« 日曜日、長野、上田、松本。(2008年6月8日・小布施ワイナリー、食堂大黒、憩の森) | トップページ | 1度に23種のモルトを試すとかえって興奮して酔えないのかも。(2008年5月25日・Bar regalo) »

2008年6月14日 (土)

いろんなお酒が飛び出して来る(2008年5月4日・厨十兵衛)


ゴールデンウィーク2日目。

前日は長野を楽しんだので、松本を楽しもうと思う訳で。

お酒を楽しむ上で、
大切なことってそんなにたくさんは無いけれど、
(その代わり、忘れちゃいけない事が確かに幾つか存在する)
出会うお酒に対して、
向き合うように触れ合うことが大切なのだなぁ…と思った。

お酒は少なくとも、美味しく飲んでもらうために存在している。

飛び出して来る彼らに、
希望を与えるのも与えないのも、
飲み手次第、注ぎ手次第なのだと思う。


【 厨十兵衛 】

再びご近所さんと厨十兵衛飲みへ。

8月の目標のため、鍛錬に余念のない店主Idさん。
見るからにシェイプされてきました。
「トリアエズ5kg落とした」と気軽に言いますが、
それって物凄いことなのでは…と思う今日この頃。

ゴールデンウィーク真っ只中…と言う事で、
観光の方もいらっしゃった様子。
実に賑わっておりました。
耳に入る人と人との声の中に、
長野のお酒や食べ物を珍しそうに眺めている、
楽しんでいる仕草も見え、
いつも通りの土曜日飲みの中にいる僕は、
それが何だか嬉しくなります。
長野を誉めてもらえるって嬉しいものです。

平時、土曜日は料理人Idさんと、
フロア担当のバイトのRさんをよく見かけるのですが、
この日はkさんも登場。
大盛況の厨十兵衛の夜を楽しみました。

【 磯自慢&姿 】

Cimg2611

静岡「磯自慢」は純米吟醸“山田錦”、
栃木「姿」は純米吟醸無濾過生原酒。

開幕、まずどれから行こうか…と考えます。

ご近所さんに、
「最初に飲むのに良くって、美味しいものを」と言うリクエストをもらい、
熟成が進んでいた場合は、やや重いかも知れないけれど、
間違いなく美味しいと思える「姿」をオススメします。

自分は目新しいものもある中で、
“安全牌”の意味を込めて「磯自慢」を。
清らかでありつつバランスも良く…良い印象の多い蔵です。
久し振りに飲むのも良いと思えました。

結果、最初のリクエストの合否は成功。
流石の「姿」は軽やかに澄んでいて美味しい。
逆に冷蔵庫から出てすぐの「磯自慢」は、
空気と触れ合ったのが良かったのか、
温度が室温に近付いたから良かったのか…
それは分かりませんが、
先ず口を付けた時の印象は重く、苦味がある感じ、
全体的にくぐもった声のイメージを浮かべます。
けれど、
料理を食べ進み、しばらくしてから口を付けると、
その苦味や重たさは感じられず、
むしろ酒がしっかりと感じて、程好い。
第一印象は大事だけれど、
その後もお酒の良さ、見つけてあげられるかどうかで、
楽しめる時間、違ってきますね。

【 鯛の酒盗和え 】

Cimg2613

祝!復活!
喜んで注文をしたこのメニュウ。
去年は鯛、もしくは平目で楽しませてくれた酒盗和え!
ここ最近、見かけることが無かったのですが、
あれば、ついつい頼んでしまいます。
厨十兵衛メニュウの中に、
好きなお品は多いのですが、
その中でリピート率も多く、好みでもあるトップランカー!
旨いです!たまらなく旨いです!
塩の味、酒盗から感じる旨味。
“コク”そのものが押し寄せて来るような味の強さ。
鯛自身も美味しく、
その塩と旨味で鯛を食べるような感覚で、
酒肴として贅沢であり、酒の友人でもあり。
また食べられる季節が来たかと思うと嬉しいです!

