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2009年9月27日 (日)

誕生日計画・秋味。(2009年9月12日・料理屋そらのかなた)


喜んでもらいたいから、喜んでもらえる料理屋を選ぶ。

喜んでもらいたいと思うのは、

とてもポジティブな未来計画。


誰にとって何のことはない1日であっても、
僕にとっては特別な日。
9月14日はYkさんの誕生日です。

「Wikipedia」で調べてみると、
9月14日はコスモスの日。
プレゼントにコスモスを添えて交換し、
お互いの愛を確認しあう日…だそうです。
でも誕生花は「マルメロ」「サルビア(紫)」だそうです。

有名人の同日生まれは、
矢沢栄吉、成宮寛貴 、
安達祐美、上戸彩、高橋愛(モーニング娘)、
漫画家だと赤塚不二夫、
アナウンサーだと福澤朗、
声優さんだと松来未祐
プロレスラーだと小島聡……敬称略、などなど。

大町の「北アルプス三蔵呑み歩き」を経て、
早めに松本に戻って来た僕らは、
いつも通り「四柱神社」にお参りをしてから、
「そらのかなた」への階段を上ります。

【 9月12日:土曜日 】

【 料理屋そらのかなた 】

【 キリン・ブラウマイスター樽生 】

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まずは爽やかに夜を迎えるために、「ぷはぁ」と一声。
“大町は楽しかった”…その楽しみを湛えて言い合う笑顔。

次いでお料理、始まります。

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【 焼き茄子のスープ仕立て 】

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茶碗蒸しの形態。

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茄子は見た目に存在しない…
けれど存在感は口にして香にして存分に感じる事が出来ます。
茄子とは水のイメージ、味付けして味が出るイメージで、
そのものに強い味の印象がないはずなのに、
まるで茄子に蜜があるかの様な、
生姜と蜂蜜の相性の良さに似た味わいを感じます。
胃に熱が落ちてくる感覚と、
豊かに誂えた香の美味しさに、今晩のひと時を期待できます。

【 戻り鰹の燻 】

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上の緑は三つ葉。
スモーク香、酸味、塩の旨味。
そして鰹の鰹らしい赤身の味、味の張り。
わずかに苦味を感じる事が特長と思っているそれで釣り上げ、
酸味の鋭利さがバッサリ切り取りすくい取り、
残るは塩と鰹の旨さ、余韻。

【 椀物 】

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【 太刀魚と胡麻豆腐のお吸い物 】

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僕には甘海老、Ykさんには松茸を巻いた太刀魚。
僕は松茸の香をまだ美味しいと思えなくて食べられないので、
甘海老に変えてくれたみたい。ありがたいです。
おダシの香が良いことはこの上なく幸せで、
湯気をめいっぱい吸い込む、飲む前から感じる美味しさ。
太刀魚の香は身のふわりふわり崩れ易く融け易い特色に合う、
魚にしては儚げな霧の様な美味しい香。
柚子の一片がシャンと椀面をクリアな視界に見せ、
あたたかい胡麻豆腐の底辺は、椀全体を大きく感じさせてくれます。
“大味”と言う意味でなく、
椀そのものがひとつの料理たる完成度。

【 山口・東洋美人・純米吟醸“大辛口”“愛山槽垂れ” 】

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Ykさんと相性の良い「東洋美人」が2種、目の前の酒棚に入っていたので、
時間を追って、それぞれ注文してみることに。
どちらもたいへん“らしい”味わい、「東洋美人」たる香の高さ。まとまり。
「大辛口」は寸時、まとまって終わる様な顔をするのだけれど、
じんわりと辛さが伸びて来る感覚。
「愛山」はボリュームが多い感覚。力強い。

【 島根・王禄・純米大吟醸“意宇” 】
【 H18BY・無濾過本生原酒 】

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僕は、「王禄」の「意宇(おう)」を。
やはり本生であるため熟成は進み、
栗や栗落雁の香、ナッツ、含んで洋ナシの様で、
水割りのウィスキーの様な構成にも感じられ、
全体にはやや粘性のある滑らかさ。
味はキレイさを保っている感じ。

