« 2008年10月5日 - 2008年10月11日 | トップページ | 2008年10月19日 - 2008年10月25日 »

2008年10月12日 - 2008年10月18日

2008年10月17日 (金)

第138回モルトウィスキーを楽しむ会スペシャル(2008年10月11日・pub.摩幌美)


特別企画「 Ballantine'sを極める 」

Cimg3871


楽しそうだった。

僕もとても楽しかった。

なんて素晴らしいこと。

バランタインを極める。

その向こうに、ウィスキーを楽しむこと、その光。

楽しむ笑顔は、
まるで写真のそれの様に、
楽しさを切り出して思いに残る。


僕が「摩幌美」に足を運ぶようになったのは、
それなりに最近のことで、
酋長に出会ってから、まだ1年経っていないんだな――…と思うと、
何だか不思議な感覚です。

毎年11月にソサエティの会があり、
それはもちろん今年もあり、
その1ヵ月前の10月は、“企画モノ”…
いつもの「モルトの会」よりも、
スペシャルな会を開く…そんな毎年なのだそうです。

今回は「バランタインを極める」と題され、
バランタイン製品を支える7種類のモルトが用意されました。

Cimg3876

会の中で提供された「ロイヤルブルー12年」には、
50種のモルトウィスキーと、
3種のグレーンウィスキーがブレンドされている…と言われているそうです。
他の「17年」であったり、「ファイネスト」であったりも、
何十種類もの原酒を合わせて、ボトリングされています。

7種類のモルトは、
「魔法の七柱」と謳われているとのこと。
スキャパ、プルトニー、バルブレア、グレンカダム、
グレンバーギ、ミルトンダフ、アードベッグの7種類。
そして、ダンバートン・グレーン蒸留所で造られる、
グレーンウィスキーがその味わいの中核を為しているのだそうです。
今回はダンバートンではなく、
インバーゴードンのグレン・ウィスキーが用意されました。
調べてみると、
そもそもがバランタイン用のグレーン・ウィスキーなので、
市場に出回ることが滅多にないのですネ。

並べられたものを、
まずそれぞれテイスティングしてみる事にしました。

【 Ballantine's age 12 years 】

Cimg3887

ブレンドらしい。
スキッとしていて、ダレた気配がなく、味ノリの良い具合。
バランスどうこう言うよりも、
ロックを含めてみても、
万能な味の良さがありそう。

【 GLENCADAM / G&M CONNOISSEURS CHOICE 1987 Bottled 2007 】

Cimg3882

青リンゴのシャキッとした雰囲気、トップノート。
熟成感による濃度より、まろやかさより、
シルキー、繊細な部分が活きている印象。
元気で綺麗に。
メリハリがある前半。
後半もキレが良いが、まとまるまろやかさを残す。

【 BALBLAIR / G&M aged 10 years 】

Cimg3883

乳酸。酸い味の香。
味がある。
大人しい風格だけれど、
濃さがしっかりとしていて、強く旨い。
飲んでいて、
次から次へと、軽い雰囲気から、
段々と奥へ深くなって行って終盤までに強く広がる。
気軽に飲む事ができ、
味重視で、色んな味わいの楽しさに出会えそう。

【 SCAPA / Official aged 14 years 】

Cimg3884

若く美しい。
癖のない、シャキッとした透明感があるタイプのトップノート。
旨味がある味に、常に良い香が追随してきて綺麗。
強い個性ではなく、
ほんのりとして朗らかな花のニュアンス。

以前飲んだときとあまりにも印象が違うのでビックリ。
とても美味しく感じられました。
飲み比べる雰囲気による差…?
ボトル自体の差でしょうか…?
その時には10種類以上を試飲していたこともあり、
色んなフラグ・パターンがありそうデス。

【 OLD PULTENEY / Official aged 12 years 】

Cimg3885

豆っぽさ、白っぽさ、パウラナーみたい…とメモ。
パウラナーは白ビールですネ。
「あぁ、旨いわ。基本の味」とも。
カラメルがやや奥に残り、刺激で終わらせない。
単純に美味しくあって、バランスと言うよりも、
旨さの主張がある。

これも以前に飲んでいるのだけれど、
その時の感想は以下のように。

-------------------------------------------->>
香は…
度数の強い香ではなくて、
あくまで「味」が強く感じる香。
ウィスキーっぽい香ではなくて、
モルトっぽい香…そう思います。
砂糖の味わいではなくて、
砂糖を思い出した時の味わい。
重くなくて、砂糖の雰囲気があるけれど、
甘さで全体が落ち込まない、落ち着きすぎない。
余韻、ややくすんで灰分に近い感覚もあるけれど、
花の様な大部分は美味しいです。
細かい花が集まって大きく見える、
そんなタイプの花をイメージしました。
<<----------------------------------------------

