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2008年6月1日 - 2008年6月7日

2008年6月 7日 (土)

1度のBarで5種のモルトって言うのもなかなか出来ないものだと思うのだけれども、出来るんだなぁ♪(2008年5月3日・Bar regalo)


長野市の夜、継続中。


僕は長野市が絡む時点で、どうしても行きたくなります。
バーテンダーさんの雰囲気が好きなのもあるけれど、
様々なお酒が出迎えてくれる上に、
カウンターに腰掛けて見えるボトル…
視界の左から始まり右端までも全てがボトルで埋まる光景が好きです。

後日分かることなのですが、
小古井さんと「表六玉」と言う飯山のお店、
「表六玉」と「Bar regalo」、
「Bar regalo」と自分の関係の中で、
不思議とご縁がある様子。

お酒が繋ぐ縁は偉大です!


【 Bar regalo 】

Nec_0937
例によって、
いろいろな種類のモルトを楽しむべく、
全てハーフサイズでお願いしました。

【 GLENTURRET / Kingsbury's Original aged 16 Years 】

Cimg2594

5月。
ウィスキーを買いすぎました。
この「キングスバリー・オリジナル」のラベルは、
既に終売となっていて、
もう輸入業者にもキングスバリー社にも存在しない、
発売自体は10年以上前のボトル。

現存するボトルを全て集めたい!!

…と思ってしまったから、かくも言わんや。

きっかけはこのお店で「カリラ」の23年を飲んだからこそ。
再び出会う同シリーズ「グレンタレット」です。

やはりこのボトル、たまらなく口に合います。大好き。

バランスの良さが秀逸。
キングスバリー社の現行品は、
カスクストレングスがベースのボトラーズだからこそ、
力強く、
それはそれですっごく好きだけれど、
更に数年、落ち着いた印象があります。
モルトの良さを体感できて、
今日に「お疲れ様」と言う一息、つく事が出来る感覚。
香も華やか、味わいは軽め、余韻も強い引き合いはないけれど、
爽やかにすら感じる甘みの残り方は満足の一言。

ちなみに、
スプリングバンク8年、ストラスアイラ13年、
ブルイックラディ11年、ハイランドパーク8年、
スキャパ16年、ロイヤルブラクラ18年、
グレンタレット16年、グレンダラン20年…を買う事が出来ました。
(グレンダランだけは酒屋さん取り置き中)

いつ開けよう…
開けるなら一気に全部開けて、
飲み比べとかしたいですよネ。

【 LONGROW CV / official  】

Cimg2599

最近、発売されたもの。
流石、仕入れが早いです。
飲んでみたかったモルトがBarにあると嬉しいですね。
試飲気分。

トップノートは甘いピート香。
圧力、味の強さがあって、
ガツンと来るけれど、どこか甘さがある様子。
香…と言うより、
ウィスキーそのものが開いて来ると、柔らかく感じられます。
先んじた「グレンタレット」との大きな差は、
色んな味わいが…
複雑で絡み合っているのではなく、
シンプルな雰囲気で多種存在していると言う事、楽しめる事。
万人向けと言うか、
誰でも楽しませてくれるような幅の広さを感じます。
それでいて、ブレンデッド系とは全く違う濃さを感じますから、
流石のスプリングバンク…と言う感じでしょうか。
熟成年数6年~14年のバッティングだそうです。

【 LONGROW / official , 10 years old 】

思わず興味のあった
「ロングロウCV」をお願いしてしまいましたが、
そもそも基軸となる「ロングロウ」自体を飲んだ事がない…
…と思います。ならば。

Cimg2601

まず香をかぎ、不思議に思ってすぐに飲んでみる。

「 ? 」

…ピート感、全くないデス。
“ピート感こそがロングロウ”…と聞いていたので、
不思議な感覚です。
後日、「洋酒店醇」で、
同「ロングロウ」を飲む機会に恵まれるのですが、
それはしっかりピートの効いた味わいでした。
なるほど、ラベルを見比べると、細部が違っています。
また、この「ロングロウ」も特別な1本な気がしますネ。
…もしくは、自分がしこたま酔っ払っていたか。