【 群馬・結人 】

Cimg2614

純米吟醸中取り生。
以前は「あらばしり」が入荷していましたが、
今度は「中取り」が入っていました。
どちらも美味しいのだけれど、
僕はこの「純米吟醸生・中取り」の芳しさ、
果実をかじった時に弾ける果汁の香、勢い、瑞々しさを持つ、
「中取り」が好みでした。
実に爽快明快痛快なお酒。

「中取り」はお酒を搾って行く過程、
その段階、あるタイミングを言います。
日本酒の製造工程の中、最終段、
「槽(ふね)」と呼ばれる道具に、
お米が融けて粥状になった「もろみ」を入れ、
圧力を加えることで搾り、粕(固体)と酒(液体)に分けます。

「槽」は多く長方形の…例えは悪いですが棺の様な形状で、
そこに袋に取った「もろみ」を置き、
上から圧力を掛けて…「もろみ入り袋」を潰す事によって、
お酒を抽出するのです。
圧力の掛け方によってもスピードは違いますが、
2泊3日くらい掛けて搾るもの。時間が掛かります。
お酒の出始めを「あらばしり」と言い、
中間、最も良いとされる部分を「中取り」、
最後、圧を掛けて搾り出す部分を「攻め」と言います。

ちなみに、現在主流の「薮田式自動もろみ圧搾機」では、
1日程度でお酒を搾り切る事が出来ますネ。

その「あらばしり」「中取り」「攻め」で、
味わいはぜんぜん違ってきます。
特に「結人」では、
「純米吟醸あらばしり用」「純米吟醸中取り用」と、
タンクを分けて、
実際に販売される形態を…
その時に好ましい味わいを得られるように、
計算して醸しておられるそうです。

気の入ったお酒、美味しくいただきました。

【 島根・開春“石の顔(かんばせ)” 】

Cimg2615

純米吟醸袋取り生原酒。
あまり飲む機会は無いのだけれど、
どこか“強いお酒”のイメージがある、
島根の「開春」…中国の陶淵明の詩の中から由来するお酒です。
陶淵明は大の酒好きだったのだとか。
「開春」は「初春」と言う意味なのだそうですが、
元来「春」と言う言葉に「酒」と言う意味も含んでいるのだとか。
島根は「李白」もありますし、
中国詩系の名前、浸透しているのでしょうか。

思いのほか香り高く、パイン系の香味が立ち、
全体バランスは「豪」と言うイメージより、
もっとスッキリと顔立ちが見え、甘さ、口に残る風合が、
シャンと締めくくる感じ。
その後の後味がやや長く残りますが、
むしろ、そこに酒肴を乗せて楽しみたいところ。
美味しいです。
印象的なラベルも心に残りましたが、
これまで思っていたイメージとはまた別の雰囲気も…
「寛文の雫」と似てはいるけれど、更に別、
多彩さを伺わせるボトルでした。

ちなみに、酒銘の「石のかんばせ」の意味は、
「石」は「石見地方」、「かんばせ」は「顔」を意味し、
(ここまで蔵元HPより)
モノの本によれば、
命名者さんが旅をした時に、
岩がいっぱいあって名付けたとか……
ただ、“石見地方の顔”と言う蔵元HPまでが、
何となく頷ける範疇のような気がしないでもないです。
島根大学酵母を使って醸したお酒。

【 宮城・墨廼江 】

Cimg2617

純米吟醸生“BY一号”…
洋ナシ系の香。
お酒っぽい、日本酒らしい風合です。
自分の好みの上で、やや旨味が足りないかも。
けれど、バランスはしっかり保っていて、
そつの無い分、雰囲気は食中酒、
会話を楽しむ間、
持て余す手のひらに収まりが良いと思えます。
やや全体的な反応が鈍く、
閃く様に「旨い!」とか、
「キレて行くなぁ!」と思いはしませんが、
じんわり旨いタイプのお酒だと思いました。
気を抜いて飲める、それが何よりの良さですネ。

うーん、これで旨味が強かったら、
それはそれで好きなのかも知れませんが、
落ち着いて楽しめないかもしれませんネ。
だから、このお酒はこれで良いのだと、
個性として存在として嬉しいものだと思います。

