« 2008年7月27日 - 2008年8月2日 | トップページ | 2008年8月10日 - 2008年8月16日 »

2008年8月3日 - 2008年8月9日

2008年8月 8日 (金)

モルト樽で熟成したビール、モルト樽で熟成していないニュー・スピリッツ(2008年5月31日・SideCar、洋酒店醇)


モルト樽で熟成したビール

ビール完成後、
ウィスキーを熟成させていた樽にて、
数ヶ月の後熟。

ニュースピリッツ

蒸留されたウィスキーは、
3年の熟成を経て、
初めて「ウィスキー」と呼べる。
それまでのものを、
「ニュースピリッツ」と言う。

ウィスキーだけれど、

ウィスキーではない世界。

楽しい。


【 Side Car 】

Cimg3364
静かな店内。
移動した時間から、もしか入れないかも…
…と思っていたから、ひと安心です。
けれど、その後に他のお客さんがちらほらとお見えになったので、
ちょうど良い時間に着いたみたい。
「摩幌美」でのポートエレンに感動した喜びそのまま、
「ぜひ1度飲みたかったもの」を求めて「サイドカー」にやって来ました。

【 PARADOX“Ardbeg CASK” / Stout / Alc.10% 】

Cimg2844

先に、このシリーズ第2弾「カリラカスク」は飲みました。
衝撃的な複雑さ。
同時リリースの「IPA」の「カリラカスク」は、
比べてライトな方向へシフトしているものの、
香のグラデーション、余韻、
素晴らしいビールでした。
( カスク = Cask = 樽 )

飲んでみたかったのは、
この「パラドックス」シリーズの第1弾、
スタウトスタイルのビールを、
「アードベッグ」の樽にて後熟させたもの。
気付いた時にはもう売り切れで、手に入らなかったんです。
もう飲めないものと思っていましたが、
「SideCar」にあると知って、
飲みたくて飲みたくて仕方がなかったんです。

ここでようやく飲む機会を作ることが出来ました。

ひとくち飲んで思う「ジンジャー」の雰囲気。
辛味、ほろ苦さが強い。
「カリラ」とはまた違って感じられ、驚く。
同じピート感に定評のある蒸留所だからこそ、
衝撃的なアタックを想像していたのだけれど、
自然な辛味、スパイスのような香ばしさが美味しい。
またしても新感覚!
そんな気持ちにさせます。
奥に残る甘さも良く、
焦がした苦味、ロースト感がやはり強く、
余韻まで届きます。
ふと気付けば、
「カリラカスク」よりも、
より「スタウト」の個性が引き出せている印象。

小売り値段から考えて、
Barで飲むにしては、
かなりお値打ちな値段で飲ませてもらいました。
今ある限り。
今後、「サイドカー」に行くたびに頼むことになりそうデス。
その在庫、飲み尽くしたくもあり。
(お値打ちと言っても僕だけ特別価格…と言う事ではありません)

ちなみに全編通して、
アルコール度10%は感じられません。
飲みやすい。なんて危険。
おおよそ、これを飲んだあたりから
記憶が曖昧になっています。
まさに魅惑のビールですネ!

【 KILHOMAN New Spirits 】

Cimg2845

これまた面白いものを、
バーテンダーさんは仕入れて下さいました。
ネットで買おうか悩んだ挙句…
悩んでいる間に完全終売し、買えなかった…
…飲めなくなるはずだった、
「キルホーマン」のニュースピリッツ。
何でも評論家さんの点数が非常に高いボトルで、
Web上ではそれこそ大騒ぎ。
「在庫がないので売れないけれど、1本抽選でプレゼント」
…なんて書いてあったサイトもありました。

トップノートに感じたのは、マヨネーズの香。
バニラクリームとマヨネーズを混ぜたみたい。
飲んでみると、刺激スゴイ。
強烈なまでに強いです。
余韻までも、ずっとビリビリと来ます。
その中で旨味もあり、
マヨネーズを思い浮かべる雰囲気があり。

オイリーな感じ。サラッとしたオイル。
“スモーク”と言うよりも、
ピートのエッセンスを感じます。
そして、非常に濃厚なアルコール味。

余韻に大根葉的な香を感じ、
どこかそんなニュアンス、味が残る気もする。
何と言えば良いのか、動物脂っぽいイメージ。
カニの甲羅を炭で焼いたような香も拾います。

加水すると飲みやすいです。
けれど、大きな変化はなし。
ただ、メモを見ると、
スモーク感、炭っぽさを否定していたわりに、
最後の部分に、
「飲み込む前に炭はないのに、飲み込むと炭」とあるので、
その余韻はスモーキーである様子。

