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2009年10月30日 (金)

だいたい23000歩の軌跡とワイン…(前編)(2009年10月25日・塩尻ワイナリーフェスタ)


「塩尻ワイナリーフェスタ」に参加して来ました。
( http://www.city.shiojiri.nagano.jp/ctg/451018/451018.html )
10月24日、25日の両日で3300人の参加があったそうです。

【 当日の移動 】

自宅             ←今回ここから

広丘駅

塩尻駅

塩尻駅前ワインステーション

サントリー塩尻ワイナリー

城戸ワイナリー

メルシャン勝沼ワイナリー塩尻分所  ←ここまで

イヅツワイン

林農園(五一ワイン)

信濃ワイン

JA塩尻市ワイン工場

塩尻駅

広丘駅

自宅


乗り気だったか乗り気でなかったかと考えると、
強いて言えば、
“そんなに期待していなかった”が正解だと思う。
Ykさんと楽しむ休日にはいつも期待している。
イベントに参加を決め、
日が近付くに連れて、
そこそこに楽しみにはなって行くのだけれど、
されど、ワイン…と思う自分に変わりがない。

参加してみて、
どれか1本でも「美味しいなぁ」って思えたら良いよなぁ…って考えていた。
おいおい、6ワイナリーを巡るのに、
それってかなり失礼な見解じゃあないか。
でも、それでも…だ。
ワインに基本的に興味がない自分にとって、
正直な気持ちだった。


開始時刻は午前10時から。
直前、9時57分に到着する電車は、かなり混み合っていた。
「この人たちがみんなワイナリーフェスタに行くのかなぁ」と話す。
そんなに賑わうものなのか?
参加した事がないイベントに、
人の流れが全く想像できないでいた。

今回は僕とYkさん、
そしてYkさんのお母さんと共にウォーキングをしながら、
ワイナリーを巡る事になりました。
前日もウォーキングイベントに参加して、
30000歩を歩いたお母さんの健脚は実に素晴らしい。
僕は週末だけだけれど、
Ykさんは日々、スカイパークの自然を歩いていて、
ウォーキングの楽しさを知っているからこそ、
今回のイベントは、
ワイナリー巡りはもちろんのこと、
塩尻を歩く事もとても楽しみでした。

塩尻駅を降りてコンコースから見えた、
塩尻駅東口特設「ワインステーション」の光景。
もうすでに賑わいを見せている。

Cimg7317

何だかとてもワクワクして来ました。
美味しいワインを知る事が出来るかも知れない。
この賑わい、人気、それは人を魅了している証。
自分ももっと期待して臨んでも良いかも知れない。
Ykさんの手をグイグイと引いて、階下へ降りていきます。

【 オリジナル漆ワイングラス“桔梗ヶ原の風” 】

Cimg7318

昨年のグラスに比べると、
デザインもスマートに、
柄の“つくり”もしっかりしたものに感じます。
(昨年のグラスは、Ykさんのお母さんに見せてもらいました)
これに塩尻で育まれたワインを注いでもらい、
味わって行こう…と言う趣旨。

【 ワインステーション:ウェルカムワイン 】

Cimg7320

信州蕎麦や洋食的な出展もある塩尻駅東口ワインステーション。
ここで始めに僕らを出迎えてくれたのは、
樽に詰められたウェルカムワインでした。
子供の頃から馴染み深い葡萄品種「ナイアガラ」の白ワイン、
そして、「コンコード」を使った赤ワインもありました。

Cimg7321

こうしてコックをひねって、ワインを注ぎます。

Cimg7322

更にはコンコードのジュースもありました。
強い糖度とねっとりした酸味を感じ、それがまた美味しい。

ご飯は出掛けにしっかり食べてきた事もあり、
僕らは身体を動かす気満々で、
早速、ウォーキングとワイナリー巡りに出掛ける事にします。

まずは駅の西側にやって来ました。

Cimg7324

今回参加のワイナリーの中で、
駅から歩いて直ぐの「サントリー塩尻ワイナリー」と、
やや離れた「Kidoワイナリー」においては、
シャトルバスが運行されません。
他のイヅツ&五一ワイン、信濃ワイン、
JA塩尻市ワイン工場までは、
塩尻駅までを周遊するシャトルバスが運行され、
移動の便を手伝っています。