【 うすはり大吟醸グラス 】

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それぞれグラスは日本酒用グラスに入れられました。

【 お造里 】

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本日のお造里は、以下の8点と、ちらし寿司。

大トロ、大トロの炙り、赤身、
スズキの酢橘〆、
金目鯛、ヤリイカ、ホタテ、甘エビ。

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「そらのかなた」では、
山葵、直前に摩り下ろされるもので、
辛味が実に柔らかく、ツンとし過ぎない。
瑞々しさと鮮烈さの同居は癖になります。
4月26日以来の「そらのかなた」だったからか、
再確認する美味しさにYkさんは喜んでいました。

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イクラと錦糸玉子のちらし寿司。
ちょっとだけご飯物を入れる事で、
より一層お腹が空くかも。食べているのに。

【 金目鯛とホタテの丸十焼き 】

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金目鯛とホタテは醤油で付け焼きの様にしてあって、
それだけでも焼き香が立ち、
―― 例えるならほら、焼きとうもろこしのああ言った類の香 ――
鯛は鯛の、ホタテはホタテの充実した旨味たる甘味を感じられて、
実に美味しい。
そこに、さつま芋を細かく仕上げて
オーブンで焦げ目を付けた小山の風味は不思議な歯触りと口どけ、
そして香を置いて行ってくれる。
さつま芋の甘さと特にホタテの甘さは想像では相反する感覚なのに、
実際に食べてみると、
食べ物固有の甘さって特色があって、
ホクホクの表面、すっと融けて広がる内面、
そして締まった金目鯛とホタテの身に辿り着く妙味。
見た目は百景の岩山の様であるのに、
その実は実に軽やかな焼き物でした。

【 鱧と松茸の蒸篭 】

今回はYkさんの誕生日と言う事で、
選べる6000円と8000円のコースの中から、8000円を選びました。
一見、高額なコースに見えるのだけれど、
全10品目、平均すれば各個800円と言う事で、
手が届かないほど高額ではないと思います。
晴れの日に程好い価格設定。

2000円増す分の差は、
お刺身の内容とこの一品を増やすこと。
今日は鱧と松茸でした。
ある時はイベリコ豚の蒸し物であったり炙りであったり、
季節毎、それぞれですネ。

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水菜の上に炙った鱧を置き、蒸し上げる。
味付けは塩と酢橘の皿、
ポン酢と七味唐辛子の皿が供され、
食べ比べながら頂くことができます。

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相変わらず松茸を食べられない自分には、
おそらく鱧を一切れ増し。

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Ykさんには松茸増量のサービス。
以前、
「そらのかなた」では、
鱧に乗せる故に梅肉を食べられる様になった経緯があるので、
Ykさんから松茸を一割きもらってみる事にしました。
避け続けて過ごして来て、
口にするのは何年振りでしょうか。

頬張ろうと口を開け…否応なしに鼻に届くあの香。
どこか化粧品臭く感じられる匂いは、やはり苦手でした。
けれど、
張りのある…エリンギや舞茸、
日常出会う木の子類とは別格の強い歯触り、
味の強さは美味しいと思うことが出来ました。
なるほど、珍重される訳だ、と。
Ykさんは松茸を美味しそうに食べていました。
それが何よりです。

【 日本酒カクテル:巨峰 】

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この季節の日本酒カクテルは「巨峰」でした。
生果実と日本酒を合わせたもの。
口当たり良く、アルコールをあまり感じさせないもので、
果実の美味しさも手伝って、
スイッと飲み干してしまいそうになります。

【 自家製うどん:ルッコラシャーベット 】

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定番、自家製のおうどんは相変わらずの強い歯応え、
締まった…コシのある歯触りで非常に美味しいです。
ダシのジュレに絡まり合い、
更にルッコラのシャーベットに加えられた、
ダシと塩気が見た目以上に味わいにも彩を加えます。
やや苦く、ルッコラ特有の胡麻の様な香が凝縮されたシャーベット。
ほんの少しの醤油の味香を遠くに思い浮かべながら、
うどんとダシの協奏を楽しむ。