ライチみたいな香。
味わい、
こちらの方が「CV」よりもクリアな印象があり、
アルコールを強く感じます。
コクや複雑味のあり方の差…とでも言うのか、
飲んだ瞬間、目の前に酒の全てが、
やや鋭利な印象を伴って踊り出るかの様。
けれど、余韻はふんわりと残って行く…
むしろこれが「CV」の全体様のイメージに繋がるかも。

【 TALISKER / Distillers Edition Double-matured 】

Cimg2604

甘く、酸の高い香。
シェリーバッチ+燻した香がホントに一瞬だけ吹く感じ。

イメージとして「フィノ」+「オロロソ」の様な、
アモロソシェリー樽で熟成したものだそうです。
ダブル・マチュアードは「2段熟成」の意味。

香を引き続き楽しむと、リンゴと葡萄を想像できます。
実に芳しく、
なんだか自分の中のタリスカーのイメージとは違っていて面白いです。

味…“なんて真ん中の酒だろう”と思いました。
全てが真ん中にあって上手。
見事に調和している様子。
余韻もバランスがあって好ましく、
上手に引き伸ばされて行く。

否定するポイントが、
マイナスイメージのポイントが本当に少ないウィスキーだと思います。
最後に感じるクリームっぽい感覚も舌に良く残ります。
強烈な個性、オンリーワンの存在のモルト…と言う訳ではないので、
それ故に出会える深い感動はありませんが、
確かに美味しいと思わせますネ。

【 G"R"ENFIDDHICH / "kik-Bar" private Stock  】

Cimg2607

そろそろ終電車の時間も近づき、お願いしたのはこの一言。

「 コレ飲むと面白いですよ…ってモルトを 」

出て来たのは「グレンフィディック」のボトル。
元々、ボトラーズに出回りにくい「グレンフィディック」の中でも、
このボトルはイタリアの「キック・バー(KIK Bar)」のプライベートボトリングだそうです。
何でも、世界で五本の指に入るくらい、
プライベートストックが多い人物の経営するバー…だとか。
グレンフィディックのボトラーズもの、
基本的にはケイデン・ヘッドのものしか見かけないそうです。
1979年蒸留、1996年瓶詰の16年熟成品。
全120本ボトリング中の95本目を頂きました。
生まれ年蒸留も何かの縁、確かにこれは面白そうです。

トップノートから感じるのは、
高い香に、灰分と粉っぽさ。
“枯れる”に近いけれど、
もっと“もぁっ”とした感じ。
それをバーテンダーさんに伝えると、
「モルティ」…あぁ、なるほど。
麦芽っぽいのですねぇ。

オレンジの景色に灰霞…
不思議な深さを持たせた感じ。
石灰を煮潰した様なイメージ。
きな粉の雰囲気もありました。
ここまで、香のイメージ。

飲んでみて。
その瞬間に思考回路が止まる。
飲むことの時間軸が「?」と共に動かなくなる。
そうして、やや間があって、
ぐあっと薬品ぽさが平らに開く。
濃いカラメルと野菜の雰囲気と丸薬の味。
薬っぽいとは言っても、
これはこれで刺激と柔らかさが重なっていて面白いです。
大葉の甘みが余韻に続いていく感じ。

グレンフィディックの現行18年と比べると、
あまりに逆の理念を感じて驚く。
バーテンダーさんが言う様に、
現行品のイメージで飲むと衝撃が走りますネ。
比較的シンプルな構成のグレンフィディックに対し、
この複雑さ。
プライベートストックならでは、と言う事でしょうか。

ところで、
グレンフィディックは、
本来ならば――…
オフィシャルのボトルには、
「GLENFIDDHICH」と書いてあります。
されどラベルの「L」は「R」になっていますが、
これはいかに?


