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2009年2月15日 - 2009年2月21日

2009年2月19日 (木)

第58回 多摩独酌会(2009年2月15日)


今回は「 鳥 取 県 」の特集です。

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東京・聖蹟桜ヶ丘にて定期的に開かれる、
小山商店主催「多摩独酌会」に参加してきました。

第1回地酒、地の味 ~燗酒を学ぶ~
【 燗酒銘醸県・鳥取県に学ぶ 】

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過去に第47回「一県堪能シリーズ」として、
長野県編に参加した自分ですが、
同シリーズを更に発展させた内容になるでしょうか、
今回、第58回は鳥取県のお酒に触れながら、
そのお酒に合う鳥取県の味との取り合わせを学ぶ会。

今回は出品酒のほとんどが燗酒として提供されました。
これもまた過去の会と照らし合わせると珍しいかも。
サンシンさんの「燗すけ」を前に、
社長さんとよくお見かけする営業さんが、
大活躍されていました。
おかげさまで美味しい燗酒、楽しむ事が出来ました。

【 出展 】

【 中川酒造 】
No.01:いなば鶴・純米“ろくまる強力”:燗
No.02:いなば鶴・特別純米“玉栄&強力”:燗
No.03:いなば鶴・純米吟醸“五割搗き強力”:冷

【 山根酒造場 】
No.04:日置桜・純米燗にごり“山田錦&八反錦”:燗
No.05:日置桜・純米生“山田錦”16BY:燗
No.06:日置桜・純米吟醸“伝承強力”:燗

【 太田酒造場 】
No.07:辨天娘・純米吟醸10番娘“山田錦”18BY:燗
No.08:辨天娘・純米7番娘“五百万石”19BY:燗
No.09:辨天娘・純米槽汲生原酒あらばしり“若桜町産玉栄”:燗

【 大谷酒造 】
No.10:鷹勇・純米吟醸なかだれ“山田錦・玉栄”:燗
No.11:鷹勇・純米辛口“山田錦・玉栄”:燗
No.12:鷹勇・純米にごり“山田錦”:冷

【 稲田本店 】
No.13:いなたひめ・良燗純米3年熟成“玉栄”:燗
No.14:いなたひめ・純米14BY“強力”:冷
No.15:いなたひめ・純米吟醸“強力”:冷

【 千代むすび酒造 】
No.16:千代むすび・完熟純米“山田錦・五百万石”3~4年熟成:燗
No.17:千代むすび・純米吟醸“強力”2年熟成:燗
No.18:千代むすび・特別純米“五百万石”:冷

【 小山商店セレクト 】
No.19:達磨正宗・本醸造“熟成3年”・岐阜:燗
No.20:大七・純米・福島:燗
No.21:奥播磨・山廃純米・兵庫:燗
No.22:千代の光・もち純米・新潟:燗
No.23:越乃梅里・特別純米“水穂”・新潟:燗
No.24:天青・純米“吟望・防空壕貯蔵”・神奈川:燗冷まし

以上、
鳥取酒18種類と、
小山商店セレクトの全国の燗酒が6種類、
全24種類のお酒の会でした。


【 鳥取のおつまみ 】

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お弁当箱の中身…
鳥取からは、

アゴちくわ、
とうふちくわ、
アゴ野焼き、
若桜大根奈良漬、
板わかめ、
イカの糀漬け、
イカの醤油漬け、
うるめいわしの丸干し…が用意されました。

地の酒に合わせて、地の味を楽しむ。
これが今回の主旨、なんですネ。
他に、
地元・聖蹟桜ヶ丘のお豆腐屋さんの冷奴に、
レストラン神谷のコロッケが付いたお弁当。

会場でのアンケート結果では、
「千代むすび」の完熟純米・燗酒と、
「イカの醤油漬け」の組み合わせが好評を博していたようです。

僕は「とうふちくわ」が気に入りました。
魚のすり身と豆乳を練り合わせたもの。
ちくわの食感に豆の風味が面白いです。
味は淡白。
試飲レベルでしかお酒を飲まなかったので、
ちゃんと相性を試す事が叶わなかったのですが、
イメージでは、
よく熟したお酒の冷と合わせるよりも、
きちんと酸の利いた、
渋味のあるお酒を燗にしたものが合う様に感じました。

