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2008年4月16日 (水)

夜の様な昼の中で、楽しく酒を飲もうぜ!(2008年4月13日・厨十兵衛)


厨十兵衛。

営業時間は18時から24時。

夜のみ営業、居酒屋さん、それが普通。

「 春だから…桜の季節だし、飲むか! 」

…と言う事で、
4月13日正午スタートのお酒の会が執り行われました。

いつも訪れる夜の時間。
カウンターに座れば、料理を造るIdさんが見える。
あぁ、いつもの光景だ。
仲間たちの笑顔、これもいつもの光景だ。

写真を撮ろうとする。

背から光が差し込む。


1 

本来ならば、ありえない数枚の写真。
昼の店内。

この写真を眺め、自然と頬がほころぶ、今。


【 厨十兵衛・春、桜花の宴 】


長野・舞姫“翠露”、
純米吟醸袋しぼり中汲み無濾過生原酒“備前雄町”、

お酒としてのクオリティが高く、芳しい。
「厨十兵衛」で見掛ける「翠露」は、
どれも美味しいけれど、これは特に良い出来に思えた。
特に香に特化した蔵ではないけれど、
香に特化した蔵の中に置いても対等に戦える、
キラキラした光のイメージ、その香と、
酒質の優しさが喉越しの良さに通じ、
滑る様で…
…とは言え、何もなく過ぎて行かない、
酒となりの素晴らしさ。

温度が上がって来ると、
やや匂いに変化が見られ、
好ましさが衰えてしまうけれど、
冷えている時分の美味しさは流石です。
 

 
長野・亀の世・純米無濾過生原酒…

“日の出工房”gomaさんのおみやげ酒。
島立にある「亀田屋酒造店」のお酒。
「亀の世」「アルプス正宗」などが主な銘柄ですね。
去年の秋の「長野酒メッセ」で試飲した時、
それまでの「長野っぽいお酒」のイメージよりも、
良い印象を持って帰って来ていましたが、
春のこの無濾過生原酒、更に良いです。驚きました。

長野系のお酒と言うよりも、
松本平で見掛ける機会が多い系統の味わい。
軽い米味が美味しく、
その甘さが飲み口の良さに通じ、
辛さが後味の良さ…キレとして、
後腐れのなさに通じているのだと確信できます。
酒、食中にあり。
その良さを味わうことの出来る1本でした。
 

 

【 厨十兵衛PB“拳二”吟醸生原酒 】2
久しぶりに飲んだ「拳二」…
熟成の雰囲気があるけれど、酒の体が沈んでいない。
感想のメモに「ウィスキーっぽい」と書くタイプのお酒。
「京都・蒼空」なんかを、
ぐっと濃く、強く…
もしか熟成させた「蒼空」がこんな雰囲気になるかも。
ナッツっぽい香の中に、
エッジ感…角の取れた円かな印象があり、
かつ、アルコールの上りが爽やかに全体を後押しする。
程好い癖があって、
それが飲み口、個性、料理との相性を考えさせます。

いつもある銘柄だからこそ、
頼む機会がなかなか無かったけれど、
これはこれで…またお願いするのも良いと思えました。

【 オードブル的なもの 】3
まずはここから!

どんどん食べ進んで行きます。
ぶりの照り焼きや、海老、いくらおろしの乗った鮭など。
いつものお通しよりも、断然贅沢♪

この日、
グラスはプラスチックカップ、
取り皿は紙製、
こうした料理皿もハイキング仕様、
桜を見に行く…それに近い雰囲気、ありますよね。

僕は花粉症なので、
あまり外で飲み食い…と言うことは出来ません。
数分は耐えられても、
その後、とんでもない事になります。
こうしてお花見気分を味わえる。
数年来、あり得ないことでした。

そう思うと、なんて幸せなんだろう。
お酒は美味しいし。
料理も美味しいし。

【 鶏肉の和風あんかけ的なもの 】4
これ、一周近隣を回ってお皿に取り残された分、かなり食べましたヨ。
一見、たまねぎの量からも
「甘酢がけ」「南蛮漬け」の様なものを想像しましたが、
いやいやどうして。
厨十兵衛メニュウ「肉豆ふ」の発展版…とも思えます。
餡はしっかり和ダシの効いたもの、
「甘酢がけ」的な甘さではなく、
ダシの利いた香のふくよかさが立つ甘さは、
心地好いものです。
そして、鶏肉は香ばしく焼き上げられたもの…
…だと思うのですが、素揚げとかなのかな…
今でこそ思いますが、
楽しくて、
お話とお酒に夢中で、
「あぁ、これ美味しいなぁ」と、
それ以上深く考えずに、
“ひょいぱく”と食べていたんですよね。
お肉に水分が抜けたような渇きも無く、
弾力もあって、鶏の匂いもちゃんとする。
ジューシーさ、脂は、
見事に餡と溶け合って旨い。