充実の飲み、最大満足して松本に戻ります!
終電があるから、その時間に帰ろうとするけれど、
なければ、
まだまだいろんなモルトに出会いたくて、
面白さを楽しみたくて、
延々と飲み続けてしまいそうです!
楽しさには酔いましたが、
アルコール的な酔い加減はほどほど。

足取り軽やかに松本へ。

小古井さん、また飲みましょう!

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2008年6月 5日 (木)

飲み比べて食べ比べるって楽しいぜ!!(2008年5月3日・景家、蕪村)



やっぱりそれを知ると楽しい。

それを知る人と飲むのは楽しい。

それを知る人と飲むことが楽しいと言う事を、

もっと知って欲しい。

そのためには何をすべきだろうか。

それを今、誰もが模索しながら実践しているのかも知れない。


とてもお世話になっているし、
すごく頑張っているし、
尊敬する蔵元さんのひとり、
中野市の井賀屋酒造場の小古井さんと、
ご一緒する機会を持ちました。
「岩清水」と言う銘柄を醸していて、
心から今後を期待する蔵元さんです。

その日、
飯田からの帰りに松本で自分を拾ってもらい、
長野市で飲むことになりました。
移動距離の長さはかくもいわんや。
酒屋さんは大変です。
お疲れさまですっ!

【 景家 】

抜群の安定感のある、
長野市駅前の「景家」に遊びに行きました。
行く度、必ず満足させてくれる酒肴。
長野市で飲むと言うこと自体が、
あまり無い自分は、
長野市に行く理由そのものが、
「景家に行きたいから」
「regaloに行きたいから」…であったりします。

長野まで飲みに行くのであれば!

…との事で始まる景家飲み。

【 佐久の花 】

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まずは「佐久乃花」を飲み比べです。

冷蔵庫に「裏・佐久乃花」を発見。
松本駅前「風林火山」で試した時にはすごく印象が良かったお酒。
なので、ここから。
飲み比べる意味でも2種類!
並べてみると合わせ鏡のようで、ビジュアル的にも面白いです♪
左が「裏」と呼ばれる限定生産の本醸造直汲み、
右が長野県の酒造用酵母“D”を使った純米吟醸の生。
ラベルに書いてある「Spec d」がその意味を示します。
「裏」には強い力があり、
佐久乃花のイメージと合致する旨味ある酒。
「D」は香が主体になった雰囲気があり、どちらも上々です。

「景家」はグラスの大きさが数種類あり、
一番小さい器で頂きました。
これだといろんな種類を楽しむことが出来て嬉しいデス。

【 あおりいかの造り 】

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やはり「景家」のお刺身は美味しい!
イカのお刺身、イカの寿司、
年がら年中、
どこの飲食店でも見受けられるものだけれど、
ここで頼むことには意義があります!

歯ざわり、吸い付くような感覚、
甘さと香。たまらないです。
ほんの少し醤油をつけて、身の甘さを喜び、
やや多めに付けた時には醤油の深みに対する、
甘さの広がりを感じ。

米味の強いお酒、欲しくなります。
「厨十兵衛」のIdさんの持論で、
「ご飯のおかずになるものが、酒のつまみにならないはずがない!」
…その逆もまたあるかも知れない!
そんな風にも思わせる美味しいお刺身でした。

【 天然本鮪と葱のワサビ醤油和え 】

Cimg2588 

これ、醤油が旨いデス!
醤油を旨く感じさせてくれる全体の構成。
アオリイカとは、
感じ方…いや、感じさせ方が全く別で、魅せます!
ネギの存在、大きいです。
鮪と山葵、加えて醤油の組み合わせは口慣れた雰囲気。
その均衡を崩す野性的な香生きるネギ。
このアクセント、実に有意義でした。
芯のしっかりしたお酒に合っていました。

【 喜久酔、水尾 】

Cimg2590 

続いて、スッキリ酒対決!!

