすい場所にありました。

昔、会社の研修で東京に出張した際、
ウィークリーマンションに泊まった事があった大塚。
当時、「地酒屋こだま」があったら、
それこそお土産を買いに、
また夜営業を目当てに訪れたんだろうな…
…と思いました。
たぶん、
そんな訳で「大塚」に降り立つのは2度目の経験。

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入ってすぐ正面に見える冷蔵庫。
福島県の宝の山です。

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右手にある冷蔵庫は、
長野や福岡、各県から集められた宝の山。

お店に入って、たけさんに挨拶をして、
直ぐ撮影していたんだと思います。
ボトルを見る事が好き過ぎていけません。
子供が「大きくなったらおもちゃ屋さんになる!」と、
将来の夢を熱く語る事に似ていて、
様々な思いが詰まった一滴、
それが並んで開栓を待っているかと思うと、
どれほど、ときめく事でしょう。

以前、ある居酒屋で、
「ボトルをツマミに飲めます!」
…とつぶやいた記憶がフラッシュバックしました。
松本の超有名Barの下、
初めて行った際に、のたまわった気がします。

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「暑かったでしょ?」と、
美味しいお水を頂きました。
もう、すっごく美味しかったですとも!
生きているのに「生き返る!」と言うあの名言、
それを喉から手が出てつぶやきそうな美味しさ。

今回、
僕が訪れた目的は、
未だ見ぬ2場の蔵元さんが醸す日本酒を知りたいがため。

【 福岡県久留米市・山口合名会社・山の寿 】

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【 兵庫県明石市・太陽酒造・太陽 】

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堂々と並ぶ、この2蔵元。
他にも、長野県内ならば、
「北安大国」、「勢正宗」、
「本金」、「十五代九郎右衛門」、
「黒松仙醸」、「笑亀」との繋がりがあり、
「北安大国」では一緒のコタツにあたったり、
「笑亀」の丸山さんと、
松本駅前「風林火山」のコタツ席に座ったり、
「勢正宗」で関社長から、
たけさんのエピソードを聞いてみたり。
更には奈良の篠峯さんだったり、
色んな銘柄が置いてある訳だけれど、
今回はあくまで、
僕自身が全く知らなくて、
そして、店主「地酒屋こだま」推薦酒を、
知りたくて仕方がありませんでした。

それぞれ試飲させてもらい、
「山の寿」、「太陽」を知って行きます。
試飲する事で、蔵元さんを知ります。
興味も湧きます。
お酒との出会いは、先々に続いて行くことだと感じます。
自分がこうして日本酒が好きで、
ブログを書いていたりするのも、
色んな日本酒を飲んでみての結果であるし、
興味を持ったものの記録だと思っています。

「山の寿」は、
たけさんの言葉を借りれば、
「神(と書いてバカと読むw)」…の杜氏さんが醸す日本酒。
忽那信太郎杜氏曰く、
本人談としての、
福岡の天才であり、福岡の至宝、福岡の神風であり、
日本酒業界の救世主、醸造業界の革命児とのこと。
自分のお酒をそうして世に出してくれるなんて、
心から憧れてしまうじゃないですか!

全体にクリアなイメージを持つ日本酒でした。
酒に持たせたイメージもクリア。
ある点から様々な方向にベクトルが加わっていて、
このボトルは、これをやりたかった。
こちらのボトルは、こうして飲んで欲しい。
そんな方向性の違いが明瞭に見える雰囲気。
けれど、出発点はいつもひとつ。
別ラインの「山の寿」が複数存在するのではなく、
杜氏が魅せる世界は、
常に杜氏の世界から羽ばたいている…
そんな日本酒が並んでいました。
このお酒を飲んで、誰が何を言うかが気になります。
気にさせる、
隣の人の美味しい笑顔の理由を知りたくなる日本酒だと思います。

