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2008年9月16日 (火)

遠征帰りに松本を実感する場所(2008年6月15日・厨十兵衛、洋酒店醇)


人それぞれだと思うけれど。

僕の場合、

ここ。

ただ、「風林火山」や「Ganesha」も日曜日は営業中……♪
選択肢が増えている最近。


新宿、関内、蕨、聖蹟桜ヶ丘と経て。
聖蹟桜ヶ丘では第56回多摩独酌会が開かれ、
「一蔵堪能」シリーズ「三重・而今」の会に参加。

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その直前には至近の「新化勝軒」で、「中華そば」を。

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6月東京行の末。

ここ最近、東京から帰って来る時間、早まっています。
翌日のため、仕事がある平日のため…
…もちろんそれはそうだけれど、
楽しいと思うお店に足を運ぶことも理由のひとつであるような、
そんな気がしています。

【 厨十兵衛 】

【 山形・東北泉・純米吟醸斗瓶取り“出羽燦々” 】

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最近、メニュウからなくなり、
復活するや頼みたくなる銘柄になった「東北泉」…
メニュウからなくなる…は売り切れを意味し、
復活は新しい「東北泉」が入ったことを意味しワクワク。

第一印象は「やや苦味が強いかも」…
ざわめく辛さを持つイメージ。
ズバ抜けて辛いと言う事は無いけれど、
どこかお薬を飲んでいる様な感覚のある苦さ。

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お刺身と合わせる。
するとどうだ!
このお酒は食が必要!
食と共にあるべきが良いのだと知ります。
食、その味わいに、
苦味や辛味と感じた酒の存在が乗って来る。
肉厚な信州サーモンと醤油の合わさった、
柿の様な特有の味わいにメリハリを、
円熟し充実した旨さを与えてくれるかの様です。
酒の体は、どちらかと言えば、
「東北泉」「出羽燦々」らしい…と思うタイプではないけれど、
逆にこうしたタイプも表現できる事を知りました。
益々、面白い蔵に思います。

信州サーモンの隣にあるのは、真子カレイのお刺身。
それぞれを盛り合わせてもらいました。
澄んだ肉質、美味しいです。

【 高知・土佐しらぎく・純米吟醸無濾過生“山田錦” 】

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勢いのあるお酒。
酒、清酒の枠を壊す感じ。
ソーダの様なイメージ。
その甘さと言い、香味と言い。
隣にパックで売られている類の日本酒を置いて利き比べれば、
その差異に、日本酒の世界の広がりを実感できるはず。
同じお米を原料にして、
こんなにも清涼感のある飲み物を作ることが出来るのか!…と言うほどに。
最近、「土佐しらぎく」も「東北泉」同様に、
「厨十兵衛」で見かけ、そして外さないお酒だと思います。

…この日、店内は静かだけれど、
4人組さん、2人組さんなど日曜日の晩御飯、楽しむ光景でした。

ただ、気になる会話も耳に入って来ます。
中年の男性が店主Idさんに
「今、オススメの酒はなんだい?」と聞き、
「今は佐賀の鍋島が美味しいですねぇ」と答えました。
うんうん、確かに。
鍋島は美味しいよなぁ…と僕も思い、心の中で頷いていました。
「佐賀?佐賀に美味しい酒なんてあるの?」
…とその男性。
きっと初めての佐賀の旨い酒との出会い。すごく素敵なことじゃないですか。
佐賀の印象が変わるはず!…なんて思っていた所で、
「じゃあ、いいや。もう1杯、十四代で」…と続ける。

「残念」…はあくまで僕だけの主観で、
“飲みたい酒を飲みたい様に飲むが一番楽しい”と、
心の裏側が鳴り響いても所詮裏側。
勿体無い。実に勿体無いと感じてしまいます。

同じお酒を頼むよりも、
せっかく30種類を越える日本酒があるのだし、
全国各地から旅をして松本に辿り着いたお酒なのだし、
それを知って欲しいなぁ…と思うのです。

佐賀県、とっても良い蔵、多いです。
鍋島、天山(七田)、天吹、東一…
けれど、「日本酒の県ではない」と言うイメージがあったのでしょう。
今回、有名な「十四代」に興味で勝てなかったのは、
本当に残念で、飲んでもらえれば、
きっとまたひとつ美味しいお酒に出会えたのに…。
好みがあるから「絶対」は無いけれど、
知らない銘柄ならば、それが「出会い」になるのに。

