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2008年5月 2日 (金)

金婚、良き酒の記憶、書き残す今。

 

2007年5月18日の日記。

 

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先入観かも知れない。

もし僕の知らないほんとの答えが、
そうだとしても、
僕は僕と弟のあの感動を信じたい。






過日。
このお酒を飲む機会に恵まれました。892050_2179408619
東京・豊島屋酒造、
清酒「金婚」純米大吟醸・斗瓶取り原酒火入れ17BY。

都の品評会で優秀な成績を収めたお酒です。

大学の春休みで帰省していた弟と
ふたりで試飲をしました。






香想起:キリッとしたM310系+9系風。


◎=バランス、前型、閃ク
○=淡、濃、酸、中型、イソ香、カプ香、入好、味好、芯、
  雅、風、中、薫、
△=(かすかに)渋、甘、辛、パイン香、刺激、トロミ、タナビキ、若、
  清、明瞭、力、華
×=-

( ◎:とてもある >>> △:ちょっとある >>> ×:ない )


盃に注ぎ、香を試してみると、
その生き生きとした息吹に驚かされます。
青々と茂るようで、
強い光に照らされたあぁ、わずらわしいほどに木漏れ日が落ちてきて、
めいっぱい光の匂いを胸に宿す感覚。

そうして口付けて喉の奥へ。


「 !! 」


ハッとして、
けれど口は開けず、
弟とふたりで顔を見合わせます。
そして喉の奥からよみがえる余韻。

“比類ない”…とさえ抱きました。

まずチェックメモを取り出して行うのは、
何よりも先に「◎」…この酒を想う上で、
必ず伝えたいと閃く第一の特徴。
それを心に聞き浮かぶ言葉は、

「 バランス、前型、閃ク 」

ハッとする、目が覚める、(・∀・)コレキタ!
…そんなニュアンスを含む「閃ク」は、
熟成されている雰囲気すら若々しく感じられるほどの、
生き生きとした命の喜びを感じさせる酒と言う印象から。
鋭角の雰囲気となだらかで滑らかな雰囲気が共存していて、
何とも言えぬ口中の快感。
「前型」は酒としてのボリュームが
「飲む」と言う行為のどの部分にあるのか…
それは「前」であり、
口にして顔を見合わせるほどの衝撃的な喜びに勝る感覚はなく。
「バランス」は酒としてどう思うのか…
僕自身の価値観による“ただ”の感想。
バランスなんて人それぞれの尺度で変わるから、
参考値にしかならない項目なれど、
僕にとって、僕の記録にとって、
感動的なバランスを持ち合わせていました。
バランスの良さは、
その後の「○:ある」と感じるものにも見られています。
「淡」…濃すぎず、「濃」…薄くなりすぎず、
「酸」…引き締める味の組成、
「入好」…飲み易さ、口に馴染む感覚があり、
「味好」…旨味、糖度も快い。
お酒に激しくない緊張感「芯」があって、
間延びせず、姿勢正しく安らかな笑顔で佇んでいる。
「雅」に関しては注釈があり、
“単調に見えて素晴らしい奥”とある。
シンプルであり、味わいの楽しみも深く続いて行く。
香り高いタイプである「薫」、
酒の強度を表す「中」、
単独、個性ある喜びの風合「風」…と読み取ることが出来ます。


こうした出品酒に限りなく近いお酒は、
過去の経験から思うに、
度数も強いため、
渋みがもちろんあり、
刺激があり、余韻が少ない…と思っています。
お酒の圧力がありすぎて、
余韻として後味を楽しめないのだと考えます。
けれど、このお酒には余韻を…「タナビキ」の項目通り、
香を楽しむ余裕が酒にあり、
渋みも僅かでバランスの良さを支えているように感じます。
「厚」と言う項目にチェックはないけれど、
文句のない厚みを携えていて、
薄っぺらな酒と飲み比べれば、
きっとそのお酒は水に感じられるだろう、
「芯」と繋がるしっかりとした酒の体が出来上がっていたと思いました。

口にしながら感じていたのは、
「熟成の妙」と言うこと、
まだ僕が見切ることが出来ていない感覚、
「今が飲み頃」と感じる呑み切りテクニック…
「この美味しさだからこそ、このお酒は今なんだ」と考えながら、
飲み進めていました。

思い起こすのは、
去年の「貴」の「純米吟醸・無濾過生原酒・山田錦」…
春の多摩独酌会では、
あまり良い印象を抱く事が出来ませんでした。
けれど、夏頃に東武デパ地下で、
試飲販売をする蔵元さんに会い、
試飲させて貰った所、
感動的なふくらみと味わいを持ったお酒に出会いました。

今回のお酒においては原型を知らないものの、
間違いなく素晴らしい熟成を今迎えている酒だと確信できました。





付けた点数は「4.6」…
ここ1-2年では特に高い点数となっています。
近い点数は、
「大信州」の
「仕込み35号・出品酒金賞受賞・瓶取り番号15番」が、
「☆4.5」ですね。
基本的な点数配分は「☆4.5-3.5」の“0.1”刻み。
実際には☆4.3以上は滅多に出ません。
最低限、☆4.5を超えるには、
よほど驚かないと、感動しないと付けられないと思っています。
とてもとても気に入りました。

ただ、翌日にウキウキして試してみると、
甘さと渋みがかなり前に出て来ており、
「☆3.7」くらいに感じました。
これは感動分の期待値含み…だと思います。

本当に一瞬、高く華やかに輝いたお酒でした。
ありがとうございました!


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