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2008年10月 2日 (木)

寒くともあたたかく。(2008年6月22日・名古屋の喫茶店、厨十兵衛)


思えば、
この頃は「ゲリラ豪雨」なんて呼び名すらなかったと思う。

僕は特に雨に打たれたわけではないけれど、
時たま停車して見える特急列車の外の世界、
強い雨音、濡れた空気、
近付いて行くはずなのに、何故か遠退いて感じる松本。

電車の通路で立っていた。
何もする事はなかった。
寝るにも場所は狭すぎた。
同じように座席を取れなかった人達は、
無言で耐え忍ぶように松本へ運ぶゆりかごに揺られる。

2日間、しっかり遊んだ。
すごく楽しかった。
まるで僕の体が湿気を吸い込んでいるかのように、
静かな時間に沈んでいくかのように、
疲れを実感させる。

名古屋からの帰り道。

そのメールは、とても心強いものだった。

寒くとも、あたたかく。


転じて、6月22日朝のこと。

くま@牛乳さんのお家にて一泊後。
昼の日本酒の試飲会を目指して出発です。

まずは腹ごしらえを。

名古屋の喫茶店文化と言えば、
“モーニング”ではあるのだけれど、
この日は気分を変えて、こちらで。

【 ある喫茶店 】

Cimg3042

店名すらもメモがなく。
マッサージブースもある複合型の喫茶店。
住宅街にこそあって正しい感じですネ。
時に、憩いの場であり、
仕事帰りのリラクゼーション施設でもあり。

朝8時からの朝メニュウ、
これは名古屋文化の一端ですよネ。

【 きまぐれサンドセット:600円 】

Cimg3043

ツナサンドのセットを。
フルーツたくさん。
「厚切りトーストセット」には小倉生クリーム、
チョコ生クリームなどをトッピングできる様でした。

試飲会の会場では、
尊敬する日本酒好きの面々…
mujyun@古さん、ポンチュウさん、
もちろん、前日にお世話になったワッシーさん、
「孝の司」を持って来て下さったMASAさん、
酔っ払いくまさんにお会いし、充実。
実に楽しい試飲会でした。
天候は思わしくなかったけれど、
気分はとても晴れやかで、
意気揚々と名古屋駅に向かいます。

自由席に座って帰りたいからこそ、
かなり早い時間にホームに着き、待ちます。
次第に雨足は強くなり、本降りと言うよりも、
嵐の様な強さを伴って、夜を前に空は暗く、
騒々しくなっていました。
…まぁ、大丈夫だろう。
電車に乗っている最中は寝て過ごせると思っていました。

出発ホームを間違えていました。

それに気付いたのは出発の直前。
もう、電車が来るころだからとトイレに向かい、
その中で、別の電光掲示板に「しなの」の文字が。
早く着いたからこそ、
リアルタイム情報の出る電光掲示板には、
乗りたい「特急しなの」の情報は表示されておらず、
時刻表を見てホームに上ったのですが…

…気付いたのは幸いなのか、
本来のホームに辿り着くと、すでに長蛇の列。

どっと疲れが押し寄せ、
肩に掛けていたかばん、持つ背筋にずしんと重みが増す様な。
仕方がなく並びはしたものの、
これから2時間30分以上、
立ったままかと思うと既に堪えがたく。






くじけそうになった帰り道。
本当に辛かった。

あんなにあんなに楽しかったのに。

そう思わなければ良いのに、
思ってしまうと、もっと辛くなった。

人生の辛いことの中でも、
おそらくは全く辛い部類に入らないものであろうに、
それでも、
疲れと眠気が導く先には、
悪い考えしか思い当たらない。

けれど、光もあった。

ずっとメールで相手をしてくれた人がいて、
ものすごく助かったし、
ケータイが振るえるたび、嬉しかった。
ケータイを手に握ったまま腕を組み、
寒さをしのぎながら、目を閉じ、次のメールを待つ。
「気晴らし」と言う安易な言葉で片付けたくないほど、
長い2時間30分の間を救ってくれたメールだった。

感謝。

【 厨十兵衛 】

お店の前で、
メールの相手に無事に松本に戻ったことを報告。

気付けば、雨はあがっていた。

寒くとも、あたたかく。

あたたかい気持ちで、厨十兵衛に入る。

【 かけうどん 】

Cimg3045

お店に着くなりお願いしたもの。
日曜日の21時頃、
雨上がりの夜に街の人通りも少なく、
そしてまた店内も静かなものだった。

メニュウには「冷やしうどん」とあったのだけれど、
温まりたくて、これをお願いする。

旨さが染み込んで来る味。
熱く、唇が嫌うような、胃が驚くような、
その温かさは、なんと心が飢えていた味だろう!
吹いて、ほんの少し、ほんの少しだけ冷まして食べる。
甘く確かなダシは旨い。
いつもの味わいが実に旨い。

松本に帰って来た今を、なお実感する。

【 鍋島 】

Cimg3046

試飲会に登場していた「鍋島」…
けれど、このボトルだけは、
「松本に帰ってから厨十兵衛で飲む」と決めていたので、
試飲しなかった。
これも今日の目当てのひとつ。

飲んでみて、
酒が体に染み込んで行かないことに気づく。
味も香も感じてはいるけれど感じられない。
判別が付かない。
…そんな気がしていけない。

どうも疲れ過ぎている様だった。

お酒は後日、ちゃんと楽しんだ。
「鍋島」が提案する「夏のお酒」と言う事で、
加水などして夏向きを表現するタイプではなく、
その酸味など、味わいのあり方から、
夏酒に挑戦したボトルで、美味しく頂いた。
ただ、あの夜は、
先に寒さ故のシメに到達したので、
その一杯だけでじゅうぶん幸せな気持ちではあった。
お酒の真価を、
今の僕は理解していないかも知れないけれど、
体にアルコールが染み込んでこなくとも、
心になんと旨し酒を浸しているのだろう、そんな風に思った。

いつもの場所は馴染む。
いつもの空気が松本に帰って来た実感になる。
疲れを甘受する気持ちが芽生えて行く。

ケータイの電池は厨十兵衛にいる内に切れてしまった。
ケータイのケータイ充電器で充電をしようかと思ったが、やめた。
家はすぐそこで、今は寒くない。

寒くとも、あたたかく。

きっと、ひとりでは寒かったろう。

寒くともあたたかく、家を目指した。

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