他の場面で、
やはりIdさんに…気になる銘柄だったのでしょう、
名前が気に入ったのかも知れません。
「これってどんなお酒?」と聞くと、
「やや甘口で…」と言うや否や、
「辛口じゃないの?じゃあ、いいや」と……。

こうした場面、
もっともっとお酒を知ってもらうには、
どうしたら良いのでしょうか。
ブランドイメージ、辛口への信仰…
このあたりは随分と前から言われ続けている事ですが、
どうしたら日本酒って、もっと飲んでもらえるのでしょう。

料理はすごく美味しかったし、
日本酒を堪能してきた1日の〆にふさわしい厨十兵衛での飲み。
けれど、ふと考えるとこの思いは…。


【 洋酒店 醇 】

【 LAGAVULIN / Official Aged 16 Years 】

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モルトを静かに飲みたい気持ちになり、グラスを傾けます。
ピート香、程好いバランス。好みの旨さの在り方。
体と時間に合う美味しさ。

その時の答えと、
3ヶ月経った今の思い……
より一層、その正しさを願います。

「 楽しいということ 」

それに尽きるのかも知れない。
「興味」、生まれる「意欲」、これが鍵になるのかも知れない。

Ykさんと飲みに行く毎週。
飲むことの楽しさを僕自身再発見しているし、
Ykさん自身も「美味しいお酒」と言うこれまでの感覚から更に、
「楽しいお酒、お酒を知る楽しみ、知ることを美味しく飲み干すこと」
…それが楽しいんだと僕に話してくれました。

「厨十兵衛」の春の宴、夏の宴を経て、
知ってはいたけれど、
飲み比べてみると、ひとえに「日本酒」と謳っても、
その1本1本に込められた思いも違うし、味わいも違う。

1本1本にいろんな楽しみが詰まっているんです。

「 これとこれを飲み比べると楽しいよ 」
「 同じ県だけど、全然雰囲気が違うよね 」

そんな風に飲んでいる今、
Ykさんが答えてくれる声が、
また僕の中の新しい発見にもなります。

そう思うと、
ブランドや辛口を主に…と考えて飲んでいるのも良いかも知れない。
ただ、
そこから「じゃあ、知らない銘柄だけれども」、
「辛口じゃないけれど」…目の前に用意された30種を越える日本酒を見て、
「いつもと違うお酒も楽しんでみようか」
…「楽しみ」に繋がるお酒を飲んでもらえれば、
日本酒と言う、
脈々と現代に伝統が続き、進化して行く世界を、
もっと味わってもらえるのではないか…
そんな風に思うのです。

いつも同じ銘柄、いつも同じ酒…
それも安心できて美味しいと思う。
けれど、“もしかすると”…
その可能性を前向きに探して行ける心が、
未来に必要なんだと思います。
いろんな美味しさを味わいたい。
いま、一番好きなお酒があるけれど、
世界のお酒を全て飲み干した訳でもないし、
まだあるはずだ、まだ楽しいお酒、美味しいお酒があるはずだ!

この興味の尽きないこと、

楽しみに飢えている事、それが楽しみの出会いを浮上させる条件。

ブランドも辛口も甘口も無名蔵も関係なく、
美味しい思いを探せば出来る時代なのだから、
探していく、これがとても大切なのだろうと思います。

そう、
「厨十兵衛」や「よよぎ」は全国の美味しいお酒が、
「風林火山」は全国のお酒もさることながら、
県内に住んでいても意外に見逃しがちな地元のお酒を揃え、
「Ganesha」はベルギーを主体としたビールの世界を広げ、
松本と言う街に点在するBarは、
様々な洋酒の世界の楽しみを僕らに案内してくれます。

僕はラガブーリンのこのオフィシャルボトルが好きで、
知らなければ知らないままで気にならないかも知れなくとも、
出会ってしまった今から考えると、
出会わなかった未来とも過去とも言える架空世界は、
なんて悲劇だろう…と考えます。
もっと「ラガブーリン」のいろんなボトルを知りたいし、
同じアイラ島の別の蒸留所のモルトも気になる!
きっともっと…!
知ったことが“尽きない楽しみ”にリンクしているんです。

人生は楽しいことばかりではないけれど、

人生は苦しいことばかりでもないわけで、

楽しいことを、
自分の興味次第で掴み取ることが出来るならば、

それは多ければ多いほどきっと幸せで、

これまでも、

これからも

“美味しい”と“楽しい”を探して行けたなら、
それもまた幸せに違いない。


日本酒を楽しむ梅雨の2日間の末、

その日記を書く秋の入り。

上を向く未来を思いながら。

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