飲みの流れの中で、
同じ松本の夜を飲み歩く同志、
Ykさんと連絡を取り合っていました。
「 まだどこかで飲むなら行くよー! 」
…と言う頼もしいメールをもらって、
「サイドカー」から移動します。

「摩幌美」で飲んでいたYkさんを駅前まで迎えに行き、
まだYkさんは行ったことがないと言う「洋酒店 醇」へ。

深い時間にも関わらず、
座敷席には団体さんが居られ、賑やかでした。
確か、
何らかのイベント後だったはず…。
「洋酒店 醇」で開かれたイベント終了後、
通常営業に戻り、
そこに僕らが滑り込んだような記憶があります。
うっすらと。

【 洋酒店 醇 】

Cimg2903 
その週の火曜日、
「摩幌美」の「モルトの会」は、
「NIKKA」の佐藤マスターブレンダーをお招きしての、
「モルトの会」でした。
その流れもあって、
今一度、しっかりと「NIKKA」のモルトを飲んでおきたくて、
こちらを。

【 余市 & 宮城峡 】

Cimg2846

美味しかったです。
それは覚えているのですが、味、記憶、会話等、かなりうっすら。

楽しかったこともしっかりと覚えているのですが…。

酔いの夜らしい楽しみに溢れた一晩でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月 7日 (木)

そうだ、ウィスキーの語源は「命の水」なんだぜ!(2008年5月31日・摩幌美)


ウォッカだって「命の水」が語源だけどさ。

百薬の長、命に栄養を与えてくれる、
それが、僕らの愛する“酒”なんだけどさ。
分かっている。
十分に分かっちゃいるんだけども!

あぁ、
改めて、この言葉を思い出した。
思い出させてくれた、
なんて素晴らしいんだ、このウィスキーは!

酋長、ありがとうございます!
このスコットランド土産、愛すべきボトルでした!

【 pub.摩幌美 】

思えば、ほんの少し緊張していたのかも。
まずは、アルバ・パイン・エールで喉を潤しました。

5月、「pub.摩幌美」は酋長のライフワーク、
「ロストディスティラリー」の取材のために、
スコットランドへ向かう長期休暇を取りました。

その中でもたらされた「ポートエレン」のボトル。
すでに閉鎖された蒸留所ながら人気が衰えず、
今も時折市場に登場します。
希少価値のあるものゆえ、値段も安くありません。

その金額と自分の興味欲求との天秤。
そこまでして飲みたいか、知りたいか…
…と言うと、
そもそもポートエレンを飲んだことが、
ただの1度だけだったからこそ、
強い興味が湧かずに、それ以上飲んだりはしませんでした。

今回は実際に飲んだ酋長からのプッシュ、
その美味しさを語る表情から読み取れる喜び。
銘柄よりも、その笑顔に惹かれました。
ぜひ飲んでみたいものだと。

その機会、堪能して参りました。

【 PORTELLEN / THE Dormant Distillery Company 1982 】

Cimg2842

まず、トップノートから。

「 わ、すごいピートっぽい 」

これまで見て来た香の中で、
もっとも主軸にピートがある。
想像通りと言うか、
想像に抗わない。
「あ、これこそピーティだな」と素直に思える。
強烈なフェノール香ではなく、
豊かな雰囲気もある。

乾いた土壌、
骨董品にあしらわれた金、
光る色合い、炭っぽくなり過ぎていなくて、
(炭に近ければ近いほど苦手に思いやすいのに)
そこにモルティなフレーバーも。

深く吸い込むと、
白葡萄がたまらなく複雑さを混ぜ込んだ光がする。
ノイズがノイズにならない。
これが複雑さだと言える。
オレンジと黄緑色の色合い。
生まれ来るピーティさの中に、
しっかり樽の若々しい色合いが生きている。
オレンジを乾かした感じ。
薬品ぽさは無い。
クールな感じがする。
ぬくもりで無く、芳しさはピート的であり。

飲む。

Cimg2843

うああー!!これ美味しい!
ピートに溢れているけれど、
それ以上にウィスキーの喜びに溢れている!
すごいすごい!

ピートの中に感じる、
果実の旨味、明快さ、嬉しさ、フレッシュさ、何たるバランス。
余韻も長いけれど、
全編スッキリしている。
複雑でありながら、
たゆまぬストレートに感じさせる旨さ。
これは、飛び抜けて美味しいと思う。
「ロングモーン」の30年以上熟成させたモルトも、
感動の美味しさがあったけれど、
その感動とは、また次元が違う。
味わうことへの喜びが強いと思うんだ。
また、流れる壁面から芳しい木樽の香が漂う。