この看板はウォーキングルートを示すものでもあり、
矢印に従って進みます。
地図を眺めた時、
“塩尻駅の直ぐ近くにサントリーのワイナリーがあるだなんて!”
…と驚きました。
全く知らずにいました。
塩尻市の日本酒の蔵なら、
すらすらと場所を言えるのに、
駅前の事すら僕は全く知らなかったのです。

Cimg7325

駅の西側を歩いて行きます。
天候は曇り。
…とは言え、ほのかに日は出ていて、
涼しすぎる事もありません。
翌日の月曜日は1日中雨であった事もあり、
ちょうど良い天候が維持されていて、
ウォーキングには適していたと思います。

Cimg7326

続く壁伝い…
角を曲がるとワイナリーの入り口。
ホームページには「徒歩3分」とあります。
「近い」と言うより「駅隣り」です。

Cimg7327

入り口に置いてあったもの。
どう見てもポットスチルに見えるのですが。
ウィスキー…と一瞬ひらめくのですが、
おそらくはブランデーやグラッパの蒸留に
使われるものではないでしょうか。

Cimg7329

更に、小型の蒸留器もありました。
ブランデーの蒸留に使われていたものだそうです。

【 SUNTORY・塩尻ワイナリー 】
( http://www.suntory.co.jp/wine/shiojiri/index.html )

Cimg7328

早速、ワインの試飲をさせて頂きます。

【 信州マスカット・ベーリーA:2008 】

Cimg7331

「サントリー塩尻ワイナリー」、
無料で試飲させてもらったボトルは、
この「マスカット・ベーリーA」と言う赤ワインでした。
おおよそ既知の「ワイン」と言う飲み物に対する味わいに近い…
…けれど、
どこか馴染む美味しさも感じます。
以前は、「やっぱり無理だ」と思う事が多かったのだけれど。

建物内では、有料試飲が行われていました。
こう言う時こそ飲んでみなくちゃ!

【 信州シャルドネ:2007 】

Cimg7333

「シャルドネ」と言う葡萄品種は聞いたことがありますネ。
ここでの試飲は100円~300円と言う安価なもの。
ここも既知の白ワインに近い感覚です。
クリアであるからこそ渋味を拾ってしまいがちで、
ほの甘さも感じるには感じるのですが、
自分自身の答えと味覚の比較の中で、活きて感じられない。
ドライさにも日本酒とは違い、
果実感に近いウェットさも同居して存在しますネ。

【 信州マスカット・ベーリーA:樽熟成2005 】

Cimg7335

無料試飲できたものが「2008年」のもの。
より熟成されたボトルでした。
なるほど、2008年を「若い」と言えば良いのか、
味の要素が格段に違う。多く感じます。
複雑さがあり、ワインそのものから力を感じます。
味わいに醍醐味がある…と言うか、
飲み込む瞬間の喉が押し迫る感覚、
また歯茎に入って来る、
もしくは残るその時の味わいにも色があり、
2008年よりもずっと気に入りました。

【 メルロー:2002ブランデー樽熟成 】

Cimg7336

どちらかと言えばスモーク…いや、燻製と言うより、
本当に灰をかぶった香と言うか、
“灰かぶり”とも呼ばれる灰焼きのおやきの、
粉の香を抜いた呼気に等しいと言うか、
ワインの香よりずっと灰の香を拾います。実に面白い。
それが下卑た香ではなく、
灰に違いはないけれど、圧力感もあるけれど、
トゥシューズでつま先立ちするような緊張感を持って、
香が存在しています。不思議です。
これまで経験した事がない類。
灰の奥に果実の香がしっとり存在しているからこそ、不思議。

味わいは圧力感が強く感じられます。
“ドーン……”と銅鑼を叩く様な衝撃音。
その後の余韻も反響の中に存在する感覚。
レバーペーストの様な強い風味に合わせたいと思いました。
香り高い香草焼きの類ではなく、
もっと肉々しい料理に美味しそうです。