他、写真にはありませんが「板ワカメ」も面白かったですネ。
見た目は海苔みたい。
けれど、口にするとまごう事なきワカメの匂い。
そのギャップ。
「こう言う食べ物もあるんだ~!」と知る楽しみですネ。


続きまして、例の如く感想リストです。

【 感想一覧 】

No.01:いなば鶴・純米“ろくまる強力”:燗
濃いアルコール感。燗酒らしい匂い。
ふっくらと美味しい。重過ぎずに良い。
酸もメリハリあり、良い燗酒
☆:3.7

No.02:いなば鶴・特別純米“玉栄&強力”:燗
ぬくい、あっさり、かつキリリ。
上手に飲ませるタイプのお酒。
温度がもう少し欲しかっただろうか。
☆:3.6

No.03:いなば鶴・純米吟醸“五割搗き強力”:冷
うは、古い木桶の香。トロミあり。
酸がこってりとしてキュート。
量は飲めないが力があり旨い。
温度が上がると酸が前に出て来る感じ。
「風林火山」中村さんに飲んでみて欲しいタイプ。
☆:3.7↑

No.04:日置桜・純米燗にごり“山田錦&八反錦”:燗
ミルキーなイメージ。これも重すぎず、
ライトなにごり感で、
例えば「大雪渓」の濃い濁酒の燗酒と比べると、
甘濃い雰囲気がなく、食中に行き易い感覚。
「大雪渓」は「大雪渓」で良いし、良い逆対象のイメージ。
元々は日本酒度+8あたりだったそうだけれど、
瓶内熟成されたのか+15であったそう。
☆:3.7↑

No.05:日置桜・純米生“山田錦”16BY:燗
常温熟成。
キレイに熟れてまとまっているもの。
旨い。すごく好みの熟れ加減。ドライ感が、
含んだ旨味のラストにだけキッチリ仕事を果たし、
バランス良く美味しい。
☆:3.8

No.06:日置桜・純米吟醸“伝承強力”:燗
バランスが良い。麦芽っぽい。
単純に燗酒として臭くなく、
常に綺麗で持ち上げて来る印象。
熟成酒の燗ではなく、燗酒としての香の立ちあがり。
☆:3.8

No.07:辨天娘・純米吟醸10番娘“山田錦”18BY:燗
浅い香。甘、ドライ、グレンアルビン、
ややセメダイン的な香+アルファ。
県性の差をすごく感じる。
長野にこう言った燗酒はないんじゃないかなぁ。
6号酵母&7号酵母。
☆:3.5

No.08:辨天娘・純米7番娘“五百万石”19BY:燗
ほっくり米の香。燗酒らしい。辛く米口の甘さがあり、
バランス良く、料理に良い。見事に酒らしい香が鼻に抜けて届く。
☆:3.6

No.09:辨天娘・純米槽汲生原酒あらばしり“若桜町産玉栄”:燗
好みからして薄く感じてしまう。
まったりと進行して来る時間軸、もう少し盛り上がりが欲しいかも。
スイスイッと入って来てくれるんだけども。
☆:3.6↓

No.10:鷹勇・純米吟醸なかだれ“山田錦・玉栄”:燗
薄く感じるが、後から味わいが伸びて来る。
芯の強さがしっかりあり、持ち上げる。
Ykさん向き、味の安定感高い。
☆:3.6

No.11:鷹勇・純米辛口“山田錦・玉栄”:燗
パイン系の立ち香。
味わいがグッと持ち上がって美味しいのだけれど、
燗上がりのイメージではなくて、
ベースのお酒が温まっただけに感じる。
余韻は苦味の残る感覚。食べ物と一緒に、かな。
☆:3.6