飲み進めていると、
どこかひんやりとした世界を感じる。
クールな感じ。

「スムース」と言う感情、
舌触りの良さを表すその雰囲気を粉砕してくれる気がした。
この調律、バランス感たるや!
飲んでいる中で刺激もある。
刺激があっても、素直に快く感じさせる。
僕は快く感じている。
刺激の中で常に心がスムースさを掴み取っている。
スムースさを基調にしたモルトを、
何だか物足りないものとして総じてしまいそうな、
危ういまでの魅力。

水を一口飲んだ後も、すごく旨さを感じる。
スモーキーではある。あるけれど。
何よりすごいのが、
これだけスモーキーでも、
素晴らしく果実味に溢れているってこと、
たまらないこの喜び。
飲んでいると、
更にピーティさが生まれて来る。

いつしかグラスが終わってしまう…

途中、ほとんど水で口の中を休ませたりしなかった。
チェイサーを飲むことも忘れていた。
喉も舌も疲れたりしない。

元気を与えられている感じ。

元気が溢れて行く感じ。

そうだ、ウィスキーの語源は「命の水」なんだぜ!

―――…行き着いた感想メモのラストワード。

この時にはすでに、この日記のタイトルは決まっていました。

この余韻を消したくないから…と、
早めに帰るつもりだったのだけれど、
夜空の中で、すっごくすっごく気分が良くて、
ついついハシゴへ。
この嬉しさをもっともっと味わいたい夜だったんです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月 6日 (水)

それは久し振りに食べたから美味しいのではなく、美味しいものは美味しいから美味しいんだよ(2008年5月31日・よよぎ)


美味しいものは、

美味しいから、

美味しいんですよ?

大切なことですので、2回言いました。


【 よよぎ 】

いつもの土曜日飲み。
まずは切っ先、「よよぎ」から始めます。
静かな店内。
土曜日の松本城周辺、
サラリーマンさんがいなくなれば、
やはり少し静かになるのかな…とも思います。

【 長野・北安大国・純米吟醸生“小谷錦” 】

Cimg2831

「小谷錦」は酒名。
長野県の酒造好適米「しらかば錦」全量使用、
精米歩合は59%のお酒。
一瞬、新しい長野の酒造好適米かと思いました。
「小谷錦」と言う名前。

「北安大国」らしいビッグな印象を抱きます。
強く、太く、パワフル。
口の中にその存在感がしっかり残ります。
初手に試したけれど、
その違和感も少ないけれど、
今以上に食と合わせて飲めば、
なお美味しいのでは!?と思いました。
比較的甘くふくよかな印象を
「北安大国」に抱く事が多いのですが、
これはどちらかと言うと辛口志向。
蔵元の幅、感じます。

【 酔鯨・かつおのカルパッチョ風 】

Cimg2838

高知・酔鯨・純米吟醸生“吟麗”
酒造好適米「松山三井(まつやまみい)」を使ったお酒。
この時期の定番ですネ。
キンとした緊張感と、
柑橘系のイメージを抱かせる全体、酸の風味。
かつ、旨味も乗り始めていて美味しいです。

「かつおのカルパッチョ風」は、
あると頼みたくなるボリュームメニュウ。
たっぷりの野菜とお刺身。
時折感じるセロリや大葉の香高いアクセントが楽しめます♪

【 根曲がり筍 】

Cimg2833

この日記を書いている今は、
すでに時期を過ぎてしまいましたが、
この5月末頃は市内でもよく見受けられました。
マヨネーズを基調にしたドレッシングとも合いますネ。

Cimg2837

ほっくりとして、
若いとうもろこしを想像させます。
野性味が名に反して品が良く、
また1枚1枚、皮を剥ぐ喜びもあるような気も。
浅黒い皮の先に白く艶やかな実を見た喜びを、
頂いた本数分だけ楽しめます。

【 手打ち十割そば 】

Cimg2840

先週の美味しさを今再び!
「やや太いかも…」と言う大将。
見た目に太さは感じられないと思ったのですが、
食べてみると確かに太い。
喉越しに行くまでの数秒、
噛んだその時の弾力が厚い。
けれど、太いこのバージョンも好きです。
味がある感じ。
蕎麦をすすると言うよりも、より一層味わって食べる!
実に美味しかったですネ。

この日は更なる目的のために助走をつけたかった――…
飲み開始早々に蕎麦を頼み、〆る気分。
居酒屋さんは、
食と共に楽しむお酒はここまで、だから〆の蕎麦。
助走の先にある「摩幌美」…
酋長がスコットランドから持ち帰ったお土産が目当てでした。

食と酒を楽しんだ後は、酒に魅せられようと進みます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月 4日 (月)

祭囃子が聞こえ…あ、ちょっと遠いけれど、だから良いんじゃないか(2008年8月2日・松本ぼんぼんの日)


 

 

 

祭 囃 子 は 心 に 歌 っ て い る か ?