このメルロー、商品化していないボトル。
この「ワイナリーフェスタ」限定の試飲でした。
故に手に入れることはできませんが、
「欲しいな」と感じさせました。

Cimg7337

木々が多い敷地内。
徐々に来場者さんも増え始めていました。
ゆっくりワインを堪能されるのも、また楽しみ方かな…
…そんな風に思います。
自由度が高く、
Ykさんとも話したのですが、
この「サントリー塩尻ワイナリー」で1日を過ごしても良いし、
歩いたり、シャトルバスに乗ったりだって良い訳で、
イベントがワインを楽しむ事はもちろんのこと、
ワインを主軸にして、
1日を楽しむ…そんな風に感じられました。
良い余暇であるなぁ、と。

Cimg7338

イベントマップに書かれている、
「ウォーキングコース」に従って南方に進路を取ります。
正直、塩尻駅界隈は日常で近付く事がほとんどなくて、
「Kidoワイナリー」までの道がサッパリ分かりません。
けれど、
同じくして「Kidoワイナリー」に向かう方々の背中、
与えられた地図を頼りに進みます。
こうしたイベントだからこそ、前を行く誰かしらがいて、
その誰彼が心強いです。

【 市史跡・平出一里塚 】

Cimg7339

途中、見事な松を拝見しました。
平出遺跡の隣の道。


【 Kidoワイナリー 】
( http://www6.plala.or.jp/kidowinery/ )

Cimg7340

30分ほどでしょうか。
歩いた先に「Kidoワイナリー」がありました。

Cimg7341

試飲はこちらのウェルカムハウスで行われていました。
なるほど、
この後方にワイナリー本拠がある訳ですが、
小規模である様子。
試飲ブースもレジカウンターを含めても、
6畳ほどの空間でした。
続々と人が集まり、列を成していました。
離れた場所にあるとは言え、人気のようです。

Cimg7343

3種類の有料試飲の中から、2種類を選びました。

Kidoワイン・プレミアム・シャルドネ2008、
Kidoワイン・プライベートリザーブ・メルロー2007、

シャルドネは200円、メルロー2007年は400円。
もう1種類はメルローの2008年が200円にて。

総試飲点数、経験数が少ないと、
こうも自己分類上に差がないのか。
シャルドネはおおよそがサントリーのシャルドネと同じ印象。
滑らかさに差がある印象です。
どうも辛口とされる白ワインは苦手…
…と思いはするけれど、
そうして決め付けてしまう事こそが勿体無いですネ。
メルロー2007年は、とても美味しく頂くことが出来ました。
何を以って美味しいと言うか…
その基準さえ僕の中では確かでないけれど、
「また飲みたいなぁ」と思えるものでした。
故に「美味しい」と思う。

複雑さ…
口中の温度の差、一口目と二口目、
はたまた水で口の中をすすいだ後の一口目…
出会える味わいが多い。
同じく醸造酒「日本酒」にとっても、
“よくあること”ですが、
温度や飲み口によって表情を変え、
美味しさの表現が1杯のグラスの中に、
幾重にも秘められていて、
美味しさに出会える喜びがあります。
噛み締める様な…
これは渋味の在り方が美味しいのかも知れませんが、
故に、見せる表情全てに良い感触を得ます。

Cimg7344

ワイナリーの庭には、
幾種類もの葡萄の木が生えていました。
写真はメルロー。
先程美味しかったボトルの原型です。

Cimg7345

こちらはシャルドネの木。

葡萄がワインに成熟する…
…そう思うと、
この葡萄を見る、自身の目にも
変化を感じないではいられません。

ワイナリー同士の位置関係から言えば、
「Kidoワイナリー」から出て、
国道沿いに進めば、
最寄の「イヅツワイン」に辿り着く事が出来ますが、
地図にあるウォーキングコースは、
農道を歩いて行くものでした。
せっかくなので、
ガイドマップに従って進んで行きます。
「Kidoワイナリー」に向かう途中と違い、
こちらのウォーキングコースでは、
あまり人と出会う事がなく、ちょっと寂しい感じ。
よく晴れて空が高ければ、
そうした場所でも気持ち良かったんだろう…とは思います。
前に男性がひとり、
後ろはずっと誰もいない。
そんな中でしばらく歩いた先に辿り着いたのは、
「メルシャン・勝沼ワイナリー塩尻分場」でした。