【 串揚げ的なもの 】5
至れり尽くせり。
これだけあると壮観!
メニュウにある「ひとくちカツのゴマだれソース」…
そして、おそらくお魚のフライ。

食べて驚いたのは、
揚げ物ってやっぱり香が違うなぁ…と言うこと。
実のところ、
普段、あまり揚げ物に触れる機会が無いので、
気付き難い…もしか食べる瞬間まで忘れがちなのですが、
発泡系のお酒を合わせたくなるように、
重くは無いけれど、
味は強いものですよね。

「拳二」や後に出て来る「十四代」の半年熟成酒などは、
その強さを上手に受け止めて、
味を引き立ててくれました。
「あ、揚げ物って美味しいなぁ」と思い、
「やっぱりお酒って美味しいなぁ」と喜ばせてくれます。

「揚げる」と言う「癖」と、
上手に付き合うと、こんなにも美味しいんだなぁ…と思う次第。

【 秋田・まんさくの花・純米吟醸生原酒 】6
Yaさんからのお土産。

Idさん曰く「これうめーなー…」…とのこと。
かなり気に入った様子。
下手に重さが無く、飲んでいて気持ち良い度量。
見た目は白さが濃さに見えなくも無いのですが、
発泡感があり、
何よりも舌に残っていかない…
雰囲気としても「辛口」の部類に属する飲み口、喉越し、余韻。
食べながら飲んで、ちょうど良いです。
そして、温度が上がってきても、くどくならない。
これもまた良い点。
メモには「酒っぽい」とあります。
高い吟醸系の香ではなく、
あくまでお酒らしい雰囲気のある、
それが良い日本酒でした。

…「まんさくの花らしい」と思います。
上手。

【 かつおのたたき的なもの 】7
これが出て来る直前、

串に刺さった生のかつおの身を見掛けました…
その場で炙り、カルパッチョ風に仕上げる!
この手間、嬉しいです!

【 豚汁的なもの 】8
この冬、厨十兵衛メニュウ「豚汁小鍋」で、

個人的なヒットを遂げた「豚汁」…
ここ最近、僕が遊びに行く際のメニュウに見掛けませんでしたが、
ここで再会できました。
この使い捨てのカップが、やっぱり「お花見」的ですよね。
おなかが温まります。
きっと外に持ち出すには、汁物ですし、たいへん。
あたたかく作っても、温度が保たれません。
こうして飲み、食べるからこそ出来ること。
具沢山で、いろんなものが満たされて行きます。

【 肉的なもの 】9

「ほいヨ、にく~」と言って出て来た「肉」…

何だか「久しぶり」ばかりで、
普段の自分の食生活が、
いかにラーメンに侵食されているかを実感するのですが、
こう言うお肉の食べ方、何ヶ月振りだか分かりませんヨ。
焼肉だって数年単位で行っていませんし、
特に牛肉、避けている訳ではありませんが、
とことん食べる機会が少ない食材の様に感じます。
豚は豚骨スープないし、
チャーシューで毎日のように摂取しているのに。

“久しぶり”…だからではないと思いますが、
旨いです。単純に旨い。
肉の味、肉の味が出たソースの味…おろしポン酢に近いのかなぁ…
噛み締めて旨いし、飲みの中盤、
やや疲れて来る所に、
肉肉しい強さ、重さがあると、
お酒で持ち上げても食べ疲れてしまうのですが、
そこは工夫と言うか、Idさんの腕なのか、
食べやすい雰囲気にまとめられていました。

【 山形・十四代・吟醸生詰18BY“吟撰” 】10
去年のものを熟成させていたそうです。
今回、バランスが最も良かったのはこれ。
香は「例の店」の大将が言うような、
「ふわぁ!」っと来る香はありませんが、
(そしてまた、かえって無い方が良かったと思える)
熟れ過ぎた感じが無く、全体的に酒が落ち着いた雰囲気。

味の隠れた優等生タイプ…と言う感覚で、
隠れた部分が適度に顔を出すので、
酒に色が付き、柔軟に様々な酒肴に対応してくれます。

【 フランスパンにチーズとメイプルシロップ 】11
見たままの一皿だけれど…

この時間帯、以下モルトも進んでいたため、
シンプルなこの一皿が、すごく嬉しかったです。
お腹いっぱいになっているのに、
何故か、これだと食べられるから不思議です。
気付けば手が伸びていた…そんな感覚。