 

 

 

 

ぼんぼん、まつもと、ぼんぼんぼん…

松本の夏祭。

人の波を渡り、お店とお店を渡って行く。

祭囃子が遠くに聞こえる。

いつもの飲みのいつもの場所だけれど、

街が活気付いて聞こえていた。


8月2日、その日。
日中からいろいろと回る。

母、kenchieさんの奥様から情報を得る。
甘いものに詳しいふたりから得たのは、
「 山形村のファーマーズガーデンのソフトクリームが美味しいよ 」
…と言うものだった。

ファーマーズガーデン…とは?

…と思った。
山形村は何となく分かるのだけれど、
場所がサッパリ分からないので、ナビで入力。
Ykさんと一緒に向かってみる。

市場は業者、飲食店のものとするなら、
民間の為の野菜市場…と言う感じ。
かなりお値打ちな値段で野菜が売られていて、
その周辺、温室の屋根や木々が並び、また広大。
そんな片田舎であるのに、
車は次々と駐車場に押し寄せている。
その人気ぶり。
また、ソフトクリームを持つ人もよく目にした。
「なるほど、人気みたいだ!」と思う。

【 山形ファーマーズガーデンのソフトクリーム 】

Cimg3370

この日は、
「ミルク」「スイカ」「もろこし」「しょうゆ」の4種類。
会社の先輩がしばらく後に行ってみた所、
その時点で「ミルク」「しょうゆ」しかなかったそうで、
人気振りが伺えます。

ノーマルサイズより小さい、
(小)はひとつ200円。
これを興味に任せて3種類お願いする。
日差し強い、また照り返しのアスファルトの熱気に、
どんどんと融けていくソフトクリーム。
どうも加水率が高いようで、
その分、口解けの爽やかさは抜群!
スッ―――――…と、
ひんやりした美味しさが吹き抜ける逸品。
なるほど、これは美味しい!

スタンダードなミルクも良いけれど、
変化球と思える「もろこし」や「しょうゆ」も美味しい。
キャラメル風に感じる…と店頭ポップにある「しょうゆ」は、
確かにまるでキャラメル味。
飛騨高山辺りに漂っていそうな五平餅の醤油の香、
その香ばしい匂いがソフトクリームにそっと融合していて美味しい。
「もろこし」も茹で上げの甘いとうもろこしの香がする。
果肉というか、果実が混ざっているのも、
実のある感じ…“地元産・旬の素材を使った”の言葉に偽りナシ!

持ち帰り時間はきっと5分以内。
その場で食べるかしかないけれど、
だからこそ味わえる美味しさでした!

そしてお昼ご飯は自分たってのお願いにより、こちらへ。

【 俺らラーメンちょもらんま・特製ちょもラーメン 】

Cimg3373

8月6日から8月21日までの毎年恒例夏季休業を前に、
昼に出掛ける事が出来る最後の週末、
昼限定の「特製ちょもラーメン」を食べておきたくて!

際立つ濃厚な鶏ポタージュ。
その中に確かに存在する鯵の攻撃的な旨さ!
ハッキリした麺の歯応え、
このたまらない美味しさ、
やはり「ちょもらんまが好きだぜ!」と感じます。

Ykさんには「コクとり塩」を。
初めての「ちょもらんま」を美味しく楽しんでもらえた様子。
チャーシューを食べた時の「これは美味しい!」の表情、
実に理解できますネ。
近隣最高クラスに大好きなチャーシューです。

訪れた12時30分頃のハイタイム。
人が途切れずに、ほぼ満席で。
松本の人気店、それが伺えます。
けれど、待ち杯数からして待ち時間はそんなにない。
このレスポンスの早さも魅力かと思います。

17時の開店に合わせて。

【 BeerGarage Ganesha 】

Cimg3376

階下に見える、
「松本ぼんぼん」が始まるワクワクとした光景。
街全体の呼気がひとつになろうとしている様。
仲間が集まって、また行き過ぎて、
それぞれの“連”の地へ。
開始時間18時に近付くに連れて、人通りも増えて行き、
いざ祭が始まろうとしていました。
そんな人の流れを眺めながら、
一足早く本日の飲みの口火を切るビールはこちら。

【 Tripel Karmeliet & Pauwel Kwak 】

Cimg3375

左:トリプル・カルメリート、
右:パウエル・クワック…をお願いしました。

実はグラス選びの楽しさから選んだ銘柄。

Cimg3374

トリプル・カルメリートのグラスデザインのカッコ良さ、
馬のあぶみの上でもゆっくり飲めるようにデザインされた、
パウエル・クワックのスタンド付きグラス。
このグラスで飲むパウエル・クワック、
ノーマルグラスで飲むよりも抜群に風味が違う気がします。
傾けすぎると、ドバッと溢れてこぼれてしまうグラスだけれど、
中心部のくびれのおかげで、
後半も泡が残って、空気中に触れる面積が極端に少なく、
風味がいつまでも保たれている様子。
魅惑的な甘い香に包まれる、バランスの良いお味。
トリプル・カルメリートも、
メリハリがあり、スマートな攻撃性に魅力があります。
イメージとして若く活気があり、その強さが飲み応えを作り、
味わいとしても喉越しとしても申し分ない。実に旨い!
どちらも8-9%のアルコール度数だけれど、
喉越しの心地好さから、ゴクゴクと飲み進めてしまいます。

