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2009年1月29日 (木)

酒に端境期はない(2008年7月30日・よよぎ)


蕎麦じゃねぇし。

「 夏に燗酒、生酒は美味しくない 」

「 冬に冷酒は美味しくない 」

そんなことはないと思う。


【 よよぎ 】

定番、平日飲み。
たいてい常連さんが誰かしらいるものだけれど、
この日はしばらくひとり。

【 和歌山・超久・純米吟醸氷室貯蔵生15BY 】

Cimg3349_2

メニュウを見て思わずお願いしたのは、
和歌山の「超久」でした。
「15BY」は醸造年度を表すもので、
平成21年の今、
平成20年から造り平成21年春あたりで醸造期間が終わるので、
「20BY」と表します。
4-5年前にお酒として生まれ、
「超久」蔵の氷室に非加熱のまま熟成されたお酒…と言う訳。
BYは「Brewery Year」の略で、
ワイン、ビールなどでは「平成」と言う日本的な年号表記はないから、
「2008BY」と書かれていたりしますよネ。

Cimg3351

熟成によって、少し色付いています。
綺麗な木樽を想像させる香。
お酒本来の香と、
もしかすると「よよぎ」で長年使われている、
枡の匂いもあるのかも知れません。
飲むと、舌に優雅に感じられる糖が、波紋に乗ってほどけて行く印象。
スゥっと始まり、酸とアルコール、刺激に近しい存在が、
キュッと締め括る。
全体を引き締め、味を残すのだけれど、残し過ぎずに良い心地。
良い熟成を経ているお酒でした。美味しい。
東京・小山商店「多摩独酌会」でも目にすることが多い「超久」、
こうした熟成を念頭に置いた酒造りをしていますよネ。
ゆえに秀でるものも多いのかも。

【 和風カルパッチョ 】

Cimg3352

この日は「洋風」も出来たそうデス。
大将の畑のフレッシュ・バジルをもいでくれるみたい。
相変わらずボリュームいっぱいで食感も色々あって、
野菜は瑞々しくて大好きなメニュウ。

「超久」をゆっくり楽しみながら、
もう1品お願いしたのは、シンプルながらに美味しい“砂肝”の料理。

Cimg3353

手早く炒めて、熱々の所を頂きます。

【 砂肝と長葱の塩炒め 】

Cimg3354

実にシンプルなのですが、旨い。
油の美味しさを引き出す中華系炒めではなく、
よく出て来ているのは長葱の甘さ。
甘さを引き出したのは塩。
そして砂肝の食感は強い弾力に支えられ、
噛むとやはり塩によって引き出された肉の旨味。
大将のこの料理、好きなんです。
「熱いうちに食べ切らなきゃ!」
…と思うも何も、
冷める前に自然に食べ切らせてくれる美味しさ。

【 熊本・千代の園・純米生酒“山田錦”本流九号 】

Cimg3355

そしてもう1種、お願いしたのはこちら。
「どうかな」と思いながらお願いします。
この時からさかのぼる3ヶ月前、
5月に飲んだ時は、あまり良い印象ではなくて。
美味しいのだけれど好みではないなぁ…と思っていたボトル。
けれど「本流九号」の品質を思うと
飲んでみたい気持ちになってお願いします。
すると、なんとメリハリのある、桃色の気配漂う香。
硬く伸びにくい質から、キュートにポップにまとまった感覚。
メロンやバナナの系統の香が立ち上がります。
美味しい。春先に比べて力が抜けた感覚でした。

酒に端境期はないなって思います。
逆にいつだって旬と言うこともないのかな…と思います。
強いて言うのであれば、
自分の好みに合う瞬間が旬と呼べるのではないでしょうか。
食材に旬があることに近しく酒は生き物で、
美味しさは変化していくし、
飲み手である自分の環境、
夏なら夏で冬なら冬で、美味しいお酒があるのだろうし。

熟成を考えて蔵出しされた酒を飲み、
夏に掛けて変化して来た…熟れ始めた酒を飲み、
その時その時に美味しさを感じられること、
飲みにも四季があらぁな。
難しいのは酒毎に旬の移り変わりはある訳で、
分からないけれど、分からないからって落ち込むことはなく、
色んな角度から酒の美味しさを見つけ出せたなら、
楽しいのだろう…と考え始めています。

旬を逃すな!

…―――ではなくて、

酒との出会いを楽しんで行こうぜ!

…ってコトではないですかねぇ。
熟れるも熟れねぇも酒が悪い訳じゃあるめえし。
そんな美味しさに出会える自分でありたい。

…常々思うそんな思いをまた思う夜。

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