No.12:鷹勇・純米にごり“山田錦”:冷
イカをプラスチックで固めた様な。
蟹甲羅の青臭さにも似た感じ。
ライトバランス。サッパリとしている。
含み味ならば☆3.6、香と渋味の残りは苦手なタイプ。
☆:

No.13:いなたひめ・良燗純米3年熟成“玉栄”:燗
苦手な匂い。納豆の乾いた後の様な。
そのままねっとりした味香。
個性ある雰囲気、この匂いは逆に特性。
合う酒肴で攻めると匂いこそが利点。17BYとのこと。
☆:3.4

No.14:いなたひめ・純米14BY“強力”:冷
更に納豆と味噌漬けの香。苦く蜜感。
完成体の熟れ方。何年ものだろうか。
(14BYは後に蔵元さんに聞きました)
トロミの舌触りに熟し酒のフレーバーが絡み付き、美味しい。
ラストにココアの様な甘みも残る。
☆:3.8↑

No.15:いなたひめ・純米吟醸“強力”:冷
美味しい。良い酒。バランス良く明るく、
これまでの「いなたひめ」のお酒の流れからは、
想像できない良く見受けられる清酒らしい味わい。
上手に綺麗に醸してあって、甘く、スゥッと締める。
☆:3.8↓

No.16:千代むすび・完熟純米“山田錦・五百万石”3~4年熟成:燗
安定の甘味、丸み、美味しい。
入りは丸いのに、口中~ラストはピリッと締める。
熟れた酒の良い味わい。
☆:3.7

No.17:千代むすび・純米吟醸“強力”2年熟成:燗
カプ系の香を感じる。燗酒で感じるのは珍しいかも。
口にすると、ふわっとメロン系の香がのぼり、
温かさが透ける様で美味しい。
香味の良さが含んで、ポン!と飛び出してくるみたい。
辛味ある余韻も締め括りとして良い。9号酵母。瓶燗火入れ、瓶貯蔵。
☆:3.9

No.18:千代むすび・特別純米“五百万石”:冷
同じく9号系統の雰囲気か。
ややポップでライトテイスト。
丸い芯部が水玉の様にちゃんとあって丸みがあり、
明るさを湛える感じ。
☆:3.6

No.19:達磨正宗・本醸造“熟成3年”・岐阜:燗/冷
燗:古酒らしい。第3段階の古酒。熟れた酒ではなく古酒。
みっしり蜜味あり。
冷:こちらの方が好み。トロミを感じられる。
蜜感、そのトロミがすっと喉を通る感覚。
☆:3.8

No.20:大七・純米・福島:燗/冷
燗:酒らしくチェリーリキュール的な香も。
水を感じる燗で燗酒らしい味わいで
綺麗で辛めの仕上がり。上手。
冷:やや薄く感じてしまう。綺麗過ぎる。
美味しいのだけれど、
この流れの中では物足りなく感じてしまう。
違和感ない入り方は良い。
☆:3.7

No.21:奥播磨・山廃純米・兵庫:燗/冷
燗:酸強い。渋みがあり、もっと温度が高いと好きかも。
少し重みを感じるが、ピリッと締める。
酔いの終盤にはボディのあり方が美味しく響くかも。
冷:こちらの方が今は好み。アルコール味が先行するタイプ。
☆:3.5

No.22:千代の光・もち純米・新潟:燗/冷
燗:ふっくら、そしてリキュール感。甘い香。
冷:とろりとしてバランス良い。やや若く感じる。
☆:3.7

No.23:越乃梅里・特別純米“水穂”・新潟:燗/冷
「コシノウメサト」と読むんですネ。
ずっと「コシノバイリ」と読んでいました。お恥ずかしい。
燗:匂いはアルコール的な感じ。含んで出て来る甘みは素晴らしい。
冷:パイン+セメダイン的な香。燗酒と似た雰囲気。新潟らしい。
☆:3.5↑