17時50分ごろ、
「ガネーシャ」を後にしました。

松本ぼんぼん、
第1回目の踊り、18時に開始となりました。
その“始まる瞬間”を眺めながら、
Ykさんとは別々の予定があるために分かれます。

僕は中町、ナワテを通り緑町へ。

【 厨十兵衛 】

Cimg3167

祭の夜は、
祭の喧騒からあえて離れて、
天邪鬼に、祭を気にせず、ゆっくり飲みたい。

そんな風に思い、
いつもよりずっと早い時間から「厨十兵衛」に赴きました。
踊り始めた直後は、
先に見物を優先したのでしょう、
お客さんはあまりお見えでなかったのですが、
中盤、続々と訪れて、
賑わう様になりました。

【 佐賀・鍋島・夏吟醸“Summer Moon” 】

Cimg3377

夏の気分を味わいたくて、こちらから。
「夏吟醸」…
各蔵元さんのリリースを見ていると、
お酒に仕込み水を加えて加水する事によって、
強いお酒をよりスムースな、
水の流れに近く表現するパターンと、
味わいを操って、
加水せずに望みの「夏」を表現するパターンとがあるようです。
これは後者のパターン。
甘さも辛さも感じられ、
酸味を上手に使って、飲み応えもある、
けれど爽快さも持ち合わせた「鍋島」の酒。
美味しい夜が始まっていきます。

【 しまあじと真ゴチの刺身 】

Cimg3378

しまあじ、真ゴチ共に“夏の旬魚”とメニュウにありました。
しまあじ、ツヤツヤとして、
箸でつまむその触感にすら脂の融けを感じられます。
ノリ良く、
それを口に放り込んだ時のとろける脂の味わい、
そして生命力のある身、良いですネ。

真ゴチ、醤油を付け過ぎてしまうと、
その風合が全て醤油味になり代わる繊細さ。
けれど、程好い量を染み込ませ、
醤油の香と共に上る白身の優しい香は格別。
澄んだ味わい、美味しいです。

〆鯖も飛び抜ける旨さでした。
ここ数ヶ月で感じたそれぞれを上回る、
身の生命力…張りのある肌艶、
皮の弾力、味の乗り方………旨い。
魚臭さ、鯖臭さがきちんとあって、
それこそが旨味の根源と言う感覚。

【 和歌山・黒牛・純米無濾過生原酒 】

Cimg3379

久し振りに見かけた「黒牛」を。
強いアルコールの雰囲気とココアの様な香。
だいぶ熟れて来て、キレよりもグッと来る味わい重視の雰囲気。
こってりゴツく、力があります。
もっと洗練された「黒牛」も美味しいものですが、
無骨な「黒牛」も、また乙なものですネ。
ズドンとパワフルでした。

【 早採りザーサイの浅漬け 】

Cimg3382

長くゆっくり飲みたい日の決定版酒肴!

【 えんがわの酒盗和え 】

Cimg3383

ヘビーリピート継続中。
超お気に入りの酒肴も並べて、
じっくり飲んでいきます。

【 愛知・奥・純米吟醸無濾過無調整原酒“夢山水”生 】

Cimg3386

これもまた良い熟し味。
旨味の強い香で、瞬間「海苔」の香かとも思いました。
酸も出ていて、かなり強く、
大きな握り拳でのパンチ力があります。
愛知系の熟成した雰囲気を踏襲している様な感じ。
塩味との相性も良く、
今回は頼まなかったけれど、
温度のある料理とも良いんだろうな…と思いました。

21時30分過ぎ。
各種表彰後のラスト1回、その踊りの最中。

移動を始め、踊りが終わる前にYkさんと合流しました。

そして。

【 摩幌美 】

Nec_0940_2

【 Dark Island / Dark Ale 】

Cimg3391

静かな店内で「ダーク・アイランド」を。
ここに来て、ビール再び。
その後、踊りの終了と共に人は訪れるのですが、
僕らが着いた時間の静けさもまた赴きのあるカウンター。