…と思ったのだけれど、
意外に「水尾」、想像よりも熟れていた。
だが、それが旨い!!
全体バランスが非常に良く、圧力が舌に程好く、香もしっかり。
素晴らしいデス。
喜久酔も流石の美味しさですが、
全てに色味を感じさせる「水尾」の良さ、格別でした。
お酒だけでも飲ませるし、
熟れ始めた柔らかさが食欲に辿り着くと、
食も酒も心地良くて進んで行きます!

【 平政の炙り・おろしポン酢 】

Cimg2589

本日ベストオブ逸品は、こちらでした。
先んじた2品も素晴らしく美味しかったのですが、
刺身の美味しさが完璧なまでに発揮され、絶品。
鮪トロの炙りに勝る平政の炙り、たまりませんでした!

炙り系のメニュウ、
一般的に見掛ける様になってはいるものの、
「炙っただけ」であって、
工夫や調理時間の精査が行われている感覚、あまり感じません。
特にお刺身においては「炙り」で美味しいという感覚が、
「料理屋そらのかなた」あたりで食したもの、
「厨十兵衛」の炙り〆鯖ぐらいで、他全てに印象薄し。
炙りが目立ってもいけないし、
生が目立ってもいけないと思うのです。
この柔和な脂の出方は炙る価値があります。
で、ポン酢が刺激少なにあっさり決めてくれるんだからたまらない。
お見事でした!

【 獺祭・純米大吟醸磨き三割九分 】

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このあたりからテンションが上がって、
写真を撮ることがおろそかになって来ていました。
そんな中で“久し振りに飲んでみよう”とお願いしたのは、
山口県の「獺祭」でした。
「獺祭」は松本でも見かけますが、
精米歩合39%のクラスのお酒は基本的には居酒屋に置きにくい…
1杯の単価が高くなってしまうもの。
ハイランクのお酒までも揃える「景家」ならではのボトルと思えます。

非常にバランスの良いお酒でした。
いつどこで飲んでも、味の雰囲気が一定で、
誰の口にも合わせて来る…そんな体を持っていて、
違和感ないです。
飲みたいお酒が強いお酒である時、
強い個性を感じたい時…には向かないかも知れませんが、
いつでも「好ましい」と思わせる技術、流石デスネ。

【 鴨のロースト・長葱と三宝柑マーマレードのソース 】

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オレンジソースの使い方に定評が…とは、
勝手に僕が思っていることだけれど、
焼きのお兄さん、相変わらず素晴らしい肉料理、作ります。
甘さを強く出さないから、料理としてお酒に合って来るし、
肉が美味しいのは元より、
脂がしっかり出ていて、かつオイリーに感じない。
ほんのりした甘さが全体を包み、
豪華になり過ぎない香で…
それこそあふれ出しそうな香は合わないから、
そこを品良くまとめ上げているのが素晴らしい!!
すごいぜ!!

がつがつと食べてしまったけれど、
甘さの程好さ、必ず日本酒に合うと思います。
かと言って、ビールにも合って来るでしょう。
そのポテンシャルの高さ。
肉の旨味、相反する果実の甘み。
それぞれが対立することなく僕らを喜ばせてくれます。

小古井さん自身が、
飲み比べること、食べ比べること、
酒肴と日本酒を比べることを楽しんでいました。
“美味しい”は人それぞれ違うもので、
得手不得手があるけれど、
“楽しい”気持ちがあれば、
得手不得手を越えて、
食と文化の組み合わせを探索する浪漫が生まれると思います。
日本酒だから、日本酒用の酒肴で無ければいけない…
…そんなことがあるものか!

良いも悪いも楽しく飲む!

そうして日本酒も料理も素晴らしいと言うことを知る!
食文化とは素晴らしいものだと知る!

楽しい一夜、それを感じていました。

一通り「本日のおすすめ」を食べ尽くした僕らは、
美味しいものを食べて元気をもらって、いざ!進め!