「太陽」の蔵のスローガンは、
曰く「淡麗辛口に反旗を翻す」…だそうです。
もう、この一言だけで好きになってしまいそうです。
僕自身が淡麗辛口が嫌いなのではなく、
「うちの酒はこれで行く!」と言う揺ぎ無い姿勢。
自分の醸すものを知っていて、
その向上に心血を注いでいる姿を想像できること。
これは実に素晴らしいことだと感じるのです。

僕が特に気に入ったのは、
「神稲(くましね)」と言う日本酒。
復活米「野条穂」を使ったボトル。
もう試飲用のボトルしか残っていませんでした。
Ykさんは熟成酒の…
それも生で熟れた雰囲気が苦手である場合が多く、
(最近は様々な日本酒に対応する様になりましたが)
「太陽」は苦手だと思ったそうだけれど、
本当にそれで良いのだと思います。
「太陽」の美味しさは、その個性にあります。
熟れることの美味しさを知り得るもの。
好きな人もいて、嫌いな人もいて、
蔵元さんは、
とにかく自分が望む酒造りに邁進して。
誰でもにっこりの「脱!個性」的なお酒でなく、
誰かが唸るほどに感動するお酒がここにある。
そう思いました。
熟成には神秘が隠されていて、
今飲むお酒が今だけしかない可能性が高く、
そうした出会いと浪漫が、
「太陽」の日本酒にはあるのだと感じました。

他にも、
「これはどう?」と何点も試飲させて頂きました。
お酒について感想を言うと、
「これが好きなら、これも好きだと思う!」
…とオススメしてもらえる。
このやりとり、宝の山を漁って行く感覚。
すごく楽しい。

今回、6種7本の日本酒を購入しました。
以前の日記に掲載していますが、
どれも「僕が美味しいと思った」お酒であり、
Ykさんが「気になった」お酒であり、
欲し、そして購入したものです。

【 福岡・山の寿・純米吟醸中汲み原酒 】

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【 兵庫・太陽・純米たれくち無濾過生原酒19BY 】

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【 福島・会津中将・特別本醸造無濾過生原酒 】

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【 福島・会津中将・夏吟醸生貯蔵酒 】

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【 福島・会津中将“永寶屋”・純米辛口“八反錦” 】

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【 福島・豊国・純米吟醸中取り 】

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あんなに楽しく日本酒を購入したのは何年ぶりだろう!!

次段の予定があったので、
お暇してしまいましたが、
夢中でお酒を選び遊び、
満足してお店を後に出来る経験でした。
Ykさん曰く、
当時の僕を見ていて、
「はしゃいでいた」、
「テンションが高かった」
「嬉しそうだった」と言うほどに。

僕がたぶん酒屋さんに求めている事は、
「良い日本酒を揃える」ことではないのかも知れません。
「伝える」ことであり「伝わる」ことであって、
「いかに楽しく日本酒を買うことが出来るか」
…なのかも知れません。
日々悩むことはきっと煩わしいけれど、
どの日本酒を持って帰ろうかと悩むことは、
とてもとても楽しい。
もっともっと悩むほどに、
酒屋さんオススメの日本酒を教えて欲しい!
そんな風に楽しさに答えを見つけます。

タイトルに戻ろう。

「 その背中に書き殴りたい言葉はなに? 」

僕らも応援するけれど、
これからも「日本酒をよろしく!」と思う気持ち。
それはあの日、
僕とYkさんが楽しんだと言う感謝の一文。

「地酒屋こだま」、ありがとうございました!

また、よろしくお願いします!


更新日12月1日で開店から半年とのこと。
ホームページはこちらから!

【 地酒屋こだま 】
( http://sake-kodama.jimdo.com/ )

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コメント

ありがとう・・・!

もう、その一言に尽きます。。。ありがとう。

投稿: たけ | 2010年12月10日 (金) 08時07分

こちらこそ、ありがとうございました!
僕が大好きな酒屋さんを、
僕自身が知っている!…と言う喜び、
そんな自慢ブログなのです。

また冬に行ければ!と思っています!
その日、楽しみです!

投稿: SOJA | 2010年12月11日 (土) 00時26分

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