【 メルシャン・勝沼ワイナリー塩尻分場 】

Cimg7347

「塩尻ワイナリーフェスタ」時のみの特別公開だそうです。
貯蔵庫の見学が出来ましたが、
現在は貯蔵庫としての機能も果たされておらず、
ただ存在するのみ…なのだそうです。

Cimg7349

一時代古く感じる佇まいです。
これは貯蔵庫に通じる家屋。

Cimg7356

建物に隣接するカタチで、
貯蔵庫の屋根が地面から生えている様に見えます。
半地下状に建てられていて、
地上からは長く続く屋根だけが見え、
これが貯蔵庫であると言う事は、一見して分かりませんでした。

Cimg7350

入り口には「メルシャン」の前身、
「三楽オーシャン」の看板が残っていました。

「摩幌美」の「モルトの会ツアー」で旅をした、
「メルシャン軽井沢蒸留所」にて知る事になった、
「メルシャン」と「三楽」「オーシャンウィスキー」などの関係。

「 軽井沢よ、君はこのまま眠ってしまうのか 」
( http://sake-soja.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/2009720-4d0d.html )

「メルシャン」への社名変更は1990年。
1962年から社名を「三楽オーシャン」とし、
1985年に「三楽」と変更。
つまり、1962年から1985年までの間に掲げられた看板と言う事になります。

「メルシャン」のホームページを見ると、
1989年に、
「シャトー・メルシャン:信州桔梗ヶ原メルロー」を発売とあります。
「桔梗ヶ原」とは、
まさに今僕らが立っているこの塩尻の地を指します。

古い看板だけれど、僕は興奮しました。
年表や製品に塩尻の地名があるのは知っていたけれど、
こうして目の当たりにすると、その感動は大きいです。

…もしかすると、
「摩幌美」の酋長は、
ロスト・ディストラリー…閉鎖された蒸留所を研究する時、
スコットランドに取材に行く際、
こうした喜びに似た興奮を味わっているのでしょうか。
そんな事を思い浮かべながら、建物の中に。
雑然と資材が置かれた内部を左手に折れ、
地下に続く坂を通り抜けます。

Cimg7351

狭く細い。
見学を終えた人とすれ違うこともためらう幅です。

Cimg7352

広い。天井は高く広い。
地上から見える屋根からは想像できない空間の広さ、
そして、時代を感じさせる埃っぽさ。
“稼動していない”ことをひしひしと感じます。

7000リットル級の樽が置かれ、
歩く音、声に反響があり、異質な空間。
お酒の匂いはほとんど感じられず、ただ趣を安置しているだけ。

Cimg7355

天井の電灯と樽との間には、
所により蜘蛛の糸が張られ、どこか息苦しくもなります。
秩父蒸留所、メルシャン軽井沢蒸留所の貯蔵庫で感じた、
樽が母なる大地の上に眠っているぬくもり、
静まる生命の香はなく、
ただ、黙して目を閉じるのみ。

地下貯蔵庫内では、
塩尻志学館高等学校の、
「フランスワイン研修発表」の展示も行われていました。
( http://www.nagano-c.ed.jp/kikyo/tokusyoku/france/france.htm )

Cimg7353

昭和18年に果実種類醸造免許を学校が取得し、
ワイン醸造の授業がある高校なのです。
醸造された「KIKYOワイン」は、
文化祭を主として販売されているそうです。
今回は試飲出来ませんでしたが、
1度、試してみたく思いました。


前編はここまで!
続いて、後編になります。

味が分かる分からないはともかくも、
松本平に活きているワインの文化、
面白い…と思い始めていました。

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