【 蕪村・塩そば 】

Cimg2593

写真には収めませんでしたが、
この前に「景家」で「ネギトロ巻(太巻)」を食べています。
そもそもが「もっと炭水化物食べたいですね」と言う話から、
ラーメンの話になったはず。

あー、やはりこの濃い鶏スープ、旨いです。
充実。
日本酒、旨い刺身、料理、ラーメン!

お腹いっぱい。

けれども、まだまだ止まりません。

僕らは「Bar regalo」を目指しました。

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2008年6月 4日 (水)

おもちゃ箱みたいに何かありそうだ。(2008年5月1日・摩幌美)


こう…

「何か」と頼んで出て来るそれが、

確かに期待に応えてくれるから、嬉しいなぁ。

最初はあんなに開けづらかった扉が、

今ではワクワクして、ノブを回している。


酋長殿がスコットランドに旅立つ前に…と、
クライヌリッシュを飲みに向かいました。

去る5月3日から5月20日まで、
スコットランドへ取材に出かけられるので、
お店はお休みになるとのこと。

カウンターには、
Kenchieさん夫妻と奥様の妹さんであるYさんが。
きっと目的は同じだったのだろう…
そんな気がします。

「風林火山」からの流れで、弟と共に向かいました。
平日だからか、
まだ混むに早い時間だったのでしょうか。
カウンターのkenchieさん達以外には、
もうひと方居られるばかりで、店内は静かでした。

僕はてっきり弟とkenchieさんは会ったことがあると思い、
思い…
何故そう思っていたかが分からないけれど、
そう思い込んでいて。ご紹介が遅れたり。

【 摩幌美 】

【 CLYNELISH / SMWS No.26.34 】

Cimg2573

November,1972 Distilled
May,2004 Bottled

「面白いものが入ったよ」と例のごとく聞いていて、
それをお願いしに行くと、「クライヌリッシュ」が2種類。
さらに今年の「ウィスキーマガジンライブ」の
「ロングモーン」も開栓したと言う事で、
どれをお願いしようかとわくわく。
「クライネリッシュ」は、
スコッチモルトウィスキー・ソサエティのボトルと、
ポットスチルの形状をした瓶に入ったものとがあり、
今回はソサエティボトルをお願いしました。

トップノート。
シャリーらしい芳しさにフラワー。
本当、中心にパッと咲く香。
イメージの空間に染み込んで来るのではなく、
香の届きが良いのか、パッと現れる感じ。
けれどその存在は繊細で、
口の中に入れたら、すっと融けて行ってしまいそう。
あくまで豊かな香ではなくて、気品のある香です。

口にしてみて。
以下は、メモ…原文ままです。

>>

わぁ、枯れて…違う、これは違う。
何だこの味わい。
余韻はモルティ………だけじゃないな、これ!
うあっ、メモが取れない!!
なんだこれ、「複雑」と言う言葉がこんなにも軽いのか!!
怖いくらいに色んな世界が存在するモルトだっ。

>>

まず感じたのは枯れた感じではありました。
「思いのほか…?」と思いながら、
口の中での変化が様々で、3行目には「余韻」を書いている時点で、
その口にしてから喉を通るまでの時間、
圧倒的な世界に言葉を無くし、
せめて余韻だけでも書こうとした、その段でも、
いろんな言葉が同時に浮き上がってきて、
メモが取れない!…と思いました。
最初の枯れた…熟成した雰囲気と言うのも、
全ての複雑味の一端でしかなかったようです。

寓話の世界。
シャボン玉が暗いステージ上にたくさん浮かび、
そのそれぞれに世界が移っているような感覚。
世界の中にひとつひとつの味わいがあって、香があって、
その時その時で伝えてくれる世界が違う感じ。