「ハイランドパーク」と同じ
「オークニー島」のビール。
輸入元が取引を止めてしまったので、
現在、日本で見掛ける機会が日に日に減って来ているはず。
それも年末あたりから騒がれていたので、
今となっては…。
ほろ苦さ、そのコク味。
苦味って爽やかなんだな、と思わせます。
この飲み進めた時間においても、美味しく飲めるビール。

【 PC6 - Port Charlotte 】

Cimg3393

「ブルイックラディ」の蒸留所から、
「ポート・シャーロット」をお願いしました。
フェノール値45ppmほど。
ミルキーな雰囲気と、
ヨーグルトのような酸味とをトップノートから感じます。
分かり易く、そして甘さを持ち合わせた、
ピートの濃さこそが気持ち良い香。

飲んでみると、
とかく元気な雰囲気で、
一瞬だけスモークの顔を覗かせた後、
味と忘れられない印象をしっかり残して融けていきます。
力強いけれど押し付けがましくない、
最後にピート感のあるモルトを飲みたい時、
充実の気分にさせてくれるでしょう。
美味しいです。

Ykさんはグルートエールである、
アルバ・パイン・エールを。
今日の飲みはビールに始まりビールで締める…
ベリー系の香、芳しいビールに驚きと喜びを、
その美味しさと共に楽しんでおいででした。


めいっぱいお祭りを楽しんだ8月2日!

松本ぼんぼん、躍っちゃいないけれど…

…けれど、祭の風に乗って、
飲みの舞台を点々と、揚々と。

誰彼の楽しそうな笑顔の街を飲み干したのでした。

| | コメント (4) | トラックバック (1)

2008年8月 3日 (日)

天地の唄が聞こえる ―― 七本鎗×天地の唄プロジェクト第2回田植え ――

 
2007年6月7日の日記。

大好きな蔵元「七本鎗」のある滋賀県木ノ本町。
お隣の余呉町にある蔵人さんの田んぼでの田植えイベントに行ってきました。

--------------------------------------

耳を澄ますんだ。

風鳴りの木の音が奏でている。

天地の唄。

松本から、
3時間30分ほどの車の旅。

深呼吸をする。
ふとあぜ道を歩く人、左手の方向を見る。

1

首のストレッチ。
正面、前を向く。

2

右、今…風が吹く先を見る。
遠くに走る車を見つけた。
彼とはまた話す機会があるかも知れない。

3

四海は山。

4

田んぼの良し悪しなんざ、
俺にゃあ、わからねぇけど、
“たくさんのたくさんの命に溢れている”…
これは分かる。
きっと泥は生きている。

5
6

陽は熱い。
みんなの声が日差しの中に融けて行くようだ。
水はせせらぎ、キラキラとして光を照らす。
きゅっ…思わず目を伏せる反射は、
まるで写真のフラッシュみたいに、
その瞬間を記憶させてくれる。この空気を忘れたりしない。

素足で入った田んぼの中、
見る間に埋まって行く足で泳ぐ。
苗をちょいと摘んで、泥の海に差し出して進む。
慌てて逃げて行くオタマには、
大きいの小さいの…足が生えていたり、
水面のアメンボは、
まるで他人事の様に水と重なって見えなくなった。
大地が愛してくれる命の中に受け止められ、
まだまだ弱く見える稲の子供たち。

田んぼの中を歩いていて、ふと思う。
足を置いた場所が温かい。
それは踏み潰す直前まで、
日の光をいっぱいに蓄えていた…と言うことなのだろう。

あたたかい。

この世界で奴らは生きて行くんだ。


2007年6月3日、天候にも恵まれ“晴れ”…
滋賀県伊香郡余呉町に吹く風の中に僕は居ました。
冨田酒造と「天地の唄」のコラボレーション企画による、
( 天地の唄 = あまつちのうた )
田植えのイベント、今年で2回目の集いに、
日帰りで馳せ参じました。

高速道路は、
長野、岐阜、愛知、岐阜、滋賀…と移動。
松本から陸路300kmほどの距離にありました。
蔵元のある木之本町の隣町、
余呉町の野良師さんの田んぼに続々と人が集まって来ました。
(夏は農業を、冬は蔵人として蔵元に携わっているナイスガイです)

7

西は酒商山田さんのチーム、
東はさくらさん…東京から見えたお客様…
全国とは行かなくとも、
きっと「七本鎗」が好きで、
話を聞きつけてやって来ただろう人ばかりで。
バスの中から続々と降り立つ人…
直前、長閑だった「ちゃわん祭の館」の駐車場は、
活気に溢れました。
そのお祭り寸前の盛り上がりに似た熱気、
少しずつ天頂を目指し、強く降り注ぐ太陽。
「始まる…!」と言う期待は、高鳴って行くばかりで。