No.24:天青・純米“吟望・防空壕貯蔵”・神奈川:燗冷まし
50℃の燗を40℃へ急冷したもの。
燗:おおっ、美味しい!上手にあたたかく、バランス良く柔らかい。
冷:苦、サラッとした雰囲気。日置桜の渋味の話を思い出す。
☆:3.8


蔵元さんが10分~5分間、
各テーブルに在籍して、次のテーブルへ。
日置桜さん、千代むすびさん、いなたひめさんは、
2回、巡って頂きました。
少しずつの時間で、
切れ切れになってしまった話もありましたが
面白いお話も聞くことが出来ましたネ。

何でも、
鳥取県は全国的に見ても辛口県と言えるそうです。
日本海の食生活に合わせてか、
瀬戸内の柔らかい魚に対して、
身の締まった魚が多く、
それに合う強みのある酒が多い県勢なのだそうです。

18種類の試飲を終えて思うのは、
ドライであり、ウェットなお酒も根付いている印象。
確かに辛口系のお酒が多いものの、
今回用意された熟成酒は、
しっとりよく熟れていて、熟成酒が根付いた土地柄と思えます。
熟れ酒の旨さ、古酒と発酵モノの取り合わせは、
相性が良いとされていますが、
イカの糀漬けと古酒の匂いにクセのある組み合わせ、
うるめいわしの塩みの苦さを包む熟成酒の燗など、
ひとえに辛口県と言っても、懐の深さを感じますネ。
華やかな香の酒は少ない印象で、
食と合わせて…と言う感覚、
どの蔵元さんも仰っていましたし、
「香の酒は香として良いのだけれど…」と言ったニュアンス。
個人的に食中向きであり、
旨味のある酒が多くて気に入っている滋賀県も、
同様に香より味を重視する感覚があって、
また酒造好適米「玉栄」を扱う数少ない県。
その共通項も面白く感じました。

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中川酒造さんの仕込み水のラベルは、
初めてお見受けするタイプのラベルでした。

表題には、
「食品開発研究所 酒づくり科」とあり、
醸造用水の分析表となっています。
「臭気及び味」の項目には「味きれい」と。
なるほど。
こうして検査を通して、
醸造用水として使われているのですネ。

出展番号12番、
「鷹勇」のにごり酒。
これ、加水したもの…なのですネ。
「薄い」と思って飲んでいましたが、
加水による薄さがあった様子。
それはまた新しいアプローチにも感じました。
あらばしりに近い滓酒の感覚。
近年の「夏の酒」に、
“味わいで夏に合う酒を表現したもの”と、
“加水して爽やかさを狙うもの”と2パターンあり、
それぞれの個性が興味深く良いものですが、
どぶろく系ほど、米粒が見えるほど濃いもの、
大吟醸にごり系、うすにごり系に加え、
更に加水して味わいの幅を広げる…
…ことは面白いかな、と。
12番自体は自身の好みとは合わなかったけれど、
合わなかったと言う事は、
他の誰かのベスト!である可能性もあり、
どうなるか…ですネ。
また、
「鷹勇」、火入れ酒は1年ちょっと熟成して、
販売しているのは知っていたのですが、
安定した味わいだったので、
お酒をブレンドしていると考えていたんですネ。
聞いてみると、
“そう言うお蔵さんもいるそうですが、していません”とのこと。
なるほど。
ブレンドもまた技術、
それもアリと思っていたのですが、
「鷹勇」はブレンドなしの熟成で勝負している様です。

「辨天娘」
何番娘と付くのは、
仕込み何号に通じるのだそうです。
全量木槽搾りの蔵とのこと。
袋搾りも行わないそうです。
木槽、2泊3日くらい搾り切るのにかかるはず。
ともすれば、
醸造計画に余裕を持つか、
しっかり決めて、その通りに進まないと、
木槽の順番待ちもあり得るのではないでしょうか。
その木槽へのこだわり、素晴らしいデス。