全体的にシェリーの雰囲気。
熟成の味。
密林、古城、太陽光、赤い薄い花、枯れ木。
太陽の畑の夕暮れ。

次は何を飲もうかなー…と思います。

正直、弟が飲んでいる
「アードベッグ」のソサエティでも良いかな…と思える。
つか、次回はそれを飲む。
数種類、アードベッグは飲んで来ているけれど、
香の系統がやや炭っぽく感じられ、
直前に東京・八重洲地下街「リカーズ・ハセガワ」で試飲した
「イラ・インスラ(ラガブーリン)」に似た炭の色を思い浮かべたけれど、
味わいの広がりが物凄く複雑さを持っていて、驚いた。
味を楽しむのが美味しい感じ。スゴイ。
(この“複雑”はまだ言葉に見合う感じだ)
クライヌリッシュのもうひとつを、
お願いしても良いかな…と思えたけれど、
あの複雑味を再び表現できるのか…と思うと、
次回以降に回した方が良いのかも、とも考える。

そんな折、隣席のKenchieさんたちが、
マッカランのソサエティボトルで盛り上がっている。
ふむふむ、この瓶はもう終わりとな。
もう1本あるそうだけれど…
いや、それはそれで飲んでみたいであります。

【 MACALLAN / SMWS No.24.97 】

Cimg2576

May,1990 Distilled
April,2007 Bottled

トップノート。
ほんのり涼やか、渋み、湿っぽい感じ。
乾いていないもの。
レーズンを長期熟成したらこんな感じかも。
朝露のブドウ畑。

口にしてみて。
香が開いてくると、その甘さ、ふくよかさを感じられます。
カラッと乾くような香ではなく、
やはり湿度のあるイメージ、その香。
力強い大地、布団から吹き上がる日光の香。
「シンプルだなぁ」…と思います。
「あ、美味しいな」って素直に思える感じ。
味がしっかりと伝わって来ます。

全体的に統一感があって、
良い意味で地味であり、素晴らしい滋味。
味は…我ながら貧相なイメージだけれど、
“ビールにシェリーを落としたような”感じ。
モルティなフレーバーと樽の香と…と言う感じでしょうか。
度数的な強さは感じられるけれど、全体のまとまりあり。
戻り香がシェリーの雰囲気。余韻として残ります。

比べて、現行の18年は、普通に美味しいけれど、
シンプルさと味のバランスが、
旧来のものを見てしまうと、素っ気無い感覚も感じます。
飲みやすさにやや重点を置いたような。
この18年が特に好きだと言う人は、
逆に、このソサエティボトルの濃さには驚いてしまうのかも。
何だか、本質が違う気がします。
ブレンダーさんが求めているものが違うと言う感覚。

加水すると、香がさらに開いて来ます。
樽由来と思われる渋味に似た香が出て来る出て来る。
それがまた複雑さや彩を作りますね。

別の日に、ようやくベーシックな12年も飲みました。
別のお店ですが。
それも比べて考えると、
複雑さの路線と言うかあり方が全く違って、
驚く…と言うか、考えられているなぁ…という感じデス。


弟ともども大満足!
今宵も楽しい兄弟飲みになりました!

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2008年6月 2日 (月)

長野だから長野を味わいたい(2008年5月1日・風林火山)


信州サーモン…だけではないけれど、

今回のきっかけは信州サーモンだとは思う。

各都道府県毎に、
県外から見れば特色で注目で、
そんな個性であっても、
県内では、
思いのほか浸透していない、
一部の人達だけが知っている……
逆転現象が生じていること、ありませんか。

長野の食べものだし、
地酒であったりもするけれど、
長野の人が必ずしも詳しい訳じゃあないのだ。

少なくとも僕よりも探究心のある弟。
初めての「信州サーモン」に喜んでいました。
長野の銘柄も飲んでみて、
知らない銘柄も多く、これから知って行くだろう事ばかりで。