8

この田んぼに、
みんなで酒造好適米「玉栄(たまざかえ)」の苗を植えて行きます。

9

メガホンを持って軽トラの荷台に乗ったおふたりさん。
野良師さん、七本鎗さんから、
田植えについての説明が為されました。

10

まずは束なった苗を受け取ります。
そして各々、散開して苗を植えて行くわけです。
あらかじめ、30cm間隔の格子模様が引いてあって、
その交点に2本くらいを植えて行くのだと解説がありました。

お隣の田んぼには、
おそらく飯米が植えられていましたが、
その交点には10数本ほどの束が見えました。
酒米とは、生産性と耐久性を発展させた飯米に比べ、
それぞれの能力に劣り、
植える間隔を広く取るものだと聞いた事はありましたが、
こうして見比べてみると、
“茂み”と“か細い雑草”然とした差にも見え、
酒のひと雫ひと雫を形作る要素の原型は、
こんなにも弱々しいスタートを切り、
千変万化の味わいと幸福をもたらす酒に生まれ変わっていく…
その浪漫たるや、並々ならぬ過程を経るのだと、
否応無しに…そして染み込む様な努力と情熱、
そして恵みを感じました。


僕も含めて、
最初はおっかなびっくり、
きゃあきゃあ言いながら、田んぼに入っていきます。

11

そんな中で、堂々と先陣を切ったオジサマ。
みんなあとに続いていきます。
“お約束”で滑って転んでしまう人もいたり、
みんな楽しそう。

12

小さな子は泥だらけになりながら、
苗にも夢中、オタマやタニシにも夢中。
お父さんは、ちょっとたいへんそうでした。
でも、その声はいつまでも怒っていないで、
良い親子の休日…
その絵を切り取った瞬間が続くかのようで。
大人になって
今日の泥んこ遊びは記憶にないかも知れないけれど、
お日様の下で遊ぶってなぁ“良い事”に違いないと思うのです。

13

みんなで一列になって植えて行きます。
進めば進むほど、
自分が植えてきた苗が曲がっている様に見えたり、
隣の苗との感覚に疑問を抱いたりもしますが、
ともあれ!
技術はなくとも心は一人前のつもりで、
「よく育てよ」と願いながら植えて行きました。

14

「人数が多かった為、50分ほどで植え終わり」…とは、
その後、七本鎗さんや野良師さんのブログから得た情報。
言われて…
時間として、
「50分」と言う感覚がありません。
端から端まであっという間で、
気が付けば終わりが見えていたような。
こんな気楽な集中ってないなぁ…と思います。
きっとこれを「楽しみ」と人は言いたいんだろうなぁ…って。
時に泥のぬかるみに深くはまったり、
思いのほか、泥の上…見事に苗が立ち上がったり。
植えれば植えるほど、
その喜びがかえって
生産者とはかけ離れた世界に住んでいる自分の位置を気付かせ、
米に込められている思いを感じます。
機械的に植えたとしても、
それは数ヶ月を経る成長を眺めていくこと。
“おいそれ”と…常あるものと米を粗末にしてはいけない、
その痛感。
もちろん、不断に「食べ物は命」と考えるからこそ、
勿体無い真似はしませんが、
感情が伝わりやすい動物よりも
植物への心の傾きが浅かったのも事実。

思い出すと、様々に浮かぶ思い。

15

さくらさんが手ですくった苗。

「 本当にお米から出来ているんだ… 」

…と、ぽつりと呟いていました。

うん、当然の事だけれど、当然の事なのだけれど、
こうして見て、実感しないと、
なんて現実感が無いのでしょう。

いや、知ってはいることであっても、
論述で現実と信じ込んでいただけで、
手で植えて触れたこの感覚は、
体験していない誰にも伝わっていかないもので、
僕も初めて、この感覚に心から抱きしめられて。

お酒はお米から出来る。
お米は一粒の種籾から発芽した稲が作る。
循環。
本当に原点中の原点。
感動的な言葉でした。



16

足や手に付いた泥は、用水路ですすぎます。
淀みのないきれいな水でした。

17

何だかんだと並んでみれば、
綺麗に整列している苗の写真。


さて、ひと段落着いた所で「懇親会」に相成ります。

18

程近い川原に移動します。
見えて来るテントに参加者が集まっていました。
田植えの最中には、
余呉地区の人口が1.5倍に増えたことなんて
知る由もなかった訳ですが、
こうして写真で見て思い返すと、
納得の賑わいであったことが、
よく分かります。

19

川原のスペースを借りての「懇親会」です。
写真を撮り忘れてしまいましたが、
「柳宗理」デザインのグラスをお土産として頂きました。
会の間は、そのグラスでお酒を頂きます。