【 エシャレットときゅうりと味噌 】

Cimg2621

後半に野菜、旨いです。

後半、
お酒を“とっかえひっかえ”と言うか…
1杯ずつ頼んでいる通り、
1杯を頼んで、より好みに合う方を自陣へ…
…と言う飲み方をしていました。
好みって誰しもあって、
その時の気分によってだって飲みたいお酒は左右され、
だからこそ、
いろんなお酒のいろんな表情に出会えるわけです。

だので、
その時の気分に合うお酒を探しながら、
かつ、
楽しみながら飲んで行きました。

いろんなお酒が飛び出してくる感覚。
あるお酒を飲んだ後に、
もう1度、先ほどのお酒を飲んでみれば、
また別の顔。
発見を探るのは楽しいです。

【 扶桑鶴&一白水成 】

Cimg2619 

そんな中、最後に1杯とお願いしたのはこの2本。

島根・扶桑鶴・純米吟醸袋取り“凌雲”、
秋田・一白水成(福禄寿)・純米吟醸無濾過生原酒…

扶桑鶴は「佐香錦」と言う島根県産の酒造好適米を、
一白水成(いっぱくすいせい)は秋田県湯沢市産の、
酒造好適米「美山錦」を使って醸されています。

「扶桑鶴」、期待以上の美味しさでした。
すごく美味しい。
米の味がしっかりと感じられて、丸く、バランスが良い。
味を味として味わえる醍醐味。
極端に強くないし、料理も楽しめる。
以前にここ「厨十兵衛」で見掛けた「扶桑鶴」よりも、
より印象が良いです。
「一白水成」は含みの味の良さがありますね。
香も口の中で広がって行く感じ。
飲んで…瞬間的に「ウマイ!」と思うタイプではなく、
じんわり「美味しい」と思う系ともちょっと違って、
帰り道やこうして写真を見ながら思い浮かべると、
「あ、やっぱ一白水成って旨かったよな」と懐かしむ感じ。
「白」い米と「水」から「成」る「一」番旨い酒…の意味を持つ、
酒名との事です。

【 ティラミス 】

Cimg2622

やはり頼むこのメニュウ!
いやはや、美味しいです。
程好い軽さとコーヒーリキュールの甘い香。
コーヒーとは似て異質なココアの香も、
香の良さに一役買って、滑らかな舌触りにまったりと
その日の終わりを感じることが出来ます。

時たま帰り道のコンビニで、
アイスクリームを買って帰る時があるのだけれど、
コレがあるだけで全く食べる気になりません。
この甘味で十二分に満足できます。


さてさて、
そんなこんなで、ごちそうさまデス。

てくてくと…
だいたい15分から20分くらいでしょうか、歩いて帰りました。
夜風が心地好くなる季節、
いつもは独りで帰る道も、
誰かと一緒に歩いて行く、それもまた乙なものでした。

---------------------------------------

今日はこれから東京へ遊びに行ってきます。

横浜・関内の「徳丸商店」さん、
東京駅・八重洲地下街の「リカーズハセガワ」さん、
埼玉・蕨の日本酒居酒屋「チョウゲン坊」さん、
東京・聖蹟桜ヶ丘・小山商店さん主催「多摩独酌会」に行って来ます。

日本酒、モルト、日本酒、日本酒…と、楽しんで来たいと思います!

|

« 日曜日、長野、上田、松本。(2008年6月8日・小布施ワイナリー、食堂大黒、憩の森) | トップページ | 1度に23種のモルトを試すとかえって興奮して酔えないのかも。(2008年5月25日・Bar regalo) »

日本酒」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/512041/41525822

この記事へのトラックバック一覧です: いろんなお酒が飛び出して来る(2008年5月4日・厨十兵衛):

« 日曜日、長野、上田、松本。(2008年6月8日・小布施ワイナリー、食堂大黒、憩の森) | トップページ | 1度に23種のモルトを試すとかえって興奮して酔えないのかも。(2008年5月25日・Bar regalo) »