5月1日、
再び2日連続でお休みを取ることが出来た弟が、
実家、松本に帰って来ました。
「では」…飲みに行こうと誘った先は駅前。

5月3日から5月20日まで、
「摩幌美」がお休みになるので、
それを前に「面白いモルトがあるよ」と教えてもらった、
1本を飲みたくて。
ここ最近、モルトへの興味の向上激しい弟と共に、
遊びに行こうと話した中で、
食事と日本酒もやっぱり楽しみたいじゃあないか。
同じ駅前ならばと「風林火山」に向かいます。

【 風林火山 】

平日だけれど、
ゴールデンウィーク中でもあった5月1日。
駅前に人は多かった気もするけれど、
いつも通りの混み具合「風林火山」でした。
サラリーマンさんの憩の場ですね。

【 4種 】

Cimg2564

ハーフサイズで4種類、お願いしました。

長野・Domaine Sogga・Le Sake Naturel "L'umiliation"純米原酒生、
長野・泉瀧・本醸造、
長野・本金正宗・本醸造“太一”、
静岡・喜久酔・特別本醸造生、

この日飲んだ中では唯一の県外酒「喜久酔」…
ちょうどこうちゃりんのブログ記事に登場していて、
惹かれていたものでした。
やはり長野のお酒の揃い、抜群です。

Domaine Sogga・Le Sake Naturel "L'umiliation":
「甘」と言う文字を思うが、何より酒っぽい。
ずいぶんと強く、重みを感じました。
依然飲んだ時よりも空気を吸って張った感覚。
飲み応え、ガッツリありますネ。
今回飲んだ他と比べると、
ややくどさが目立ってしまいますが、
特に今回は他が綺麗なお酒過ぎた…とも思えます。
何より、注文した酒肴「いかわさび」に耐え抜く
度量を持ち合わせていたのは、このお酒だけ。

泉瀧:
こちらも小布施から。
全体的に美しいです。
バランスがあって芳しくて。
「喜久酔」と同等の軽さを持っていますが、
その中で香のあり方、
より感じさせてくれるからこそ、メリハリを感じます。
どちらも好ましく感じる中で、
より好みであったし、
お酒を楽しみたい時に選びたい1本でした。

本金正宗“太一”:
まだやや硬い。
思いのほか水を想像させる酒質で、
過去の印象から形作られるイメージと比べると、
芯に力が備わっていない様に思います。
逆に、これから夏、秋に向けて変わって行くだろう…
…それも良い方向に、そんな感覚。
だからこそ、今はまだ早いのかなぁ…と思います。
毎年安定感には定評がある本金、そして太一。
かえって楽しみにさせます。

喜久酔:
現段階の「本金」と比べてしまうと、
まさに今、同系列の酒質で、
元来、そうした造りに強い傾向の「喜久酔」…
軍配が上がってしまいますね。
美味しいです。
バランスがあり、
きっと世間ではこれを指して「綺麗」と叫ぶだろう、
その品格。舌の上の収まりが良いです。

【 いかわさび 】

Cimg2566

今度は写真付です♪
歯ざわりもイカとしての歯ざわり、
山葵の茎の歯ざわりも楽しめるし、
酒粕をアテにして飲む感覚のバリエーションと言うか。

前回頂いた時にも書いたのですが、
酒粕は食べられるのに、
奈良漬級まで、粕の匂いがキツイと食べられないし、
山葵は好きだけれど、
山葵漬けは微妙に苦手な自分が、
美味しく山葵漬けを食べられる、そのイカの効力。
「風林火山」の力、見事です。

【 信州サーモン 】

Cimg2567

幾種類かお刺身が用意されていましたが、
ここ最近、
「お刺身盛り合わせ」と言う項目が増えていました。
「本日のオススメ」メニュウの中の出来事。
「それも良いかなぁ」と話していたものの……