「いなたひめ」
2周目に回ってきた時、
まず「どの酒肴が良かったです?」と聞かれたのが、
実に印象的でした。
僕らは蔵元さんに実際お会いするチャンス、
蔵元さんからすれば、
きっと生の声を聞いたり出来るチャンスなのかも。
各テーブルでリサーチされた様子で、
イカの醤油漬け、糀付け、とうふちくわに分かれると聞いた様な。
今回用意されたお酒、
熟成酒が特に今後も気になる出来でした。
名前、バッチリ覚えた蔵元さんでした。

どなたから聞いたかが、
確かな記憶でなくていけませんが、
おそらくは、
「千代むすび」の岡空社長さんに聞いたお話の中で、
「古酒は3段階ある」…と言う表現には、
確かに頷くものがありました。
新酒の段階、出来たお酒をお酒の1段階目とした上で、
それ以降の熟成が2段階目。
更にもう1段、
今回で言えば「達磨正宗」の様な、超濃密な風合が第3段階。
日本酒のオールドボトルを飲んでみても、
10年以上経過していても、
第2段階で留まっているものも少なくないです。
第3段階に移行すれば美味しいか…と言う事もなく、
また年数でも「必ず旨い」と言う方程式がなく、
古酒、熟成酒の浪漫を感じずにはいられない言葉でした。
その3段階の中のどれを良しとするかは、
蔵元さんが僕らに与えてくれる楽しみのひとつ、ですネ。

特に面白いお話を聞けたのは「日置桜」さんでした。
すごく考えて造っているタイプに思え、
また色んな情報を色んな所から得ようとしている雰囲気。
酸は腐敗、苦&渋は毒として人間は感じやすく、
特に「苦&渋」について、
子供がそれらを避けるのは本能的なもの、
大人になって、「苦&渋」を受け入れる様になるのは、
ストレスが影響しているらしい…
…なんて言うのは、つい先日テレビで放映していた事だそうです。
“新酒の状態で渋い酒が燗に向く”と思うそうです。
酸高く、アミノ酸低く、日本酒度が切れるもの。
前述した「鳥取は辛口酒の多い県」のお話も、
「日置桜」さんの言葉で、
いやはや隣にいるだけで勉強になる方でした。

蔵元の皆様、ありがとうございました!


【 アンケート結果発表 】

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恒例アンケート結果は写真の通り。

【 Q1:燗酒の中で良かったもの 】

1位:千代むすび・完熟純米“山田錦・五百万石”3~4年熟成
2位:日置桜・純米燗にごり“山田錦&八反錦”
3位:日置桜・純米生“山田錦”16BY

【 Q2:出品酒全体の中で良かったもの 】

1位:千代むすび・完熟純米“山田錦・五百万石”3~4年熟成
2位:鷹勇・純米吟醸なかだれ
2位:千代むすび・純米吟醸“強力”2年熟成
3位:日置桜・純米生“山田錦”16BY
3位:千代むすび・特別純米“五百万石”

自分は【Q1】で全体2位の「千代むすび」の「純米吟醸」、
【Q2】では燗酒以外を選ぼうと思い、
「いなたひめ・純米14BY“強力”」をセレクトしました。

小山商店セレクトのお酒以外は、
燗酒は燗酒のみ…と言う体で執り行われたため、
「それが冷だったら?燗だったら?」
…これを試せなかったのは、やや心残りではありましたが、
それでも3時間を非常に楽しく過ごす事が出来ました!
小山商店様、蔵元様、世話人の方々、
自分の座ったテーブルの世話人であったさくらさんにも、
たいへんお世話になりました!
そして、同席して下さった方にも感謝です!