パンとチーズ…は分かるとして、
やはり鍵はメイプルシロップにあり。
甘さがパンの乾いた雰囲気に合い、
チーズのほんの少しだけ感じる酸味を和らげて、
「パンの上にチーズで、
メイプルシロップを掛けただけ」なんだけれど、
誰もが手に取る酒肴になっていたと思います。
実際、これ…
皿の上が空になるのも早かったのではないでしょうか。

パンは焼いていない状態。
それも良かったのだ…と思われます。

 

 

【 BANFF 1974 / Gordon&Macphail Connoisseurs Choise / Scotch 】12
kenchieさんからのお土産。
ボトルを見た瞬間、
「なんてものを!!」…と思うほど、
希少な類のモルト。

香り高く「美しい」と感じます。
あまり高く印象に残りやすい香は「派手」であり、
それもまた美味しいのだけれど、
想像力も働くのだけれど、
「美しい」と感じるには、
相応の落ち着きある香でなくては…と思います。
ため息をつく余裕を与えてくれる、香の美味しさ。

「 問答無用 」

…メモを見ると、そう書き残してあります。
バランスの良さ、味の旨さが、
ある既存の一定領域外にあり、
まとまりある存在感は、
眺めるボトルを神々しいとさえ思わせます。
ぐぅの音も出ない、問答無用の品質。
素晴らしいです。
こうした時、いかに自分が「減算」基本に、
酒を試飲しているか分かるのですが、
マイナスに取る部分が本当に無いのですね。
気になる部分が存在しない。

余韻は出来立て30秒程度のクリームのようです。
ホイップしたてのクリームは、
口解けの良さが、その特徴。
優しく舌の上で融ける様に、
ふんわり、すぅっと心地好く余韻を楽しませてくれます。

口の中の幸福感、この説得力、スゴイです。

土壌、手のぬくもりが移った時間、
ため息、口づけの直前、その一呼吸…
そうした情景を思い浮かべます。

風景よりも、人のぬくもり…ですね。
それを思わせるモルト。

【 Glenugie 1976 / Signatory Vintage / Scotch 】13
これもまた…いまや存在しない、

シグナトリー社「ビンテージ」シリーズの旧ラベル。
以前、
長野の「Bar regalo」で、
同様のラベルの「Royal Blackra」を頂いていますが、
素晴らしい品質のボトル…と記憶していて、
これを見るだけでときめきます。

「バンフ」よりも更に地に足がしっかり根付いた感覚。
それは「味がしっかりしている」と言うよりも、
落ち着いている…
香との融合ある落ち着き…「バンフ」とは違う、
また別の世界、別の落ち着きを持つ雰囲気でした。
けれど、気高く自分の時間を持っていて、
ちゃんと存在を記憶に落として行く感じ。

正座で身を硬くして飲むよりは、
縁側胡坐で、
そう、桜でも見ながら空を見ながら、
染み込むモルトにゆっくり時間を費やしたい、
そんなイメージを浮かべました。
 
 


 

さて。

所用があり、少し早めに厨十兵衛を出ました。
写真に収め忘れましたが、
「オムそば」も登場し、実に贅沢な時間を過ごしました!
Idさん、一緒に楽しんだ皆々様!
本当にありがとうございます!!

実は所要を済ませた後、
実家に戻ってきていた弟と「WaterLoo」に向かい、
再び、“92の扉”kuniさん、
“日の出工房”gomaさん夫妻と出会っていたりします。

たっぷりお酒を楽しんだ休日!
幸せでした!


【 萩焼、庭の梅の木 】 14
Yoさん夫妻から頂いた萩焼のぐい呑み。

ありがとうございます。
大切に使わせていただきます!

せっかくなので庭の木と1枚、写真を撮りました。

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コメント

潰れることなく過ごせて楽しかったですね。

昼の十兵衛さんも良いものでした。

投稿: YA | 2008年4月17日 (木) 00時10分

みんな元気に最後まで完走した…と聞きましたヨ。
素晴らしい♪
楽しい空間でした。

桜、お酒、共に楽しめました!
ありがとうございましたっ。

投稿: SOJA | 2008年4月17日 (木) 05時36分

すっかり遅くなってしまいましたが、トラックバックをお持ちしました。

いろいろ贅沢な&楽しい時間でしたね!

世の中、楽しいことばかりではありませんが、それだけに、こうした貴重な時間を、これからもしっかり堪能していきたいものです。

投稿: kuni@92の扉 | 2008年4月20日 (日) 19時19分

ありがとうございますっ!
早速こちらからもトラックバック、お願いしました!

本当に大切な時間です。
大切にしていきたい時間でした。
いろんな事が起きたりしますけれど、
でも、
その「いろんな事」の中には、
こうした大切な時間も詰まっている訳で。
元気にやって行きたいですねぇ。

投稿: SOJA | 2008年4月21日 (月) 12時25分

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受信: 2008年4月20日 (日) 19時12分

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