重なる部分は甘さの感覚、
砂糖とカラメルとしての印象の近さ、
味重視と言う捉え方など…でしょうか。

【 MILTONDUFF / Kingsbury's aged 7 years 】

Cimg3880

味が強い。
やや塩っぽく、甘さと混ざる中に、やや厚味を感じる。
キングスバリーシリーズらしい、
多彩ではない、ストレートな味わいだと思う。
松っぽいイメージも少し。

【 GELENBURGIE / Kingsbury's aged 7 years 】

Cimg3881

酸がある感じ。奥から戻る香は杏子様。
リンゴの雰囲気もあって、キレもある。
余韻の切れ方、消え方が実にスキッとしている。

【 ARDBEG / Official"TEN" aged 10 years 】

Cimg3879

塩と炭。
やはり攻撃的な雰囲気。
味の強さ、最後にまで細部にまで残るヨード香、
その旨さは流石。
まだ若く、全ての猛烈な勢いが健在。
ほのかにピートが感じられるブレンデッドって美味しいよな、とは思う。
そうして見ると、別の味わいを探ることが出来そう。

【 INVERGORDON / Sigle Glen Whisky aged 10 years 】

Cimg3878

香気が薄い…と感じる。
香の彩りが少ない気がする。
シングルモルトの中にあると、
その個性とか突出するものが薄く感じる…が、
飲んで行くとこれもまた素晴らしいんだな、と思う。
やや薬品っぽいアルコールの雰囲気を香から。
甘さもあり、それらが旨くまとまっていく。
余韻が驚くほどなく、
ーー それはなんて魅力的だろう ーー
けれど、常に旨味だけがある。
確かに“味”になりそうだ。

Cimg3875

以上、
モルトウィスキー7種類と
グレーンウィスキー1種となりました。

それぞれに個性があり、その個性が美味しい。
比べると、
ブレンデッドウィスキーの万能感は、
個性を統合していて突出するものがない…とも思える。
それこそがブレンデッドの最大の魅力であることも、
間違いないと思う。

どれとどれをブレンドし、バランタインになるか…
…は、パッと見、分からないなぁ、と思った。
良さを引き出すにも、すでに良いモルトばかり。
アードベッグだけは突出して違うものの、
それ以外はおおよそ大分類の中に含まれてしまうのでは…とも思う。
飛び抜けてシェリー樽の香がするとか、そうした差もない。

「 さぁ、どうしようか 」

…と8種のウィスキーを眺めて悩む。

ここで大切だったのは「楽しむこと」…
ブレンドをする楽しさ…と言うよりも、
モルトに内在する楽しさを知る…!とは、会を終わって今思うこと。
日本酒も面白い、ビールも面白い、
ウィスキーもとても面白いものだ…!
新しい楽しさを垣間見る。

Ykさん、Ykさんのお姉さんは、
早速思い思いにモルトをブレンドしてみていた。
ある程度、良い具合になると自分でテイスティングし、
気に入ると、
酋長に「こんな感じに出来ましたっ!」とノージングしてもらう。
良い香であったり、いまいちな香であったり、
Ykさんたちのブレンドを飲ませてもらうと、
既存のブレンデッドウィスキーとも違うし、
目の前の8種類のモルトのどれとも違う“新種”の様に感じた。
それは美味しかった。
よくよく香を拾ったり思ったりすれば、
もしか、あのモルトが主体で加えられているのだろうか…と思ったりもするが、
それが正解であったり、全く見当外れであったり、
モルトの個性の融合と離散、再結合と言う革命が起きている様だった。
小さなプラスチックコップに宝物が見え隠れしている様で、
「これは楽しい遊びだっ!!」と感じる。
Ykさん姉妹の楽しさが、いつしか周囲に広がって行くように見えた。

隣席のY岡さんは、
全種類を混ぜてみることよりも、
気に入りのものを掛け合わせて楽しんでいる。
単体をテイスティングした時、
プルトニーとグレンカダムが良かったと組み合わせてみると、
それぞれの良さを打ち消しあって、
平滑な雰囲気になってしまい、
酋長のアドバイスで、アードベッグを数滴加えると、
そこに芯核が生まれ味わいの良さに繋がることが分かる。
また、いくつかを混ぜてみた所でテイスティングすると、
長期熟成のモルトは最大でもグレンカダムの20年であるのに、
「まるでハイランドパークの29年みたいだ!」なんてシロモノも出来た。
25年より30年っぽく、
けれど30年には満たない雰囲気で…
そしてどこか擦れたオールドボトル的な香味も拾う。

またピートありきな素因は、
確実にアードベッグなのだが、
M橋さんがブレンドしたものは、
カリラの様な果実の甘さ、噛み締める甘さがあり、不思議だった。
だから、カリラなんて入ってもいないのに。