【 蒸物 】

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コースも終盤。蒸し物です。

【 鯛の里芋蒸し 】

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七味唐辛子の香が、とにかく良い。
シャッキリ全体を持ち上げ、細ネギが味、爽やかさを演出。
全てはふくよかなダシのため、鯛の身の旨さのため、
芋の甘みを強調させるため…そう思える美味しさです。

ゆっくり一品一品味わって進んで酔いの道、
この頃まで来ると、案外お腹はいっぱいになっています。
温かな蒸し物は胃に美味しいと言うか。
満足感はあるのだけれど、まだ食べられる感じがして箸が進みます。

【 木の子と三つ葉、バターの炊き込みご飯 】
 

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そんな訳で更にお食事に進みます。
定番「鯛めし」と選ぶことが出来た炊き込みご飯は、
こちらを選びました。
たっぷりの木の子をあしらった炊き込みご飯。
僕もYkさんも1回ずつお代わりをして、
食べ切れなかった分はお土産で。

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漬け物、そしてほうじ茶と共に楽しむ〆の美学。
そう言えば、
普段の生活で、なかなかお漬け物をおかずの様にして、
(おかずとして、ではなく、おかず然とした口直しとして)
楽しむことは少ないような気がします。
何より、味のあるおかずは世間に溢れておりますし。
この多幸感に満ちていながら味わう時間も美味しく感じます。

【 豆腐と抹茶のティラミス 】

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選べる甘味の中から僕はこれを。
そして、事前に「料理屋そらのかなた」を予約した際に、
Ykさんの誕生日会と言う趣旨を伝えてあったところ、
Ykさんが喜んでくれる様に、
お店側からのプレゼントが。

【 お誕生日おめでとう、Ykさん 】

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甘味盛り合わせ、そして火の灯ったロウソク。
Ykさんには勿論サプライズ演出で用意してもらったので、
「嬉しい」と言う顔が、
自分が「喜ぶだろうな」と思い描いた通りに広がって、
僕としても物凄く嬉しい。

店主であるS原さん、本当にありがとうございました!

そして煎茶を頂き、とても安らかなるため息を。
「料理屋そらのかなた」の夜は過ぎていきました。


そんな1年に1度…の日の2日前。

ここまでは僕としても「してもらう」カタチであって、
あまり「何かした」と言う感覚が実のところ、ない。
美味しい料理、美味しい時間を2人で楽しんだ…そんな感じ。

で。

【 9月13日:日曜日 】

前日の飲みの余波もあって、
いや、たいてい土曜日に飲みに出るから、
日曜日の朝は遅い。
うん、今日までの生活でそれは良く把握している。

最近美味しいと思うケーキ屋さんは?
…と考えると、
塩尻市役所直ぐの「ICHIE(いちえ)」を思い浮かべる。
( http://ichie-ichie.com/ )
1回行って、あまり好みに合わないと感じたケーキ屋さんには、
「ではもう1回」と言うことがあまり無いから、
以降、どうなったかは今のところ知る由が無い自分のデータの中で、
「ここは美味しい」と安心しているお店。

調べてみると、
パティスリーは9時からの開店で、
イートイン&カフェスペースが11時からの開店となっている。

土曜日のある時の会話。

「 Ykさん、明日の朝さ、ちょっとガソリン入れに行ってくるよ 」

嘘だけれど嘘ではない嘘をついた。

「 買い物に行く時に“ついで”で良いんじゃない? 」

ごもっともです。

「 …午後になったりすると国道19号線は混むからさ 」

ガソリンを入れに行くのは本当。
ただし、ガソリンは確かに“ついで”である。
9時を過ぎた頃、静かに僕は家を出た。

「ICHIE」で無事にケーキを購入後、
( ケーキの他にYkさんが好きなプリンも買った )
急ぎ足でガソリンを入れ、家に戻る。
玄関のサムターンを回す音がやけに大きく聞こえる。
このケーキの箱を持った状態を見られる訳には行かない。