「 信州サーモンって食べたことある? 」

「 普通の鮭じゃないの? 」

そう、普通は誰でもそう思いますよネ。

虹鱒とブラウントラウトを、
バイオテクノロジー技術を用いて交配させて生み出された
養殖品種。平成16年4月26日に水産庁に承認された様です。
養殖であることが普通です。
信州サーモン自体に繁殖能力はなく、
虹鱒が掛かりやすい魚の病気に強く、
10年の研究の末に生み出された結果は、
実に価値のある郷土の味に、
これからなって行くだろうこと請け合いです。

僕が食べたのは去年の10月1日の日本酒の日、
諏訪湖で食べた1度きり。
食感に差があり、「あぁなるほどなぁ」とだけ思いました。
その日はお酒のほうに夢中になり過ぎていて、
「とりあえず、胃に何かを詰め込めれば」程度にしか
考えていませんでしたしね。

さて、風林火山で久し振りに「信州サーモン」を頂きます。

「 あ、柿だ 」

…と思いました。
「おお、こう言う味か。これはっ…いいっ…」と喜ぶ弟。
その反応を見ながら、
「柿だ」と繰り返し思います。

香が良いです。魚っぽくないと言うか…。
刺身が香ります。その香と舌触り…
ちょうど熟れ切ってしまう前のツルツルとして、
ほんの少しだけ甘みのぬめりを持った、柿の様で。
香だけは早採りの柿の皮の香に近く…。
それだけで食べても美味しいですが、
濃い醤油と塩気を当てると、
またふくよかさに変化があって、旨い。
“こってり”とした雰囲気はなく、
サーモンでありながら、やはり淡水魚…
だからこその良さ!
これ海の養殖だったら、
こんな風に甘く果実のような香がしないんじゃないかと思います。

「やべー、今日ここに来て良かったなぁ」とは弟談。
まだ信州人にだって、
「信州サーモン」は浸透していないですよネ。

いつもどこにでも入荷していることってないとは思いますが、
お見かけの際は、
良い信州サーモンに出会えますようにっ。

【 3種 】

Cimg2570

続いて、以下3種類をハーフサイズで。

長野・高天・純米吟醸無濾過生原酒、
長野・木曽路、
長野・北安大国、

「木曽路」や「北安大国」の詳細なスペックは不明デス。

高天:
飴や水飴を水に溶かしたような印象。
低アルコール酒などに多い香を感じます。
甘酸っぱいこと、
今年のお酒にしては色が付いていることからも、
麹歩合か何か、特徴ある造りをされたのかも。
デザートワインみたいな感覚でした。
意表を突かれます。
メモの始まりも「うをっ」とありました。

木曽路:
サンプル瓶。
香り高く、香に螺旋のように酸が絡みつく印象。
奥にやや苦味のある香を感じるけれど…。
最初の1杯、お酒だけ飲みたい時に合いそうデス。

北安大国:
酵母は1801号と901号の組み合わせ。
珍しい…と思うのに、
「川中島幻舞」を知っているからこそ、
「なるほど!」とも思える。

55%精米と書いてあるものの、どのお米かは分からず。
甘いタイプ。
米の重みをすごく感じます。
カッと浮いて、その後ズドンと味あわせる感覚。
お酒だけ飲み進めてしまうと、やや残る。
ならばそれを利用して、
料理と合わせて食べたい感じ。
温度のある料理と良さそうでした。


僕はついついラーメンを食べてからお店に寄ってしまったので、
いつも以上に食べられなかったけれど、
弟は400円と言う破格ながら、
しっかり旨い「ハンバーグ」なども注文。
かなり満足度、高かったようです。

そんな中、ふたりで交わした一言。

「 風林火山だと、満足しすぎて飲みが終わっちゃうね 」

はしごを考えて飲んでいても、
美味しさと居心地の良さで、
しっかり酔っ払い、お腹いっぱいまで食べ、
「やっぱり、ハシゴなんてしなくていいんじゃない?」と思わせる。
この魅力。
弟とふたりで行く機会は少ないけれど、
行くと必ずこの会話をしている様な気がします。

長野を楽しめるお店!

ごちそうさまでしたっ。


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