K田さんは何度かブレンドに挑戦し、
4種類ほど出していたか…
それぞれ「前回はこれが強かった」…など、
1回1回調合して行く量を変えて、
色んな可能性を見い出して行く。
その姿はブレンダーさんの様でした。
「今度はここを変えてみた」
…そして良い味わいを探して行く。
本職のブレンダーさんの凄味を、
K田さんを通して、また感じる事が出来たと思う。

いつもの「モルトの会」だって楽しいけれど、
3月に初参加して以来、様々なブレンデッドに出会って来た中で、
今回のモルトの会は、本当にスペシャルなものに感じました。
ブレンデッドの良さを体感できる。

20時に始まり、気が付けば24時近かったか。
あっと言う間に時間が過ぎた事こそが…
それは僕だけの感覚ではなく、みんな一体であったろうと思う、
その感覚こそが素晴らしいモルトの扉を開けた世界であったんだな…
…と感じます。

酋長、摩幌美に感謝です。


後日、Ykさんに会のことを聞いてみる。

色んな驚き、知って行く楽しみ…
最初は僕と同様に、
どれをどうしたら良いのか…と悩みはしたものの、
スキャパは香が良かったから入れてみたり、
またアードベッグの影響力を聞いて、
そのアドバイスを参考にしてみたり…。
例えば、指で1滴だけアードベッグを落とそうとして、
多めに入ってしまったものの、
それまでに無かったピートが強く感じられ、美味しくなったり。

また自分でブレンドしたもの、
お姉さんや他の方がブレンドしたものを試した後、
原酒を再び試してみると、
より一層、個性を感じ取れた…とも。
ひとつひとつを横並びで試飲していて気付く事もあるけれど、
合わせたからこそ引き出される個性、
美味しさにも気付くことが出来、楽しかったと、
夢中の時間を思い出して話してくれました。


月1開催の「摩幌美」モルトの会、
11月は定例通り、
第2火曜日の夜20時からとなっております。
しかしながら、
すでに満員御礼、札止めの盛況ぶりですが、
11月はソサエティのテイスティング会もあり、
モルトの秋、非常に楽しみです♪

今後とも楽しみが尽きないウイスキーの話、でした。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2008年10月13日 (月)

良き晴れの日、城。(2008年10月13日・第34回国宝松本城合同茶会、憩の森)


僕にとって、「城」と言えば松本城。

子供の頃から見慣れたカラス城。

秋空は輝いていて、
城も輝いていて、
そして緑も輝いていて、色付く葉もあって。

時折、木々、風に揺れる。

風が流れていく道を見る。

光が差す陽の道を見る。

これを風流と謳った彼人は、今も青い空を見ていたと思う。

Cimg3935


松本城、本丸庭園にて開かれた、
「第34回国宝松本城合同茶会」を楽しんで来ました。
初めて参加する「お茶会」…茶道の世界。
kenchieさん、kenchieさんの奥さまと一緒に、
市内茶道五流派、
裏千家、表千家、雲伝心道流、大日本茶道学会、江戸千家の席を体験してきました。
僕はこうしたお茶会、全くの未経験。
kenchieさんの奥さま、妹のYkさんは、
共に裏千家の先生のお稽古に通っていて、
色々と教えて貰いながら、無事に五箇所を回ることが出来ました。

Cimg3931

雲伝心道流のお茶を点てる席。

Cimg3933

江戸千家のお茶を点てる席。

各流派毎に、世界観も違う感覚。
席に飾る花であり、所作全てが流派で少しずつ違う。
もっと細かい目で見れば、もっともっと相違点が見えて来そう。

それらを見ること、楽しむこと、
秋の空の下でお茶を頂くこと、
全てが静かな世界でありながら刺激的で…
非常に興味深い秋の1日を楽しんで来ました。

Cimg3932



Cimg3938_2

会が終わり、
裏千家の席で、
お茶を運ぶお役目を担っていたYkさんを労おうと、
城山公園の「憩の森」に。
美味しいサンドイッチなどでリフレッシュ。
Ykさんの「美味しい~♪」と言う表情、僕も元気になりますね。
ギャラリーでは、
岐阜の青山晃大さんの作陶展が開かれていて、
緑の深み、ポップな優しさを持つ陶芸品を眺め、
また、相も変わらず、のんびりしている猫さんを眺めてみたり。


明日からも頑張ろう!

そんな風に思える楽しい1日。

透き通り、天高く伸びる空。
星ひとつ見えない青い空に、願いは淀みなく融けていく。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

« 2008年10月5日 - 2008年10月11日 | トップページ | 2008年10月19日 - 2008年10月25日 »