事実、「そらのかなた」においては、
前日にYkさんのお母さんの誕生日を「洋食厨房スパイス」で祝っているからこそ、
想像できた範疇だったかも知れない。
そしてまた、
「そらのかなた」のお祝い会で「今年の誕生日は終わり」と思っている…
…と推定、踏まえた上で、
更に会社のある憂鬱な、そして忙しない月曜日の朝に、
こうしたサプライズがあるとは、
なかなか考えにくいものではなかろうか。

失敗する訳にはいかないと思いながらドアを開けると、
起きて洗濯をし始めたYkさんがいた。
パタパタとスリッパが遊ぶ音が聞こえる。

「 ……………!? 」

声にならない悲鳴を上げた。
「ただいま」と言ってはみるも、右手が非常に危機感を覚えている。
もう何を言えば誤魔化せるのかサッパリ思い付かない。
「おかえり~」とYkさん。

「 ガソリンスタンド、意外に混んでいたよ! 」
「 イベントをしていたみたいで、スロットで当たって1円引いてもらったよ! 」

とにかくケーキ以外の話をせねば、と焦る。
あぁ、だがしかし、ケーキは早く冷蔵庫に入れなければ。

「 お家に戻られるまで、どれくらいですか? 」

ケーキ屋さんでは定番のセリフをついさっき聞いた訳だ。
その時に、「もしもの時を考えて長めにしたら良いだろうか?」と、
一瞬浮かんだ虫の音はあった。
もしもの場合は、寸時車の中で待機しておいても良いが…
「いや、しかしたぶん大丈夫だろう」と押し切った。
うむ、その時点で自らの首を絞めていたとは。

とりあえず、冷蔵庫にケーキを入れることにした。

洗濯途中のYkさんは近くにいたけれど、
冷蔵庫に入れる際も目の前にいたけれど、
会話をする時に僕を見ていて、
また洗濯機の動きや他を見ていて、
特に冷蔵庫に何を入れたか…まで、きちんと見ていなかったらしい。

その後、
昼ご飯は僕が造り、夕ご飯は、あえて外食にした。
冷蔵庫を開けてもらう訳にはいかない。
一応、4合瓶の酒瓶を横に倒し、
その奥にケーキを追いやって隠してはいるのだが、
怪しい箱があるにはある。

そんな感じで9月13日を終えた。

【 9月14日:月曜日 】

朝ごはんの用意が全て済んだ所で、
何気なくケーキの箱を取り出し、
ハート型のロウソクを差す。
我が家にライターはないから、コンロでロウソクに火を灯す。

Cimg6983

火を吹き消してもらったケーキ。
お皿は松本の飲みの場で出会う、Y岸さん夫妻に頂いたもの。
重宝しています。
後方には朝ごはん前なのでお味噌汁が。

やりきることに精一杯で、
ちゃんとYkさんの顔を見ていなかったかも知れない。
ロウソクのロウがケーキに落ちては一大事だし。
吹き消してもらう時も、火の事ばかり気にしていたし。
でもたぶん、きっと喜んでくれたはず。

そんなYkさんの誕生日当日の朝。

喜んでもらえたなら、
それが、とても良かったと思う。

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コメント

 Ykさんのお誕生日、おめでとうございます。どおりで先日お会いした時もラブラブの最中だったのですね。

 「そらのかなた」はボクらも何かイベントがあるときによく使います。次回は3月に結婚15周年のお祝いをする予定です。

 最近お店に行ってないので、様子がわかって助かりました。ますます行く気になってます。早く3月が来ないかなぁ。(笑)
 
 ちなみに先日の十兵衛は、ボクの誕生祝い(10/1)でもあったんですよ。あ、どうでもいいことですね。
 
 では。

 

投稿: ゴマ@日の出工房 | 2009年9月30日 (水) 00時38分

あの日は…
面白いぐらいに飲み計画がズレた日でしたネ~w
お話した通りに、
ガネーシャで「逃走中」を見始めたら、
止まらなくなり2時間楽しんだ後でした。

お誕生日が10月1日とは何と素晴らしい事でしょうか!
10月1日は「日本酒の日」です!
( http://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/drink/00117.html )

おめでとうございますー!!
先日も、そして明日も、是非日本酒で楽しんでくださいませ~!!

投稿: SOJA | 2009年9月30日 (水) 10時18分

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