20

Pケースの上にベニヤ。
そんな手造りのイベント然とした、
また野外の良さが如実に感じられる雰囲気。
泥仕事はある意味文明の進みとは退行している関係で、
一段上げたテーブルと言う文化の進化に、
誰も疑問を抱かなかったと思うのですね。
疲れとか、そんなんじゃなくて、
お料理とお酒に釘付け。
自然と人の魔力で魅力。

21

乾杯のお酒は、
「天地の唄」…第1回の田植えが去年にあり、
第1回の刈り取りも去年にあり、
今年の冬、そこで得たお米を用いて醸したお酒が
この「天地の唄」…になります。
なので、
来年、第3回の田植えの頃には
今回の第2回の米を使った「天地の唄」が
乾杯のお酒として供される事でしょう。

22

野良師さんの育てたお米が炊き上がり“蒸らし”中。
炭の落ちた匂いは風に乗り、
にわかに米の蒸気が甘く香り、
思わず写真に収めたこの絵面。

23

そして、これは先に造ってあったおにぎり。
田植えの最中に
スタッフさんが一生懸命握ってくれたものでしょうか。
ほのかに炭の香もするのですが、
それが懐かしい味わいにも感じられました。

子供の頃、初めてのキャンプで“飯ごう炊飯”をして、
ただ火をくべるだけなのに、
その火から目もそらさずに一生懸命作ったあの味。
野点、炭火力、釜…
この味を今、大人になって味わっていなかった、
覚えていなかった、
思い出したのは、嬉しかったです。

24

「鯖のなれ寿司」も。
これで一献、入れた方は分かりますね?
僕は車移動人のために、
ひと切れ、味見をしただけでしたが、
とてもとてもお酒に合いそうでした。

「鯖そうめん」と言う…
油を少し絡めたそうめんと焼いた鯖に紅生姜と言う、
何とも言えぬクラシックな料理もありましたが、
この鯖も絶品で、
よくよく考えたら、
蔵見学をした時の「すし慶」も鯖寿司は美味しくて、
滋賀の木之本周辺は少なくとも、
鯖料理の美味しい土地柄…の様です。

25

こちらがお酒のラインナップ。
カセットコンロや「かんすけ」もあり、
野外でお燗も出来てしまう完璧な段取り。
緑の…カエル色をした服の方が、
大勢の同志とカセットコンロを囲んで飲んでいたのが印象的でした。
人の輪、酒の和を見ている様で。

他に「農高育ち」や
「大吟醸」「金賞受賞酒」と豪華なものでした。



帰りの時間もあるので、
僕は早めに余呉を出る事にしました。
何となく眠く感じていた…
それは予兆で、
帰りの高速道路、
養老サービスエリアで休憩をするまで、
眠気がヒヤリと背筋をなぞり続けていて。



会の後半――…

川の向こうの深い緑を
一段高い、
テントを見下ろせる位置から眺めていました。

「雄大」と言う言葉では足りない山の風景。
確かに大きいのだろうけれど、
その大きさは手が届きそうなほど近くて。
川の流れもきっと速いのだろうけれど、
透き通った流れに恐れなどなくて。

スタッフさんも小休止で、
階段になっていた今の場所に腰掛けていて、
少し忙しそうに、
一升瓶を持って、
七本鎗さんが興じている皆の間を縫って行く。

「支え合う」とか「絆」って…

そんな言葉を思い浮かべた。

そうだ、
蔵人に米農家が居てくれる事も、
幸運なのではないだろうか。
蔵元は米を酒に換えるスペシャリストだとして、
米を育てるスペシャリストでは、けして無いのだから。
山同さんの本の中、
静岡「喜久酔」の項にも、
強力な米農家のバックアップがあったではないか。

「七本鎗」の“いわれ”は、
「賤ヶ岳の七本槍」…
羽柴秀吉が明智光秀を討った後の時代、
主君、織田信長が果たし得なかった天下取りに名乗りを上げ、
柴田勝頼との合戦の中、
賤ヶ岳で一番槍の功を立てた七人衆から来ています。

それは仲間たちの結束、
支え合った力から生まれた、それ以上の大きな流れ。
そして勝利。

今、
こうして僕が触れている感情は、
伝わって来る意識は、
きっと「賤ヶ岳の七本槍」時代と変わらない、
人と人との間に生まれる
あたたかく、優しく、強い想いに違いなくて。

命や力、恵みを集められ、
心を込めて醸される「七本鎗」は、
こうして愛されて行くのだろう。

眺めながら。

そんな風に思っていた過日、初夏の緑。

みんなの笑い声。

それもまた

「天地の唄」


楽しい一日をありがとうございました!

--------------------------

あぁ、今年も元気に育っているのでしょう。

自然の恵み、葉に透き通る光、余呉の風を今も思い出します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年7月27日 - 2008年8月2日 | トップページ | 2008年8月10日 - 2008年8月16日 »