次回は4月19日!
アウラホールで開かれる大大会!
今から非常に楽しみデス!

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2009年2月17日 (火)

重なり合う星々のモルト、包み込む穏やかな闇夜(2008年8月9日・WaterLoo)


夏に出会ったから、思い浮かべるのは空なのか。

星空であるのは何故だろう。

見つけたその星の奥に星がある。

その星の奥に星がある。

浮かび上がる星は想像も及ばない距離遠く、
強く光るもの弱く光るもの、
折り重なって瞬いているのだと言う。

見上げた夜空に吸い込まれると言う。

思い浮かべるロングモーンのイメージは、

吸い込まれて行く、自分。


2008年8月9日、
ガネーシャ、厨十兵衛と進んで来た飲みの楽しみ、
終着駅に「WaterLoo」の階段を登りました。

夏の季節、スイカが好きなYkさんは、
hoshiさんの造るスイカのソルティドッグをお願いし、
僕は同じくフレッシュフルーツのカクテルの中から、
桃のショートカクテルをお願いしました。

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桃の甘く優しい香、大好きです。
僕は期待していた桃の香を味わう事ができ…
それはYkさんも同じようで、
以前飲んで美味しかった記憶に沿い、
「飲みたい」と思っていたスイカのソルティドッグに笑顔。

この頃、バックバーに並んだばかりの、
あるシングルモルト・ウィスキーをブログで知り、
興味を持って向かいました。
スリーリバーズ社の“THE LIFE”シリーズ、
その第5弾となるもの。
以前に第4弾のロングモーンを、
ここ「WaterLoo」で楽しんでいて、
今回もそれに引き続き…と言った思い。

【 LONGMORN / THREERIVERS"THE LIFE" 1975 】

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前回、第4弾は眠りの表情を映したボトルデザインでしたが、
今回は恋人たちの安息…に見えます。

トップノート、
甘く、桃の様で、また洋ナシの様で、なんて広大。
世界が広がる、星夜、風吹く草原に遠い空、
甘くきらびやかに伸びて、
星の光は目に騒々しくなく、
光れども、ささめくその光を浴びる喜びを思える。
人工的な光でなくきらめきであり、
あぁ、ささやかな幸せの光。
どこか洋ナシのようなメロンのような…
深く吸い込むと深い甘さにとろけるような、
アンデスメロンの果皮の様に、
甘い香の優を思い、
けれど、厚味は強過ぎずに「美しい」と思える。
…その“美しい”と言う言葉も、どこか物足りない。
穏やかに可憐な様であって、
幹…と言うか、芯部、青々として生命力がある感覚。
ほほえむ最愛の人が湛えた陽光、緑の透ける粒子。
細さ、その線が織り合う、重なる、
瞬く星の奥に星があり、繰り返して行く。
繰り返す光を表現する、
なんと美しく綺麗な香だろうか。

口にしてみると、
思いの外、樽からと思われる風合が広がる。
木の幹にかじりついたような力強さがあり、
美しさと星々の折り重なりから、
大地を意識させる織り合わせ。
土臭い大地ではなく、それはどこか幻想的で絵画的。
フィニッシュには、
クリーム系の余韻、林檎系の余韻が存在し、
味わいの流れから、
爽やかさ…それこそ洋ナシのそれが持つように、
甘くも爽やかに融けていく。
前回、第4弾とはまた違ったイメージを描かせてくれます。

優しくもあたたかいイメージは、
コルクが冷えない、
触れるとぬくもりがある様に感じられるそれに似て、
すごく穏やかで味わいの中に味わいを拾う感覚。

ボトルに描かれる恋人たちのそれは、

僕には、

愛情と呼ばれるもの以上の、

たゆまない安息と感謝、

その幸せが描かれているのだろう―――…

…――と、モルトを通して思えた夏の夜。

優しいそのとまり木に、

たゆたう時間に、感謝。

手、繋ぐ、ある日の向こう。

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